2013年の韓国映画情報の最後ということで、総括編です。
まず、我田引水で<★2013年 ヌルボの個人的映画ベスト10>は→コチラ。
その中で、私ヌルボが観た韓国映画のトップに挙げたのは全体では5位の「嘆きのピエタ」。好きな映画じゃないんだけど・・・と言いつつランクに入れたのは初めてかも。
次に、韓国映画振興院のサイト(→コチラ)による<2013年の韓国映画観客動員数のベスト10>。
①7番房の奇跡(7번방의 선물) 1280万人 ②スノーピアサー(설국열차) 934万人 ③観相(관상) 913万人 ④ベルリン(베를린) 715万人 ⑤隠密に偉大に(은밀하게 위대하게) 695万人 ⑥かくれんぼ(숨바꼭질) 560万人 ⑦ザ・テロ・ライブ(더 테러 라이브)557万人 ⑧監視者たち(감시자들) 550万人 ⑨新しき世界(신세계) 467万人 ⑩結界の男(박수건달) 389万人
ちなみに、アメリカ映画はヒット作に乏しく、上記ベスト10クラスは「アイアンマン3」の900万人と「ワールド・ウォーZ」の523万人くらいなものでした。
2013年の韓国映画についてメディアの評を見ると、「「ザ・テロ・ライブ」等、抑圧された者の既得権者に対する要求が表現されている作品がめだつ」というものを多く見かけました。たとえば→コチラだと「スノーピアサー」はグローバル化による両極化の深化、「7番房の奇跡」もマイナーの反乱なのだそうです。
次に、韓国の映画誌「シネ21」の公式サイト(→コチラ)
から。
まずその1は<今年の韓国映画10選>(→コチラ。) 選定結果だけ紹介。
①誰の娘でもないヘウォン(누구의 딸도 아닌 해원) ②チスル - 終わらない歳月(지슬: 끝나지 않은 세월2) ③ウリ・ソニ(우리 선희.われらのソニ) ④スノーピアサー(설국열차) ⑤風景(풍경) ⑥ベルリン(베를린) ⑦新世界(신세계)⑧ロシア小説(러시안 소설) ⑨悲念(비념) ⑩ザ・テロ・ライブ(더 테러 라이브) ⑩監視者たち(감시자들) ⑩サイビ(사이비.似而非)
・・・⑨悲念(비념)は、済州島の過去の4.3事件と現在の海軍基地問題をからめた(?)ドキュメンタリー。これ以外の10作品は本ブログで紹介しました。
「シネ21」のその2は<今年の映画人>(→コチラ。) シナリオ、技術スタッフ等は略します。
○監督=ポン・ジュノ(봉준호)「スノーピアサー」 ○男優=ソン・ガンホ(송강호)「スノーピアサー」「観相」「弁護人(변호인)」 ○女優=チョン・ユミ(정유미)「ウリ・ソニ」 ○新人女優=チョン・ウンチェ(정은채)「誰の娘でもないヘウォン」 ○新人男優=ヨ・ジング여진구「ファイ 悪魔に育てられた少年(화이: 괴물을 삼킨 아이)」 ○新人監督=キム・ビョンウ(김병우)「ザ・テロ・ライブ」
★★★ Daumの人気順位(12月30日現在上映中映画) ★★★
【ネチズンによる順位】
①弁護人(韓国) 9.5(23185)
②八月のクリスマス(韓国) 9.5(538)
③メタリカ・スルー・ザ・ネヴァー 9.2(44)
④サンダーと魔法の屋敷 9.2(20)
⑤道の上で(韓国) 9.2(66)
⑥完全に大切な愛(韓国) 9.2(190)
⑦アンニョン?! オーケストラ(韓国) 9.1(25)
⑧あまり者たちのヒッチハイキング(韓国) 9.1(50)
⑨エンダーのゲーム 9.1(128)
⑩ラブ・アクチュアリー 9.0(615)
④「サンダーと魔法の屋敷」と⑨「エンダーのゲーム」が新登場。ともに後述します。
①「弁護人」のケタ外れの(23185)という数字について。盧武鉉元大統領がモデルというこの映画の支持層は当然進歩陣営。これに対して保守の側の掲示板サイト<日刊ベスト貯蔵所(일간베스트저장소)>略称イルベ(일베)(→コチラ)が「評点テロ」を呼びかけ、一時は1~2点という極端に低い点になっていたそうです。その後そんな「テロ」に対する反発と作品自体への高評価によって逆にこのレベルまで達したということです。DAUMの評点欄(→コチラ)を見てみると、ほとんど10点のオンパレード。こんなのは初めて見ましたわー。
この映画についていろんな記事がある中で私ヌルボが注目したのが→コチラ。
(自動翻訳は→コチラ。) 大ヒットの一因として「今の朴槿恵政権によるスト弾圧等が80年代と重なる」とか、タイトルがなぜ「弁護士」ではなく「弁護人」なのかというと、ソン•ガンホは「たんに資格を有する(or金を稼ぐ)職業人の弁護士ではなく、人権を重視して法律的な助けを与える弁護人として生まれ変わる過程を演じたのだから」等々ということです。
【専門家による順位】
①蜂蜜 8.5(2)
①楽園の瑕 8.5(2)
③ゼロ・グラビティ 8.2(5)
④17歳 8.0(3)
⑤グロリアの青春 7.7(4)
⑤風景(韓国) 7.7(4)
⑦そして父になる(日本) 7.6(6)
⑦ある過去の行方 7.6(6)
⑨恋するリベラーチェ 7.6(3)
⑨イントゥギ(韓国) 7.6(3)
新登場は⑦「ある過去の行方」だけです。2011年度アカデミー賞外国語映画賞、ベルリン国際映画祭金熊賞などを獲得したイラン映画「別離」のアスガー・ファルハディ監督によるフランス映画。あら、<DAUM映画>ではイラン映画になってるゾ。イラン人の夫アフマドと別れて4年。シングルマザーのフランス人女性マリーは、新しい恋人のサミールとの生活を始めていた。マリーの2人の娘もサミールの息子も同居。しかし結婚するには正式な離婚手続きを済ませる必要があるので、アフマドをイランからパリに呼び寄せます。ところが、アフマドが見たマリーたちの新家庭にはどこか不穏な空気が流れているのです。長女のリュシーとの関係がうまくいっていないというマリーに頼まれて、アフマドはリュシーの話を聞くことになるのですが・・・。マリー役のベレニス・ベジョは2013年のカンヌ映画祭で女優賞を受賞。韓国題は「아무도 머물지 않았다(誰も留まらなかった)」。日本公開は2014年4月です。
★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[12月27日(金)~29日(日)] ★★★
「弁護人」の勢い止まらず、連続トップ
【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・・週末観客動員数・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・弁護人(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・12/18 ・・・・・・・・・・1,504,727 ・・・・・・・4,896,804・・・・・・・35,471・・・・・・・・911
2(11)・・容疑者(韓国) ・・・・・・・・・・・・・12/24 ・・・・・・・・・・・・801,200 ・・・・・・・1,825,733・・・・・・・13,200・・・・・・・・800
3(3)・・アバウト・タイム・・・・・・・・・・・・・12/05 ・・・・・・・・・・・・258,617 ・・・・・・・2,730,776・・・・・・・20,029・・・・・・・・387
4(24)・・サンダーと魔法の屋敷 ・・・・・12/24・・・・・・・・・・・・181,503 ・・・・・・・・・344,705・・・・・・・・2,372・・・・・・・・422
5(2)・・ホビット 竜に奪われた王国・・・12/12・・・・・・・・・・・・165,804 ・・・・・・・2,048,566・・・・・・・16,038・・・・・・・・303
6(4)・・家に帰る道(韓国) ・・・・・・・・・・・12/11・・・・・・・・・・・・122,257・・・・・・・・1,718,085・・・・・・・12,065・・・・・・・・352
7(6)・・ウォーキング with ダイナソー・・12/19・・・・・・・・・・・・・97,531 ・・・・・・・・・463,367・・・・・・・・3,802・・・・・・・・360
8(5)・・キャッチ・ミー(韓国) ・・・・・・・・・12/18・・・・・・・・・・・・・・46,195 ・・・・・・・・・467,848・・・・・・・・3,209・・・・・・・・319
9(7)・・プレーンズ ・・・・・・・・・・・・・・・・・12/19・・・・・・・・・・・・・・36,174 ・・・・・・・・・193,121 ・・・・・・・1,384・・・・・・・・213
10(新)・・エンターのゲーム ・・・・・・・・・12/31 ・・・・・・・・・・・・・32,033・・・・・・・・・・・38,348 ・・・・・・・・・291・・・・・・・・176
※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。
2・4・10位の3作品が新登場です。
2位「容疑者」はコン・ユの「トガニ」以降2年ぶりのスクリーン復帰作。今回はアクションか。元北朝鮮特殊部隊の特殊要員だったチ・ドンチョル役って、また北朝鮮がらみか。「ベルリン」以下2013年はずいぶんあったな。自分の妻と娘を殺された過去があり、その犯人を見つけて復讐するため韓国にやってきて代行タクシーをやっている。ところが唯一、会っていた大企業のパク会長が暗殺され、その濡れ衣を着せられて警察から追われることに。その上北のスパイたちにも追われるとはややこしい。そんな中で敵を追いつめようってんだからねー。アクションはけっこうすごいみたいですよ。カーアクションとか、えっ、北朝鮮には<主体撃術>なんて格闘技があるのか!? ウィキペディアにはありますね。
※YouTobeにあるというのでいくつか見てみましたが、→コレなんかは空手+中国雑技団(?)みたいな感じで、あまり独自性はみられないようですけど・・・。他の出演俳優の中では「短い記憶(原題:へファ、ドン)」の若手女優ユ・ダインが事件の真実を暴こうとするプロデューサー役とのこと。この映画、「弁護人」より早いスピードで観客動員数100万人を突破したそうですが、ちょっと追い越すのはムリでしょ。原題は「용의자」です。
4位「サンダーと魔法の屋敷」はベルギー製のアドベンチャー・アニメ。道に迷ったネコのサンダー。雨宿りのためたまたま忍び込んだ古い屋敷で、動物の家族たちに昔話を聞かせてやっている魔術師ローレンスじいさんに出会い、新しい家族として受け入れてもらいます。しかし屋敷のヌシ格のウサギのジャックとネズミのマギーはサンダーを認めずいやがらせを続け、それをサンダーが避けようとして誤ってローレンスじいさんの運転を妨害して事故を起こしてしまい、ついにはローレンスの甥のダニエルが所有者不在となった屋敷を売り払おうと画策・・・。はたしてサンダーはおじいさんの魔法の屋敷を守れるか? ・・・というお話。ますますネコの時代ですなー。韓国題は「썬더와 마법저택(サンダーと魔法邸宅)」。
10位「エンダーのゲーム」は、ヒューゴー賞とネビュラ賞をダブル受賞したオースン・スコット・カードのSF小説(早川文庫)が原作。映画完成までいろいろ紆余曲折があったようですね。日本公開は2014年1月18日で、すでに諸情報が流されています。原作超えはむずかしいと思うのですが、韓国のネチズン平均評点は8.8とけっこう高いです。韓国題は「엔더스 게임」。
【多様性映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(61)・・そして父になる(日本) ・・・・・・・・・・・12/19 ・・・・・・・・・・・・11,740 ・・・・・・・・・・・・・・42,753・・・・・・・・・・324 ・・・・・・・・・40
2(15)・・ある過去の行方 ・・・・・・・・・・・・・・・・12/26 ・・・・・・・・・・・・・2,590・・・・・・・・・・・・・・・・4,607・・・・・・・・・・・35 ・・・・・・・・・26
3(2)・・プロミスト・ランド・・・・・・・・・・・・・・・・・・12/12 ・・・・・・・・・・・・・2,373 ・・・・・・・・・・・・・・21,472・・・・・・・・・・160 ・・・・・・・・・26
4(新)・・戦場にかける橋・・・・・・・・・・・1981/04/10・・・・・・・・・・・・・・2,033 ・・・・・・・・・・・・・・・6,734・・・・・・・・・・・13 ・・・・・・・・・・1
5(3)・・私はロランス・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12/19・・・・・・・・・・・・・・1,668 ・・・・・・・・・・・・・・・8,506・・・・・・・・・・・66 ・・・・・・・・・24
2・4位が新登場です。
2位「ある過去の行方」は上述しました。
4位「戦場にかける橋」は、いうまでもなく1957 年公開の名作の再上映。韓国題は「콰이강의 다리」です。
わー、たくさん書きすぎましたねー。
ではここまで読んでくださった皆さん、よいお年を!
(もう年が明けていたら、今年もよろしく!)
まず、我田引水で<★2013年 ヌルボの個人的映画ベスト10>は→コチラ。
その中で、私ヌルボが観た韓国映画のトップに挙げたのは全体では5位の「嘆きのピエタ」。好きな映画じゃないんだけど・・・と言いつつランクに入れたのは初めてかも。
次に、韓国映画振興院のサイト(→コチラ)による<2013年の韓国映画観客動員数のベスト10>。
①7番房の奇跡(7번방의 선물) 1280万人 ②スノーピアサー(설국열차) 934万人 ③観相(관상) 913万人 ④ベルリン(베를린) 715万人 ⑤隠密に偉大に(은밀하게 위대하게) 695万人 ⑥かくれんぼ(숨바꼭질) 560万人 ⑦ザ・テロ・ライブ(더 테러 라이브)557万人 ⑧監視者たち(감시자들) 550万人 ⑨新しき世界(신세계) 467万人 ⑩結界の男(박수건달) 389万人
ちなみに、アメリカ映画はヒット作に乏しく、上記ベスト10クラスは「アイアンマン3」の900万人と「ワールド・ウォーZ」の523万人くらいなものでした。
2013年の韓国映画についてメディアの評を見ると、「「ザ・テロ・ライブ」等、抑圧された者の既得権者に対する要求が表現されている作品がめだつ」というものを多く見かけました。たとえば→コチラだと「スノーピアサー」はグローバル化による両極化の深化、「7番房の奇跡」もマイナーの反乱なのだそうです。
次に、韓国の映画誌「シネ21」の公式サイト(→コチラ)
から。
まずその1は<今年の韓国映画10選>(→コチラ。) 選定結果だけ紹介。
①誰の娘でもないヘウォン(누구의 딸도 아닌 해원) ②チスル - 終わらない歳月(지슬: 끝나지 않은 세월2) ③ウリ・ソニ(우리 선희.われらのソニ) ④スノーピアサー(설국열차) ⑤風景(풍경) ⑥ベルリン(베를린) ⑦新世界(신세계)⑧ロシア小説(러시안 소설) ⑨悲念(비념) ⑩ザ・テロ・ライブ(더 테러 라이브) ⑩監視者たち(감시자들) ⑩サイビ(사이비.似而非)
・・・⑨悲念(비념)は、済州島の過去の4.3事件と現在の海軍基地問題をからめた(?)ドキュメンタリー。これ以外の10作品は本ブログで紹介しました。
「シネ21」のその2は<今年の映画人>(→コチラ。) シナリオ、技術スタッフ等は略します。
○監督=ポン・ジュノ(봉준호)「スノーピアサー」 ○男優=ソン・ガンホ(송강호)「スノーピアサー」「観相」「弁護人(변호인)」 ○女優=チョン・ユミ(정유미)「ウリ・ソニ」 ○新人女優=チョン・ウンチェ(정은채)「誰の娘でもないヘウォン」 ○新人男優=ヨ・ジング여진구「ファイ 悪魔に育てられた少年(화이: 괴물을 삼킨 아이)」 ○新人監督=キム・ビョンウ(김병우)「ザ・テロ・ライブ」
★★★ Daumの人気順位(12月30日現在上映中映画) ★★★
【ネチズンによる順位】
①弁護人(韓国) 9.5(23185)
②八月のクリスマス(韓国) 9.5(538)
③メタリカ・スルー・ザ・ネヴァー 9.2(44)
④サンダーと魔法の屋敷 9.2(20)
⑤道の上で(韓国) 9.2(66)
⑥完全に大切な愛(韓国) 9.2(190)
⑦アンニョン?! オーケストラ(韓国) 9.1(25)
⑧あまり者たちのヒッチハイキング(韓国) 9.1(50)
⑨エンダーのゲーム 9.1(128)
⑩ラブ・アクチュアリー 9.0(615)
④「サンダーと魔法の屋敷」と⑨「エンダーのゲーム」が新登場。ともに後述します。
①「弁護人」のケタ外れの(23185)という数字について。盧武鉉元大統領がモデルというこの映画の支持層は当然進歩陣営。これに対して保守の側の掲示板サイト<日刊ベスト貯蔵所(일간베스트저장소)>略称イルベ(일베)(→コチラ)が「評点テロ」を呼びかけ、一時は1~2点という極端に低い点になっていたそうです。その後そんな「テロ」に対する反発と作品自体への高評価によって逆にこのレベルまで達したということです。DAUMの評点欄(→コチラ)を見てみると、ほとんど10点のオンパレード。こんなのは初めて見ましたわー。
この映画についていろんな記事がある中で私ヌルボが注目したのが→コチラ。
(自動翻訳は→コチラ。) 大ヒットの一因として「今の朴槿恵政権によるスト弾圧等が80年代と重なる」とか、タイトルがなぜ「弁護士」ではなく「弁護人」なのかというと、ソン•ガンホは「たんに資格を有する(or金を稼ぐ)職業人の弁護士ではなく、人権を重視して法律的な助けを与える弁護人として生まれ変わる過程を演じたのだから」等々ということです。
【専門家による順位】
①蜂蜜 8.5(2)
①楽園の瑕 8.5(2)
③ゼロ・グラビティ 8.2(5)
④17歳 8.0(3)
⑤グロリアの青春 7.7(4)
⑤風景(韓国) 7.7(4)
⑦そして父になる(日本) 7.6(6)
⑦ある過去の行方 7.6(6)
⑨恋するリベラーチェ 7.6(3)
⑨イントゥギ(韓国) 7.6(3)
新登場は⑦「ある過去の行方」だけです。2011年度アカデミー賞外国語映画賞、ベルリン国際映画祭金熊賞などを獲得したイラン映画「別離」のアスガー・ファルハディ監督によるフランス映画。あら、<DAUM映画>ではイラン映画になってるゾ。イラン人の夫アフマドと別れて4年。シングルマザーのフランス人女性マリーは、新しい恋人のサミールとの生活を始めていた。マリーの2人の娘もサミールの息子も同居。しかし結婚するには正式な離婚手続きを済ませる必要があるので、アフマドをイランからパリに呼び寄せます。ところが、アフマドが見たマリーたちの新家庭にはどこか不穏な空気が流れているのです。長女のリュシーとの関係がうまくいっていないというマリーに頼まれて、アフマドはリュシーの話を聞くことになるのですが・・・。マリー役のベレニス・ベジョは2013年のカンヌ映画祭で女優賞を受賞。韓国題は「아무도 머물지 않았다(誰も留まらなかった)」。日本公開は2014年4月です。
★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[12月27日(金)~29日(日)] ★★★
「弁護人」の勢い止まらず、連続トップ
【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・・週末観客動員数・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・弁護人(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・12/18 ・・・・・・・・・・1,504,727 ・・・・・・・4,896,804・・・・・・・35,471・・・・・・・・911
2(11)・・容疑者(韓国) ・・・・・・・・・・・・・12/24 ・・・・・・・・・・・・801,200 ・・・・・・・1,825,733・・・・・・・13,200・・・・・・・・800
3(3)・・アバウト・タイム・・・・・・・・・・・・・12/05 ・・・・・・・・・・・・258,617 ・・・・・・・2,730,776・・・・・・・20,029・・・・・・・・387
4(24)・・サンダーと魔法の屋敷 ・・・・・12/24・・・・・・・・・・・・181,503 ・・・・・・・・・344,705・・・・・・・・2,372・・・・・・・・422
5(2)・・ホビット 竜に奪われた王国・・・12/12・・・・・・・・・・・・165,804 ・・・・・・・2,048,566・・・・・・・16,038・・・・・・・・303
6(4)・・家に帰る道(韓国) ・・・・・・・・・・・12/11・・・・・・・・・・・・122,257・・・・・・・・1,718,085・・・・・・・12,065・・・・・・・・352
7(6)・・ウォーキング with ダイナソー・・12/19・・・・・・・・・・・・・97,531 ・・・・・・・・・463,367・・・・・・・・3,802・・・・・・・・360
8(5)・・キャッチ・ミー(韓国) ・・・・・・・・・12/18・・・・・・・・・・・・・・46,195 ・・・・・・・・・467,848・・・・・・・・3,209・・・・・・・・319
9(7)・・プレーンズ ・・・・・・・・・・・・・・・・・12/19・・・・・・・・・・・・・・36,174 ・・・・・・・・・193,121 ・・・・・・・1,384・・・・・・・・213
10(新)・・エンターのゲーム ・・・・・・・・・12/31 ・・・・・・・・・・・・・32,033・・・・・・・・・・・38,348 ・・・・・・・・・291・・・・・・・・176
※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。
2・4・10位の3作品が新登場です。
2位「容疑者」はコン・ユの「トガニ」以降2年ぶりのスクリーン復帰作。今回はアクションか。元北朝鮮特殊部隊の特殊要員だったチ・ドンチョル役って、また北朝鮮がらみか。「ベルリン」以下2013年はずいぶんあったな。自分の妻と娘を殺された過去があり、その犯人を見つけて復讐するため韓国にやってきて代行タクシーをやっている。ところが唯一、会っていた大企業のパク会長が暗殺され、その濡れ衣を着せられて警察から追われることに。その上北のスパイたちにも追われるとはややこしい。そんな中で敵を追いつめようってんだからねー。アクションはけっこうすごいみたいですよ。カーアクションとか、えっ、北朝鮮には<主体撃術>なんて格闘技があるのか!? ウィキペディアにはありますね。
※YouTobeにあるというのでいくつか見てみましたが、→コレなんかは空手+中国雑技団(?)みたいな感じで、あまり独自性はみられないようですけど・・・。他の出演俳優の中では「短い記憶(原題:へファ、ドン)」の若手女優ユ・ダインが事件の真実を暴こうとするプロデューサー役とのこと。この映画、「弁護人」より早いスピードで観客動員数100万人を突破したそうですが、ちょっと追い越すのはムリでしょ。原題は「용의자」です。
4位「サンダーと魔法の屋敷」はベルギー製のアドベンチャー・アニメ。道に迷ったネコのサンダー。雨宿りのためたまたま忍び込んだ古い屋敷で、動物の家族たちに昔話を聞かせてやっている魔術師ローレンスじいさんに出会い、新しい家族として受け入れてもらいます。しかし屋敷のヌシ格のウサギのジャックとネズミのマギーはサンダーを認めずいやがらせを続け、それをサンダーが避けようとして誤ってローレンスじいさんの運転を妨害して事故を起こしてしまい、ついにはローレンスの甥のダニエルが所有者不在となった屋敷を売り払おうと画策・・・。はたしてサンダーはおじいさんの魔法の屋敷を守れるか? ・・・というお話。ますますネコの時代ですなー。韓国題は「썬더와 마법저택(サンダーと魔法邸宅)」。
10位「エンダーのゲーム」は、ヒューゴー賞とネビュラ賞をダブル受賞したオースン・スコット・カードのSF小説(早川文庫)が原作。映画完成までいろいろ紆余曲折があったようですね。日本公開は2014年1月18日で、すでに諸情報が流されています。原作超えはむずかしいと思うのですが、韓国のネチズン平均評点は8.8とけっこう高いです。韓国題は「엔더스 게임」。
【多様性映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(61)・・そして父になる(日本) ・・・・・・・・・・・12/19 ・・・・・・・・・・・・11,740 ・・・・・・・・・・・・・・42,753・・・・・・・・・・324 ・・・・・・・・・40
2(15)・・ある過去の行方 ・・・・・・・・・・・・・・・・12/26 ・・・・・・・・・・・・・2,590・・・・・・・・・・・・・・・・4,607・・・・・・・・・・・35 ・・・・・・・・・26
3(2)・・プロミスト・ランド・・・・・・・・・・・・・・・・・・12/12 ・・・・・・・・・・・・・2,373 ・・・・・・・・・・・・・・21,472・・・・・・・・・・160 ・・・・・・・・・26
4(新)・・戦場にかける橋・・・・・・・・・・・1981/04/10・・・・・・・・・・・・・・2,033 ・・・・・・・・・・・・・・・6,734・・・・・・・・・・・13 ・・・・・・・・・・1
5(3)・・私はロランス・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12/19・・・・・・・・・・・・・・1,668 ・・・・・・・・・・・・・・・8,506・・・・・・・・・・・66 ・・・・・・・・・24
2・4位が新登場です。
2位「ある過去の行方」は上述しました。
4位「戦場にかける橋」は、いうまでもなく1957 年公開の名作の再上映。韓国題は「콰이강의 다리」です。
わー、たくさん書きすぎましたねー。
ではここまで読んでくださった皆さん、よいお年を!
(もう年が明けていたら、今年もよろしく!)