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ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

①韓国文学②韓国漫画③韓国のメディア観察④韓国語いろいろ⑤韓国映画⑥韓国の歴史・社会⑦韓国・朝鮮関係の本⑧韓国旅行の記録

韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績 [12月27日(金)~29日(日)]

2013-12-31 22:19:52 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 2013年の韓国映画情報の最後ということで、総括編です。
 まず、我田引水で<★2013年 ヌルボの個人的映画ベスト10>は→コチラ
 その中で、私ヌルボが観た韓国映画のトップに挙げたのは全体では5位の「嘆きのピエタ」。好きな映画じゃないんだけど・・・と言いつつランクに入れたのは初めてかも。

 次に、韓国映画振興院のサイト(→コチラ)による<2013年の韓国映画観客動員数のベスト10>
①7番房の奇跡(7번방의 선물) 1280万人 ②スノーピアサー(설국열차) 934万人 ③観相(관상) 913万人 ④ベルリン(베를린) 715万人 ⑤隠密に偉大に(은밀하게 위대하게) 695万人 ⑥かくれんぼ(숨바꼭질) 560万人 ⑦ザ・テロ・ライブ(더 테러 라이브)557万人 ⑧監視者たち(감시자들) 550万人 ⑨新しき世界(신세계) 467万人 ⑩結界の男(박수건달) 389万人
 ちなみに、アメリカ映画はヒット作に乏しく、上記ベスト10クラスは「アイアンマン3」の900万人と「ワールド・ウォーZ」の523万人くらいなものでした。
 2013年の韓国映画についてメディアの評を見ると、「「ザ・テロ・ライブ」等、抑圧された者の既得権者に対する要求が表現されている作品がめだつ」というものを多く見かけました。たとえば→コチラだと「スノーピアサー」はグローバル化による両極化の深化、「7番房の奇跡」もマイナーの反乱なのだそうです。

 次に、韓国の映画誌「シネ21」の公式サイト(→コチラ)
から。
 まずその1は<今年の韓国映画10選>(→コチラ。) 選定結果だけ紹介。
①誰の娘でもないヘウォン(누구의 딸도 아닌 해원) ②チスル - 終わらない歳月(지슬: 끝나지 않은 세월2) ③ウリ・ソニ(우리 선희.われらのソニ) ④スノーピアサー(설국열차) ⑤風景(풍경) ⑥ベルリン(베를린) ⑦新世界(신세계)⑧ロシア小説(러시안 소설) ⑨悲念(비념) ⑩ザ・テロ・ライブ(더 테러 라이브) ⑩監視者たち(감시자들) ⑩サイビ(사이비.似而非)
 ・・・⑨悲念(비념)は、済州島の過去の4.3事件と現在の海軍基地問題をからめた(?)ドキュメンタリー。これ以外の10作品は本ブログで紹介しました。
 「シネ21」のその2は<今年の映画人>(→コチラ。) シナリオ、技術スタッフ等は略します。
○監督=ポン・ジュノ(봉준호)「スノーピアサー」 ○男優=ソン・ガンホ(송강호)「スノーピアサー」「観相」「弁護人(변호인)」 ○女優=チョン・ユミ(정유미)「ウリ・ソニ」 ○新人女優=チョン・ウンチェ(정은채)「誰の娘でもないヘウォン」 ○新人男優=ヨ・ジング여진구「ファイ 悪魔に育てられた少年(화이: 괴물을 삼킨 아이)」 ○新人監督=キム・ビョンウ(김병우)「ザ・テロ・ライブ」

           ★★★ Daumの人気順位(12月30日現在上映中映画) ★★★

【ネチズンによる順位】

①弁護人(韓国)  9.5(23185)
②八月のクリスマス(韓国)  9.5(538)
③メタリカ・スルー・ザ・ネヴァー  9.2(44)
④サンダーと魔法の屋敷  9.2(20)
⑤道の上で(韓国)  9.2(66)
⑥完全に大切な愛(韓国)  9.2(190)
⑦アンニョン?! オーケストラ(韓国)  9.1(25)
⑧あまり者たちのヒッチハイキング(韓国)  9.1(50)
⑨エンダーのゲーム  9.1(128)
⑩ラブ・アクチュアリー  9.0(615)

 ④「サンダーと魔法の屋敷」と⑨「エンダーのゲーム」が新登場。ともに後述します。
 ①「弁護人」のケタ外れの(23185)という数字について。盧武鉉元大統領がモデルというこの映画の支持層は当然進歩陣営。これに対して保守の側の掲示板サイト<日刊ベスト貯蔵所(일간베스트저장소)>略称イルベ(일베)(→コチラ)が「評点テロ」を呼びかけ、一時は1~2点という極端に低い点になっていたそうです。その後そんな「テロ」に対する反発と作品自体への高評価によって逆にこのレベルまで達したということです。DAUMの評点欄(→コチラ)を見てみると、ほとんど10点のオンパレード。こんなのは初めて見ましたわー。
 この映画についていろんな記事がある中で私ヌルボが注目したのが→コチラ
(自動翻訳は→コチラ。) 大ヒットの一因として「今の朴槿恵政権によるスト弾圧等が80年代と重なる」とか、タイトルがなぜ「弁護士」ではなく「弁護人」なのかというと、ソン•ガンホは「たんに資格を有する(or金を稼ぐ)職業人の弁護士ではなく、人権を重視して法律的な助けを与える弁護人として生まれ変わる過程を演じたのだから」等々ということです。

【専門家による順位】

①蜂蜜  8.5(2)
①楽園の瑕  8.5(2)
③ゼロ・グラビティ  8.2(5)
④17歳  8.0(3)
⑤グロリアの青春  7.7(4)
⑤風景(韓国)  7.7(4)
⑦そして父になる(日本)  7.6(6)
⑦ある過去の行方  7.6(6)
⑨恋するリベラーチェ  7.6(3)
⑨イントゥギ(韓国)  7.6(3)

 新登場は⑦「ある過去の行方」だけです。2011年度アカデミー賞外国語映画賞、ベルリン国際映画祭金熊賞などを獲得したイラン映画「別離」のアスガー・ファルハディ監督によるフランス映画。あら、<DAUM映画>ではイラン映画になってるゾ。イラン人の夫アフマドと別れて4年。シングルマザーのフランス人女性マリーは、新しい恋人のサミールとの生活を始めていた。マリーの2人の娘もサミールの息子も同居。しかし結婚するには正式な離婚手続きを済ませる必要があるので、アフマドをイランからパリに呼び寄せます。ところが、アフマドが見たマリーたちの新家庭にはどこか不穏な空気が流れているのです。長女のリュシーとの関係がうまくいっていないというマリーに頼まれて、アフマドはリュシーの話を聞くことになるのですが・・・。マリー役のベレニス・ベジョは2013年のカンヌ映画祭で女優賞を受賞。韓国題は「아무도 머물지 않았다(誰も留まらなかった)」。日本公開は2014年4月です。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[12月27日(金)~29日(日)] ★★★

         「弁護人」の勢い止まらず、連続トップ

【全体】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・・週末観客動員数・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・弁護人(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・12/18 ・・・・・・・・・・1,504,727 ・・・・・・・4,896,804・・・・・・・35,471・・・・・・・・911
2(11)・・容疑者(韓国) ・・・・・・・・・・・・・12/24 ・・・・・・・・・・・・801,200 ・・・・・・・1,825,733・・・・・・・13,200・・・・・・・・800
3(3)・・アバウト・タイム・・・・・・・・・・・・・12/05 ・・・・・・・・・・・・258,617 ・・・・・・・2,730,776・・・・・・・20,029・・・・・・・・387
4(24)・・サンダーと魔法の屋敷 ・・・・・12/24・・・・・・・・・・・・181,503 ・・・・・・・・・344,705・・・・・・・・2,372・・・・・・・・422
5(2)・・ホビット 竜に奪われた王国・・・12/12・・・・・・・・・・・・165,804 ・・・・・・・2,048,566・・・・・・・16,038・・・・・・・・303
6(4)・・家に帰る道(韓国) ・・・・・・・・・・・12/11・・・・・・・・・・・・122,257・・・・・・・・1,718,085・・・・・・・12,065・・・・・・・・352
7(6)・・ウォーキング with ダイナソー・・12/19・・・・・・・・・・・・・97,531 ・・・・・・・・・463,367・・・・・・・・3,802・・・・・・・・360
8(5)・・キャッチ・ミー(韓国) ・・・・・・・・・12/18・・・・・・・・・・・・・・46,195 ・・・・・・・・・467,848・・・・・・・・3,209・・・・・・・・319
9(7)・・プレーンズ ・・・・・・・・・・・・・・・・・12/19・・・・・・・・・・・・・・36,174 ・・・・・・・・・193,121 ・・・・・・・1,384・・・・・・・・213
10(新)・・エンターのゲーム ・・・・・・・・・12/31 ・・・・・・・・・・・・・32,033・・・・・・・・・・・38,348 ・・・・・・・・・291・・・・・・・・176
       ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 2・4・10位の3作品が新登場です。
 2位「容疑者」はコン・ユの「トガニ」以降2年ぶりのスクリーン復帰作。今回はアクションか。元北朝鮮特殊部隊の特殊要員だったチ・ドンチョル役って、また北朝鮮がらみか。「ベルリン」以下2013年はずいぶんあったな。自分の妻と娘を殺された過去があり、その犯人を見つけて復讐するため韓国にやってきて代行タクシーをやっている。ところが唯一、会っていた大企業のパク会長が暗殺され、その濡れ衣を着せられて警察から追われることに。その上北のスパイたちにも追われるとはややこしい。そんな中で敵を追いつめようってんだからねー。アクションはけっこうすごいみたいですよ。カーアクションとか、えっ、北朝鮮には<主体撃術>なんて格闘技があるのか!? ウィキペディアにはありますね。
 ※YouTobeにあるというのでいくつか見てみましたが、→コレなんかは空手+中国雑技団(?)みたいな感じで、あまり独自性はみられないようですけど・・・。他の出演俳優の中では「短い記憶(原題:へファ、ドン)」の若手女優ユ・ダインが事件の真実を暴こうとするプロデューサー役とのこと。この映画、「弁護人」より早いスピードで観客動員数100万人を突破したそうですが、ちょっと追い越すのはムリでしょ。原題は「용의자」です。
 4位「サンダーと魔法の屋敷」はベルギー製のアドベンチャー・アニメ。道に迷ったネコのサンダー。雨宿りのためたまたま忍び込んだ古い屋敷で、動物の家族たちに昔話を聞かせてやっている魔術師ローレンスじいさんに出会い、新しい家族として受け入れてもらいます。しかし屋敷のヌシ格のウサギのジャックとネズミのマギーはサンダーを認めずいやがらせを続け、それをサンダーが避けようとして誤ってローレンスじいさんの運転を妨害して事故を起こしてしまい、ついにはローレンスの甥のダニエルが所有者不在となった屋敷を売り払おうと画策・・・。はたしてサンダーはおじいさんの魔法の屋敷を守れるか? ・・・というお話。ますますネコの時代ですなー。韓国題は「썬더와 마법저택(サンダーと魔法邸宅)」。
 10位「エンダーのゲーム」は、ヒューゴー賞とネビュラ賞をダブル受賞したオースン・スコット・カードのSF小説(早川文庫)が原作。映画完成までいろいろ紆余曲折があったようですね。日本公開は2014年1月18日で、すでに諸情報が流されています。原作超えはむずかしいと思うのですが、韓国のネチズン平均評点は8.8とけっこう高いです。韓国題は「엔더스 게임」。

【多様性映画】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(61)・・そして父になる(日本) ・・・・・・・・・・・12/19 ・・・・・・・・・・・・11,740 ・・・・・・・・・・・・・・42,753・・・・・・・・・・324 ・・・・・・・・・40
2(15)・・ある過去の行方 ・・・・・・・・・・・・・・・・12/26 ・・・・・・・・・・・・・2,590・・・・・・・・・・・・・・・・4,607・・・・・・・・・・・35 ・・・・・・・・・26
3(2)・・プロミスト・ランド・・・・・・・・・・・・・・・・・・12/12 ・・・・・・・・・・・・・2,373 ・・・・・・・・・・・・・・21,472・・・・・・・・・・160 ・・・・・・・・・26
4(新)・・戦場にかける橋・・・・・・・・・・・1981/04/10・・・・・・・・・・・・・・2,033 ・・・・・・・・・・・・・・・6,734・・・・・・・・・・・13 ・・・・・・・・・・1
5(3)・・私はロランス・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12/19・・・・・・・・・・・・・・1,668 ・・・・・・・・・・・・・・・8,506・・・・・・・・・・・66 ・・・・・・・・・24

 2・4位が新登場です。
 2位「ある過去の行方」は上述しました。
 4位「戦場にかける橋」は、いうまでもなく1957 年公開の名作の再上映。韓国題は「콰이강의 다리」です。

 わー、たくさん書きすぎましたねー。
 ではここまで読んでくださった皆さん、よいお年を!
 (もう年が明けていたら、今年もよろしく!)
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[韓国]民族主義の色濃い伝統的な地理観? <白頭大幹>をめぐって②

2013-12-29 23:56:38 | 韓国・朝鮮関係の知識教養(歴史・地理・社会等)
 12月25日の記事の続きです。

 前回は、韓国には古くから半島最北端の白頭山から半島南部まで至る山並みを1筋につながっている白頭大幹という地理概念があったこと、それが日本統治下、日本の学者による山脈図が学校で教えられる一方で忘れられてきたこと、ところが近年再び白頭大幹が注目されるようになったことについて記しました。

 再び注目されるようになったきっかけは、1980年冬に山岳人&古地図研究家のイ・ウヒョンさん(1933~2001)が仁寺洞の古書店で1冊の古書を見つけたことだそうです。
 ※イ・チャンウォン「大東輿地図」等には<仁寺洞の古書店>の店名は書かれていませんが、<「風のように生きたイ・ウヒョン>と題されたイ・ウヒョンの略伝(→コチラ。韓国語)によると、彼はその頃あの有名な通文館(→関連記事)で売り物として出ていた(!)「大東輿地全図」を借りたりしているのでそこかもしれません。

 で、その古書の名は「山経表(산경표)」。申景濬(シン・キョンジュン.1712~1782)が書いたと伝えられる地理誌で、山の体系を族譜のように記述したものですが、イ・ウヒョンさんが通文館で偶然見つけたのは崔南善(チェ・ナムソン)や朴殷植(パク・ウンシク)等が古文献の整理・保存のため1910年に設立した朝鮮光文会から1913年に刊行されたものです。

     
 【朝鮮光文会刊行の「山経表」。朝鮮半島の山々の<始祖>というべき白頭山が最初のページ冒頭に記されています。】

※韓国版ウィキペディアの申景濬(신경준)の項目(→コチラ)によると、「山経表」が彼の著作というのは必ずしも明確ではないようです。

 この山の<系図>によると、たとえば智異山(チリサン)は123世の子孫となっています。そして最後は、全羅南道光陽市の白雲山(백운산.ペグンサン)で、171代目の子孫となっています。

 「山経表」を入手した6年後、イ・ウヒョンさんはその書物で朝鮮半島のすべての山が1大幹・1正幹・13正脈という1つながりの系譜のように分類されていることを公表します。
※「14正脈が正しい」との異論も提起されています。(→コチラ。韓国語)

 イ・ウヒョンさんは、また現在使用している太白山脈、小白山脈等の名称ははいつから使われ、白頭大幹はなぜ消えたのか疑問を持つようになり、日本の国会図書館にまで行って結論を出します。それが前の記事でも書いた20世紀初頭の小藤文次郎による朝鮮半島の地質調査と、山脈図の作成でした。
 こうした事実を知った彼は、それを学校教育に反映させるため教科書作成にも関わります。

 1990年代に入って、月刊誌「人と山(사람과 산)」が白頭大幹に関する記事を連載し、白頭大幹の概念はより広く知られるようになりました。
 以後、白頭大幹を縦走する登山家が増えていきます。イ・チャウォンさんの本「大東輿地図」によると、「イバラに覆われた道なき道をさまよったり、炎天下でばてて倒れたり、前も見えない大雨に見舞われたりといった苦労を経ながら、白頭大幹は表面的な概念ではなく、実在する朝鮮半島の骨格であることを全身で確認した」とのことです。

 白頭大幹復活に大きな役割を果たしたイ・ウヒョンさんは2001年67歳で世を去ります。
 その翌々年の2003年12月「白頭大幹の保護に関する法律」が成立します。→コチラのニュース記事によると、白頭大幹の自然環境保護のため建築物の新築や土石採取等々の開発を規制することを目的とした法律で、関係諸業者や地主等の反対、山林庁と環境省の所管をめぐる対立等のため成立に至るまでいろいろ調整に難航したとのことです。
 つまり、その頃にはすでに白頭大幹は地理の分野だけでなく、環境行政にも関係するキーワードになっていたということですね。

 そして私ヌルボが思うには、2005年頃から白頭大幹はまた新たな段階を迎えるようになります。それは自然や環境に対する意識の高まりという風潮とも相まって、観光や町起こし等と結びつけられたり・・・といったように、一般の人々の間にも白頭大幹への関心が広がり、さまざまな取り組みが行われるようになってきたことです。
 その具体的なあらわれについては続きで、ということにします。

☆上記イ・ウヒョンさんの略伝はとても興味深くて、つい読みふけってしまいました。
 自動翻訳は→コチラです。

 → <[韓国]民族主義の色濃い伝統的な地理観? <白頭大幹>をめぐって③>
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★2013年 ヌルボの個人的映画ベスト10

2013-12-28 21:07:58 | 韓国映画(&その他の映画)
 下は昨晩撮った写真。この時間(23:50頃)に、こんな所(横浜MM)でフツーの健全なオジサン(ジイサン?)が1人歩きしているのを何と評すべきか? 自分自身とその生活を客観視するのはむずかしいものです。

      
   【このような21世紀的風景にやっと少し慣れてきた20世紀人の私ヌルボです。】

 横浜ブルク13で最終日・最終回(って、21:50~の1回のみ上映)の「ファルージャ イラク戦争 日本人人質事件…そして」を観終えたのがこの時間だったというわけです。
 そして、これをもって今年の映画鑑賞はおしまい。

 2013年に映画館で観た映画は計81本。1~6月が35本、7~12月が46本です。
 その中で純粋な韓国映画は、2012年が33本だったのに対して、2013年は21本と激減。また、「純粋な」以外では、中国映画「豆満江」や、日本映画「李藝 最初の朝鮮通信使」、北朝鮮映画「花売る乙女」「プルガサリ」等々が韓国・北朝鮮関係。
 どうも、「たまたま」なのか何らかの理由があるのかはわかりませんが、2013年日本で公開された韓国映画は前年に比べると全体的にレベルが低下していると(なんとなく)思いました。

 で、2013年個人的映画ベスト10なんですが、昨年に続き 今回もすごく考えました。
  ※昨年の記事は→コチラ
 とりあえず、結果は以下の通りです。

[2013年]
①セデック・バレ
②少女は自転車にのって
③きっと、うまくいく
④もうひとりの息子
嘆きのピエタ
⑥あの頃、君を追いかけた
⑦シュガーマン 奇跡に愛された男
⑧ハンナ・アーレント
王になった男
建築学概論
 [次点] 殺人の告白 ・凶悪
 [別格] 阿賀に生きる
 [多くの人に観てほしい作品] ファルージャ イラク戦争 日本人人質事件…そして

赤色は韓国映画または韓国・北朝鮮に関係する映画です。

 さて、今回のベスト10をツラツラ眺めてみて自己分析してみると、まず言えるのは<世界さまざま>ということ。
 ①と⑥が台湾、②はサウジアラビア、③がインド、④がパレスチナ&イスラエル、⑦がアメリカ(デトロイト)と南アフリカ、そして⑧がドイツとイスラエル。
 アラ、アメリカ映画がないぞ。メモを見ると、81本中アメリカ映画は6本だけか。観たい映画を観た結果がそうなった、ということです。
 アラ、①~⑩までに日本映画もないぞ、・・・ということにも気づいたので、後から[次点]で「凶悪」を入れておきました。しかし、この作品も原作本の方が上だったですけどね。リリー・フランキー(◎)は助演男優賞ね。
 「阿賀に生きる」の[別格]は再上映だし、ヌルボ自身2度目だから。

 このベスト10の顕著な傾向その2は<政治・社会・歴史関係>の作品が多いということ。①②④⑧、⑤や⑨もかな? 傾向その3は青春映画。⑥と⑩ですね。②、③も入るかも。

 ま、例年もほぼ同じ傾向ですが、つまりは、いかにも高校の社会科教師なんかが生徒に薦めそうな映画ってことでしょうか。

 以下、個別にみていきます。

 ベスト3の中から、1位を何にするか首をひねりました。
 娯楽性を重視するなら「きっと、うまくいく」近年のインド映画中でもひときわ見応えがありました
 「少女は自転車にのって」は、現在のサウジアラビアの女性差別という問題をテーマにしていながら、観客席から何度も笑い声が起こるような軽やかで親しみがもてる作品。主人公の女の子の表情も◎!
 で、結局「セデック・バレ」がやっぱり1位だなと思ったのは、質・量ともに重厚で、そこに込められた監督や俳優の熱気に打たれたから。また内容的にも、(韓国とは対照的に)日本びいきの国とされている台湾でこのような過去があり、それをこのような作品に描くという「現在」があり・・・ということを日本人はしっかり受けとめなければ、との思いもあるからです。
 4位の「もうひとりの息子」は、ユダヤ人とパレスチナ人を争わせているような民族アイデンティティといったものを見つめ直す、(われわれ日本人にとっては)ある意味「わかりやすい」映画。生まれて18年経ってから「病院で子どもを取り違えた」なんてねー。ユダヤ人とパレスチナ人の容貌の違いなんて、双方の親も気づかないレベルなんですね。しかし交流の始まった2つの家庭で、まず小さな女の子同士が会ったその日から友だちになったのに対して、双方の父親同士がなかなか厄介で・・・、というのはさもありなんでした。
 5位「嘆きのピエタ」は息がつまるような作品。キム・ギドク監督、怖い! 映画も怖いけど、映画にここまでのめり込んでいるキム・ギドク監督が怖いのです。張り詰めた緊張感と、雪景色の映像の美しさと、そこに描き出された人間の運命や社会の絶望的な<寒さ>は「春夏秋冬そして春」に通じるものがあります。
 6位「あの頃、君を追いかけた」と10位「建築学概論」は、実らなかった初恋映画。2作品の<温度差>は、台湾と韓国の温度差と関係あるかな? 前者は<陽性>ってことです。「あの頃、君を追いかけた」の方はスケベっぽくて、「建築学概論」の方はひたすら純情な少年。私ヌルボの軍配は、前者! 
 7位「シュガーマン 奇跡に愛された男」は、観終わったあとが気持ちいいドキュメンタリー。それは(南アフリカ以外では)「忘れ去られた歌手」のシクスト・ロドリゲスの生き方が多くの観客の共感をよぶから。ヌルボもその1人。
 8位「ハンナ・アーレント」<ふつうの人の戦争犯罪>について考えさせられます。ヌルボが思ったのは、<敗戦国>国民の日本人は、ハンナ・アーレントの見方を「表面的には」理解しやすいのではないか、ということ。「戦犯」とされた自分たちの父や祖父も皆<ふつうの人>だったことは自分たちがよく知っているし・・・。しかし、だからといってハンナ・アーレントはそんな<ふつうの人>を免罪しているわけではないのですけどね。これについては、もう一人のハンナのことを思い起こしました。ハンナ・シュミット。つまりシュリンクの小説「朗読者」の登場人物です。
 9位の「王になった男」は、韓国の娯楽時代劇の王道的作品。リクツを言えばいろいろありましょうが、リクツ抜きで楽しめました。

 ここで最後に観た、そして[多くの人に観てほしい作品]としてピックアップした「ファルージャ イラク戦争 日本人人質事件…そして」について。
 イラク戦争が始まったのが2003年。もう10年も経つのですね。あ、「始まった」のではなく、正確にはアメリカが始めた、です。で、日本もアメリカを支持した、そしてサマワに自衛隊を派遣した、等々。
 多くの日本人にとって、イラク戦争は遠い過去の話のようになってしまった感があります。
 しかし、このドキュメンタリー映画によると、イラクではまだシーア派とスンニ派間の紛争等が続き、またアメリカ軍が使用した劣化ウラン弾の影響と思われる先天性異常を有する新生児が増えている等々、平和な社会にはまだほど遠い状態にあるのです。
 この映画は2004年に起こった3人の日本人人質事件の当事者のその後、そして今をたどっています。あの「自己責任!」を合言葉に起こった大バッシングのターゲットとなった人たちです。
 私ヌルボ、ここでは彼らについてのことは書きませんが、当時<自己責任>という言葉で彼らを批判した人たちに問いかけたいと思います。
 それはあなた方にとっての、いやわれわれ日本人すべてにとっての<責任>のありようについてです。
 イラク戦争でのアメリカ人の死者は4489人だそうです。それに対し、イラク人の死者は12万人とも19万人とも。(この大きな差はいったい何を意味しているのか!?)
 映画の中で、墓地が映されていました。小さな石の墓、つまり子どもの墓がたくさん並んでいるのです。
 彼らの死に対して、責任を負っているのは誰か? 直接的にはアメリカ。その後、戦争の理由とされた<大量破壊兵器>はなかったということがブッシュ大統領自身から公表されました。つまり、最初から理由なく仕掛けられた戦争だったのです。その結果、9.11事件の何倍もの人命が失われ・・・。
 そのアメリカを支持した日本国民として、上記のような多くの無辜の人々の死に<責任>がないとわれわれは言い切れますか?
 とくに声高に<自己責任>を追及していた人たちは、それならばどれだけ<国民としての責任>を自覚していたのか・・・。こうした問題は10年前の問題であったのと同時に、まさに現代の問題です。
 (たぶん、運命共同体としての日本国民の利害を基準として考える人たちは、イラク人のことは考える必要がないのでしょうね。)

 昨晩観たばかりで記憶の生々しい映画ということで、ちょいとのめり込み過ぎてしまいましたが、できるだけ多くの人に観てもらって、知ってもらって、考えてみてほしいと思いました。

[参考]過去6年のベスト10

[2012年]①ニーチェの馬②ヒューゴの不思議な発明③プンサンケ(豊山犬)ワンドゥギ拝啓、愛しています⑥ロボット 完全版⑦桐島、部活やめるってよ⑧三池 終わらない炭鉱(やま)の物語⑨かぞくのくに⑩ピアノマニア 別格:春夏秋冬そして春

[2011年]①サラの鍵②テザ 慟哭の大地③愛する人④彼とわたしの漂流日記⑤アリス・クリードの失踪⑥阪急電車 片道15分の奇跡⑦牛と一緒に7泊8日⑧未来を生きる君たちへ⑨ゴーストライター⑩エンディングノート

[2010年]息もできない過速スキャンダル冬の小鳥④ゲキシネ蛮幽鬼(日)⑤実録・連合赤軍 あさま山荘への道程(日)⑥告白(日)⑦瞳の奥の秘密⑧飛べ!ペンギン⑨川の底からこんにちは(日)⑩ONE SHOT ONE KILL

[2009年]①グラン・トリノ②ディア・ピョンヤン(日)③妻が結婚した母なる証明チェイサー⑥チェンジリング⑦劔岳 点の記(日)⑧チョコレート・ファイター⑨戦場のワルツ⑩牛の鈴音

[2008年]①ダークナイト②パコと魔法の絵本(日)③ウリハッキョ(日)④休暇(日)⑤シークレット・サンシャイン⑥ラスト・コーション⑦接吻(日)⑧おくりびと(日)⑨闇の子供たち(日)⑩火垂るの墓・実写版(日)

[2007年]①世界最速のインディアン②パンズ・ラビリンス③キサラギ(日)④ドリームガールズ⑤それでも僕はやっていない(日)⑥夕凪の街 桜の国(日)⑦幸福(しあわせ)のスイッチ(日)⑧檸檬の頃(日)⑨幸福(こうふく)の食卓(日)⑩私たちの幸せな時間
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[韓国]民族主義の色濃い伝統的な地理観? <白頭大幹>をめぐって①

2013-12-25 19:28:49 | 韓国・朝鮮関係の知識教養(歴史・地理・社会等)
 12月18日の記事で「大東輿地図」について書きました。
 今回は一応その続きです。

 テーマは朝鮮半島の山脈についてです。

 金正浩の「大東輿地図」に表されている山並みの中で、朝鮮半島最北端の白頭山から半島南部の智異山までひときわ太い線で描かれているのが白頭大幹(백두대간)です。

 下の画像[A]は、イ・チャウォン著「大東輿地図」に載っている白頭大幹の図です。
 一方、[B]は韓国の学校で戦前の日本の統治期以来現在まで長く教えられてきた山脈図です。

     
    [A]白頭大幹
 
    [B]教科書に載っている山脈図
 


 [A]図の太い赤線が白頭大幹です。
 その線上にある▲印のついた山を北からたどると次の通りです。

▲백두산(ペクトゥサン)=白頭山(2750m)
▲금강산(クムガンサン)=金剛山(1638m)
▲설악산(ソラクサン)=雪岳山(1708m)
▲오대산(オデサン)=五台山(1563m)
▲태백산(テベクサン)=太白山(1567m)
▲소백산(ソベクサン)=小白山(1439m)
▲속리산(ソンニサン)=俗離山(1058m)
▲덕유산(トギュサン)=徳裕山(1614m)
▲지리산(チリサン)=智異山(1915m)


 このように有名な山々がこの線上に位置しています。
 白頭山から南下した白頭大幹は、そのまま現在の韓国領内に入り、太白山で大きく西に折れて、半島南端に至ります。つまり半島内のすべての山がこの白頭大幹から枝分かれしていることになります。

 イ・チャウォンさんの本によると、白頭大幹は韓民族が自然とともに生活する中で得た1000年以上用いてきた概念です。最も古い(15世紀)地図の「混一疆理歴代国都之図(혼일강리역대국도)」をはじめ、昔の地図には例外なく表示されています。
 この白頭大幹は、韓国の地を東西に分け、数多くの谷や野を生み、民族の生活の場をつくってきました。広い意味では、白頭大幹は山並みを含むこの地の山並み全体が作り出した秩序を意味しています。

 ところが、韓国の学校教育の中では、日本の統治期から長く上の[B]の山脈図が用いられてきました。
 その山脈の中で、太白山脈(태백산맥.テベクサンメク)は趙廷来の長編小説のタイトルでもあり、映画化もされているので聞いたことがある人も相当数いることでしよう。

 この山脈図は、イ・チャウォンさんの本にも記されている通り、日本の地学・地質学・地理学の草分けともいうべき学者の小藤(ことう)文次郎が1903年発表した山脈体系に基づいたものです。
 この本の説明では、「当時としては最新の学問の地質学によって、地質構造を基に作成されたもの」で、「当然実際の地形とはあっていない一種の地理教育的模型」とされています。そのうえ「踏査期間も短く、学問的妥当性もないことが今の研究により明らかにされた」とも。
 また、さらに問題なのは、「小藤の山脈体系が以後韓国の地理教科書に載せられ、日帝強占期のうちにわが民族の伝統的な地理観にとってかわってきたという点」だと述べられています。

 この「民族の伝統的な地理観」というのがまさに「白頭大幹」という考え方なのです。朝鮮半島に昔から暮らしている民族の生活や精神の母胎ともいうべき山や川に対する見方がそこに表されている、というわけです。

 [B]の山脈図では、白頭大幹が狼林山脈と太白山脈の間の楸哥嶺構造谷[地溝帯](추가령구조곡)で分断されています。
 この点をはじめとして、本書では山脈図を次のように厳しく批判しています。

 日帝はひとつの山並みとして連結された大幹と正脈(大幹から枝分かれしている山並み)の概念を無くして山脈の概念を導入し私たちの地をさまざまな地域に分けました。近代学問の名を借りてはいるものの、明確に意図的な歪曲でした。小藤の山脈図には最初から白頭山がありません。日帝は政治・経済・社会・文化すべての分野を植民統治に便利な体制に変え、私たちの地形まで変えたのです。
 いくら学者だといっても、侵略国から来た一個人の短期間の研究がこの土地で暮らしてきた民族の千年以上になる地理観に替えることは理に適っていません。侵略の一環としてこの程度の歪曲はあるはずだと見積もっても、さらに大きな問題は、この山脈体系がいかによく見ても教育的にも学問的にもそんなに役にたたないということです。


 ・・・どうでしょうか?
 私ヌルボが前回の記事の末尾で書いた疑問の1つはこの箇所です。
 最近、日韓間で「歴史歪曲問題」が大きな課題になっています。それにも関連するのですが、日本人にとって「歪曲」という言葉は意図的に事実を変えることをいうのではないでしょうか? 韓国人の場合は、もしかして意図的であるかどうかと関係なく、事実が歪められたら「歪曲」なのでは、・・・と、このくだりを読んでいて考えました。
 20世紀初頭に、ドイツ仕込みの近代的地質学に基づいて朝鮮半島を調査した小藤文次郎が、朝鮮の文化や伝統を否定しようという意図を持って山脈図を作成したとはとても思えません。
 また、イ・チャウォンさん等が朝鮮の伝統的な自然観・地理観を尊重したい気持ちはわかるとしても、そのような民族主義の色濃い見方が現代の科学と相容れない部分はあるにちがいありません。その点をどう考えるのでしょうか?

 どうも、ヌルボの考えでは歴史だけでなく、地理学の分野でも民族主義の色眼鏡で「歪曲」された像を見ているのは韓国の人たちのように思います。
 (日本人がよくやるのは「歪曲」よりも「隠蔽」でしょう(!?))

※立岩巌「朝鮮-日本列島地帯地質構造論考」(東京大学出版会.1976)によると、小藤文次郎は1900~02年に計14ヵ月をかけて朝鮮半島を踏査し地質調査を行った、ということです。
 太白・小白・車嶺等、今も韓国で使われている山脈名もその時初めてつけられました。(これは韓国人としてはたしかに腹立たしいことでしょう。)

楸哥嶺構造谷[地溝帯]は白頭大幹を横切って(??)東西にのびている低地帯で、1914年全線開業したソウル~元山(ウォンサン)間を結ぶ京元(キョンウォン)線もこの低地帯に沿ってトンネル1つなく建設されました。

 ところで、この白頭大幹という概念ですが、学校教育で約1世紀もの間教えられてこなかったこともあって、韓国の人々から忘れ去られていたものでした。
 それが「再発見」されたきっかけを作ったのが前の記事でも出てきたイ・ウヒョンさん。金正浩は半島全土を踏査しなかった等々の新説を唱えた山岳人&古地図研究家です。
 そのイ・ウヒョンさんが1980年代に仁寺洞の古書店で1冊の古本を見つけたことから白頭大幹が再び注目されるようになり、近年はブームにもなっているようです。
 それについて書くとさらに長くなりそうなので、また今度、ということにします。

 → <[韓国]民族主義の色濃い伝統的な地理観? <白頭大幹>をめぐって②>
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韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績 [12月20日(金)~22日(日)]

2013-12-24 23:53:21 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 あと1週間で今年もおしまい。なんとなく私ヌルボの今年の映画ベスト10は・・・と考えて、前半に比べると後半は今ひとつこれはというのがなかったかな? ・・・と思いきや、岩波ホールで上映中の「少女は自転車にのって」は予想以上に良かった!! 客席から笑い声が上がる場面が何度もあり、社会的な問題提起もあり、主人公の女の子も魅力的だし・・・。しかし、空いているというほどではないにしろ、1時間以上も前に行かないとチケットが買えなかった「ハンナ・アーレント」に比べるとコチラは余裕で買えるというのは、一体何が違うのでしょうかねー?
 で、この「少女は自転車にのって」も含めて今年のベスト1候補は5作品くらいかな?
 年内にあと3本くらいは観たいな。徳島に帰省する途中、大阪や神戸の映画館でこれはという映画を上映していれば寄って行くつもりなのでスケジュールを確認しておかなくちゃ・・・。

           ★★★ Daumの人気順位(12月24日現在上映中映画) ★★★

【ネチズンによる順位】

①あまり者たちのヒッチハイキング(韓国)  9.5(44)
②八月のクリスマス(韓国)  9.5(536)
③メタリカ・スルー・ザ・ネヴァー  9.4(42)
④その子イヌその子ネコ(韓国)  9.4(20)
⑤アンニョン?! オーケストラ(韓国)  9.3(23)
⑥弁護人(韓国)  9.3(15093)
⑦道の上で(韓国)  9.2(65)
⑧完全に大切な愛(韓国)  9.2(188)
⑨ラブ・アクチュアリー  9.0(603)
⑩ワイルド・ビル  9.0(63)

 ④⑥⑨⑩位の4作品が新登場。
それにしても⑥「弁護人」の(15093)といはいったい何なんだ!? 2ケタ違う驚異の数字です。この作品については後述します。
 ④「その子イヌその子ネコ」は、韓国のロマンス物。飼い主のいないネコを飼っている男がアニメーターのウジュ(シン・ミョングン)、飼い主のいないイヌを飼っている女性がウェブトゥーン(ネット漫画)作家のポウン(ソン・ミンジ)。動物病院で出会ってつきあい始めます。で、イヌがウジュ、ネコがポウンと、それぞれ相手の名前がつけられる、のかな? ところが彼の性格はイヌ型、彼女はネコ型と正反対。はたして彼らの恋愛はうまくいくのでしょうか? というストーリー。この映画が画期的なのは、世界で初めてiPhoneで撮影した長編映画なのだそうです。その関連記事は→コチラや→コチラ。後者は、この作品の日本語字幕作成を担当した方のブログ記事で、いろんなことが記されてますが、イヌとネコ、男性と女性の組み合わせが間違ってるんじゃないかなー? 原題は「그 강아지 그 고양이」。直訳すると「その子イヌとネコ」なんですけどね。で英題は「Cats and Dogs」。「개(イヌ)」だとカワイイ語感じゃないですからねー。軽蔑の対象とか、犬鍋とか想像しちゃったりして・・・。
 ⑨「ラブ・アクチュアリー」は12月のロンドンを舞台にした10年前の英米合作映画の再上映。クリスマスを前にした時期に合わせたのでしょうね、きっと。韓国題は「러브 액츄얼리」。
 ⑩「ワイルド・ビル」は2011年のイギリス映画。日本では昨年の<SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2012>(at川口市)の長編コンペティション部門で上映されました。かつては「暴れん坊ビル」として名をはせたビルが8年間の刑務所暮らしの後仮釈放されてロンドン・イーストエンドの自宅に戻ると、妻はスペインだかに出て行っちゃっていない。それも15歳と11歳の息子を置き去りにして! しかし長男は学校を辞め、ロンドン五輪に向けての競技場の建築現場で働いたりして父親役を果たしているのです。で、父親としての責任感も稀薄なビルは全然お呼びじゃない存在。ところが、彼がいないと2人の息子は福祉団体によって施設に送られてしまう、というわけで、無責任な彼もしぶしぶながら父親の役割を演じざるをえなくなり、慣れない家事をやったりプライドを捨てて働いたり・・・。彼のそんな努力は、果たして実を結ぶことができるだろうか? ・・・というお話です。その後日本での一般公開はされていません。韓国題は「와일드 빌」。

【専門家による順位】

①蜂蜜  8.5(2)
①楽園の瑕  8.5(2)
③ゼロ・グラビティ  8.2(5)
④17歳  8.0(3)
⑤グロリアの青春  7.7(4)
⑤風景(韓国)  7.7(4)
⑦そして父になる(日本)  7.6(6)
⑧恋するリベラーチェ  7.6(3)
⑧イントゥギ(韓国)  7.6(3)
⑩ブルー・ジャスミン  7.5(6)

 新登場は⑦「そして父になる」だけです。韓国題は「그렇게 아버지가 된다」。
私ヌルボが観た数少ない(計21本)日本映画中の1つです。たしかに良い映画だとは思いますが、ちょっと2つの対照的家族の描き方が図式的すぎるような・・・。その1ヵ月前に観た「もうひとりの息子」の印象が強かったということもあって、その分評価が低くなってしまったかもしれません。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[12月20日(金)~22日(日)] ★★★

         盧武鉉元大統領がモデルといわれる「弁護人」、大量動員数で1位に

【全体】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・・週末観客動員数・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(26)・・弁護人(韓国)・・・・・・・・・・・・・・12/12 ・・・・・・・・・・1,379,911 ・・・・・・・1,751,961・・・・・・・12,738・・・・・・・・923
2(1)・・ホビット 竜に奪われた王国・・・12/12・・・・・・・・・・・・381,785 ・・・・・・・1,644,063・・・・・・・12,795・・・・・・・・466
3(3)・・アバウト・タイム・・・・・・・・・・・・・12/05 ・・・・・・・・・・・・338,695 ・・・・・・・2,039,609・・・・・・・14,884・・・・・・・・442
4(2)・・家に帰る道(韓国)・・・・・・・・・・・12/11 ・・・・・・・・・・・・275,807・・・・・・・・1,430,259・・・・・・・10,016・・・・・・・・467
5(18)・・キャッチ・ミー(韓国) ・・・・・・・・12/18・・・・・・・・・・・・・210,782 ・・・・・・・・・300,914・・・・・・・・2,078・・・・・・・・517
6(148)・・ウォーキング with ダイナソー・・12/19・・・・・・・・・・187,669 ・・・・・・・・・199,735・・・・・・・・1,629・・・・・・・・463
7(新)・・プレーンズ・・・・・・・・・・・・・・・・・12/19・・・・・・・・・・・・・・90,491 ・・・・・・・・・103,391 ・・・・・・・・・747・・・・・・・・408
8(26)・・セイビング・サンタ ・・・・・・・・・・12/19・・・・・・・・・・・・・・81,216 ・・・・・・・・・・95,024 ・・・・・・・・・608・・・・・・・・297
9(4)・・インシディアス 第2章 ・・・・・・・・12/05・・・・・・・・・・・・・・19,671 ・・・・・・・・・573,665・・・・・・・・3,974・・・・・・・・・86
10(142)・・そして父になる(日本)・・・・・12/19・・・・・・・・・・・・・・10,530 ・・・・・・・・・・15,385・・・・・・・・・・116・・・・・・・・・41
       ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 1・5・6・7・8・10位の6作品がベスト10新登場と、大幅に入れ替わりました。中でも注目は1位の「弁護人」。主演のソン・ガンホはともに900万人を超えた「スノーピアサー」、「観相」に続く今年3作目のヒットで、「朝鮮日報」の記事(→コチラ)によると「史上初めて1年間で2000万人を動員した俳優になるものと予想されている」(18日までで1900万人を超えた)とのこと。すごいもんです。
 1位「弁護人」の舞台は1980年代初めの釜山。ソン・ウソク(ソン・ガンホ)はコネも金もない税務弁護士。しかし不動産登記から税金の相談まで取り扱い、卓越した手腕で繁盛して有名に。大企業のスカウトまで受けるようになりますが、そんな中、駆け出しの頃に世話になった食堂の息子チヌ(シワン)が思わぬ事件に巻き込まれて裁判にかけられるという話を耳にする。食堂のアジュマ(キム・ヨンエ)の切実な願いを断りきれず、拘置所に行って面会をしたチヌは信じられない姿で、衝撃を受けたウソクは引き受け手がいなかった事件の弁護を引き受けることを決心します・・・。原題は「변호인」です。盧武鉉元大統領がモデルなんだそうですが、どこまでが実話かは私ヌルボ未確認。
 5位「キャッチ・ミー」は名うてのプロファイラーと伝説的女泥棒の対決、といってもなぜかラブ・コメディのようです。高価な朝鮮白磁や英国王室ダイヤモンドのような美術品ばかり盗む大泥棒ユン・ジンスク(キム・アジュン)。プロファイラーのイ・ホテ刑事(チュウォン)はひき逃げ車の持ち主を探す間に偶然ジンスクの所在を知り、訪ねて行くと、なんと彼女は10年前、甘いキスだけを残し消えた初恋の人だったとは! あらま。それからどういう展開になるのかな? 原題は「캐치미」です。
 6位「ウォーキング with ダイナソー」は日本でも12月20日から公開されています。韓国題は「다이노소어 어드벤처 3D(ダイナソー・アドベンチャー 3D)」。
 7位「プレーンズ」はディズニーのアニメですね。これも12月21日から日本でも後悔されています。韓国題は「비행기(飛行機)」です。
 8位「セイビング・サンタ」は米英合作のミュージカル・コメディ・アニメ。ルドルフの牛舎(トナカイ小屋?)の掃除をしている妖精バーナード(声:スホ)はやることが間違いだらけのとぼけた妖精。ある日悪党ネビル(声:シン・ドンヨプ)と彼の兵士たちが1日で全世界の子供たちにプレゼントを贈るサンタのそりの秘密を暴くためにサンタクロースを拉致しする。大騒ぎとなった北極の村! そりの秘密が彼らの手に渡るとクリスマスは永遠に消えてしまいます。そこで妖精バーナード、悪党たちから村を守るためルドルフと一緒にタイムマシンのそりに乗って過去に戻るのですが・・・。韓国題は「세이빙 산타」。日本公開は未定、かな?
 10位「そして父になる」は上述しました。

【多様性映画】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(61)・・そして父になる(日本) ・・・・・・・・・12/19 ・・・・・・・・・・・・10,530 ・・・・・・・・・・・・・・15,385・・・・・・・・・・116 ・・・・・・・・・41
2(1)・・プロミスト・ランド・・・・・・・・・・・・・・・・12/12 ・・・・・・・・・・・・・2,549 ・・・・・・・・・・・・・・15,058・・・・・・・・・・111 ・・・・・・・・・22
3(15)・・私はロランス ・・・・・・・・・・・・・・・・・12/19・・・・・・・・・・・・・・2,144 ・・・・・・・・・・・・・・・3,659・・・・・・・・・・・28 ・・・・・・・・・27
4(2)・・あまり者たちの・・・・・・・・・・・・・・・・・11/28 ・・・・・・・・・・・・・1,571 ・・・・・・・・・・・・・・17,228 ・・・・・・・・・123 ・・・・・・・・・23
       ヒッチハイキング(韓国)
5(8)・・シヴァ 人生を投げて(韓国)・・・・・・・12/19 ・・・・・・・・・・・・・・・650 ・・・・・・・・・・・・・・・1,331 ・・・・・・・・・・10 ・・・・・・・・・・5

 1・3・5位が新登場です。
 1位「そして父になる」は上述しました。
 3位「私はロランス」は日本では9月7日公開で、今もアップリンクX等で上映中です。韓国題は「로렌스 애니웨이(ロレンス・エニイウェイ)」。
 5位「シヴァ 人生を投げて」はインドを舞台にしたドラマ。リアルなインドを撮ろうと盲目的にインドにやってきたPDのピョンテ(病態)。そして彼のパートナーの遊び人の崔(チェ)撮影監督。インドの路地裏を撮影していた病態と崔監督はニセのNGOにだまされて薬が入った水を飲み、倒れてハンナとスヨンの助けで危機を脱する・・・。ハンナは就職に失敗し、スヨンは夫と息子の無関心にキレて(?)インドに脱出してきた女性。全く似合いそうでない4人の間に微妙な同質感が生じ始めるとともに、徐々にインドへの思い込みが崩れ、心でインドを見始める・・・。原題は「시바, 인생을 던져」です。
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高校生にすすめる本360冊(1998年版&増補) [18]

2013-12-20 19:23:14 | 高校生にすすめる本360冊
前回で1998年版の<高校生にすすめる本360冊>は終えましたが、予告通り補遺及び1999~現在までの推薦書リスト(予定では全50冊)を今後3回に分けてアップします。

 今回は、文学・ノンフィクション・教養書関係(つまりはエンタメ系以外)の文庫及び新書17冊です。
 これまでは、品切れ・絶版等の状況は1998年当時のものをそのまま載せましたが、今回以降は現時点での状況です。

          《高校生にすすめる本360冊・追加》 
 1998年の時点ですでに高校生諸君どころか30代くらいの人たちともかなりの<世代の壁>ができていることに気づいていました。それで、1960年代に高校時代を送った世代のひとつの歴史資料のような意味くらいはあるだろうと思いつつこのブログ記事としてアップしたわけです。
 そして今回の増補版。もうほとんど高校生向けというより、単に自分が読んでおもしろかったものを並べただけじゃないか、と言われるかも。それに対しては、・・・うーむ、反論のしようがないゾ・・・
 ☆印はとくに推奨。×印は品切れまたは絶版中の本(多すぎる!) △は絶版・品切れでも単行本なら出ている本。
     [文庫・新書]  
1カズオ・イシグロわたしを離さないで早川文庫1=この設定は何だ!? 予備知識なく読み始めたら何ページ目で気がつくだろうか? 何と哀しく、深い小説であることか。
2=ただ職務に忠実だった彼女。その職務がユダヤ人収容所の看守。「あなたならどうしましたか?」。ラスト近くの<衝撃>の意味は深い。
3=ダイナミックに変貌する現実を活写したこんなにオモシロイ純文学(?)が中国にある! 女子トイレののぞきがばれてとっちめられた少年はその後・・・。
4=韓国の大ベストセラー。世界各国でも好評。田舎から出てきた老母がソウルの地下鉄で行方不明に。初めて気づく母の存在の大きさ。
5=漱石最後の、というか未完のままで終わった作品。やっぱり漱石は大人の文学だ。私も40歳前に読んでたら投げ出したかも・・・・
6=大正時代に、こんな翔んでる女性がいたとは! そして、彼女を描いた翔んでる作家有島は、その後自殺(心中)してしまった・・・・。
7=ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん。この虚無的な暗さは中也自身のものであると同時に、昭和前期の時代の暗さをも象徴している。
8=死刑について語っている部分をぜひ読んで下さい。死刑賛成という人、いろんなことに想像力をめぐらせてほしい。
9=すごい読書家にして文芸批評家の、痛快な文章論。「趣味は読書。」(ちくま)中の上記の「朗読者」についての評は笑ってしまう。
10=同時通訳に関わるユーモアとウィットにあふれる話の数々。外国人に理解不可能なジョークは「とにかく笑ってください」と頼むとか。
11=暗い時代の新興俳句の担い手たち。「戦争が廊下の奥に立つてゐた」(渡辺白泉.1939)という俳句を初めて見た時にはただ驚愕。
12=副題は「戦火を見つめた俳人たち」。一少女として戦争を体験した著者が、俳人たちが戦争といかに向き合ったかをつぶさに検証する。
13=漫画が好きだった明るい青年竹内浩三はフィリピンで戦死し、遺骨も還らず。彼が書き遺した「骨のうたふ」という詩をぜひ読んで!
14=本居春庭は29歳の時眼病を発症。父の宣長の尽力にもかかわらず結局3年後に失明。しかしその後も国語学の研究を続け、とくに「詞のやちまた」は今も高校で学ぶ用言の活用表の原点ともいうべきもの。そんな彼の伝記を作者自身の青春時代を重ね合せて描く。
15=専門の分子生物学関係の内容も興味深いが、文章の巧みさに魅かれる。理系ということと、文才の有無は関係ナシという好例。
16=「標準語」は自然にできたものではなく、近代国家の成立・成長の過程で作られたもの。そこにはさまざまなせめぎ合いがあった・・・。
17=昔の人が漢文を読む時用いた「角筆」という方法がある。(各自調べて。) そんな細部から漢字圏の広がりと歴史を巨視的に見通す。
18=1998年29歳の若さでネフローゼのため夭折した棋士(将棋のプロ)村山聖(さとし)。森信雄六段との師弟愛にはただ涙・・・。
19=料理家辰巳芳子さんのお母さん。四季折々の食材や料理法等々について随筆風に書いた和風家庭料理の本。「昭和」の香りが漂う。
2シュリンク朗読者新潮文庫
3余華兄弟文春文庫
4申京淑母をお願い集英社文庫
5夏目漱石明暗新潮文庫
6有島武郎或る女新潮文庫
7中原中也中原中也詩集新潮文庫
8辺見庸眼の探索角川文庫
9斎藤美奈子文章読本さん江ちくま文庫
10米原万里不実な美女か貞淑な醜女(ブス)か新潮文庫
×
11

富沢赤黄男 高屋窓秋 渡辺白泉集朝日文庫
12宇多喜代子ひとたばの手紙から角川文庫
13稲泉連ぼくもいくさに征くのだけれど中公文庫
14足立巻一やちまた朝日文庫
15福岡伸一生物と無生物のあいだ講談社現代新書
16イ・ヨンスク「国語」という思想岩波現代文庫
17金文京漢文と東アジア岩波新書
18大崎善生聖の青春講談社文庫
19辰巳浜子料理歳時記中公文庫


 日本の純文学作品が全然入っていません。
 このところ韓国語の本を読むことが多くなってくるにつれ日本の本の読書量が減ってきたということもありますが、どうも90年代以降は小説に描かれる世界が狭くなり、また作家の想像力も広がりが感じられなくなってきてるようです。阿部和重の「シンセミア」等は考えないでもなかったんですけどね。
 あ、中上健次は入れるべきだったか。私ヌルボが常としている風呂場読書、「鳳仙花」(新潮文庫)のせいで何日も長湯が続いたしなー。
 あっ、それから気になっていた辻原登「韃靼の馬」も未読のまま。早く文庫にならないかな。・・・って、辻原登の本、全然読んでないぞ・・・。

 「中原中也詩集」がなぜ先の「360冊」のリストに入れなかったのかは自分でもわかりません。1970年前後だったか、TBSラジオの夜の番組で大橋巨泉が中也の詩をいくつも音読して紹介していたのを覚えています。

 10~12は戦時下の詩歌関係。いずれこれらについても別枠で詳述していきたいと思ってはいるのですが、いつになることか・・・。

 おもしろい将棋本はいろいろありますが、ルールからしてご存知ない方には全然チンプンカンプンなので「聖の青春」にしました。
 <高校生にすすめる本360冊(1998年版&増補)[3]>で大内延介「決断するとき」を紹介しましたが、そこで彼(大内)が将棋の魅力にめざめたという(有名な)詰将棋の図を載せるのを忘れていたので、遅ればせながら入れておきます。

       
 ※すぐわからない方。ヒントは(  )手詰です。←範囲指定すると現れます。
 ※それでもわからないという方。第2ヒントは(初手は5二馬)です。
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「韓国の伊能忠敬」ともいうべき金正浩の実像は? ★ジュニア向き教養書「大東輿地図」を読む

2013-12-18 16:09:33 | 韓国・朝鮮関係の知識教養(歴史・地理・社会等)
 10月25日の記事<そうだったのか! 韓国人のアタマの中の韓国地図>のコメントで、のんきさんが朴範信(パク・ボムシン)の小説「古山子(고산자.コサンジャ)」のことについて書いて下さいました。
 それを読んで、私ヌルボ、20年以上も前に観た北朝鮮映画「朝鮮地図物語―金正浩の生涯」のことをボンヤリと思い出しました。
 ※この映画については崔碩義さんの文章をご参照ください。(→コチラ。)

 映画に続いて思い出したのが何年か前に購入したもののツンドクになっていたジュニア向けの韓国書。
 それが、とくに熱心に捜したわけでもないのに、数日前奇跡的に発見されました。これは空前で絶後のことかもしれません。
 で、その本がこれ。
       
    【書名は「大東輿地図」(だいとうよちず)です。あ、書いてありますね。】

 地図といえば、日本人なら誰もが知っている有名人が伊能忠敬(1745~1818年)。
 彼の偉大な点は、まず隠居後の50歳になって19歳年下の高橋至時を師として暦学・天文の学問を始めたこと。
 そして幕府の命を得た形で蝦夷地測量に向かったのが55歳の時で、以後73歳で世を去るまで日本全土の測量を続け、歩いた歩数は井上ひさしの小説によれば「四千万歩」。その成果というべき「大日本沿海輿地全図」が完成したのは、彼の死後の1821年でした。
 ・・・と、以上はウィキペディアを援用。
 ※「大日本沿海輿地全図」の大図214枚を名古屋ドームで並べている動画は→コチラ

 そして朝鮮では、「大日本沿海輿地全図」からちょうど40年遅れて、1861年ほぼ正確な朝鮮半島全図である「大東輿地図」が作成・印刷されました。
 「大日本沿海輿地全図」は手書きの彩色地図でしたが、「大東輿地図」は126枚の木版に彫られました。

        
    【「大東輿地図」。韓国人にとっては、独島が載っていないというのが非常に残念ということです。】

 そして、この「大東輿地図」の作者が金正浩(김정호.キム・ジョンホ)という人。古山子(コサンジャ)というのはその号です。

 この地図は、現在は韓国が誇るべき歴史遺産として国宝(正確には宝物)とされていますが、この金正浩については伊能忠敬とは対照的に詳しく伝えられていません。

 私ヌルボが金正浩について知ったのは先述の通り北朝鮮映画「朝鮮地図物語―金正浩の生涯」からですが、今回読んだ「大東輿地図」という本によると、過去大方の韓国の人たちもその映画に描かれた金正浩像を当然のように思い込んでいたということです。

 そのポイントというのは次の3点です。

①金正浩が地図を作る前は、朝鮮には正確な地図がなかった。
②金正浩は白頭山に8回登り、全国を3度も踏査する等、ただ二本の脚で歩いて地図を作った。
③朝鮮政府(大院君)は、この地図が外敵の手に渡ることをおそれ、地図と木版を押収し、金正浩は獄死した。


 ・・・そうそう。だから私ヌルボ、この「大東輿地図」という本もたぶんそのような金正浩の一生を描いた伝記だろうと思ってしまったのが2006年発行なのに長い間ツンドクにしてしまっていた大きな理由だったのです。

 ところがこのイ・チャウォンの本を読んでみたら全然違う内容なのです。
 伝記ではなく、フィクションでもありません。金正浩と、彼が作製した「大東輿地図」等の地図について書かれた児童・生徒向けの教養書です。
 筆者のイ・チャウォンは梨花女子大で地理学を専攻した人とのことで、最近の学説についてもわかりやすく紹介しています。

 ところがこの本、最初から「アレレ!」と<常識>を覆すようなことが書かれています。
 その<常識>というのがまさに上記の①~③なのです。

 この本によると、そのような「常識」の元は<日帝強占期>の普通学校の教科書「朝鮮語読本」(1934年)だということです。

       
  【「日帝は朝鮮語を抹殺しようとした」という韓国の主張を否定するネタとしてよく用いられますね。この第五巻に金正浩のことが記されています。】

 このイ・チャウォンの本の冒頭に、この教科書の文章がそのまま載せられています。(下画像)

        
  【ハングルの用字がヘン! と思ったら、当時と現在とでは正書法が違うのですね。挿絵は当時のものではありません。】

 そして本書は「朝鮮語読本」の金正浩の物語の要点として上記3項目を列記しているのですが、「アレレ!」というのはその直後のこの文章。

 「うーん、あまりにもそのようにみえますが、これは最初から最後まで誤解です。

 では、正しい史実はというと要約すれば以下の3点。
①金正浩以前の朝鮮にも、すでにいくつも地図があった。(世宗の代以来、地図製作の先進国だった。)  
②金正浩は朝鮮各地を踏査していない。彼はそれまで作られていた地図を基にして地図を作った。
③「東方輿地図」は没収・焼却されたりせず今に伝えられていて、金正浩が捕えられ獄死したという事実もない。


 この<常識>破りの説の論拠として、次のような理由があげられています。
 「大東輿地図」の製作を後援した崔漢綺(최한기.チェ・ハンギ)、申櫶(신헌.シン・ホン)も処罰されなかった。  
 また、彼らの残した記述によれば金正浩は長い間広く資料を集め、さまざまな地図を比較した後地図を作成したと伝えている。
 現に「大東輿地図」の木版が残っていることからも、没収・焼却の事実はなかったことは明らか。

 
 さらに、全国をくまなく調査することが地図作成に必須のことではなく、たとえば白頭山に登るのも実質的に意味のあるとはいえないことや、フランスの有名な地図製作者ダンヴィルは1歩もフランスを出ることなく非常に正確な地図を作成したという事例もあげて、むしろ金正浩が英雄的なのは、山を越え川を渡り、飢えや寒さに耐え、ある時は猛獣と戦ったり等々しなくても、机上の作業でこのように細かく正確な作業を持続できたことにある、とこの本では述べられています。

 では、なぜ日帝は誤った内容の物語を教科書に載せたのか、という点について。
 それを読んだ子どもはおそらく「金正浩は本当に偉大な人だ。しかしそんな立派な人物を殺すとは朝鮮という国はなんとなさけない国か!」と考えるだろう。そして、そんな国は滅んでも当然だと・・・。日本はそれをねらったのだというわけです。

 実は以上のこと(金正浩は全国を踏査せず、獄死もしなかった等)は日本版ウィキペディアにも記されています。(→コチラ。)
 そして彼の投獄や地図の焼却等は「韓国の歴史学では朝鮮総督府の捏造と見ている」とも。

 ところが、このイ・チャウォンの本によると、すべてが朝鮮総督府の作りごとではないとも書かれ、「朝鮮語読本」刊行に約10年先立つ1925年、当代きっての朝鮮人文化人崔南善(チェ・ナムソン)の文章を紹介しています。
 ※崔南善の激動の生涯についてはウィキペディア参照。(→コチラ。)

 崔南善は1925年「東亜日報」に「古山子を偲ぶ」という記事を載せ、「正確な現況を知るために数十年全国をくまなく踏査し、白頭山だけでも7回登った」と記し、その3年後にも「別乾坤」という雑誌で彼が「半生をかけて八道をあまねく回って・・・」と記して、このような文を通して金正浩を死に追いやった朝鮮の無知な為政者を批判している、とのことです。

 つまり、崔南善がこのように書くほど<日帝の教科書歪曲>以前に多くの人々がこのような話を信じていたということです。

 では、なぜ朝鮮の人々の間に<誤解>が広まり、戦後も長くそれが信じられてきたのか?
 イ・チャウォンの本では、この「大東輿地図」を見た人たちがそのすばらしさにうたれ、このような地図はきっと(全国踏査のような)艱難辛苦の結果に違いないと思ったからだろう、と推定しています。(この点について私ヌルボは保留。)

 ・・・以上、金正浩についての誤った<常識>と、それに対する近年の批判の主要部分をまとめてみました。
 ところで、このイ・チャウォンの本によるとこれらの批判が出てきたのが1970年代。李祐炯(イ・ユヒョン)という山岳人にして古地図研究家という人が最初に提起したということのようです。

 私ヌルボが最近読んだ山本博文「こんなに変わった歴史教科書」(新潮文庫)には、「学会で認められた新しい学説が教科書に載るのは30年後」というようなことが書かれていました。
 韓国でも同様のようで(?)、李祐炯の説にしたがって教科書が改定されたのが1997年。そして2006年度の教科書では、この地図が両班だけでなく百姓の間にも広く、正確に、また後世まで長く伝えられることを期して木版に彫られたことが強調されて記述されています。

 以上長々とイ・チャウォンの「大東輿地図」の内容を紹介しました。ところが実は私ヌルボ、とても興味深く読んだのは事実ですが、伊能忠敬について全然ふれていない点は日本人としてはちょっと不満が・・・。
 そして、伊能忠敬の生涯と業績について日本では詳しく伝えられていることと比較すると、彼よりも半世紀ほど後の金正浩のことは不明な点が多いということ自体が19世紀~現代の日韓の政治・社会・文化のもろもろを象徴していると思いました。
 また、この本については「大東輿地図」という地図とは直接関係ない箇所で疑問をもった点が少しあります。それについてはまた別記事にします。

※参考:上記の新しい金正浩像を漫画で説明している韓国サイトがありました。→コチラ

 →<[韓国]民族主義の色濃い伝統的な地理観? <白頭大幹>をめぐって①>
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韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績 [12月13日(金)~15日(日)]

2013-12-17 23:54:40 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 一昨日15日にジョーン・フォンテインが96歳で老衰のため夜を去ったとのニュース。「レベッカ」や「断崖」を私ヌルボが観たのは何十年前だったか? 思い出も大方は○年単位でなく○十年単位になってきてるなー・・・。彼女の1歳上の姉オリヴィア・デ・ハヴィランドはまだ健在なんでしょうね。

 先週13日の金曜日に張律監督の「豆満江」を観てきました。映し出された豆満江沿いの風景も、物語も寒々としたものでした。江沿という地名がチラッと出ていたので調べてみると、図們から少し琿春方面に行った辺り。中朝国境でも最北端に近い所です。朝鮮族自治州なので、朝鮮族の人たちは朝鮮語なのですが、ソウル方言とは全然違って最初にアクセントがあるのですね。出稼ぎで韓国に行くと、言葉ですぐに朝鮮族とわかるわけです。そんな寒い所で、それも冬に、雪でラインも見えない狭い場所で少年たちがサッカーをやっているんですね。ゴールも2つの石を置いただけで・・・。以前観たイラン映画で、村人たちがサッカー中継のテレビの前に群がって声援を送っている場面があったのを思い出しました。サッカーをめぐる文化と社会、実にさまざまです。この映画で、人々が歌を歌う場面がいくつかありました。エンドクレジットで歌のタイトルが書かれていましたが、「将軍の歌」しかメモできず残念。

 この「豆満江」が今年76本目。昨年の88本には届かないでしょう。一昨年と同じ80本くらいかな?

           ★★★ Daumの人気順位(12月17日現在上映中映画) ★★★

【ネチズンによる順位】

①メタリカ・スルー・ザ・ネヴァー  9.5(40)
②あまり者たちのヒッチハイキング(韓国)  9.5(39)
③八月のクリスマス(韓国)  9.5(534)
④ニュー・シネマ・パラダイス  9.4(495)
⑤アンニョン?! オーケストラ(韓国)  9.3(22)
⑥道の上で(韓国)  9.2(65)
⑦完全に大切な愛(韓国)  9.1(187)
⑧大脱出  8.9(221)
⑨大統領の執事の涙  8.9(64)
⑩アバウト・タイム  8.9(411)

 若干の順位変動はありましたが、新登場はありません。

【専門家による順位】

①蜂蜜  8.5(2)
①楽園の瑕  8.5(2)
③ゼロ・グラビティ  8.2(5)
④17歳  8.0(3)
⑤グロリアの青春  7.7(4)
⑤風景(韓国)  7.7(4)
⑦恋するリベラーチェ  7.6(3)
⑦イントゥギ(韓国)  7.6(3)
⑨ブルー・ジャスミン  7.5(6)
⑩ブエノスアイレス恋愛事情  7.3(3)
⑩ミスター・ノーバディ  7.3(3)
⑩あまり者たちのヒッチハイキング(韓国)  7.3(3)

 新登場は⑤「風景」だけです。フィリピン、バングラデシュ、ウズベキスタン・・・。韓国に来た9ヵ国14人の異邦人たちの仕事場と日常を描いたドキュメンタリー。仁川国際空港、ソウル・踏十里の部品商店街、梨泰院のイスラム寺院、大林洞の朝鮮族タウン、馬場洞畜産物市場、安山の木材工場、染色工場等々。そして彼らに投げかけられた、ただ1つの質問が「韓国で見た、一番記憶に残っている夢は何ですか?」。原題は「풍경」。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[12月20日(金)~22日(日)] ★★★

         1位はイギリス映画「アバウト・タイム」

【全体】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・・週末観客動員数・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(新)・・ホビット 竜に奪われた王国・・12/12・・・・・・・・・・・・829,570 ・・・・・・・・・969,478・・・・・・・・7,634・・・・・・・・809
2(18)・・家に帰る道(韓国) ・・・・・・・・・12/11 ・・・・・・・・・・・・614,291 ・・・・・・・・・821,369・・・・・・・・5,829・・・・・・・・740
3(1)・・アバウト・タイム ・・・・・・・・・・・・12/05・・・・・・・・・・・・・475,175 ・・・・・・・1,382,876・・・・・・・10,133・・・・・・・・503
4(2)・・インシディアス 第2章 ・・・・・・・12/05・・・・・・・・・・・・・118,774 ・・・・・・・・・508,607・・・・・・・・3,536・・・・・・・・342
5(4)・・くもりときどきミートボール2 ・・11/21・・・・・・・・・・・・・103,289 ・・・・・・・・・785,262・・・・・・・・5,339・・・・・・・・333
        フードアニマル誕生の秘密
6(6)・・大脱出・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12/05・・・・・・・・・・・・・・56,213 ・・・・・・・・・261,079 ・・・・・・・1,184・・・・・・・・221
7(5)・・結婚前夜(韓国)・・・・・・・・・・・・・11/21・・・・・・・・・・・・・・32,091・・・・・・・・1,191,437・・・・・・・・8,303・・・・・・・・179
8(7)・・ハンガーゲーム2・・・・・・・・・・・・11/21・・・・・・・・・・・・・・24,577 ・・・・・・・1,114,874・・・・・・・・7,779・・・・・・・・134
9(3)・・11時(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・・11/28・・・・・・・・・・・・・・17,510 ・・・・・・・・・862,010・・・・・・・・6,042・・・・・・・・205
10(8)・・友へ、チング 2(韓国)・・・・・・・11/14・・・・・・・・・・・・・・・9,640 ・・・・・・・・2,964,781 ・・・・・・21,759・・・・・・・・・89
       ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 個人的に注目の韓国映画「家に帰る道」は2位にとどまり、「ホビット」3部作の第2作「ホビット 竜に奪われた王国」がトップ。今回の新登場はこの2作品だけです。
その1位「ホビット 竜に奪われた王国」は、「ホビット 思いがけない冒険」に続くもので、邪悪な竜スマウグに奪われた祖国と秘宝を奪還すべく、ホビット族のビルボとドワーフたちが危険な世界へと足を踏み入れていくという物語。韓国題は「호빗:스마우그의 폐허(ホビット:スマウグの廃墟)」。日本公開は来年2月28日です。
 2位「家に帰る道」は、2004年フランスのオルリー空港で30代の平凡な韓国人主婦が麻薬運搬罪で捕まったという実話に基づく作品です。妻(チョン・ドヨン)と娘が自分のすべてという男(コ・ス)。生活費を稼ぐため、彼の妻はフランスに原石を運んだのですが、フランスのオルリー空港でそれが麻薬だったことがつきとめられ、彼女はその運び屋とみなされてマルティニーク島の監獄に収監されてしまいます。家も店も、さらに妻までを失った男は妻を救うために必死に訴えるのですが・・・。<韓国映画スタッフブログ>によると、家族の大切さ、人生は家族だという部分を中心に見るか、それとも、家庭を助けるためだとしても怪しいとわかっておきながら何かを運搬したんだろ?という部分を引きずってしまうか・・・というところが感想の分かれるところのようです。私ヌルボは後者かもしれん。原題は「집으로 가는 길」。直訳は「家へ行く道」ですが、「家に帰る道」と訳すのが自然でしょう。

【多様性映画】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(29)プロミスト・ランド・・・・・・・・・・・・・・・・・12/12 ・・・・・・・・・・・・・5,958 ・・・・・・・・・・・・・・・8,177・・・・・・・・・・・62 ・・・・・・・・・52
2(1)あまり者たちの・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11/28 ・・・・・・・・・・・・・2,258 ・・・・・・・・・・・・・・14,105 ・・・・・・・・・102 ・・・・・・・・・30
       ヒッチハイキング(韓国)
3(2) マリー・アントワネットに別れを告げて・・12/05・・・・・・・・・・・1,327 ・・・・・・・・・・・・・・・6,829 ・・・・・・・・・・49 ・・・・・・・・・15
4(3)・・MUD -マッド-・・・・・・・・・・・・・・・・11/28・・・・・・・・・・・・・・・・572 ・・・・・・・・・・・・・・27,962 ・・・・・・・・・202 ・・・・・・・・・・5
5(5)・・アンニョン?! オーケストラ(韓国)・・・11/28・・・・・・・・・・・・・・・・570 ・・・・・・・・・・・・・・12,200 ・・・・・・・・・・76 ・・・・・・・・・12

 新登場は1位「プロミスト・ランド」だけです。主人公スティーブ・バトラー(マット・デイモン)はシェールガス掘削会社の買収担当者。ある小さな町で各戸を訪ねて買収を進めていきますが、ある日この町を訪れた環境保護団体の青年がシェールガス採掘の危険性を訴え始めます。水質汚染のため動物たちが死に・・・等々。青年に同調した町の人たちは反対運動を始め、それに対しバトラーは町が貧困から抜け出すチャンスだと訴えます。そして住民投票をすることになりますが、そこで驚くべきことが判明します・・・。社会派マット・デイモンらしく、バトラーは内心でいろいろ葛藤する役柄のようです。・・・が、この作品はなぜか日本未公開のまま。内容が地味だから? 韓国題は「프라미스드 랜드」です。
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北朝鮮の体制を真っ向から批判したモンゴルのエルベグドルジ大統領の講演に注目

2013-12-16 17:49:04 | 北朝鮮のもろもろ
 10月31日、平壌の金日成総合大学の講義室で、モンゴルのエルベグドルジ大統領が平壌の金日成総合大学で注目すべき特別講演を行ったことは、11月16日の韓国の各メディアで報道され、また日本でも伝えられました。
 その内容というのが、北朝鮮の体制や核問題について真っ向から批判するものでした。

 私ヌルボ、この情報を知ったのが遅かったので今までブログには載せませんでしたが、その後北朝鮮での張成沢処刑事件等々が伝えられる中で、やはりこのエルベグドルジ大統領の講演の意義を再確認しよう、という意味で関係記事を整理する形でまとめてみました。

 韓国メディアでこのニュースを詳しく伝えているのは「中央日報(日本語版)」(→コチラ)と「朝鮮日報(日本語版)」(→コチラコチラ)です。

 講演の具体的内容について北朝鮮のメディアは報道しませんでしたが、半月後の11月15日講演の動画と英語の講演内容全文がモンゴル大統領室のホームページで公開(英文)され、報道されるに至ったということです。
 ※大統領室によると、外国国家元首が金日成大で講演したのは初めてとのことです。

 以下、主に「中央日報」と「朝鮮日報」の記事を照らし合わせ、エルベグドルジ大統領の発言を紹介します。

○「自由」の意義について
 ・全ての人は自由な暮らしを熱望し、これは永遠の力である。
 ・人々は自らに解決策を見いだすが、自由がない人々は外部に自分たちの苦痛の根源を探す。
 ・自由は、全ての個人が発展のチャンスを発見・実現できるようにするもので、これは人間社会を進歩と繁栄に導く。モンゴルは表現の自由、結社の自由を尊重し、法治主義を支持し、開放政策を追求する。
 ・モンゴル人は「いくら甘くても、他人の選択に従って生きるよりは、つらくても自分の思い通りに生きる方がまし」と言う。自由社会とは、達成すべき目標というより、生きていくための道だといえる。
 ・暴政は永遠には続かない。


○核問題について
 ・モンゴルは21年前に自ら非核地帯であることを宣言し、国連安保理の常任理事国5カ国は、モンゴルの非核国の地位を文書で認めた。
 ・モンゴルは政治・外交的そして経済的な方法で国家の安保を確保する道を選んだ。


○死刑制度
 ・2009年にモンゴルは死刑制度を廃止した。
 ・我々は死刑制度の完全な廃止を支持する。


 ・・・北朝鮮を訪れた人のほとんどは多かれ少なかれ「迎合的」な発言をするのが常ですが、大統領とはいえこのような歯に衣着せぬ講演をするとは実に気骨ある人です。
 「朝鮮日報」等によると、彼は次のような経歴の人物です。

 旧ソ連のリボフ軍事政治大学に留学しジャーナリズムを専攻。その後人民軍機関紙「赤い星」の記者を経て、1990年にモンゴル初の非政府系の新聞「アルドチラル(民主主義)」を創刊。同年共産党の独裁を終わらせたモンゴル民主化運動でリーダー役を務め、国会議員を4期務めた後、2009年5月にモンゴルの第5代大統領に選ばれ、今年6月に再選された。

 次に、この講演の反応とその後について。
・質問はなかったが、教授や学生など聴衆は大統領が立ち去るまで拍手喝采した。 
・北朝鮮はエルベグドルジ大統領の金日成大訪問を伝えたが、講演内容などは具体的に報道しなかった。
・大統領は北朝鮮の要求で「民主主義」「市場経済」という言葉は使わなかったという。(「自由」という言葉を禁じなかったのが北朝鮮当局の失敗だった、と見方があるのは当然ですね。)
・(韓国の)金日成大ソウル同門会長のキム・グァンジン国家安保戦略研究所研究委員は「驚くような内容であり、学生はその真意を看破しただろう」とし「北当局が収拾レベルで該当教授・学生に対し、外部に話すなと緘口令を敷いたはず」と話した。
・エルベグドルジ大統領は(名目上)第2人者の金永南(キム・ヨンナム)最高人民会議常任委員長と会見したが、金正恩第1書記とは首脳会談を行わなかった。(この講演内容が問題とされたのがその理由、との推定もある。)


 さて、日本のメディアはとみると、「産経新聞」(→コチラ)と「東京新聞」(→コチラ)の<左右両端>両紙が報道。どちらも軽くしか書いてない感じ。

 新聞ではありませんが、私ヌルボが興味深く読んだのが<現代コリア>(→コチラ)の記事。
 北朝鮮批判の講演ということで単純に持ち上げたりせず、次のように冷静に記している部分にはとくに注目しました。

 エルベクドルジ大統領は勇気ある人と言ってもいいかもしれない。ただ、これが北朝鮮に影響を及ぼすかとなると、ほとんど希望は持てない。また、北朝鮮が核を放棄する可能性はほとんどない。もし、北朝鮮の「改革・開放」への先導者にならんとしてのことなら、蛮勇の持ち主ということになるが。 
 おそらく、滞在中の大統領の日程を組み、演説を提案した当局者は強制労働所か。また、この日の聴衆だった教授や学生は演説批判の学習を強いられるに違いない。ただ、口コミの発達している北朝鮮のことだ。演説の内容が全く漏れないということはあり得ない。何らかの波紋が広がることを期待したい。


 講演が行われたのが10月30日。そして張成沢の処刑が12月12日。少なくとも金正恩に対してはこの講演が歯止めにはならなかったというわけです。あーあ・・・。
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横浜みなとみらいの海外移住資料館でいろんなことを考えました

2013-12-15 22:08:08 | お知らせ、その他いろいろ
 昨日14日は好天に恵まれた土曜日とあって横浜みなとみらいは相当な人出。5月の日曜ははるかに混みあってましたが・・・。
 私ヌルボ、ふつうはさける土日のみなとみらいに行ったのは、昔の学生時代の恩師から知り合いがいらっしゃるというJICA横浜海外移住資料館見学のお誘いを受けたから。

 いやー、恥ずかしながら私ヌルボ、2002年10月に開館したというこの資料館は初めて、・・・というか、存在を知りませなんだ。(恥)  JICAの建物は1度入って、2Fにあるこの資料館の入口あたりまではその今年5月の日曜に行ったんですけどね・・・。

 さて、この海外移住資料館の展示内容なのですが、くわしくは公式サイト(→コチラ)で・・・。
 日本人の海外移住の歴史、移住先での生活、日系人の文化活動等々について、めずらしい物や貴重な資料が数多く展示されています。意外なほどの充実した内容でそれも入館料タダ。

 順路の最初。移住の歴史の説明が、最初の人類がアフリカから全世界に拡がって・・・というところから始まっていたので、そんなスケールのでかい物語がどういうふうに現代まで展開されるのか?ととまどいましたが、すぐ幕末以降の日本人限定の展示になったのでホッとしました。(笑)

 また、ここでの移住先の「海外」とは、ほとんどハワイと南北アメリカです。
 まずハワイ(布哇)には、1885年日布移民条約が結ばれ、移民が公式に許可されるようになった、とか。(まだアメリカの支配下に入る以前です。)
 そしてブラジル(伯剌西爾)の場合は1888年に奴隷制度廃止を行った関係で農業労働者が不足し、各国から移民を受け入れることとなり、日本との間では1895年日伯修好通商航海条約が結ばれ、1908年最初の移民団が渡航。アメリカで黄禍論が高まった1920年代後半からは最大の日本移民受入国に・・・。
 北米関係は、んーと、省略。あー、日本人はどこに行っても短歌とか俳句作るんだなー、と・・・。

 ・・・等々、ヌルボが疎かった日本人移住史の基本事項がいろいろわかりました。
 で、韓国・朝鮮オタクとして残念だったのは朝鮮半島への移住についての展示物が皆無であること。
 とはいえ、説明文中の「20世紀初めの海外移住熱の高まり」とある箇所にはアタマの中で電燈が点いた感じ。
 生活者レベルでいえば、日本でこのまま生活を続けるよりも、「何らかの希望を求めて」ハワイやアメリカや南米に移住したり、あるいは台湾や朝鮮に渡ることを選んだわけで・・・。
 つまり、台湾や韓国の植民地化と、南北アメリカ等への移民と国際政治的位相は違っても、民衆レベルではどうだったか? 植民地への渡航と、諸外国への移住と、両方視野に入れつつ考える必要があるかも・・・という感想を持ちました。

 また、現在開催中の特別展示「日系人と混血-Hapaとメスチッソ-」もとても興味深いものでした。
 Hapaとは、ハワイ語で「ハーフ」のこと。(特に片方の親がアジア系の人。) またメスチッソ-(メスティーソ)とは、白人とラテンアメリカの先住民(インディオ)の混血である人々のことです。
 展示室に日系人の写真20枚が展示されているのですが、日系人といってもその「血統」が実に多様な人ばかり。5つ以上の「人種」の血を引いている人たちがたくさん。

 (※以下うろおぼえで内容不正確)近年アメリカでは国籍申請時に人種を1つだけでなく複数併記を認めるようになった、とのこと。
 ボーダーレス社会の進行とともに混血が増え、伝統的に血統主義の日本でも<日系人>の定義づけが徐々に緩くなって「日本人の先祖がいる者」といったようになってきている、とのこと。
欧米では、すでに血統如何ではなく「自分が○○人だと思う者」というレベルになってきているとか・・・。

 およそ「○○人」という概念は、次のような異なる内容をもっています。(これは展示ではなくヌルボの分類。)
 ①「人種」として、「○○人」の血をひいている人 =[生物学的な要件]
 ②「○○」という国家の国籍を持っている人 =[法的な要件]
 ③言語、宗教等の共通の文化をもつ「○○人」のコミュニティに属している等、「○○人」らしい生活を営んでいる人 =[文化的な要件]
 ④自身が「○○人」 =[個々人のアイデンティティ]

 日本人の場合、その多くは①~④を併せ持っていて、そのことが「あまりにも当然」なので①~④の違いに「無自覚」です。それ自体は悪くはないにしても、同じ目で他国や他民族の人を見てしまうと思わぬ落とし穴にはまりそうですね。

 ・・・ということで、たとえば在日韓国・朝鮮人の人たちをみると、実にさまざま。日本人と結婚していない「純粋の」韓国人でも日本国籍を取得した人も大勢いるし、あるいは韓国人&日本人のハーフでも韓国人としての韓国名を使い続ける等強い民族意識を持っている人もいれば、「血統」を隠して100%「日本人らしく」暮らしている人もいるし・・・。(ex.徐京植先生のような人もいれば鄭大均先生のような人もいる。)
 つまりは、「在日」ということで一括りにしたような言説は、書くにしても読むにしても注意してかからなければならないな、・・・と例によって毒にも薬にもならないような感想で終わってしまいますが。

 この資料館、今回は時間的制約もあってじっくりというほどは見て回らず、また入らなかった図書資料室にもいろいろ興味深い資料がありそうなので、また近いうちに行ってこようと思います。

 なお、ここの建物の3Fのポートテラスカフェというオーシャンビューの店は「国際色豊かなメニュー」を「リーズナブルなお値段」で提供、というウワサは以前から聞いていました。入ってみると、4種類のランチが各650円。
 ヌルボはタンザニアのムチュジ・ワ・クク(チキンとトマトの煮込み)というのをいただきましたが、これは正解だったですね。自宅から近いし、たしかに「リーズナブル」だし、ここもまた行こうっと・・・。(→参考。)
コメント (2)
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韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績 [12月6日(金)~8日(日)]

2013-12-10 21:08:08 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 数日前から北朝鮮№2の張成沢国防副委員長の失脚が日本のメディアでも大きく報道されています。
 一方で、「中央日報」(日本版)のサイトの11月11日に<北朝鮮が休日に7都市で80人を公開処刑、機関銃で乱射>という記事がありました。(→コチラ。)
 処刑の理由は「韓国から流入したドラマや映画を見たり、わいせつ物を流通した」などとのことです。これがふつうの国の出来事なら大ニュースどころではないでしょう。日本でもそれなりには報じられてはいますが、知らない人の方がずっと多いのではないでしょうか? あるいは<北朝鮮が強制収容所を拡大、最多20万人か>というニュースはどうでしょうか?(→コチラ。)
 マスメディアは権力者とその周辺、軍事・外交レベルのニュースは重視しても、庶民の生命に関わることには「些細なこと」とみているのでしょうか? 多くの国民もなぜか他国の庶民には関心を向けないようです。アメリカの銃乱射事件等に比べると、北朝鮮では「何があっても驚かない」という感覚になっているのでしょうか?
 こうした北朝鮮の住民あるいは脱北者に関する映画で、今週13日(金)14:50~オーディトリウム渋谷で上映される「豆満江」には注目。(→コチラ参照。)
 また、来年3月には、ユーロスペースで「北朝鮮強制収容所に生まれて」(→公式サイト)が上映されます。北朝鮮の政治犯強制収容所(平安南道价川の第14号管理所)に生まれ育ち、脱北して韓国に暮らす申東赫(シン・ドンヒョク)さんの過酷な半生をドイツ人監督が描いたドキュメンタリーです。この内容については→コチラ参照。本ブログでも彼自身による衝撃的な記録「収容所に生まれた僕は愛を知らない」については、→コチラや→コチラ、→コチラ等の過去記事で書きました。こういう本や映画に描かれていることがまぎれもない現実であることを思うと、南北の工作員合戦のような娯楽作品は、作品としての出来がいくら良くても、すなおには楽しめません。

           ★★★ Daumの人気順位(12月10日現在上映中映画) ★★★

【ネチズンによる順位】

①あまり者たちのヒッチハイキング(韓国)  9.6(32)
②メタリカ・スルー・ザ・ネヴァー  9.5(39)
③八月のクリスマス(韓国)  9.5(528)
④ニュー・シネマ・パラダイス  9.4(493)
⑤アンニョン?! オーケストラ(韓国)  9.2(21)
⑥道の上で(韓国)  9.2(65)
⑦完全に大切な愛(韓国)  9.1(183)
⑧コアラ(韓国)  9.1(96)
⑨大統領の執事の涙  9.0(58)
⑩アバウト・タイム  8.9(203)

 新登場は⑩だけです。⑤は先週多様性映画のランクで紹介しました。
 ⑩「アバウト・タイム」については後述します。

【専門家による順位】

①蜂蜜  8.5(2)
①楽園の瑕  8.5(2)
③ゼロ・グラビティ  8.2(5)
④17歳  8.0(3)
⑤ヒミズ(日本)  8.0(2)
⑥グロリアの青春  7.7(4)
⑦恋するリベラーチェ  7.6(3)
⑦イントゥギ(韓国)  7.6(3)
⑨ブルー・ジャスミン  7.5(6)
⑩ブエノスアイレス恋愛事情  7.3(3)
⑩ミスター・ノーバディ  7.3(3)
⑩あまり者たちのヒッチハイキング(韓国)  7.3(3)

 ④「17歳」と⑥「グロリアの青春」が新登場です。
 ④「17歳」は、「8人の女たちのフランソワ・オゾン監督の新作。注目の新人女優マリーヌ・ヴァクトが演じているのは名門のリセに通う女子高生。両親は離婚していて、彼女は医者をしている母と暮らしていて、母のボーイフレンドも同居。そんな彼女が登校時見知らぬ男に誘われたのがきっかけで売春を始めちゃうんですね。主に金持ち相手で・・・。ところが、そんな生活はいつか破綻するもので・・・。原題は「Jeune et Jolie」、韓国題は英題と同じで「영 앤 뷰티풀(Young and Beautiful)」。日本公開は来年の2月。
 ⑥「グロリアの青春」はチリ&スペインの合作。タイトル中のグロリアは58歳のバツイチ女性。最後の恋を求めて、お見合いパーティーに参加していて、ある日7つ年上の元海軍将校ロドルフォと出会い、恋に落ちるのですが、元妻と娘からお金をせびられたりしている彼のなさけないこと! で、彼女はどうするか? 彼女の人間像というのが、孤独で寂しい年を取った独身女性、というのとは全然違って、酒もタバコもセックスも貪欲に楽しむといった女性で、→コチラの紹介記事の見出しは「50代女性の全裸セックスシーンに世界中から感嘆の声!」。今年の第63回ベルリン国際映画祭で上映され、主演のパウリナ・ガルシアは銀熊賞(最優秀女優賞)を受賞しています。韓国題は「글로리아」。日本公開は来年3月1日です。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[12月6日(金)~8日(日)] ★★★

         1位はイギリス映画「アバウト・タイム」

【全体】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・・週末観客動員数・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(13)・・アバウト・タイム ・・・・・・・・・・・12/05・・・・・・・・・・・・・477,262 ・・・・・・・・・569,878・・・・・・・・4,257・・・・・・・・568
2(新)・・インシディアス 第2章 ・・・・・・12/05・・・・・・・・・・・・・225,733 ・・・・・・・・・273,147・・・・・・・・1,946・・・・・・・・405
3(1)・・11時(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・・11/28・・・・・・・・・・・・・158,976 ・・・・・・・・・784,348・・・・・・・・5,536・・・・・・・・415
4(6)・・くもりときどきミートボール2 ・・11/21・・・・・・・・・・・・・153,167 ・・・・・・・・・664,905・・・・・・・・4,553・・・・・・・・409
        フードアニマル誕生の秘密
5(2)・・結婚前夜(韓国)・・・・・・・・・・・・・11/21・・・・・・・・・・・・・128,680・・・・・・・・1,097,786・・・・・・・・7,668・・・・・・・・358
6(新)・・大脱出・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12/05・・・・・・・・・・・・・112,354 ・・・・・・・・・133,194 ・・・・・・・・・971・・・・・・・・287
7(3)・・ハンガーゲーム2・・・・・・・・・・・・11/21 ・・・・・・・・・・・・・・98,067 ・・・・・・・1,050,797・・・・・・・・7,345・・・・・・・・315
8(5)・・友へ、チング 2(韓国)・・・・・・・・11/14 ・・・・・・・・・・・・・・78,392 ・・・・・・・2,920,249・・・・・・・21,444・・・・・・・・331
9(4)・・チャンス(韓国)・・・・・・・・・・・・・・11/28 ・・・・・・・・・・・・・・59,322 ・・・・・・・・・404,919・・・・・・・・2,978・・・・・・・・298
10(23)・・おしん(日本) ・・・・・・・・・・・・・12/05 ・・・・・・・・・・・・・・22,577 ・・・・・・・・・・58,485 ・・・・・・・・・380・・・・・・・・233
       ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 4年前からこのブログ及び韓国の映画興行成績の記事をやってますが、その間韓国映画とアメリカ映画以外の作品がトップになったことがあったかどうか、わかりません。それだけめずらしいことです。
 新登場は1・2・6・10位の4作品です。このところ大体4つずつ入れ替わってます。
 1位「アバウト・タイム」は、そのめずらしいイギリス映画。分類するとSFロマコメで、具体的にはタイムスリップ物というと「11時」と共通ですが、コチラは主人公の青年自身の過去がその範囲。自分の過去に戻って、それも何度も過去をやり直して理想の女性と出会って、・・・って「いいなー」とフィクションなのについ本気で(?)うらやましく思った私ヌルボですが、ある実際に観た方のブログには「いくら時間をさかのぼって出会いの場面や、愛の告白をそっくりそのまますり替えようとも、相手の心まで自分の希望どおりにはすり替えられないゾ(゙ `-´)/」と至極当然のことが書かれていて、(なぜか)うなだれてしまいました。観た人たちの感想は総じて好評。なんで日本公開が未定なのだ!? 韓国題は「어바웃 타임」です。
 2位「インシディアス 第2章」は、2010年の前作の続編。前作では、新居に引越したらさまざまな怪奇現象に襲われたランバート一家。今作では父親の母の家に移るが、父親の少年時代の秘密を探ろうとしたことから再び想像を絶する恐怖に見舞われることに。わー、なんという悲惨な家族なんや!(突然の関西人。) 韓国題は「인시디어스: 두번째 집」。日本公開は来年1月10日です。
 6位「大脱出」は、シルべスター・スタローンとアーノルド・シュワルツェネッガーの2大スターが競演するサバイバル・アクション大作。何者かに濡れ衣を着せられたブレスリン(スタローン)がぶち込まれた所は、“墓場“と呼ばれる海上のタンカーにある牢獄。彼は脱出計画を練り始めるが、囚人を束ねるロットマイヤー(シュワルツェネッガー)に目をつけられてしまう・・・。韓国題は「이스케이프 플랜」。日本公開は来年1月10日です。
 10位の「おしん」は日本では10月に公開されましたが、さして話題になることもなく、首都圏では1ヵ月ほどで打ち切られてしまったようですね。<懐かしの名画ブーム>の韓国の方が注目されているかも・・・。韓国題は「오싱」です。

【多様性映画】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(2)あまり者たちの・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11/28 ・・・・・・・・・・・・・2,838 ・・・・・・・・・・・・・・・9,861 ・・・・・・・・・・73 ・・・・・・・・・35
       ヒッチハイキング(韓国)
2(新) マリー・アントワネットに別れを告げて・・12/05 ・・・・・・・・・2,405 ・・・・・・・・・・・・・・・3,723 ・・・・・・・・・・27 ・・・・・・・・・21
3(1)・・MUD -マッド-・・・・・・・・・・・・・・・・11/28・・・・・・・・・・・・・・2,337 ・・・・・・・・・・・・・・26,167 ・・・・・・・・・190・・・・・・・・・30
3(新)・・ミッション ・・・・・・・・・・・・・・・1986/12/24 ・・・・・・・・・・・・・2,298 ・・・・・・・・・・・・・・22,709 ・・・・・・・・・・81 ・・・・・・・・・・1
5(4)・・アンニョン?! オーケストラ(韓国) ・・・11/28 ・・・・・・・・・・・・・1,495 ・・・・・・・・・・・・・・・9,875 ・・・・・・・・・・62 ・・・・・・・・・24

 2・3位が新登場です。
 2位「マリー・アントワネットに別れを告げて」は、日本では2012年12月に公開されました。韓国題は「페어웰, 마이 퀸(フェアウェル、マイ・クィーン)」。
 3位「ミッション」は、この頃定番となった感のあるシルバー映画館での再上映ですね。韓国題は「미션」です。シルバー映画館のサイト(→コチラ)を見ると、今上映中の2本のうち1本は「三十四丁目の奇蹟」(1947)。クリスマスが近いからなー。来週は出てくるかな? もう1本は申相玉監督、崔銀姫主演の「同心草(동심초)」(1959)。朝鮮戦争で寡婦となった女性の物語。歌曲もあって、これが美しい曲なのですよ。(→コチラ。)
 最近この「同心草」の他「ある女子大生の告白」(1958)「姉妹の花園」(1959)の3作品を収録したDVDが発売されたという記事がありました。(→コチラ。)
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韓国でも急増する無縁死  とくに多いチョッパンチョン(ドヤ街) (上)

2013-12-06 20:52:27 | 韓国の時事関係(政治・経済・社会等)
 横浜市立図書館で月刊「新東亜」11月号を開くと、第49回新東亜ノンフィクション公募最優秀作の「男、一人で死ぬ 無縁故死亡者83人の記録」が目にとまりました。
 審査員にも注目された6人の大学生の共同執筆によるもので、韓国でも増えている<無縁死>の問題を、個々の事例を取材し、分析した記録です。
 ※この記事は<新東亜>のサイトで読むことができます。(→コチラ。)

 このノンフィクションは、2012年3月~13年5月までのソウルの無縁故死亡者83人について調査し、とくにその中の7人についてそれぞれの事情を詳しく記しています。
 とくに筆者たちが注目したのが、83人中男性が77人を占めていること。ソウル市の独居老人の71%は女性なのに・・・。
 その理由・背景について、失業や事業の失敗によって生活を維持できなくなったことが大きいと分析しています。その結果離婚されたり、子供からも棄てられたり・・・。
 無縁故死といっても、実は縁故者はいるのに遺体の引受けを拒否される事例が大半で、その数が増加しているといいます。

 日本では、2010年NHKスペシャルで放映された「無縁社会 ― “無縁死”三万二千人の衝撃」が大きな反響をよびました。(→コチラ。)
 韓国でも、日本と同様の高齢社会となり、また伝統的な家族や地域の人間関係も大きく変わりつつあって、<孤独死>や<無縁死>も共通の社会問題となってきたというわけです。

 昨年9月の「朝鮮日報」(日本語版)の記事「無縁故者の「直葬」、韓国でも増加傾向に」(→コチラ)によると、ソウルの無縁故死亡者(身元未詳や、遺体引受人のない死亡者)は、2009年206人、2010年273人、2011年301人、2012年282人。
 東京23区内の場合は、65歳以上の独居者が自宅で死亡したケースは2002年に1364人だったのが2008年は2211人。孤独死≠無縁死(正確には孤独死∋無縁死)ですが、まだソウルの方が数字的には少ないようです。

 さて、上記の「新東亜」の記事中に無縁故死亡者83人のリスト(→コチラ)があり、そこに「住居形態」という項目があります。
 その内訳は、チョッパンチョン(쪽방촌)滞在者が16人、考試院(고시원)生活者が8人、旅館(여관)に長期投宿3人、1間の住宅(주택 단칸방)及びチョッパン(쪽방)生活者22人、アパート(아파트)生活者5人。

 考試院(コシウォン)は、元はといえば公務員試験受験者用の勉強部屋で、→コチラの記事では主にそのような説明をしていますが、それが経済的に苦しい人たちの生活の場所になってきて、その状況は<レイバーネット>中の「現代版貧民窟、考試院」と題した記事(→コチラ)に詳述されています。
 また、おなじみのブログ<大塚愛と死の哲学>では2009年に「追跡取材:「1坪人生」送る会社員が急増」という見出しの「朝鮮日報」の記事を紹介しています。(→コチラ。) このブログでは、2011年には「死よりも先に無縁化が来る社会」と題した記事(→コチラで今回のこの記事と同じテーマを扱っているし、ホントに鋭敏な情報感度です。

 考試院はヌルボ自身1度宿泊したこともありますが、それ以上に無縁故死亡者が多かったというチョッパンチョンのことはよく知りませんでした。
 ということで、続きはそのチョッパンチョンについて書く予定です。 ※2017年5月現在、続きはまだ書いていません。
 (しかし、このテーマは他人事ではないゾ。気が重くなってくるなー・・・。)
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韓国語で歌うクリスマス・ソング

2013-12-05 21:37:36 | 韓国の音楽
 年を取って身体の動きや脳の働きが遅くなるためか、季節の移り変わりへの対応が鈍くなり、暑くなっても厚着のまま、寒くなっても薄着のままが続いたりします。(って、私ヌルボだけ?)
 そうでなくとも、なにかと取りかかるのが遅い性分で、夏休みの宿題は休み明け直前になるのが常で、そのため今もツクツクボウシの声を聞くと何かせきたてられるような気がします。
 そして暮れの街に流れるクリスマス・ソングも同様。暮れどころか12月の初めでも全然めずらしくはないようになってきました。しかし、11月というのはいくらなんでも早すぎます。

 以前過去記事(→コチラ)で、私ヌルボが初めて西洋の歌の韓国語版を聞いたのが「サンタが町にやってくる(Santa Claus Is Coming to town)」だった、ということを書きました。
 たぶんKBSラジオでたまたま聴いたと思います。その時は<サンタハラボジ(サンタおじいさん)>という言葉以外は歌詞が聴き取れませんでした。

 今その過去記事を確認してみると、リンク先が消えていたりしていたので、この際他の代表的なクリスマス・ソングもまとめて動画リンクとセットで紹介しておきます。

①「サンタが町にやってくる」
 韓国では「울면 안돼(泣いちゃダメ)」 →動画
 ※「산타할아버지 우리마을에 오시네(サンタハラボジわが町にいらっしゃる)」というタイトルのものもあります。

   

 この<꾸러기 동요(クロギ・ドンヨ.いたずらっ子童謡)>という動画シリーズは私ヌルボ気に入りましたねー。クリスマス・ソングだけでなくたくさんの童謡のを、すべて歌詞字幕入りのアニメ動画で提供しているんですね。
 ということで、以下の歌もすべてこの<꾸러기 동요>とリンクを張っています。
 この歌でもバックにセリフが入ってます。②「きよしこの夜」のように、たまに間奏部分等でラップのような詞が入ったりしているのもあります。

  울면안돼 울면안돼 산타할아버지는 우는애들엔(에겐) 선물을 안주신대 
  산타할아버지는 알고계신대 누가 착한앤지 나쁜앤지 오늘밤에 다녀가신대

  잠잘때나 일어날 때 짜증낼때 장난 할 때도 산타할아버지는 모든것을 알고계신대
  울면안돼 울면안돼 산타할아버지는 우리마을을 오늘밤에 다녀가신대


②「きよしこの夜(聖夜)」
 韓国では「고요한 밤 거룩한 밤(静かな夜 聖なる夜)」 →動画

  고요한 밤 거룩한 밤 어둠에 묻힌 밤
  주의 부모 앉아서 감사 기도 드릴 때
  아기 잘도 잔다 아기 잘도 잔다

  고요한 밤 거룩한 밤 영광이 둘린 밤
  천군 천사 나타나 기뻐 노래 불렀네
  왕이 나셨도다 왕이 나셨도다

  고요한 밤 거룩한 밤 동방의 박사들
  별을 보고 찾아와 꿇어 경배 드렸네
  왕이 나셨도다 왕이 나셨도다

  고요한 밤 거룩한 밤 주 예수 나신 밤
  그의 얼굴 광채가 세상 빛이 되셨네
  왕이 나셨도다 왕이 나셨도다


③「ジングルベル」
 韓国では「징글벨」または「징글벨(鐘の音)」 →動画

  흰눈사이로 썰매를 타고 달리는 기분 상쾌도하다
  종이 울려서 장단 맞추니
  흥겨워서 소리 높여 노래 부르자

  종소리 울려라 종소리 울려
  우리 썰매 빨리 달려 종소리 울려라
  종소리 울려라 종소리 울려
  기쁜 노래 부르면서 빨리 달리다


 なかなか軽やかな歌い方でいいですね。 
 「♪ジングルベル ジングルベル 鈴が鳴る」のところが韓国版では「♪종소리 울려라 종소리 울려(チョンソリ ウリョラ チョンソリ ウリョ)」。とりあえずはこのあたりから覚えるかな。

④「もろびとこぞりて」
 韓国では「기쁘다 구주 오셨네(うれしい! 救い主がいらっしゃった)」 →動画

  기쁘다 구주 오셨네 만백성 맞으라
  온 교회여 다 일어나
  다 찬양하여라 다 찬양하여라
  다 찬∼양 찬∼양하여라

  구세주 탄생 했으니 다 찬양 하여라
  이 세상의 만물들아
  다 화답하여라 다 화답하여라
  다 화∼답 화∼답 하여라

  온 세상 죄를 사하러 주예수 오셨네
  죄와 슬픔 몰아내고
  다 구원하시네 다 구원하시네
  다 구∼원 구∼원하시네

  은혜와 진리 되신 주 다 주관하시니
  만국 백성 구주 앞에
  다 경배하여라 다 경배하여라
  다 경∼배 경배∼하여라


 鐘の音が調子っぱずれなのがちょっと気になります。

⑤「赤鼻のトナカイ」
 韓国では「루돌프 사슴 코(ルドルフトナカイの鼻)」 →動画
  루돌프 사슴코는 매우 반짝이는 코
  만일 네가 봤다면 불붙는다 했겠지
  다른 모든 사슴들 놀려대며 웃었네
  가엾은 저루돌프 외톨이가 되었네

  안개낀 성탄절날 산타 말하길
  루돌프코가 밝으니 썰매를 끌어주렴
  그후론 사슴들이 그를 매우 사랑했네
  루돌프 사슴코는 길이 길이 기억되리


 성탄절聖誕節です。

⑥「ザ・ファースト・ノエル」
 韓国では「노엘(ノエル)」 →動画

   

  저들밖에 한밤중에 양틈에 자던 목자들
  한 천사가 전하여준 주나신 소식 들었네
  노엘 노엘 노엘 노엘 이스라엘 왕이 나셨네

  저 동방에 별 하나가 이상한 빛을 빛추고
  이 땅위에 큰 영광이 나타날 징조 보였네
  노엘 노엘 노엘 노엘 이스라엘 왕이 나셨네
  노엘 노엘 노엘 노엘 이스라엘 왕이 나셨네


 この歌は大好きなので、動画を載せました。とくにケルティック・ウーマンの澄んだ歌声(→コチラ)は心が洗われるようで、ヌルボのような善良な人間も「俺が悪かった!」と突っ伏してざんげしたくなってしまいます。
 あ、東方神起もなかなかいいフンイキで歌ってますね。(→コチラ。)

 最後に、クリスマスとは関係ありませんが、<꾸러기 동요>の中にヌルボの好きな金大賢(キム・デヒョン.김대현.1917~85)作曲・キム・ヨンイル(김영일)作詞の「子守歌(자장가)」があったのでリンクを張っておきます。音楽の教科書にも載っていて、韓国人なら皆知っている名曲です。(→コチラ。)
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韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績[11月29日(金)~12月1日(日)]

2013-12-03 19:42:51 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 先週金曜日、岩波ホールに行きました。観客が殺到という状態は緩和されているのかなと思ったら甘かったです。11:30の回を目当てに11:00頃行ったらダメで、14:30のチケットを購入。ま、それで正解。1時間前までには行かないと買えないみたい。(19:00の回はまだマシかも。)
 で、その「ハンナ・アーレント」は良かったです。それにしても、ずいぶんと思弁的なテーマの作品をあんなに多くの人が観にくるとはねー。わかりやすい描き方をしているというのが大きいのかも。私ヌルボとしては、韓国の人ならどう見るか、ということを考えました。今年5月に開かれた<ソウル国際女性映画祭 2013>で上映されてはいるのですが・・・。
 日本人の場合、「アイヒマンは反ユダヤ思想の狂信者とか怪物的な殺人鬼ではなく、ごくふつうの人間だった」というアーレントの見解は理解しやすいのではないでしょうか? そして、アーレントを非難するユダヤ人たちの方が「凝り固まっている」ようにみえるのでは?
そういう図式が、日本の歴史認識を糾弾したり、「日本人は元来侵略的な意図を持った悪いヤツラ」と言う人もいる韓国人に対して、日本人は「自分たちがふつうの人間であることはよくわかっている」からです。
 ・・・ということで、韓国でのこの映画にたいする反響や、ハンナ・アーレントの「イェルサレムのアイヒマン」の読まれ方等を探ってみました、・・・って、それをここに書くと確実に字数オーバーになるので(常套手段の)またいずれ。

 大分前に紹介した脱北者を扱った張律(チャン・リュル)監督の「豆満江」が、今<中国インディペンデント映画祭2013>(atオーディトリウム渋谷)の中で上映されています。あと12/13(金)14:50の1回だけですが・・・。昨晩も上映されましたが、イメージフォーラムでやっていたポーランド映画「夜行列車」の方を優先したからなー。(あの妙に印象的な主題曲が半世紀以上(!)脳裏に浮かんでは消えしてきたのです。)

           ★★★ Daumの人気順位(12月3日現在上映中映画) ★★★

【ネチズンによる順位】

①メタリカ・スルー・ザ・ネヴァー  9.6(37)
②あまり者たちのヒッチハイキング(韓国)  9.6(25)
③八月のクリスマス(韓国)  9.5(526)
④ニュー・シネマ・パラダイス  9.4(493)
⑤道の上で(韓国)  9.2(65)
⑥コアラ(韓国)  9.1(89)
⑦完全に大切な愛(韓国)  9.1(165)
⑧大統領の執事の涙  9.1(25)
⑨キャプテン・フィリップス  8.9(283)
⑩ブルー・ジャスミン  8.8(77)

 ②と⑧が新登場です。
 ②「あまり者たちのヒッチハイキング」の原題は「잉여들의 히치하이킹(剰余たちのヒッチハイキング)」。この잉여(剰余)という言葉が今の韓国でどのような意味で用いられているかについては、先々週の記事(→コチラ)を参照されたし。ここではとりあえず<あまり者>と訳しました。この映画の主役はその<あまり者>といわれる4人の20~24歳の若者たち。80万ウォンとカメラ1台持って飛行機でヨーロッパへ。彼らは宿泊施設の広報映像を撮る代わりにタダで泊めてもらって1年間でヨーロッパを一周するというねらいでまずはパリへ。しかし計画通りにうまくいくはずもなく、結局は寒さを避けてローマまでヒッチハイク。そうするうちに予想外のチャンスが・・・。彼らの旅はイスタンブール、そして最後の終着駅であるイギリスのロンドンまで続きます。
 ⑧「大統領の執事の涙」の主人公セシル・ゲインズは1952年から1986年まで34年間もホワイトハウスで執事を務めた実在の人物。トルーマンからレーガンまで8人の大統領に仕えました。1952年は黒人は選挙権がないどころか差別がふつうにあった時代。いろんな施設等が「白人専用」でした。その後60年代に公民権運動が展開され、キング牧師の暗殺等もありましたが、少しずつ黒人の権利が認められていく・・・そんなことを大統領が決定してサインするのを、ゲインズは横で見てきたのです。そして彼が世を去る少し前にオバマが大統領に就任。そんな1人の執事の人生とアメリカ現代史を重ねて描いた作品。TBSラジオ『たまむすび』の中で町山智浩氏が解説していましたが、これがとてもおもしろいです。(→コチラ参照。)
 「レイプされて頭がおかしくなっちゃう」というゲインズのお母さんを演じてるのがスッピンのマライア・キャリーだとか、ゲインズを初めてホワイトハウスの主賓としてディナーに招待したレーガン夫人を演じてるのが(反体制の) ジェーン・フォンダだとか、ホワイトハウスで働いている人たちはみんな黒人なんだとか・・・。韓国題は「버틀러:대통령의 집사」。日本公開は2014年2月15日です。

【専門家による順位】

①蜂蜜  8.5(2)
①楽園の瑕  8.5(2)
③ゼロ・グラビティ  8.2(5)
④ヒミズ(日本)  8.0(2)
⑤恋するリベラーチェ  7.6(3)
⑤イントゥギ(韓国)  7.6(3)
⑦ブルー・ジャスミン  7.5(6)
⑧ブエノスアイレス恋愛事情  7.3(3)
⑧ミスター・ノーバディ  7.3(3)
⑧あまり者たちのヒッチハイキング(韓国)  7.3(3)

 ①「楽園の瑕」と⑧「あまり者たちのヒッチハイキング」が新登場です。
 ①「楽園の瑕」は1994年の王家衛(ウォン・カーウァイ)監督作品の再上映です。韓国題は原題と同じ「동사서독(東邪西毒)」。(この作品は、金庸の武侠小説に基づいているんですね。全然別の話になってるようですけど。金庸の小説はどれもおもしろいですよ。)
 ⑧「あまり者たちのヒッチハイキング」については上述しました。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[11月29日(金)~12月1日(日)] ★★★

         韓国製SFスリラー「11時」が1位

【全体】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(43)・・11時(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・11/28・・・・・・・・・・・・・377,164 ・・・・・・・・・449,088・・・・・・・・3,217・・・・・・・・512
2(3)・・結婚前夜(韓国)・・・・・・・・・・・・・11/21・・・・・・・・・・・・・233,137・・・・・・・・・841,561 ・・・・・・・・5,780・・・・・・・・421
3(2)・・ハンガーゲーム2・・・・・・・・・・・・11/21・・・・・・・・・・・・・206,550 ・・・・・・・・・869,226・・・・・・・・6,069・・・・・・・・416
4(新)・・チャンス(韓国) ・・・・・・・・・・・・・11/28・・・・・・・・・・・・・201,911 ・・・・・・・・・256,240・・・・・・・・1,902・・・・・・・・414
5(1)・・友へ、チング 2(韓国)・・・・・・・・11/14 ・・・・・・・・・・・・・197,199 ・・・・・・・2,752,877・・・・・・・20,236・・・・・・・・445
6(4)・・くもりときどきミートボール2 ・・11/21・・・・・・・・・・・・・・194,587 ・・・・・・・・・491,847・・・・・・・・3,372・・・・・・・・490
        フードアニマル誕生の秘密
7(55)・・リディック:ギャラクシー・バトル・・11/28 ・・・・・・・・・・・・73,758 ・・・・・・・・・・93,786 ・・・・・・・・・670・・・・・・・・275
8(新)・・大統領の執事の涙 ・・・・・・・・・11/28 ・・・・・・・・・・・・・・44,521 ・・・・・・・・・・53,731 ・・・・・・・・・386・・・・・・・・178
9(5)・・マイティ・ソー/ダーク・ワールド・・10/30・・・・・・・・・・・・44,048・・・・・・・・3,015,153・・・・・・・22,350・・・・・・・・173
10(7)・・ゼロ・グラビティ・・・・・・・・・・・・・10/17 ・・・・・・・・・・・・・・29,099 ・・・・・・・3,140,905・・・・・・・30,515 ・・・・・・・・・55
       ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 「11時」、「結婚前夜」が1・2位ですが、観客数をみるとイマイチかな? 6位までドングリの背比べですね。
 新登場は1・4・7・8位の4作品です。
 1位「11時」は、韓国ではめずらしいSF。具体的にはタイムスリップ物なんですが、時代を超えて、というのではなく、24時間後。1日差のタイムスリップといえば、真木よう子や上野樹里が出ていた「サマータイムマシン・ブルース」という佳作が思い出されますが、ソチラはコメディ。コチラはスリラー。タイムスリップを研究中の物理学者ウソク()。理論的には成功するが、投資企業は24時間後という点や同じ場所に移動することを理由に研究の中止を告げる。ウソクは研究を続けるためタイムスリップに自ら挑戦する。しかし今持っているエネルギーで未来に滞在できる時間はたった15分だけ。弟子格のヨンウン(キム・オクビン)と共にタイムマシンを乗って24時間後である<明日午前11時>に向う。ところが、彼がそこで目撃したのは火の海になった研究棟。研究員たちは皆消えていた。その上ウソクは何者かから攻撃に遭う。かろうじて現在に戻ってきた彼は、次々に現実化していく不幸を防ごうと孤軍奮闘する・・・。チョン・ジェヨンはホント芸域が広いです。原題は「열한시」。
 4位「チャンス」のタイトルは、英語のchanceではなくて名前です。そういえばボクサーの元セカイチャンピオン徳山昌守もチャンス(창수)でしたね。で、この映画の主人公チャンス(イム・チャンジョン)は孤児院育ちの服役代行業者。つまり監獄に代わりに入る代価で金を得る底辺暮らしの人物。そんな彼がある日美しい女性に出会って人生は180度逆になるが、幸福が続かないのが世のさだめ。それどころか結局チャンスは破局に突き進む・・・。原題は「창수」。
 7位「リディック:ギャラクシー・バトル」はアメリカのSFアクション。圧倒的戦闘能力を誇る極悪人リディックが、モンスターたちがひしめく惑星からの脱出を図る・・・。韓国題は「리딕」。日本公開は2014年3月8日です。
 8位「大統領の執事の涙」については上述しました。

【多様性映画】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(7)・・MUD -マッド-・・・・・・・・・・・・・・・・11/28・・・・・・・・・・・・・12,470 ・・・・・・・・・・・・・・17,370 ・・・・・・・・・130・・・・・・・・113
2(15)あまり者たちの・・・・・・・・・・・・・・・・・・11/28 ・・・・・・・・・・・・・2,934 ・・・・・・・・・・・・・・・4,872 ・・・・・・・・・・36 ・・・・・・・・・31
       ヒッチハイキング(韓国)
3(新)・・花様年華・・・・・・・・・・・・・・・・2000/10/20 ・・・・・・・・・・・・・2,624 ・・・・・・・・・・・・・・・7,587 ・・・・・・・・・・54 ・・・・・・・・・33
4(6)・・アンニョン?! オーケストラ(韓国) ・・・11/28 ・・・・・・・・・・・・・1,998 ・・・・・・・・・・・・・・・6,332 ・・・・・・・・・・41 ・・・・・・・・・47
5(4)・・イントゥギ(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・・11/14 ・・・・・・・・・・・・・1,093 ・・・・・・・・・・・・・・15,128・・・・・・・・・109・・・・・・・・・・26

 1~4位が新登場です。
 1位「MUD -マッド-」は、アーカンサスに住む14歳の少年エリスが友人ネックボーンとともに大河の小島にボートに乗って探検に行き、そこでマッドという男と遭遇する。エリスは彼の不思議な魅力に心を動かされるが、実はマッドは罪を犯して追われる身だった。最愛の女性に会いたいというマッドの願いをかなえようとエリスは奔走するが・・・。現代版「スタンド・バイ・ミー」というふれ込み。なるほど。韓国題は「머드」。日本公開は2014年1月18日です。
 2位「あまり者たちのヒッチハイキング」は前述しました。
 3位「花様年華」は、王家衛監督の2000年の作品の再上映。
 4位「アンニョン?! オーケストラ」は今年の釜山映画祭に出品されたドキュメンタリー。リチャード・ヨンジェ・オニルは、アメリカに養子縁組された韓国人の母とアイルランド系米国人の祖父母によって育てられたヴィオリスト。そんな彼が<多文化家庭>、つまり国際結婚等による家族のの子どもたち24名でオーケストラを結成し、ややもすれば差別されがちな子どもたちを音楽が持つ治癒と疎通の力で支えてきた・・・。原題は「안녕?! 오케스트라」です。
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韓国のTV番組 週間視聴率ベスト20(2013年11月25日~12月1日)

2013-12-02 23:48:08 | 韓国のTV番組 週間視聴率ベスト20
 2ヵ月に1回の記事です。前回は→コチラ

 データの出所は韓国の視聴率調査機関TNmSのサイト中の「全国・地上波」の部です。

 韓国のTVやラジオをパソコンで視聴する方法については、→コチラや→コチラで書きました。
 で、いちばん手っ取り早いのが(KBSについては)<KBS Able>(→コチラ。)
 一度登録(無料)しておけば、KBSのTVやラジオをリアルタイムで視聴できます。
 したがって、パソコンで文書等を作成していたり、インターネットをいろいろ見たりしている時に、韓国語学習者の皆さんはラジオを聞き流しているとそれだけで韓国語の勉強にもなり、韓国のニュース等々も聴くことができます。これはオススメ!

 オススメといえば雑誌「韓流ぴあ」。何をいまさら、と思われるかもしれません。2006年3月に創刊した時は季刊、翌年隔月化し、今は月刊。
 私ヌルボ、ドラマはほとんど見ないし、K-POPもとくに誰のファンというわけでもないので、ほとんど「韓流ぴあ」とは無縁だったのですが、数ヵ月前から見てみると、いろんな情報満載で、とくに誰のファンとか韓ドラファンでなくとも興味深く読めるんですね。たとえば、「韓国時代劇人物研究」「韓国音楽・芸能史」「学校では教えてくれない韓国語」のような連載記事など。
 いやー、この雑誌の編集・取材スタッフ、よくがんばってると思います。
 その公式サイトが→コチラ。これも充実した内容です。

     
          【12月号の表紙はソン・スンホン。】

     
          【ドラマの週間視聴率ランク。】

     
         【連載「韓国音楽・芸能史」は今号が第11回。】

【11月25日(月)~12月1日(日)】

①週末連続劇「ワン家の家族たち[왕가네 식구들]」(KBS2)  33.4%
 今回も1位。前回の27.4%からさらにアップ。

②日日連続劇「愛は歌に乗って[사랑은 노래를 타고]」(KBS1)  25.1%
 「天まで届け、この想い[지성이면 감천]」の後続として11月4日からスタートしたミュージカル・ドラマ。ガールズグループSISTARのダソムが本格的な女優として注目のスタート、なのだそうです。彼女のような「演技をするアイドル」のことを、昨年頃から演技ドル(연기돌.ヨンギドル)といってるそうですね。(→参考。)
 ドゥリム(ダソム)はミュージカル俳優を夢見ているクリーニング店の娘。親に内緒で店に置いてあった客の服を借りて(!)、自転車でオーディション会場に向かった。その途中、前を行く自転車に乗っていた弁護士のヒョヌ(ペク・ソンヒョン)とぶつかり、自転車は壊れ客の服まで破ってしまった(!!)。ドゥリムはこの全てがヒョヌのせいだと思い込み(!!!)謝罪と賠償を要求(!?!?) いざこざするうちに彼の電話番号を知ることとなった(!!!!)。就職して初の挨拶をするため法律事務所に向かっていたヒョヌも、事故で服が汚れ、同僚弁護士たちに強烈な印象を残した。そのヒョヌに片思いをしているのがドゥリムの姉スイム(ファン・ソニ)で・・・、って最初から韓ドラらしさいっぱいですねー。 しかし、日本のドラマだったら主人公が「客の服を借りて・・・」というところでもうダメでしょう。結局事故でオーディションに遅れたドゥリムは一曲も歌えず、すごすごと帰宅。そんな中「クリーニング屋で自身の服がなくなったと怒っている客を発見し、高飛びした」とは! 口あんぐり。

③ドラマスペシャル「相続者たち[상속자들]」(SBS)  19.2%
 正式タイトルは「王冠をかぶろうとする者、その重さに耐えろ~相続者たち」とは、長い!
 舞台は、主に金持ちの子弟が通う帝国高等学校。そんな中、相続したのは貧困だけという平凡な女子高生チャ・ウンサン(パク・シネ)をめぐって、財閥の御曹司キム・タン(イ・ミンホ)たちがコメディタッチのドタバタロマンスを繰り広げる・・・。また財閥の男性と貧しい女性の取り合わせかー。

④日日連続劇「オーロラ姫[오로라공주]」(MBC)  18.7%
 前回から⑫→⑧ときて今回はさらにランクアップ。しかしこのドラマ、「どこに飛んでいくかわからない」という展開だけでなく、俳優たちの相次ぐ降板等々、場外でもいろいろ話題になってるようです。序盤(7月)でアレレのアメリカ行きの設定で物語から消えて「もう出番ナシ」と予告なしで2人の俳優(パク・ヨンギュとソン・チャンミン)を降板させて物議を醸した(!)とか、最近は、当初の120話予定のが150話まで延長されたのを、さらに50話延長の話が出てきたのに対して一部の視聴者たちが延長反対の署名キャンペーンを始めたとか・・・。私ヌルボ、そんなら見なけりゃいいじゃん、と思うのですが、延長を提案したとかいう脚本家のイム・ソンハンの原稿料が50億ウォンで、というあたりも腹にすえかねるようで(?) それでもこの高視聴率だからな。現実もなんだか彼の脚本のように「マクチャン」(韓国式トンデモドラマ)めいてるぞ。

⑤KBSニュース9(KBS1)  18.7%

⑥ギャグコンサート[개그콘서트](KBS2)  16.1%
 前回から1ランクアップ。

⑦月火特別企画「奇皇后」[기황후](MBC)  15.8%
 「火の女神ジョンイ」の後番組として10月28日から始まりました。モンゴルに圧迫されていた頃の高麗時代の物語。モンゴル帝国の皇后となった高麗女性の奇皇后(ハ・ジウォン)の愛と闘争を描いた全50話の時代劇。異国皇室生活にも高麗の自負心を守りながら政治的理想を実現していくとともに展開される高麗王ワン・ユ(チュ・ジンモ)と元の皇太子タファン[後の皇帝・順帝](チ・チャンウク)の三角ロマンス、かな? 登場人物を実際の歴史とは違って美化しているところがあり、歴史の歪曲に関する議論が・・・、って、フュージョン時代劇までいっちゃえば問題ないの? ・・・と思いつつ検索してヒットしたのが「東亜日報」(日本語版)の「ひたすら優しい主人公とのロマンス…ファンタジーになった韓国時代劇」と題した記事。(→コチラ。)
 「問題は、韓国時代劇の主人公をいつも正義的で純情派である上に民族主義的な人物に設定し、事実とは全く違ったファンタジー水準に性格を改造することにある」とか「最近、さまざまな時代劇が主人公を絶対的な善として作られ、ロマンスを乱発している」とか書かれていて、また「いっそ主人公の奇皇后も仮想の女性に変えていた方が良かったかもしれない」と、結局はヌルボと同じような結論でないの。

⑧日日ドラマ「ルビーの指輪[루비반지]」(KBS2)  15.3%
 ルビーというのはヒロインのチョン・ルビ(イ・ソヨン)の名前でもあるわけね。彼女は一度は別れたかつての恋人ギョンミン(キム・ソックン)と再会し結婚を約束するが、思わぬ事故により双子の妹チョン・ルナ(イム・ジョンウン)と運命が入れ替わってしまう。そして別人の人生を生きることになった姉妹の壮絶な愛と復讐・・・、と最初から韓国ドラマの主な要件がてんこ盛り。

⑨歌謡舞台[가요무대](KBS1)  13.8%
 ⑯位からアップ。11月25日(月)はリクエスト(申請曲)特集ということで、「カルムリ」とか「カスマプゲ」等々、懐かしの名曲をいろいろやってました。やっぱりトロットはええなー・・・。韓国のオジサンたちとここらへんは気が合いそう。

⑩「全国歌自慢[전국노래자랑]」(KBS1)  13.7%
 ⑦位から3つダウン。

⑪テレビ小説「ウンヒ[은희]」(KBS2)  13.6%
 ふつうに発音するとウンヒじゃなくてウニなんですけどね。「朝鮮戦争直前に起こった殺人事件を中心に、三家族の行き違いの運命と和解、愛を描く感動のヒーリング・ドラマ!」というふれ込みで<KBS WORLD>でも9月からやってますね。濡れ衣を着せられ亡くなった父親のせいで、 殺人者の娘としてつらい人生を生きるウンヒを演じる「話題の新人」キョン・スジンを「“第2のソン・イェジン”と称された!」というのは、映画「ラブ・ストーリー」のポスター同様ヒロインが傘をさしている写真を使っていることと関係あるのかな? ストーリーを追うと、やはり秘められた過去、出生の秘密、思いがけなく読み筋通り(!?)の真犯人とか、なるほどの展開になってるようです。

⑫無限挑戦[무한도전](MBC)  13.4%

⑬週末特別企画「黄金の虹[황금무지개]」(MBC)  13.3%
 「スキャンダル」の後続。「7人の孤児の姉弟が海洋水産分野で大きな成功を収める」というから、健全な心温まるサクセスストーリーかなと思ったら、ここでもやっぱり出生の秘密があって、ヒロインのペクウォン(AFTERSCHOOLのユイ、子役キム・ユジョン)は実は財閥の家の孫娘なんだよなー。超新星の ジヒョク7人姉弟の末っ子としても出演するのですが、海外養子に出されてドラマの後半から登場とか。そうか、ここでも海外養子か・・・。(えっ、復讐もあるの!?)

⑭視聴者コラム「私たちが暮らす世の中[우리사는세상]」(KBS1)  13.1%
 1998年から続いている番組。平日の18:55~19:00の5分間流される、世の中を少しでもよくしようと寄せられる視聴者の声。コチラのサイトから過去の放映分が見られます。

⑮日日朝連続劇「二人の女の部屋[두여자의방]」(SBS)  13.0%
 友人ウン・ヒス(ワン・ピンナ)の歪んだ欲望によってすべての失ってしまった女性ミン・ギョンチェ(パク・ウネ)が自身の部屋と男、家族を取り戻すために繰り広げる復讐劇。しかし、貧しいが優しい主人公と、金持ちの悪役というよくある構図とは逆に、すべてを持った主人公ともう何も失うことのない悪役の対決という点が新機軸ということです。しかし、ホントに復讐劇が多いなー。全ドラマの何割くらいになるのだろう? もしかして日韓の歴史認識のズレにも関係あり??

⑯「6時 私の故郷[6시 내고향]」(KBS1)  12.8%
 月~金の18:00~18:55放映の1991年5月から続いている長寿番組です。

⑰瞬間捕捉 世の中にこんなことが[순간포착 세상에 이런 일이](SBS)  12.7%

⑱「日夜」[일밤](MBC)  12.7%
 「日曜日 日曜日の夜に(일요일 일요일밤에)」です。前回の⑧位から大きくダウン。

⑲スターキング[스타킹]」(SBS)  12.4%
 びっくりするような特技・ 特徴を持つ人を韓国だけでなく世界中からから紹介するバラエティ番組で、カン・ホドンと歌手BOOMがMCを担当。

⑳ラブ・イン・アジア[러브인아시아](KBS1)  12.3%
 韓国に嫁いできたアジア人の嫁のいる家庭を紹介する番組。
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