ついにホームページは閉鎖、メイルはストップと相成った。
ハッカーの相手は某隣国らしい。どうも辛い仕儀となった。
ただ幸いにも金魚は復活した。今日の昼、突然背びれを立てると、
大口を開いてパクパク。少量の餌を浮かべてやると、飛びついた。
今は水中に漂い、今だ動きは緩慢だが、確実に口は動いている。
一昨日のことである。底に蹲り、死に体の奴を見かねて、いても
たってもおられず、バケツに塩水(約5%)を作り、移してやった。
それまで水槽に少し塩を入れていたが、もう我慢ならなかった。
するとどうであろう、新陳代謝の停止した体から出る粘膜の如き
ものでバケツの水は濁った。その間に水槽の水を半分程入れ代え、
数分で金魚を水槽へ戻した。だがその時尻尾から出血したのだ。
尻尾の根元の白い腫瘍から、それこそ火山の噴火の如くドクドクと
吹き出してきた。慌てた。だがなす術がない。また良く見れば、立
派な尾びれ全体が血の色で染まっていた。もう駄目だと思った。
あれから2日である。毎日出社する度に今日こそどこかへ埋めて
やらねばならないかと気を揉んだ。だがその心配も吹き飛んだ。
授かった命である。なんとか長生きしてもらいたいばかりである。
・・・・・
生けとし生けるもの、命には限りがある。それは何人も避ける事
の出来ない宿命。痛点のないという金魚でさえ、生きる事に必死
で苦しげ。命に種はなく、誠に平等で、しかも対等なのだろう。
身近な命の灯に接し、一喜一憂する間に、見えぬ敵への恨みを
忘れた。迸る血を見て覚悟し、再び泳ぐ姿を見て、ほっとした。
小さな水槽の小さな命に心が救われ、誠に幸せな週末である。
三神工房