概要
徹夜は、本来睡眠をとるべき夜間に、業務や勉強を続けたり遊んでいたりすること。朝まで一睡もしないことは、オールナイト、オール、完徹と呼称される。夜間残業は夜なべとも呼ばれる。プロジェクト達成のために徹夜での作業を含む過酷な労働を強制されている状況は、デスマーチと揶揄される。
以下のような切迫した状況のとき、徹夜が選択されることが多い。
徹夜の最大のメリットは、数時間の余裕が生まれることである。“Time is money.”(時は金なり)と言われるように、時間は貴重なものである。とくに、締切りや試験を翌日に控えた状況で生まれる数時間の猶予は、当事者にとって非常に価値の高いものといえる。
その反面、デメリットは非常に多い。
- 自律神経系のバランスが崩れることに起因する心身の不調。
- 精神的に不安定になったり、全身に倦怠感を覚えたりする。
- 日中に眠くなりやすい。
- 運転中や作業中に寝てしまい、事故につながった事例もある。
- 脳の働きが鈍くなり、作業効率が著しく悪化する。
- 徹夜のためにコーヒーやエナジードリンクで摂取されるカフェインは、胃や十二指腸に対する攻撃因子を強め胃腸に負担をかける。
そもそも睡眠とは、レム睡眠とノンレム睡眠を周期的に繰り返すことで肉体的・精神的な休養を取ることが出来る生体システムである。そのため、慢性的な徹夜により短時間の仮眠しか取れないような生活が続けば、肉体や精神に異常をきたすのは必至である。ヒトが一日の1/3もの時間の睡眠を必要とすることは、それだけ睡眠が重要であることの証左であり、決して軽んじて良いものではないのである。
このようにデメリットのほうが大きいのだが、それでもやむを得ず徹夜での作業を行わなければならない場合もある。デメリットを低減するために出来ることとして、以下のようなものがある。
- 炭水化物や糖分などの糖質の摂取を抑え、タンパク質を摂る。
- カフェインの摂取は必要最小量に留め、胃や肝臓への負担を減らす。
- 朝になったら日光を浴びる。セロトニンという睡眠と覚醒に関わる生体内物質が分泌される。
- 短時間の仮眠を取る。15分や30分程度の仮眠であっても心身への負担が軽減する。
- 諦めて寝る。