ローラとは、アニメ『トロピカル〜ジュ!プリキュア』の登場キャラクターである。
演じる日高里菜は子役時代、『ふたりはプリキュア』の頃にセイカの「らくがきんちょ」のCMに出演していたという縁があったりする。
概要
海にある人魚の国、グランオーシャン。そこに住む人魚の少女がローラ。ちなみにフルネームはローラ・アポロドーロス・ヒュギーヌス・ラメールと、またやたら長い名前である。
※「アポロドーロス(Apollodoros)」は古代ローマ時代のギリシアの著述家、「ヒュギーヌス(Hyginus)」も古代ローマのラテン語の著述家。「ラ・メール(La Mer)」はフランス語で「海」。
まなつ・さんごとは同い年で誕生日は6月30日(人魚の日)。
事の起こりはあとまわしの魔女の一味によって、グランオーシャンが襲撃を受け、国民のやる気が奪われたこと。無事だったローラに、人魚の女王メルジーヌ・ミューゼス・ムネモシュネ(CV:佐々木優子)は一つのコンパクトを渡し、地上に向かって伝説の戦士プリキュアを探すよう命じる。
とはいえ、ローラの性格と言えば、自信家でちゃっかりもの、そして結構な野心家かつ腹黒。かわいさを褒められたら当前とばかりに高飛車にかまえ、「プリキュアを見つけ国を救って次期女王になる」と壮大な野望を抱き、プリキュアのことを自分にとっての捨て駒としか思っていない。かと思えば、結構なおっちょこちょいでもあり、なんでも正直に話してしまったり、逃げよう隠れようとして岩の隙間や砂にはまるなども。あとツンデレの気もあり。
そんな彼女がプリキュアになった人間の少女、キュアサマーこと夏海まなつと出会ったことで物語の幕は開ける。ローラとしては「私の元で戦ってもらうから」と上から目線だが、はてさて今後どう展開するやら。
ちなみに、一応地上でも呼吸できるし、何だったら海水だけでなく淡水や用水路などでも普通に行動可能。ただ地上では人魚である以上這いずる形になるため、通常はマーメイドアクアポットの中に住み、それを持ってもらって移動する形になる。
で、このアクアポット、ヤラネーダに取り込まれた人々のやる気パワーの在処をスキャンして検知、回収する機能がある。この為、玩具もなんとカメラ機能が内蔵されており、スキャン遊びやこれまでの液晶玩具同様のゲーム機能だけでなく普通にデジカメとしても使え、さらには関連玩具の説明書等にある機能追加用のQRコード読み取り機能もあるなど、やけにハイテクな玩具となっている。
人魚が人のために動き出す時
さて、プリキュアも揃い、まなつ達はトロピカる部として学校生活をエンジョイしつつ、あとまわしの魔女の一味とも戦う日々を送っているのだが、ローラとは言えば、共に行動するようになる中で、仲間たちのことを思いやるようになるとともに、次第と自由に歩ける人間への憧れを垣間見せることになる。その一方で自分は人魚である以上プリキュアにはなるわけがないとも頭から考えていたりもする。
そうしたなか、ある時の戦いでローラは魔女の召使い達にポットごと捕まってしまう。一時は魔女の屋敷で幽閉され、魔女から取引を持ちかけられるも何とか脱出し、グランオーシャンに戻って女王と「大切な仲間と一緒にいたい」と今一番やりたいことを話した後地上に戻るのであるが、そこには敵に圧倒されて倒れているプリキュア達。ボロボロになった仲間たちを見て許すことができないローラの拳にはハートクルリングが生まれ、女王から授かった貝殻型の石のコンパクトが復活、そして覚醒する。
こうしてプリキュアとなっただけでなく、人間の姿も得たローラ。以降夏海家に居候しつつ留学生ローラ・ラメールとしてあおぞら中に通い、トロピカる部員にもなるなど、人間としての生活を送るようになる。ちなみに人魚の姿と人間の姿を自在に切り替えることは可能。しかし、人間になって間もなく、足を使うことに慣れていないため正座が苦手(その後出来るようになったが)なのはもちろん、泳ぐことに関しても人魚の時と違って思うように行かず溺れてしまっている。
その秘められた過去
そんなローラではあるが、実は彼女自身も知らなかった、正確には記憶から消されていた事実が判明する。
マリンハートクルリングを狙ったあとまわしの魔女による召使い達の作戦で、グランオーシャンに元から備わっていた記憶を吸い出す装置があり、それが悪用されたのだった。ローラですらそのような機械があることを知らず衝撃を受けるのだが、囚われた女王を探すために城の中を回っていると、一つの部屋にたどり着く。それは人魚から吸い出され封じられた記憶を収めた倉庫とも言える場所。そしてそこにあったのは長い歴史の中で人間と人魚が関わった歴史とも言えるものだった。その中には伝説のプリキュアと共に戦った人魚の記憶も残されていた。
ようやく女王を救い出した一同ではあるが、ローラは自分が覚えていないある一つの記憶を元に女王を問いただす。それはローラが幼い頃、南乃島にこっそりと出かけ、そこで同じく幼い頃のまなつと出会い仲良くなったという記憶だった。女王は流石に重い口を開く。グランオーシャンにはある一つの掟があった。「人魚は人間の世界に行ってはならず、人間と関わってはならない。もし関わったことが分かった場合はその人魚から記憶を吸い出し消される」という、グランオーシャンにおけるある種の闇の要素であった。それは幼いときはもちろん今のローラも、そして女王も一連の出来事が済めば例外ではない。
※ちなみにまなつとは言えばローラが訪れなくなり、再び会うことが出来ず、名前を聞かずじまいに終わったことを後悔する。そしてこれがきっかけとなって「初めて出会った相手にはまず自分の名前を教えて相手の名前を聞く」という今のポリシーに繋がっていったのである。なんとも業の深い。
まさかの事実を知りまなつ達はもちろんローラも衝撃と憤りを隠せない。いつか記憶が消されこれまでの事も忘れてしまうのではと思うローラに対し、まなつは「絶対に忘れない!例え忘れてもわたしが思い出させてあげる!」と力強く声をかける。さて物語の結末、二人の記憶の行方や如何に。
キュアラメール
ローラが変身するプリキュア。オールスターズ方式で69人目(オールスターズ映画のキュアエコーを含むと70人目)のプリキュアになる。これまでのシリーズでは話の流れで人魚化したり、人魚姫モチーフのキュアマーメイドがいたりしたが、とうとう本物の人魚もプリキュアになってしまった。あとキュアアムール以来の本名の一部がそのまま入ったプリキュアでもある。
専用の変身アイテムマーメイドアクアパクトを用いて変身、ネイルがチャームポイントとなるため、変身シークエンスはフェイス・ネイル・ドレスの順。ローラらしく人魚モチーフのコスチュームで、人魚の姿と同様ヘソ出しだが、キュアサマーとキュアフラミンゴと違いセパレートではなく、キュアエールと同じく臍部の開いた服装。色合い的にはサマー同様の白基調で青と赤紫を配色し、髪の色は頭頂部と毛先が普段の赤紫、その間が水色というグラデーションヘア、頭頂部の結った根本には大きな真珠のような飾りが付けられ、スカートの下はレギンス履きというパンツスタイル、足はつま先を露出した厚底サンダルで爪にはピンクのペディキュアが塗られている。
アクアパクトは攻撃アイテムとしても使用し、パクト時はブラシで中心のパレットを操作することで浄化技を発動することが可能。またパフュームシャイニーリングとブラシを挿入してシャボンフォームに変えることで、シャボン玉による攻撃が可能となっている。
ネタバレに関する諸々
そもそもローラの作品における扱いとしては、妖精などただのサポートキャラというよりも、最初の発表時点からしてプリキュアとほぼ同等のメインキャラという立場だった。
記者発表の時にも他のプリキュア役の声優とともにローラ役の日高里菜が出席しており、放送開始後もエンディングの冒頭映像でローラが登場する回があること、さらには公式YouTubeチャンネルの『トロピカおしゃレッスン』でもローラを扱った回があるなど、「これはローラについては何かしらあるな」と早々に睨んだ人が多かったわけだ。
そしてそれを示すかのように、物語の展開的にローラがクローズアップされる回が続いてからの覚醒という、結果としてはシリーズ全体としてはいつも通りの展開となったわけではあるが、今作はコロナ禍の影響で放送開始が2月末と遅れた分、通常通りのスケジュールに戻す意味合いもあってか、時期的には6月中と通常通りでも物語の展開的にはかなり早い段階での登場となった。
玩具に関して言えば、トロピカルパクトはいつも通り早い段階で、ピンの配置パターンによる解析で登場する音声データからキュアラメールという存在が判明しており、ローラの本名にも「ラメール」というファーストネームがあることから当確と見なしている人はやはり早く出ていた。
一方アクアポットだが、上述の通りQRコードを読み取って機能の追加・解放を行う方式に変更されている。これはすなわち、従来までの機械的かつピンの総当たり的な解析が使えない、要は抜本的なネタバレ対策を講じてきており、以降発売される商品の購入が必須という至極当たり前な手段が必要となった。
もっとも、何らかの手段でコードを割り出したのか、それとも内部情報が漏れたのか、よりにもよって海外から関連する画像がリークされる事実もあったりする。
決め技
- プリキュア・くるくるラメールストリーム
- パクト時でのキュアラメール単独での浄化技。パクトのパレットをブラシで回転させてエネルギーをチャージ、ブラシから海流を発生させて敵めがけて放つ。
- プリキュア・オーシャンバブルシャワー
- シャボンフォーム時の攻撃技。パレットを回転させてチャージし、装着したブラシのトリガーを押すことで発射する。
- プリキュア・マリンビートダイナミック
- 本作のスーパープリキュアエクセレン・トロピカルスタイルでの合体技で、ランドビートがサマー中心なのに対し、こちらはラメールが中心となる。トロピカルハートドレッサーにマリンハートクルリングを装着して操作、フォームチェンジ後「5つの力!海に轟け!」と青いジンベイザメを召喚。口の中でバタ足で泳ぎながら敵に迫り、サメが大きい尾びれで一撃を食らわす。〆は5人揃って「ビクトリー!」だが、フォーメーションがVの字になっている。
- プリキュア・ハートシャイニングオーケストラ
- こちらは映画でのラメールメインのドレッサー技。ハートキャッチプリキュア!の4人の力を得たスノーハートクルリングをドレッサーに装着することでスノークリスタル・トロピカルスタイルに変身、プリキュア・ハートキャッチ・オーケストラのあの巨大女神を召喚し攻撃、最後は「五つの力!心を溶かせ!」と叫んで女神が敵を抱きしめて浄化する。
関連静画
共演したらUMA大好きキラやばの人は食いつくよね(あとワクワクもんだぁの人とか)。あとpixivやTwitterでは魚だけにネコ系宇宙人(場合によっては元ネコ系妖精の人)がローラを見てよだれをたらしている、なんてネタ絵も。
関連項目
- プリキュアの妖精一覧
- プリキュアの一覧
- トロピカル〜ジュ!プリキュア
- 夏海まなつ / キュアサマー
- 涼村さんご / キュアコーラル
- 一之瀬みのり / キュアパパイア
- 滝沢あすか / キュアフラミンゴ
- くるるん
- 海藤みなみ(同キャラデザで人魚姫モチーフのプリキュア。ちなみにローラ/キュアラメールのデザインにはキュアマーメイドがモチーフの下敷きとなっている)
- プリンセス・ホープ・ディライト・トワ(本名が長くてキャラデザ繋がりでお姫様なプリキュア)
- 来海えりか(「海」がプリキュア名に入っている青キュア、映画でも声優お墨付きレベルで色々張り合ったり絡んだりした)
- ヒメルダ・ウインドウ・キュアクイーン・オブ・ザ・ブルースカイ(本名がやたら長く性格も一部似通ったプリキュア)
- スペガサッス・プララン・モフーピット・プリンセウィンク(本名がやたら長い妖精)
- ミルク(当初の腹黒さで既視感を覚える声有り)
- 十六夜リコ(自信家だけれどツンデレでポンコツ気味)