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MSX単語

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MSXとは、1980年代に提唱されたパソコンの共通規格である。同規格に沿って作られたパソコン自体のことをすことも多い。

概要

TVに接続できる低価格のパソコンとして、1982年マイクロソフトアスキーが提唱した規格。CPUZ80A、VDPにTMS9918を採用していた。
に、松下電器SONY三洋電機東芝などの家電メーカーがこの規格に則ったパソコンを発売しており、メーカーによっては独特のブランド名も付与されていた。

当時はパソコンと言えば各社それぞれの独自仕様で設計されており、機種間の互換性というものは存在しないことが常識的であった。また、価格帯的にも数十万円することが普通であり、MSXロゴが付与されたパソコンであればどのメーカーでもソフトウェアが動作し、価格的にも十万円を切るというものはしかった。ただし、実際には差別化のために独自の機を搭載した機種も多い。
OSはMSX-DOS(MS-DOSと同様のファイルシステムを持つCP/M互換OS)。ROM搭載された開発言語(いわゆるROM BASIC)として、BASICインタプリタのMSX-BASICを搭載している。
キーボードのような、キーボード一体筐体が知名度が高いが、機種によっては本体とキーボードが分離された形式のものもあった。

MSXの最も特徴的な機として、ROMカートリッジによる機ソフトウェア提供が挙げられる。ほぼ全機種がROMカートリッジスロットを12スロット装備しており、ここに拡張機能カートリッジを差し込むことで本体の機が行われる、というものである。最も多かった用途はゲームソフト提供であったが、ソフトウェアに限らず周辺機器も数多く発売された。公式に発売されたものだけでも、増設メモリ、音(このうち、FM音源は後にMSX-AUDIO・MSX-MUSICとして、MIDIインタフェースはMSX-MIDIとして規格化)、モデム、RS-232Cインタフェース、フロッピーディスクドライブSCSIインタフェース、プリンタ(ワープロソフトが同梱されていた)、挙句には感温・感・感圧センサなどというものまであった。
特筆すべきは、これら周辺機器カートリッジはBIOSソフトウェアが組み込まれており、MSXの独特なメモリ管理機構である「スロット」機構と組み合わせることで、挿し込むだけで特別な設定処理を行うことなく動作するようになるという、現代で言うプラグ・アンド・プレイ概念1980年代の時点でほぼ完璧な形で実現していたことであろう。

最低搭載メモリ容量の拡大や、VDPを後継にすることなど、ゲーム系機の増強を図った、MSX2・MSX2+・MSXTurboRという後継規格も生まれている。MSXturboRではCPUも16ビット化が行われた(R800/Z80の切り替え式)。

東西冷戦下の共産圏にとっては、ココ規制下で輸入できる数少ないパソコンの一つでもあったという(16ビット以上のパソコンは共産圏へは輸出できなかった)。旧ソ連が打ち上げた宇宙ステーション「ミール」には、制御用コンピュータとしてSONYHB-G900(MSX2)が搭載されていたというエピソードは有名である。

1995年を最後にMSX規格のパソコンは製造を終了しているが、2006年には1つのFPGAに機を詰め込んだ1chipMSXが5000台限定で発売され(すでに売)、2008年以降には任天堂Wiiで動作するバーチャルコンソールにMSX用ソフトが追加される(最初に提供されたのは「アレスタ」と「EGGY」)など、当時のユーザーを中心に現在でも根強い人気がある。

MSXの画面モード

MSXの特徴の一つとして、その独特の画面モードが挙げられる。以下に対応モード一覧を示す。

名前 内部名称 対応 表示属性 解像度 色数
(初出時)
備考
MSX MSX2 MSX2+
SCREEN0 TEXT 1 対応 パレット
拡張
パレット
拡張
テキスト 140桁 24行 固定16色中2色
TEXT 2 対応 対応 テキスト 4180桁 24行 512色中2色
SCREEN1 GRAPHIC 1 対応 パレット
拡張
パレット
拡張
テキスト 132桁 24行 固定16色 デフォルトモード
SCREEN2 GRAPHIC 2 対応 パレット
拡張
パレット
拡張
PCG 32×24パターン
(256×192相当)
固定16色 擬似グラフィックスモード。実際にはPCGモードであり、横8ドット単位で色制限がある
SCREEN3 MULTI
COLOR
対応 パレット
拡張
パレット
拡張
グラフィック 64×48 固定16色 256×192相当の座標系を持っているが、4ピクセル四方のマス単位で描画される
SCREEN4 GRAPHIC 3 対応 対応 PCG 32×24パターン
(256×192相当)
512色中16色 SCREEN2のスプライトを拡したモード
SCREEN5 GRAPHIC 4 対応 対応 グラフィック 256×212 512色中16色 ページ処理対応(最大4ページ)
SCREEN6 GRAPHIC 5 対応 対応 グラフィック 512×212
(スプライト面は
256×212)
512色中4色 ページ処理対応(最大4ページ)
SCREEN7 GRAPHIC 6 VRAM
128kB
対応 グラフィック 512×212
(スプライト面は
256×212)
512色中16色 ページ処理対応(2ページ)
SCREEN8 GRAPHIC 7 VRAM
128kB
対応 グラフィック 256×212 256 ページ処理対応(2ページ)
SCREEN9 未定義(後述)
SCREEN10 GRAPHIC 7
拡張モード
対応 グラフィック 度:256×212
色差:64×212
または
RGB:256×212
12499色
RGBモード時は
512色中16色
RGBYJK混在モード(後述)
SCREEN11 GRAPHIC 7
拡張モード
対応 グラフィック 度:256×212
色差:64×212
または
RGB:256×212
12499色
RGBモード時は
512色中16色
RGBYJK混在モード(後述)
SCREEN12 GRAPHIC 7
拡張モード
対応 グラフィック 度:256×212
色差:64×212
19268色 YJKモード(後述)

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