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“闇”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
やみ79.9%
くら16.0%
ぐら0.9%
0.4%
くれ0.4%
あん0.4%
くらがり0.4%
くらやみ0.4%
くろ0.4%
くらが0.2%
クラ0.2%
ヤミ0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
このやみなかに、ただ一つきているもののごとくおもわれたものがあります。それは、半丁はんちょうおきごとにともされている電燈でんとうでありました。
りたてのかべ狹苦せまくるしい小屋こや内側うちがはしめつぽくかつくらくした。かべつち段々だん/\かわくのが待遠まちどほ卯平うへい毎日まいにちゆかうへむしろすわつてたいた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
ウドぐらき柳のかげに一軒の小屋あり、主は牧勇蔵と言う小農夫、この正月阿園おそのと呼べる隣村の少女をめとりて愛の夢に世を過ぎつつ
空家 (新字新仮名) / 宮崎湖処子(著)
らき波の白く砕けて岸にゆる有様がいい知れぬ快感をき起して、我れ知らず躍り上るを禁じ得なかった。
五八「旦那さん、こういう奴は矢張やっぱり話のよりを戻して、縄ア掛けて、名主様へ引いて往って、くれえ所へ押入おっぺいる方がよかんべい、鳥渡ちょっと名主どんの所へ往ってくべいか」
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
あんに知ッていたので、いわゆる虫が知ッていたので,——そのひるがえるふりのたもと、その蹴返けかえきぬつま、そのたおやかな姿、その美しい貌、そのやさしい声が
初恋 (新字新仮名) / 矢崎嵯峨の舎(著)
くらがりで見えなかったのか、私の方にも目もくれず、二人でずんずん奥へ行きますからどうするかと、私も後から蹤いて参りますると、大旦那様のお姿を見るが早いか
月世界競争探検 (新字新仮名) / 押川春浪(著)
灯台のともしびは、廻転する度に、その幅の広い、大きい、長い光芒を夜のくらやみに曳いて行つた。海は真闇で、船の灯らしい灯も見えなかつた。
波の音 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
 闇夜に人の門を叩かんとするに、一寸先はくろうしていづくを門とも定めがたし。
俳諧大要 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
もうサヤサヤとかやの葉を分けて跫音あしおとは私のすぐ横手にそびえている大きな椎の木の薄くらがりに聞えてきて、老爺と女中らしい人がそこに丁寧に腰を屈めて
逗子物語 (新字新仮名) / 橘外男(著)
クラい空間は、明りのやうなものをタダヨハしてゐた。シカし其は、蒼黒アヲグロモヤの如く、たなびくものであつた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
其日からもう、若人たちの糸縒イトヨりは初まつた。夜は、ネヤヤミの中で寝る女たちには、稀に男の声を聞くこともある、奈良の垣内カキツ住ひが、恋しかつた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)