目的地を設定すれば、最適なルートで道案内をしてくれる「カーナビゲーション」(以降、「カーナビ」)。車載用の「カーナビ」は、多くのメーカーからさまざまな製品が発売されています。さらに、近年では「ディスプレイオーディオ」や「スマホ」のアプリを「カーナビ」代わりに使う人も。そのようなこともあって、自分の愛車に合った「カーナビ」をどう選んだらいいのかわからないという人も多いのでは。
わかりやすいルート案内や豊富な機能が魅力のカーナビ。ディスプレイオーディオやスマホとの違い、おすすめのカーナビなどをご紹介します。
そこで、本記事では「カーナビ」の選び方とおすすめ製品をご紹介いたします。「中古車を買ったけど『カーナビ』が付いてなかったので、後付けするにはどうすればいいの?」とお悩みの方などもぜひ参考にしてみてください。
「カーナビ」とは、衛星からのGPS(全地球測位システム)信号を受信して自車位置を測定し、目的地までの最適なルートを案内してくれるシステムのことです。一般的に「カーナビ」とは、前述のシステムや機能を搭載している製品のことを指します。
クルマで「カーナビ」を使いたい場合には、車載用の「カーナビ」を取り付けるのがもっともメジャーな方法です。ですが、そのほかにも「ディスプレイオーディオ」を取り付ける、「スマホ」を「カーナビ」代わりにする、といった選択肢があります。
車内にスマホホルダーを取り付けて、カーナビアプリを使用される人も多いのではないでしょうか
「カーナビ」選びを失敗しないためにも、選択肢を把握しておくのは大切なこと。「1.車載用カーナビを取り付ける」「2.ディスプレイオーディオを取り付ける」「3.スマホをカーナビ代わりにする」という3つの選択肢において、それぞれのメリット、デメリットを確認しておきましょう。
【1.「車載用カーナビ」のメリット、デメリット】
メリット:ナビの案内がわかりやすい、画面が大きくて見やすい&操作しやすい、スマホが無くても使える、機能が豊富(テレビが見られるなど)
デメリット:専門知識がないと設置できない(一部機種のぞく)、価格が高め
【2.「ディスプレイオーディオ」のメリット、デメリット】
メリット:画面が大きくて見やすい&操作しやすい
デメリット:専門知識がないと設置できない(一部機種のぞく)、価格が高め、スマホが無いと使えない、スマホのデータ通信量が掛かる
【3.「スマホ」のメリット、デメリット】
メリット:お金が掛からない、設置がカンタン
デメリット:画面が小さくて見づらい&操作しづらい、スマホが無いと使えない、スマホのデータ通信量が掛かる
大きな違いとしては、「車載用カーナビ」はスマホが無くてもナビの案内を含むさまざまな機能が使えますが、「ディスプレイオーディオ」と「スマホ」の2つはあくまで「スマホアプリ」の機能を使っているという点です。当記事では、スマホの電波が届かない、もしくは充電がないときなどでも使える「車載用カーナビ」をおすすめします。
以下からは、「車載用カーナビ」の選び方やおすすめ製品などをご紹介します。
「カーナビ」の種類は、大きくわけて
「2DIN規格のAV一体型」(インダッシュ)タイプ
「フローティング」タイプ
「ポータブル」タイプ
上記の3つがあります。まずは、自分の愛車に合った(設置できる)かを確認しましょう。重要なポイントとしては、愛車に「2DIN」と呼ばれる「カーナビ」や「カーオーディオ」などを設置するスペースがあるかどうかです。「2DIN規格のAV一体型(インダッシュ)」タイプと「フローティング」タイプを取り付ける場合には、「2DIN」スペースが必要になります。
赤丸の部分が2DINスペース(画像はスバル「BRZ」)。画像はカーナビレスのクルマなのでフタがされているが、中古車で購入した場合には前オーナーが「カーナビ」などを取り外したために空洞となっていることが多い
「2DIN」スペースがあるかどうかは、たとえばパイオニアやパナソニック、ケンウッドなど「カーナビ」大手メーカーのWebサイトで調べることができます。メーカーのWebサイトには、「カーナビ」の車種別適合表が掲載されていますので、該当ページで愛車の車種や年式などを検索すれば、2DIN規格の「カーナビ」に対応しているかどうかを調べられます。
なお「2DIN」スペースが無いクルマの場合には、ダッシュボードへ設置する「ポータブルナビ」を選ぶという方法があります。
ラインアップが豊富な市販カーナビの主力モデル
画面の見やすさ:〇 機能の豊富さ:◎ 価格:〇 取り付けのしやすさ:×
主な画面サイズ:7〜9インチ 価格の目安:5〜8万円くらい(7インチモデル)
「インダッシュ」タイプのカロッツェリア サイバーナビ
ダッシュボードに画面を埋め込むタイプで、市販カーナビの中でもっとも売れている主力モデルです。画面サイズは、7〜9インチが多くラインアップされており機能も豊富です。一般的な価格は、7インチモデルでおよそ5〜8万円くらいになります。画面サイズが大きくなるほど、価格も比例して高くなります。
>>価格.comで「2DIN」(インダッシュ、フローティング)タイプのカーナビ人気売れ筋ランキングを見る
大型ディスプレイと取り付け可能な車種の多さが魅力的
画面の見やすさ:◎ 機能の豊富さ:◎ 価格:△ 取り付けのしやすさ:×
主な画面サイズ:9〜11インチ 価格の目安:15〜18万円くらい(10インチモデル)
画像は、ケンウッド「彩速ナビ」のフローティングモデル
本体から画面を分離させることによって、大型ディスプレイの搭載を可能としたモデルです。さらに、画面が手前に近づくために画面が見やすいうえ、画面のタッチ操作もしやすくなっています。画面サイズは、大画面の9〜11インチが多くラインアップされています。価格は、画面サイズが大きいことや機能が豊富なことから高めで、たとえば10インチモデルでは15〜18万円ほどになります。
>>価格.comで「フローティング」タイプのカーナビ商品一覧を見る
比較的低価格で機能はシンプル
画面の見やすさ:△ 機能の豊富さ:△ 価格:◎ 取り付けのしやすさ:〇
主な画面サイズ:5〜7インチ 価格の目安:3〜6万円くらい
画像は、パナソニックのポータブルナビ「ゴリラ」
ダッシュボードの上へ設置するタイプです。2DINスペースが必要ないため、多くのクルマに取り付けることができます。また、設置も比較的カンタンに行うことができます。画面サイズは5〜7インチと小さなものが多く、価格は3〜6万円ほどと安価ですが、機能も少なくてシンプルです。購入予算を抑えたい方や、愛車に「2DIN」スペースが無いクルマなどに向いています。
>>価格.comで「ポータブル」タイプのカーナビ人気売れ筋ランキングを見る
画面サイズを選ぶときには、運転席から「カーナビ」を取り付ける位置までの距離を参考にするとよいでしょう。たとえば、運転席に座って「カーナビ」設置場所まで手を伸ばしてみたときに近く感じるのでしたら、7インチなどの画面サイズが小さなものを選ぶとよいでしょう。また、肘がピンと伸びたり、手が届きにくいようでしたら8〜9インチなどの大きな画面サイズを選ぶとよいでしょう。
もうひとつ、クルマのボディサイズ(=車内の広さ)も、「カーナビ」の画面サイズを選ぶためのひとつの参考になります。
・軽自動車やコンパクトカーなどの小さなクルマ
→7〜8インチの比較的小さな画面サイズがおすすめ
・セダンや中型SUVなど
→8〜9インチの画面サイズがおすすめ
・大型SUVや高級ミニバンなど車内の広いクルマ
→画面サイズの大きな9〜10インチがおすすめ
同グラフは、価格.comにおける2024年10月のカーナビ売れ筋メーカーを表したものです。ケンウッド、パナソニック、パイオニアの3社の人気があることが窺えます
価格.comで人気のおすすめカーナビメーカーは、JVCケンウッド、パナソニック、パイオニアの3社になります。
同グラフは、価格.comにおける2024年10月のカーナビ売れ筋ブランドを表したものです。売れ筋順に、ケンウッドの「彩速ナビ」、パナソニックの「ストラーダ」、パイオニアの「楽ナビ」になります
また、売れ筋の製品は、パナソニックが「Strada(ストラーダ)」、パイオニアが「楽ナビ」、JVCケンウッドが「彩速ナビ」といずれも2DIN規格のAV一体型タイプが売れていることが分かります。
以下に、売れ筋上位メーカー3社の特徴についてご紹介しましょう。
パナソニック
2DIN規格のAV一体型(インダッシュ)タイプとフローティングタイプの「Strada(ストラーダ)」シリーズ、ポータブルタイプの「Gollirra(ゴリラ)」シリーズをラインアップ。「Strada」のハイエンドモデルには有機EL液晶が採用されており、ブルーレイ再生できることなどが特徴的です。
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パイオニア
古くからカロッツェリアブランドで「カーナビ」を販売している老舗メーカーです。2DIN規格のAV一体型(インダッシュ)タイプの「サイバーナビ」シリーズ、2DIN規格のAV一体型(インダッシュ)タイプとフローティングタイプの「楽ナビ」シリーズをラインアップ。「カーナビ」で有名なメーカーだけあり、ナビ操作のしやすさやルート案内の見やすさなど、基本性能の高さに定評があります。
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JVCケンウッド
2DIN規格のAV一体型(インダッシュ)タイプとフローティングタイプの「彩速(さいそく)ナビ」シリーズ、ポータブルタイプの「ココデス」シリーズをラインアップ。同社で主力の「彩速ナビ」は、地図や映像再生における高画質さと地図描画などのレスポンスの速さを両立していることなどが特徴的です。
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インターネットで購入した「カーナビ」は、地元の自動車整備工場などに持ち込めば取り付けしてくれます。インターネットで、「カーナビ 取り付け 〇〇(地域名)」もしくは「カーナビ 持ち込み 〇〇(地域名)」などと入れて検索してみましょう。また、自宅近くに自動車整備工場があるようなら、電話などで問い合わせてみましょう。
4-1.持ち込みでのカーナビ取り付けは、どのくらい費用がかかる?
カーナビを整備工場などに持ち込んでの取り付け費用は、店舗やクルマによってまちまちですが、おおよそ2〜4万円ほどになります。
4-2.カー用品店へ持ち込んでの取り付けは工賃が高くなる
大手カー用品店などでも、店舗によっては持ち込みでの取り付けを行ってくれますが、その際には取り付け工賃が高くなる(2倍など)ので注意しましょう。
パナソニック ストラーダ「CN-HE02WD」
パナソニックのカーナビゲーション「ストラーダ」シリーズのスタンダードモデルが「CN-HE02WD」です。
「CN-HE02WD」が搭載する7インチディスプレイには高解像度のHDパネルが採用されており、地図や地デジ、ドライブレコーダーなどの映像を高画質で楽しめます。また、「全国どこでも市街地図」も高精細で見やすく、案内表示がさらにわかりやすく改良されています。さらに、同モデルではチューナーの性能向上が図られており、地デジを安定して受信できるほか、デジタルパワーアンプ搭載によって音質の向上も実現しています。
タイプ:インダッシュ(2DIN)
画面サイズ:7インチ
解像度:1280×720
記録メディアタイプ:メモリ
地図データ:ゼンリン
TVチューナー:フルセグ
Bluetooth:○
ドライブレコーダー機能:連携可能
VICS WIDE:○
外部メモリスロット:SDカード、SDHCカード、SDXCカード
発売月:2023年1月
ケンウッド 彩速ナビ「MDV-M910HDL」
ケンウッド「彩速ナビ」シリーズの9インチ最上位モデルが「MDV-M910HDL」です。
高精細で高視野角なHDパネルを搭載し、ハイレゾ音源再生などハイエンドユーザーに好評なモデルです。当モデルは、ハンドルから手を離さずに発話して運転中に必要なナビ操作が可能な「音声操作」に対応。全108操作、242ワードに対応し運転中に必要なさまざまな操作を声で行えます。また、目的地への正確な到着時刻が予想しやすくなる「平均車速設定」や、駐車場とドライブスルーがある施設をワンタップで検索できる「POI ジャンル付帯設備検索」などにも対応しています。
タイプ:インダッシュ(2DIN)
画面サイズ:9インチ
解像度:1280×720
記録メディアタイプ:メモリ
地図データ:MapFan
TVチューナー:フルセグ(地デジ)
Bluetooth:Bluetooth 5.2
ドライブレコーダー機能:連携可能
VICS WIDE:○
外部メモリスロット:SDカード、SDHCカード、SDXCカード
発売月:2023年6月下旬
パイオニア カロッツェリア 楽ナビ「AVIC-RF721」
パイオニア カロッツェリアの9インチフローティングモデルが「AVIC-RF721」です。
「AVIC-RF721」のディスプレイ部分は、上下左右に幅広い可動域を持たせることで、多くの車種への取り付けが可能となっています。また、同モデルには「車内Wi-Fiスポット」機能が搭載されており、別売の「ネットワークスティック」を使えば車内でインターネット通信量を気にすることなくスマホやタブレットなどで動画の再生やオンラインゲームなどを楽しめます。さらに、スマホをストリーミング接続することで、HD画質の高精細な映像を大画面で楽しむことができます。また、メニュー画面の「Doメニュー」では、キーワードを入力するだけで最新スポットの目的地検索などが行える「お出かけ検索(オンライン)」機能も搭載されています。
タイプ:フローティング(2DIN)
画面サイズ:9インチ
解像度:1280×720
記録メディアタイプ:メモリ
地図データ:MapFan
TVチューナー:フルセグ
Bluetooth:Bluetooth 5.2+EDR
ドライブレコーダー機能:連携可能
VICS WIDE:○
外部メモリスロット:SDカード、SDHCカード、SDXCカード
発売月:2024年6月
パナソニック ストラーダ「CN-F1X10BGD」
パナソニック「ストラーダ」シリーズのフローティング大画面モデルが「CN-F1X10BGD」です。
「CN-F1X10BGD」には、10V型有機ELディスプレイが採用されており、高画質な映像コンテンツを有機ELならではの映像美で楽しめるほか、地図やルート案内などもHD高画質かつ鮮明で見やすいものとなっています。また、同モデルには新たに「レコーダーリンク」機能を搭載。自宅などのレコーダーに録りためた番組を、「CN-F1X10BGD」で視聴でき、レコーダーのチューナーで受信している番組のリモート視聴も可能となっています。
タイプ:フローティング(2DIN)
画面サイズ:10インチ
解像度:1280×720
記録メディアタイプ:メモリ
地図データ:ゼンリン
TVチューナー:フルセグ
Bluetooth:○
ドライブレコーダー機能:連携可能
VICS WIDE:○
外部メモリスロット:SDカード、SDHCカード、SDXCカード
発売月:2022年12月
ケンウッド 彩速ナビ「MDV-M910HDF」
ケンウッドのカーナビゲーション「彩速ナビ」の最上位シリーズ「TYPE M」の9インチフローティングモデルが「MDV-M910HDF」です。
ケンウッド独自のフローティング機構が採用されており、従来の2DIN規格のスペースに設置でき、320以上の車種に取り付けが可能です(取り付けできる車種の詳細は、メーカーWebサイトを参照)。また、ハンドルから手を離さずにナビ機能やエンターテインメント機能を声で操作することが可能な「音声操作」にも対応しています。
タイプ:フローティング(2DIN)
画面サイズ:9インチ
解像度:1280×720
記録メディアタイプ:メモリ
地図データ:MapFan
TVチューナー:フルセグ
Bluetooth:○
ドライブレコーダー機能:連携可能
VICS WIDE:○
外部メモリスロット:SDカード、SDHCカード、SDXCカード
発売月:2023年6月下旬
パナソニック Gorilla「CN-G1500VD」
パナソニックのSSDポータブルカーナビゲーション「Gorilla」シリーズの2021年モデルが「CN-G1500VD」です。
「CN-G1500VD」には新GPSモジュールが搭載されており、GPSの電波が遮断されやすい高層ビル街や山間部での測位性能が向上しています。また、「CN-G1500VD」は「VICS WIDE」にも対応しており、渋滞を回避する「スイテルート案内」機能を搭載。案内中に交通状況の変化に合わせて提示された新たなルートを、距離や所要時間を比較して新旧ルートから選択できます。
タイプ:ポータブル
画面サイズ:7インチ
解像度:800×480
記録メディアタイプ:SSD
地図データ:ゼンリン
TVチューナー:ワンセグ
Bluetooth:×
ドライブレコーダー機能:×
VICS WIDE:○
外部メモリスロット:SDカード、SDHCカード
発売月:2021年7月
ケンウッド ココデス「EZ-950」
ケンウッドのポータブルナビゲーション「ココデス」シリーズの最上位モデルが「EZ-950」です。
「ココデス」には、次に交差点などを曲がるタイミングと方向を分かりやすく案内する「ここです案内」が搭載されています。シンプルで分かりやすい地図表示やメニュー表示とともに、「静電容量式パネル」によるスムーズな操作も実現しています。
タイプ:ポータブル
画面サイズ:9インチ
解像度:800×480
記録メディアタイプ:メモリ
地図データ:
TVチューナー:フルセグ
Bluetooth:×
ドライブレコーダー機能:×
VICS WIDE:×
外部メモリスロット:microSDカード、microSDHCカード
発売月:2021年9月
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