転倒防止突っ張り棒は、地震や衝撃で家具や家電が倒れることを防ぐ防災グッズ。天井や壁に穴を空ける必要のないものが多く、天井と家具の間に固定するだけで設置できるため、賃貸住宅でも手軽に取り付けやすいアイテムです。しかし、アイリスオーヤマ・サンワサプライなどさまざまなメーカーから販売されているうえ、商品によってサイズ・素材・耐震性・取り付け方法が異なるため、どれを選べばよいか迷いますよね。
今回は、各メーカーの最新商品や売れ筋上位から人気の転倒防止突っ張り棒11商品を集め、3個のポイントで比較して徹底検証。おすすめの転倒防止突っ張り棒をランキング形式でご紹介します。
マイベストが定義するベストな転倒防止突っ張り棒は「簡単に取り付けられて、大きな揺れでも家具が転倒しない商品」。徹底検証してわかった転倒防止突っ張り棒の本当の選び方も解説しますので、ぜひ防災グッズを選ぶ際の参考にしてください。
防犯・防災の総合危機管理専門家として活動しており、護身術や防災グッズなど防災・防犯対策や危機管理業務について、企業・自治体・大学向けに実技指導・講演会・セミナー・監修を行うほか、TVや雑誌などメディアにも出演。43歳で硬式空手のチャンピオンとなっており、引退後に危機管理のアドバイス活動を開始。防犯・防災対策を実技と知識両方で広めるべく、活動している。
マイベストでは「地震の際に家具が転倒するリスクが低い」ものをユーザーが満足できる商品とし、以下の方法で検証を行いました。
マイベストでは「地震の際に家具がズレにくい」ものをユーザーが満足できる商品とし、その基準を縦ズレ10cm・横ズレ20cm以下と定めて以下の方法で検証を行いました。
総合危機管理アドバイザーであるおりえさんが、以下の方法で各商品の検証を行いました。
すべての検証は
マイベストが行っています
新商品の発売情報をリサーチした結果、ランキングに追加すべき商品はありませんでした。
11商品を検証し、2025年2月21日時点の検証結果に基づきランキングとコンテンツの内容を刷新しました。
地震の際に家具や家電が倒れるのを防いで被害を最小限にするために、転倒防止突っ張り棒の必要性は高いといえます。大きな揺れでタンスなどの家具や冷蔵庫などの家電が倒れた場合、下敷きになったり家具の中のものが落ちてケガをしたりするリスクがあるので、事前に備えておくことが重要です。
家具と天井の間に突っ張ることで、地震による家具の前後左右の揺れを吸収し、家具の転倒を防ぐ効果が期待できます。内閣府の「住宅における地震被害軽減に関する指針」や東京都防災ホームページといったサイトでも、家具の転倒・落下・防止器具の一例として紹介されていますよ(参照:内閣府・東京都防災ホームページ)。
工具不要で設置可能なタイプが多く、壁や天井に穴を開ける必要がないため、賃貸住宅でも手軽に取り付けられます。一方、高い天井・斜め天井・弱い天井材には設置が困難。うしろに転倒することを防ぐために家具が壁に密接している必要があり、設置スペースがないところでは使用できないため、注意しましょう。
転倒防止突っ張り棒で家具の横滑り対策をするなら、滑り止めシートや耐震マットとの併用がおすすめです。横ズレ対策に耐震マット、壁に固定できるL字の耐震グッズで補強すると、より対策を強化できるでしょう。
サイズは、ポールを伸ばさずにそのまま使えるものがベターです。ポールを伸ばさない状態で使用すると、内側と外側のポールの二重で突っ張る状態になるため、強度が高くなります。たとえば家具から天井までの高さが50cmの場合は、突っ張り棒の対応範囲が「50〜○cm」と記載された製品を選んでくださいね。
取り付けの際は、建物の梁や柱がある部分に設置するのがポイント。梁とは建物の横方向の骨組みのことで、梁のない場所より構造的に強くなっています。設置面に圧力がかかっても、天井を傷つけたり取り付け部分が壊れたりする可能性が低いでしょう。
梁がある場所を確認する簡単な方法は、天井を軽くノックすること。梁のない場所は軽い音、梁のある場所は低く重い音がするため、聞き分けることで判別できます。音の差がわかりにくい場合は、ホームセンターで売っている梁探し用の機械を使えば、梁のある場所を判別できるのでおすすめです。
また、2本以上の突っ張り棒で家具の端を支えることも重要。2本以上設置することで家具の重心を均等に分散させ、安定性が増します。家具の構造上、端が最も強度が高いので、壁に近い奥側の上面の両端に設置するのがおすすめ。地震の際も家具の重心移動を抑えて、前に転倒することを防止できるでしょう。
商品に付属しているゴムパッドやクッションシートも活用しましょう。天井との接地面に貼ることで、天井が傷つくことを防ぎます。また、家具の背面は必ず壁につくように設置してください。家具が壁から離れていると、突っ張り棒だけでは支えきれず倒れやすくなります。
さらに、家具が脆いと転倒の際のリスクも大幅に上がります。本棚や食器棚を購入するときは商品の質の良さも重要なポイントになるといえるでしょう。
転倒防止突っ張り棒を選ぶ際に必ずチェックしておきたい「2つのポイント」をご紹介します。
転倒防止突っ張り棒で地震発生時に家具や家電の倒壊を防ぐために、接地面の面積の広さと素材の2点を確認して選びましょう。実際に本棚に商品を使用して阪神・淡路大震災、能登半島地震、東日本大震災の3つの震災を再現したところ、天井や家具との接地面積が広く、発泡PEが入っていない素材を使ったものは耐震性が高いことがわかりました。以下でくわしい選び方を解説します。
転倒防止突っ張り棒の設置面積は、なるべく広いものを選ぶのがおすすめです。転倒防止突っ張り棒は、上下への圧力と、天井・家具との摩擦で揺れに抵抗する仕組みです。接地面が広いほど家具の上から下まで全体に圧力がかかるうえ、天井と家具にかかる摩擦も大きくなります。
検証した商品全体をチェックすると、転倒防止突っ張り棒の設置面積は50cm2程度のものと100cm2以上のものに大きく二分しました。
震災を再現して家具が倒れるか検証したところ、家具の転倒をしっかり防げた上位商品は設置面積が130〜150cm2程度であったのに対し、下位商品は50cm2程度。大きな揺れに対応するためにも、設置面積は100cm2以上を目安に選びましょう。
設置面積の広さに加え、接地面の素材もチェック。発泡PEという素材が使われたものを避けて選ぶのがベターです。実際に検証したところ、発泡PEを使った商品は一部を除き家具の転倒やズレに弱い傾向がありました。発泡PEを使った商品は接地面がツルッとしているものが多く、揺れの衝撃で滑ったためと考えられます。
なお、設置面積の広さと素材、2つの条件を満たす商品は、検証で家具の転倒を防げただけでなく、どの震災を再現したときでも家具のズレも縦3cm・横5cm以内と最小限に抑えられました。
一方、設置面積が狭い、もしくは発泡PEを使った商品は、縦横に10cm以上ずれる結果に。突っ張り棒が外れて家具が転倒する恐れが高まる点に注意してください。
接地面の素材には、ABSやポリカーボネートのような硬めで衝撃に強い素材と、発泡PE・EVAのような柔らかく摩擦がある素材の2種類がありました。どちらか1種類の素材を使っているより、2つの素材が混ざっているほうが両方の特性のいいとこ取りができるのでおすすめです。
転倒防止突っ張り棒には、本体のポールが1本のタイプと2本のタイプがあります。1人で取り付けるなら、ポールが1本のタイプを選びましょう。家具と天井の間に固定してネジを締める際、1つの突っ張り棒にポールが2本あると、片方を押さえているときにもう片方がズレて取り付けにくいことがわかりました。
また、ポールを伸ばしたあとの固定方法にはネジタイプとピンタイプがありますが、長さを微調整しやすいネジタイプがおすすめです。穴にピンを差し込むタイプはすでに空いた穴にピンを差し込むため、理想の長さに調整できない点がデメリット。ネジで留めるタイプなら、家具と天井の間でぴったりの位置に調整しやすいでしょう。
なお、全商品を取り付けてみたところ、どの商品もかなりの力が必要でした。突っ張り棒の構造上、家具と天井の間に固定してネジを締めたりピンで固定したりしたあと、突っ張り部分を締める必要があります。しっかり突っ張って取り付けないと耐震性が低くなるので、心配な人は力が強い人に取り付けてもらうのがベターです。
ポールが2本のタイプのほうが耐震性が高いと思われがちですが、1本のタイプでも接地面積が広いものであれば問題ありません。むしろ2本のタイプはポール間の接着が弱いこともあり、震災を再現したところ接地面が中央から割れてしまうこともありました。
商品 | 画像 | おすすめスコア | 最安価格 | ポイント | おすすめスコア | 詳細情報 | |||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
転倒のしにくさ | 家具のズレにくさ | 取りつけやすさ | タイプ | 長さ(最小) | 長さ(最大) | 圧着部幅 | 圧着部奥行 | 最大耐荷重 | 接地面の素材 | 工具不要 | 設置面積 | ||||||
1 | 平安伸銅工業 HEIAN SHINDO|家具転倒防止突っ張り棒|UEQ-35W | ![]() | どれにするか迷うならコレ!ズレにくく大震災に備えられる | ネジ式 | 35cm | 50cm | 7.0cm | 21.5cm | 200kg | EVA | 150.5cm2 | ||||||
2 | ニトリ 家具突っ張り棒|8750214 | ![]() | ニトリの家具と一緒に購入するなら。取りつけも直感的にできる | ネジ式 | 30cm | 45cm | 7.5cm | 21.0cm | 200kg | 熱可塑性エラストマー | 157.5cm2 | ||||||
3 | 平安伸銅工業 HEIAN SHINDO|家具転倒防止突っ張り棒 2本組|REQ-35 | ![]() | イオンで手軽に購入したい人に。設置面積が広くズレにくい | ネジ式 | 35cm | 50cm | 6.5cm | 20.5cm | 200kg | EVA | 133.3cm2 | ||||||
3 | アイリスオーヤマ アイリスプラザ|家具転倒防止伸縮棒|KTB-30R | ![]() | アイリスオーヤマ愛用者に。初心者でも取りつけやすい | ネジ式 | 30cm | 40cm | 7.5cm | 20.5cm | 220kg | ABS、発泡PE、ポリカーボネート | 153.8cm2 | ||||||
5 | カインズ 転倒防止家具固定ポール | ![]() | カインズファンならコレ。どの揺れでも倒れなかった | ネジ式 | 35cm | 50cm | 6.5cm | 20.5cm | 200kg | ABS、EVA | 133.3cm2 | ||||||
6 | コーナン商事 突っ張り耐震ポール|LFX01-1986 | ![]() | ホームセンターで購入したい人に。家具のズレにくさも十分 | ネジ式 | 35cm | 50cm | 6.5cm | 20.5cm | 200kg | ABS、EVA | 133.3cm2 | ||||||
7 | 浅香工業 金象印|つっぱり棒 |368225 | ![]() | 1人でも取りつけやすい。ズレにくさは上位におよばず | ネジ式 | 35cm | 47cm | 4.5cm | 11.5cm | 300kg | ABS、EVA | 51.8cm2 | ||||||
8 | Harsheii 家具転倒防止伸縮棒 | ![]() | 2本のポールでズレにくかった。大地震だと家具が倒れる可能性も | ネジ式 | 30cm | 40cm | 4.0cm | 5.5cm | 200kg | ABS、TPE | 45.6cm2 | ||||||
9 | 社会福祉法人東京コロニー マグニチュード7|ML50 | ![]() | ピンタイプがほしいなら。取りつけが面倒で説明も物足りない | ピン式 | 35cm | 50cm | 5.2cm | 24.0cm | 不明 | 発泡PE | 124.8cm2 | ||||||
10 | アイリスオーヤマ アイリスプラザ|突っ張り棒 転倒防止|KTTB-S | ![]() | 見た目はスッキリしているが、耐震性は期待できない | ネジ式 | 30cm | 40cm | 12.0cm | 21.5cm | 不明 | ABS、発泡PE | 258.0cm2 |
タイプ | ネジ式 |
---|---|
長さ(最小) | 35cm |
長さ(最大) | 50cm |
圧着部幅 | 7.0cm |
圧着部奥行 | 21.5cm |
設置面積 | 150.5cm2 |
良い
気になる
実際に家具に取りつけて阪神・淡路大震災、東日本大震災、能登半島地震の揺れを再現したところ、いずれの揺れが発生しても家具が倒れませんでした。設置面はEVA素材が使われており、摩擦に強く、縦揺れも横揺れもしっかりと受け止められます。設置面積が150.5cm2と広い分、家具の全体に圧力がかかるので、強い揺れが起きても転倒しにくいようです。
家具のズレにくさは今回検証したなかでトップクラス。転倒のしにくさと同様に地震の揺れを再現した結果、東日本大震災・能登半島地震の縦揺れ・横揺れでは家具のズレがそれぞれ13mm以下と、見た目ではほとんどズレがわかりませんでした。阪神・淡路大震災レベルの横揺れでは24.18mm動きましたが、ほかの商品と見比べるとあまり大きなズレではありません。
取りつけやすいところも魅力のひとつ。最初からネジがついていて部品をなくす心配がなく、作りもシンプルなので直感的に取りつけられます。つけ方や設置場所によって手間は変わりますが、設置面の穴を利用すればさまざまなつけ方も可能です。
転倒しにくさ・家具のズレにくさ・取りつけやすさ、どこをとっても強みが光る1本。サッと取りつけて大地震に備えたい人はぜひ最初にチェックしてください。
工具不要 |
---|
タイプ | ネジ式 |
---|---|
長さ(最小) | 30cm |
長さ(最大) | 45cm |
圧着部幅 | 7.5cm |
圧着部奥行 | 21.0cm |
設置面積 | 157.5cm2 |
良い
気になる
ニトリの「家具突っ張り棒 8750214」は、ニトリで家具を購入する際に一緒に突っ張り棒を買いたい人におすすめの転倒防止突っ張り棒。
実際に家具に取りつけて阪神・淡路大震災、東日本大震災、能登半島地震の揺れを再現したところ、どの揺れが起きても家具はまったく倒れませんでした。設置面積が157.5cm2と広めで、家具全体にしっかりと圧力がかかるため、強い揺れにも耐えられる設計を実現しています。
家具のズレにくさも申し分ありません。東日本大震災の横揺れ・縦揺れを再現した検証では、家具のズレがそれぞれ10mm以下に抑えられており、ほとんどズレませんでした。阪神・淡路大震災、能登半島地震レベルの横揺れ・縦揺れが起きた場合でも、家具のズレは最大で18.87mmと今回検証したなかでは被害をかなり小さく抑えられています。
取りつけやすさも良好。ネジは本体と分かれていますが、商品本体に大きな文字で締める方向が書いてあるので、取りつけ方法が視覚的に理解できます。微調整部分が大きく調整しやすいうえに、梁に関する説明もあり、設置時にどこに取りつけるべきかすぐに読み取れるでしょう。近所にニトリがある人はぜひ店頭でチェックしてください。
工具不要 |
---|
タイプ | ネジ式 |
---|---|
長さ(最小) | 35cm |
長さ(最大) | 50cm |
圧着部幅 | 6.5cm |
圧着部奥行 | 20.5cm |
設置面積 | 133.3cm2 |
良い
気になる
平安伸銅工業の「HEIAN SHINDO 家具転倒防止突っ張り棒 2本組 REQ-35」は、イオンで販売しているため、近くのイオンで手軽に購入したい人におすすめ。普段利用している人ならば、思い立ったタイミングですぐに手に取れます。
実際に家具に取りつけて阪神・淡路大震災、東日本大震災、能登半島地震の揺れを再現したところ、どの揺れが起きても家具はまったく倒れず。設置面積が133.3cm2とやや広いうえ、設置面にはEVA素材を採用し、衝撃をしっかりと受け止められる設計でした。
家具のズレにくさも高評価に。東日本大震災・能登半島地震の横揺れ・縦揺れを再現した検証では、家具のズレがおおむね9mm以下に抑えられており、能登半島地震の縦揺れではわずか0.92mmしかズレませんでした。阪神・淡路大震災レベルの横揺れが起きた場合でも、家具のズレは最大で28.99mmと今回検証したなかでは被害を抑えられている印象です。
取りつけやすさもおおむね良好。ネジが本体に最初からついているタイプなので、パーツを紛失することもないでしょう。天井のどの部分に取り付けると良いか説明されておらず、取りつけやすい工夫が施されている点も見当たらないものの、1人でも難なく設置できそうです。
工具不要 |
---|
タイプ | ネジ式 |
---|---|
長さ(最小) | 30cm |
長さ(最大) | 40cm |
圧着部幅 | 7.5cm |
圧着部奥行 | 20.5cm |
設置面積 | 153.8cm2 |
良い
気になる
アイリスオーヤマの「アイリスプラザ 家具転倒防止伸縮棒 KTB-30R」は、普段からアイリスオーヤマの商品を愛用している人やアイリスオーヤマの家具と一緒に購入したい人におすすめ。有名なアイリスオーヤマの商品なので、ブランド力を重視する人にも検討の余地があります。
阪神・淡路大震災、東日本大震災、能登半島地震の揺れを再現したところ、どの揺れでも家具は倒れませんでした。設置面積が153.8cm2とかなり広め。設置面は、発泡ポリエチレンが入っているものの、ポリカーボネートやABSのような硬い素材が混ざっていることで衝撃に耐えやすいと考えられます。横揺れ・縦揺れどちらが起きても家具の転倒リスクを抑えられるでしょう。
家具のズレにくさもおおむね良好。横揺れ・縦揺れを再現した検証では、東日本大震災・能登半島地震の揺れに対する家具のズレがそれぞれ5mm以下に抑えられていました。惜しくも阪神・淡路大震災レベルの横揺れが起きると家具は46.55mmズレましたが、甚大な被害は避けられる可能性があります。
ネジが本体に最初からついているタイプで、取りつけやすいところもうれしいポイント。太めのポールで安定感があり、天井に対する設置場所の説明もあるため、初心者でも取りつけやすい印象です。
工具不要 |
---|
タイプ | ネジ式 |
---|---|
長さ(最小) | 35cm |
長さ(最大) | 50cm |
圧着部幅 | 6.5cm |
圧着部奥行 | 20.5cm |
設置面積 | 133.3cm2 |
良い
気になる
カインズの「転倒防止家具固定ポール」は、カインズでよく買い物をする人におすすめの転倒防止突っ張り棒。店頭でも手軽に購入できます。
実際に取りつけて阪神・淡路大震災、東日本大震災、能登半島地震の揺れを再現したところ、どの揺れでも家具は倒れませんでした。設置面積が133.3cm2と広めで天井と家具の両方に対する固定力が高く、設置面は硬いABS素材とゴムのように摩擦力のあるEVA素材が組み合わさっており、強い揺れにも耐えられるでしょう。
家具のズレにくさも不満はありません。横揺れ・縦揺れを再現した検証では、東日本大震災・能登半島地震の揺れが発生しても、家具のズレがそれぞれ6mm以下に抑えられていました。ただし、阪神・淡路大震災レベルの横揺れが起きると家具は62.76mmとズレてしまったので、家具のズレを最小限に食い止めたい場合はほかのものと比較してもよいかもしれません。
とはいえ、取りつけに工具は不要で、1人でも作業しやすいことはメリット。ネジは後からつける必要がありますが、ポールが太めで不安定になりにくいでしょう。説明書には記載がありませんが、天井の芯に設置したほうが強度が増しますよ。
工具不要 |
---|
タイプ | ネジ式 |
---|---|
長さ(最小) | 35cm |
長さ(最大) | 50cm |
圧着部幅 | 6.5cm |
圧着部奥行 | 20.5cm |
設置面積 | 133.3cm2 |
良い
気になる
コーナン商事の「突っ張り耐震ポール LFX01-1986」は、ホームセンターで購入したい人におすすめの転倒防止突っ張り棒。大手ホームセンター・コーナンの商品なので、よく行く人なら手に取りやすいでしょう。
実際に取りつけて阪神・淡路大震災、東日本大震災、能登半島地震の揺れを再現したところ、どの揺れでも家具は倒れず。133.3cm2と設置面積が広いことにくわえて、設置面はABS素材とEVA素材の組み合わせなので、揺れを家具の全体に分散させて転倒リスクを防げるでしょう。
家具のズレにくさも高評価に。特に、東日本大震災の縦揺れに対して1.01mmしかズレが発生せず、固定力の強さがうかがえました。阪神・淡路大震災レベルの横揺れが起きると、40.88mmとズレはやや大きくなりましたが、何も対策をしていないときを考慮すれば被害を小さく抑えられている印象です。
本体にネジがついているタイプで、特別取りつけにくさは感じませんでした。1人でも設置できそうですが、天井への適切な取りつけ方の記載がない点を念頭に置いておきましょう。
工具不要 |
---|
タイプ | ネジ式 |
---|---|
長さ(最小) | 35cm |
長さ(最大) | 47cm |
圧着部幅 | 4.5cm |
圧着部奥行 | 11.5cm |
設置面積 | 51.8cm2 |
良い
気になる
浅香工業の「金象印 つっぱり棒 368225」は、1人でも取りつけやすいものがほしい人におすすめ。取りつけやすさの評価がかなり高く、家具の組み立てが苦手な人でも負担を感じずに設置できそうです。
高さ調節ネジが本体についていて、作業時にパーツを紛失するリスクがありません。天井側の設置場所に関する説明はないものの、家具のどこにつけるべきか記載されている点も親切です。事前知識があればほとんど手間取らないでしょう。
実際に取りつけて大規模な地震の揺れを再現したところ、阪神・淡路大震災、東日本大震災レベルの揺れでも家具はまったく倒れませんでした。設置面は硬いABS素材と摩擦力のあるEVA素材が使われ、転倒を防ぐ工夫は十分です。一方で、設置面積が広くはないからか、惜しくも能登半島地震の揺れでは家具が倒れました。
工具不要 |
---|
タイプ | ネジ式 |
---|---|
長さ(最小) | 30cm |
長さ(最大) | 40cm |
圧着部幅 | 4.0cm |
圧着部奥行 | 5.5cm |
設置面積 | 45.6cm2 |
良い
気になる
Harsheiiの「家具転倒防止伸縮棒」は、ポールが2本あるタイプの転倒防止突っ張り棒がほしい人におすすめ。2本のポールを1人で取りつけるにはコツが必要ですが、ポールが細めなので要領がわかれば設置できそうです。ただし、ネジに付属している正方形のパーツを取り出してはめる作業が発生する点は、手間に感じるかもしれません。
ポールが2本あり、東日本大震災・能登半島地震レベルの揺れでも家具は倒れず。しかし、設置面積が22.8cm2が2箇所と狭いためか、阪神・淡路大震災のような揺れが発生すると家具は倒れてしまいました。
家具のズレにくさはおおむね良好です。東日本大震災・能登半島地震の横揺れ・縦揺れを再現しても、家具のズレが最大8mm以下に抑えられていました。一方で、阪神・淡路大震災レベルの横揺れが起きると214.03mmと大きく動く結果に。家具が多く、周囲のものまで倒れるリスクがある場合は、ほかの商品も検討したほうがよいかもしれません。
工具不要 |
---|
タイプ | ピン式 |
---|---|
長さ(最小) | 35cm |
長さ(最大) | 50cm |
圧着部幅 | 5.2cm |
圧着部奥行 | 24.0cm |
設置面積 | 124.8cm2 |
良い
気になる
社会福祉法人東京コロニーの「マグニチュード7 ML50」は、ピンでの固定方法を採用した珍しい転倒防止突っ張り棒。高さ調整をピンで行えて、ピンが貫通しているので頑丈そうに見える商品ですが、キャップを取り外して穴の移動をしなければ取りつけられません。天井の芯に対しての注意喚起も見当たらないので、取りつけの際にどこへ設置すべきか困る可能性もあります。
実際に取りつけて大規模な地震の揺れを再現したところ、東日本大震災・能登半島地震レベルの揺れでは家具が倒れませんでした。しかし、阪神・淡路大震災を再現した揺れが起きると家具が倒れたため、惜しくも転倒防止力はトップ層におよびません。
とはいえ、家具のズレにくさは不満のないレベル。東日本大震災・能登半島地震の横揺れ・縦揺れを再現した検証では、どの揺れでも家具のズレが12mm以内に収まりました。ただし、阪神・淡路大震災レベルの縦揺れでは154.30mmも動いたため、どんな揺れでも家具のズレを抑えたいという人は物足りなさを感じるでしょう。
工具不要 |
---|
タイプ | ネジ式 |
---|---|
長さ(最小) | 30cm |
長さ(最大) | 40cm |
圧着部幅 | 12.0cm |
圧着部奥行 | 21.5cm |
設置面積 | 258.0cm2 |
良い
気になる
実際に検証したところ、阪神・淡路大震災・東日本大震災レベルの揺れが起きると家具が倒れました。能登半島地震のような揺れでは家具は倒れなかったものの、地震への備えとしては心もとない印象でした。
取りつけ方法はネジ式だが、付属の六角棒が必要。1人でもかろうじて設置できそうですが、ネジや滑り止め部分も後つけで、説明書を読み込む必要があるでしょう。設置に手間がかかるわりには被害を食い止めにくいため、慎重に検討したほうがよさそうです。
工具不要 |
---|
タイプ | ネジ式 |
---|---|
長さ(最小) | 31cm |
長さ(最大) | 45cm |
圧着部幅 | 6.0cm |
圧着部奥行 | 21.5cm |
設置面積 | 129cm2 |
良い
気になる
MonotaROの「モノタロウ 突っ張り耐震ポール 41503736」は、今回検証したなかでは手頃な価格で入手できる転倒防止突っ張り棒。しかし、耐震性がないうえに取りつけも難しく、地震対策グッズとしては検討しづらいでしょう。
実際に検証したところ、いずれの揺れが発生しても家具は倒れてしまいました。衝撃に弱いため、せっかく設置しても大地震が起こった際の転倒リスクに懸念が残ります。
家具がズレやすいところも難点。阪神・淡路大震災、東日本大震災、能登半島地震の横揺れ・縦揺れを再現した検証では、どの揺れでも家具が大きくズレました。特に、能登半島地震レベルの縦揺れでは377.27mmとかなり動いたため、危険を避けることは難しそうです。
取りつける部分が非常に狭く、力が必要になる点もネック。力が弱い人は上手に取りつけられない可能性が高いでしょう。ネジは最初からセットされていないので、紛失しないように注意してください。
工具不要 |
---|
マイベストではベストな転倒防止突っ張り棒を「簡単に取り付けられて、大きな揺れでも家具が転倒しない商品」と定義。
ベストな商品を探すために、人気メーカーの最新商品やAmazon・楽天市場・Yahoo!ショッピングなどで売れ筋上位の転倒防止突っ張り棒11商品を集め、以下の3個のポイントで徹底検証しました。
検証①:転倒のしにくさ
検証②:家具のズレにくさ
検証③:取りつけやすさ
今回検証した商品
マイベストでは「地震の際に家具が転倒するリスクが低い」ものをユーザーが満足できる商品とし、以下の方法で検証を行いました。
各商品をチェックし、以下のポイントごとに点数づけをして、各商品のおすすめ度をスコア化しました。
マイベストでは「地震の際に家具がズレにくい」ものをユーザーが満足できる商品とし、その基準を縦ズレ10cm・横ズレ20cm以下と定めて以下の方法で検証を行いました。
1. 棚の動きを可視化するモーションキャプチャーを設置する
2. 阪神・淡路大震災、東日本大震災、能登半島地震を再現する
3. モーションキャプチャーの記録から棚の下部が縦・横にどの程度ズレたのか確認し、記録する
縦に10cm以下、横に20cm以下のズレを最高スコアとし、ズレにくいものほどおすすめとしておすすめ度をスコア化しました。
本棚の中には何も入れずに検証を行いました
総合危機管理アドバイザーであるおりえさんが、以下の方法で各商品の検証を行いました。
監修者が実際に商品を取り付けを行い、「とても満足:5」「満足:4」「普通:3」「不満:2」「とても不満:1」の5段階で評価し、各商品のおすすめ度をスコア化しました。
転倒防止突っ張り棒は、以下のような変化が見られたときには買い替えが必要です。
【交換のサイン】
突っ張り部分のゴムが劣化すると固定力が弱まるため、年に1回程度は定期的にチェックしましょう。とくに長期間使用している場合や、地震のあとには緩みや劣化が発生している可能性があります。また、メーカーによっては推奨期間を記載している場合があるので参考にしてください。
地震後は、一見損傷がないと思われても交換を検討してください。地震の揺れによって突っ張り棒に過度な力がかかり、内部のバネや構造が弱くなっている可能性があります。再固定しても十分な保持力を発揮できない恐れもあるので、見た目に異常がなくても交換することが望ましいでしょう。
食器棚や物置棚の扉や引き出しに耐震ラッチを取りつけておくことで、地震の際に中身が飛び出すことを防止できます。地震への対策を強化するために、以下のコンテンツもあわせてチェックしてください。
ほかにも災害時に役立つアイテムはたくさんあります。命に関わることだからこそ、普段からしっかり備えておくことが大切です。以下のコンテンツで選び方やおすすめのアイテムを紹介しているので、参考にしてください。
1位: 平安伸銅工業 |HEIAN SHINDO|家具転倒防止突っ張り棒|UEQ-35W
2位: ニトリ|家具突っ張り棒|8750214
3位: 平安伸銅工業|HEIAN SHINDO|家具転倒防止突っ張り棒 2本組|REQ-35
3位: アイリスオーヤマ|アイリスプラザ|家具転倒防止伸縮棒|KTB-30R
5位: カインズ|転倒防止家具固定ポール
ランキングはこちらコンテンツ内で紹介した商品を購入すると、売上の一部がマイベストに還元されることがあります。
掲載されている情報は、マイベストが独自にリサーチした時点の情報、または各商品のJANコードをもとにECサイトが提供するAPIを使用し自動で生成しています。掲載価格に変動がある場合や、登録ミス等の理由により情報が異なる場合がありますので、最新の価格や商品の詳細等については、各ECサイト・販売店・メーカーよりご確認ください。
家電
パソコン・周辺機器
コスメ・化粧品
ビューティー・ヘルス
生活雑貨
キッチン用品
格安SIM
インターネット回線
クレジットカード・キャッシュレス決済
ローン・借入
脱毛
サービス
就職・転職
投資・資産運用
保険
ウォーターサーバー
ベビー・キッズ・マタニティ
食品
ドリンク・お酒
アウトドア・キャンプ
DIY・工具・エクステリア
住宅設備・リフォーム
インテリア・家具
ペットフード ・ ペット用品
カメラ
スマホ・携帯電話
車・バイク
釣具・釣り用品
スポーツ用品
趣味・ホビー
アプリ
テレビゲーム・周辺機器
本・音楽・動画
ファッション
靴・シューズ
コンタクトレンズ
腕時計・アクセサリー
ギフト・プレゼント
旅行・宿泊
その他