革靴なのに走りたくなる 軽いビジネスシューズ4選
これからの季節に狙い目 軽いビジネスギア(上)
普段持ち歩く物や毎日着る服が軽ければ、体への負担を軽減でき、仕事もラクになるはず。そこで「軽さ」にスポットを当ててビジネスギアを紹介する。第1回は軽いビジネスシューズの注目作を4足ピックアップした。
歩きやすさと上質なレザー使いも魅力
「歩きやすさのための機能とビジネスシューズとしてのデザインを両立したハイブリッドなシューズが、ビジネスパーソンにとって一般的になりつつあります」と話すのは、ロックポートジャパンマーチャンダイジング部の田中祐介氏。「クッション性とともに『軽さ』を重要視される方は非常に多い」そうだ。
これまで軽量ビジネスシューズを展開し続けてきたロックポート。なかでも、今回紹介する「トータルモーション」コレクションは、最もハイスペックなシューズとして人気が高い。
人気の理由は軽さだけではない。弾力性を持つプラスチック、TPU(熱可塑性ポリウレタン)素材のプレートをミッドソールに内蔵しており、屈曲性にすぐれ、左右にブレにくく、安定した歩行をサポート。さらに歩行時のかかとへの衝撃を吸収する同社独自のクッション素材「truTECH(トゥルーテック)」を使用。革靴なのに走り出したくなるような履き心地となっている。
レザーグローブに使用されるようなソフトで上質なレザーを使用しているため、履き始めから足になじみやすく、高級感のあるルックスも特徴。軽量な高機能シューズには見えない、重厚なウイングチップデザインも魅力的だ。
「トータルモーションコレクションは30代から60代以上まで広く購入いただいており、年齢やご職業に関わらずリピート率が高いのも特徴です」(田中氏)
レーシングカーを参考に作った革靴
「スニーカーのような履き心地」をブランドのキャッチコピーとするテクシーリュクス。2017年12月に発売した「アブソリュートバリューズ」シリーズは、「KONDO Racing Team」が監修した初めての革靴で、レーシングカーが持つ特性を参考にして開発された。
空気抵抗を減らすために極限まで無駄をなくした車体のように、足囲や甲回りを絞り込むことでフィット感を高め、同時にスタイリッシュなフォルムを実現。立体形状でかかとを優しくホールドする中敷きは、レーシングカーのバケットシートをイメージして作られている。
またソールの前部中央に低硬度ラバーを使用し、着地時の接地面積を増やすことで安定した足運びを可能にしている。底面はスタッドレスタイヤを参考にした意匠が施されており、さまざまな路面にも対応。このように、ただ軽いだけでなく、ホールド感やグリップ性など歩きやすさにも配慮していることが見て取れる。
「同シリーズは外回りの多いビジネスパーソンから支持され、3月に入り好調に売り上げが伸びています。『テクシーリュクスの歩きやすさにスマートさが加味された』との声もあり、スタイリッシュなモデルとしてお客様から高評価を得ています」(アシックス商事紳士・スポーツプロダクトマーケティング部の根本康史氏)
洗練されたルックスと快適な履き心地
ビジネス・カジュアル問わず、スニーカーソールとレザーアッパーを組み合わせたシューズを手がけるエコー。2018年春夏は、精巧なハンドクラフトと最新テクノロジーによる快適さを兼ね備えた新モデルを発売した。
その「ECCO VITRUS I(エコー ヴィトラス ワン)」は、足をしっかりと包み込む大きな新型シャンク(土踏まず部分のアーチを支える芯材)を搭載し、軽さをキープしながら安定性と柔軟性を向上。そしてアッパーとソールを一体成型する独自のダイレクトインジェクション製法「FLUIDFORM」により、足に吸い付くような抜群のフィット感に。さらにソールユニットは、相反するクッション性と反発性の絶妙なバランスを実現している。今回取り上げた4製品の中では重い靴だが、これだけの機能をこの重量内で実現したことに驚く。
アッパーのレザーはすべて自社で製造したものを使い、本モデルには手作業でアニリン染色したカーフレザーを使用。手で磨き上げることでツヤと深い色味を獲得し、洗練されたルックスに仕上がっている。
「今春発売したモデルですが、ビジネスシューズでは弊社のトップランキングに並ぶ商品です。30~40代の男性に支持されており、履き心地がよく、エレガントなのに主張が強すぎないデザインのため、歩きやすさと上質感が求められる外回りが多い営業の方に人気です」(エコー・ジャパンPRの石井美桜氏)
軽量で歩きやすく価格も手ごろ
「以前から軽いビジネスシューズは人気でしたが、次第に軽いだけでなくプラスアルファの機能が求められるようになってきました」と話すのはザ・スーツカンパニー・プレスの神尾博和氏。「そこで昨今の革靴のトレンドでもあるスポーツソールシューズを、弊社なりに違う角度から製作したのがこのモデルです」
アッパーには、丈夫さが魅力のカウレザーを使用。適度な厚みを持たせることで、ハリとナチュラルな艶感で足元を演出。中敷きには低反発スポンジを用いており、足当たりがソフトかつ地面からの衝撃を和らげることができる。EVA素材を使用したソールは軽く、クッション性にも優れている。
今回紹介するシューズのなかでもっとも軽く、足幅はゆったりとした4E、甲も少し高めで足入れしやすいのもポイントだ。
「昨年11月に発売した後発の商品にもかかわらず、定番商品に匹敵する売れ行きです。1日歩き回る就活中の学生や営業職の方に好評で、なかでも特にフレッシャーズに支持されています。価格が安いうえ機能面も充実しているので、リピートされる方が多い傾向にあります」(神尾氏)
革靴なのに走りたくなる 軽いビジネスシューズ4選
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(ライター 津田昌宏、写真 野町修平=APT、スタイリング 宇田川雄一)
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