登録日:2012/02/09 Thu 17:36:15
更新日:2024/10/19 Sat 17:06:50
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マンモスとは、400万年前~1万年前の地球上に生息していたとされる、長鼻目象科の古代生物、象である。
●目次
■概要
現存する
象とは同じ先祖から枝分かれした遠縁であり、たまに勘違いされるがアフリカゾウやアジアゾウの祖先という訳では無い。現行種ではアジアゾウが最もマンモスに近い象であり、アフリカゾウとはやや遠い関係にある。
太く長い牙を持ち、毛皮に覆われた姿で寒冷な地域に住んでいたものが一般的に知られているが、
これは、シベリアに生息していたとされるマンモスの姿であり、
実際にはマンモスと呼ばれる象は、ユーラシア大陸からアフリカ、アメリカまで広く生息していて、姿もサイズも様々であった。
でかい物の代名詞(例:のりピー語)として使われることが多いが、実際はアジアゾウより小さいものもいる。
勿論アフリカゾウよりでかいのもおり、3万4千年前の中国にいたとされる史上最大のマンモス「松花江マンモス」は
全長9m、体重20tという
恐竜並みのサイズだった。
その一方、ホモテリウム(
サーベルタイガーの一種)の巣穴から大量のコロンビアマンモスの子象の骨が見つかった例が有るので、知能や社会性は現生のアフリカゾウやアジアゾウより低かったのではないか?とも推察されている。
カリフォルニアでは同時期に生息していた
ライオンの近縁種と比べてタール池から生息数の割に有意に多数のサーベルタイガーが見つかっている事から、サーベルタイガー類は現生のライオンより知能が低いとされているが、その知能の低いサーベルタイガー類に主食にされる程子供を攫われていたとなると…
現生の象では余程巧みに奇襲しなければ、知能の高いライオンや虎でも子象の護衛に付いている親や姉、叔母に撃退されてしまうのが普通である。
なお日本に生息していたとされる「ナウマンゾウ」はマンモス属では無いが、こちらも今のアフリカゾウやアジアゾウに近い仲間である。ただマンモスの方がアジアゾウにより近縁である。
■人間との関わり
映画やマンガなどではステレオタイプの原始人による狩猟風景が時おり描かれるが、実際、マンモスの狩猟は原始の人々にとって、大切な生活の糧であった。
勿論ギャートルズのように
石斧振り回して何もない荒野で突撃していたわけではない。あんな狩り方をすれば各個撃破されるのがオチである。
人間よりはるかに巨体で足も速かったとされるマンモスを仕留めるには、
落とし穴や沼地などに追い込んで集団で
槍などでめった刺しにしていたとされる。
マンモスのハンティングに使われていたとされるクロビス石器なども遺跡から出土している。
ただしアメリカ大陸でマンモスの化石と一緒に発見された矢じり(人間による狩猟の証拠)は全体で7件しかない。
そして現代の象でさえ銃無しでは十数人がかりでしか倒せないという証言もあり、当時の石器と人類の力ではまともに傷を与えられたとは考えにくい。
反撃できない状況に追い込み衰弱するのを待ってから狩っていたと思われるが、そんな状況に簡単に追い込めるわけもない。
現在では死んだマンモスから肉や素材を拾い集め拝借してきた、何らかの理由で怪我を負った個体を追い込んで罠にはめたという説が有力。
また、北極圏では3~4万年前(後期旧石器時代)に狩猟されたマンモスが見つかっている。
肉はもちろん、毛皮を衣類に、骨を住居に利用し、全身余す事無く有効活用していたようである。
漫画やアニメなどで、「巨大骨付き肉」の姿で描写されるマンモスの肉を見て、「食べたい!(´ρ`)」と切望した者も多いだろう。
しかし、アフリカで象肉を食べた人曰く、「筋っぽくて大味です。象だけに」との事。
寒冷地のマンモスなら寒さに耐えるため象より脂身が多いとはいえ、人間が食べるために飼育された
豚や
牛の味に慣れた現代人が美味しく感じる味では無いだろう。
まあ、どうしても食べたいなら氷付けになっているマンモスを探しに凍土に行ってみると良いだろう。
冷凍保存されていたマンモスの肉を犬に与えても普通に食べれたみたいなので。
色んな意味で命の保証はできないが。
■絶滅
ご存じのように、彼らは既に絶滅しており、今や化石などからしかその姿を見る事は出来ない。
よく約1万年前の氷河期終了を持って絶滅したと言われている。大半と言う意味では正しいが、実際は約4千年前まで北極海の離島で生息していたことが判明している。この最後のケナガマンモス達は離島で生活するために平均よりも大きさが小型(体高約1m程)になっていた。
絶滅理由には諸説あり、「人間が狩猟しすぎた(実際、妊娠期間が長い上に一回一頭しか子を生まないマンモスは狩猟圧には弱かったとされる)」、
「人間が持ち込んだ家畜による伝染病」など色々言われるが、最も有力なのは、「気候変動による植物の変遷(大量の食料を必要とする巨躯に対する食料の減少)」であると言われている。
北極海に居た最後の集団に関しては、他の極地に住む陸生哺乳類の事例から「突発的な異常気象で一気に全滅した」説が有力視されている。
しかし、現代もシベリアなどで度々目撃情報があるなど、
生存説も存在する。
ロマンある冒険家志望の方、是非ともマンモス探しの旅に出て欲しい。
また現代科学では氷漬けのマンモスから遺伝子を取り出し、ゾウの卵子に入れ、生まれたマンモスハーフに…を繰り返すことで
某映画のような「マンモスの復活」が理論上は可能となっている。倫理的に問題がありそうな気もするが。
■主なマンモス
・ステップマンモス
更新世前期から中期にかけてユーラシア一帯に生息した、比較的古いタイプのマンモス。
肩の高さが4.5mもあったという非常に大きな種である。上述の松花江マンモスもこのステップマンモス。日本にもいたようだが、島嶼故か小型だという。
毛はそこまで長くなかった模様。人類が本格的に進出する前に絶滅した。
・ケナガマンモス
「マンモス」と呼んで普通指すのがこの種。ヨーロッパからシベリア、北アメリカ北部にかけて生息していた。
北海道でも化石が見つかっている。
肩の高さは3mほどとアジアゾウとアフリカゾウの中間くらいの大きさ。名前の通り寒冷地に適応した長い体毛を有していた。
主食はツンドラ地帯に生えるイネ科を中心とした草本。
・コロンビアマンモス
アメリカ合衆国からメキシコにかけて生息していた種。
肩の高さは3.7~4.2mとステップマンモスほどではないにしろかなり大きな種であった。
マンモスの中でも特に巨大な牙を持っていた。一方体毛はケナガマンモスほど長くなかったと思われる。
ケナガマンモスと並び最後まで生きていたマンモスの仲間で、最後の化石は1万2千年前のものとされる。
■マンモスをモチーフとしたキャラクターやメカ
追記、修正お願いしまんもす
- 誰もが知る古代毛象 -- 名無しさん (2013-08-19 03:43:51)
- 特撮では『最強』の象徴。 -- 名無しさん (2013-08-19 04:11:31)
- 某議論スレでは陸上哺乳類最強と言う声が多い -- 名無しさん (2013-11-30 17:27:28)
- 象以上に馬鹿食いするらしいから復活させても繁殖させるのは至難だろうね -- 名無しさん (2013-11-30 18:37:55)
- ↑そしてそれを上回るペースで人間に馬鹿食いされるんですね、わかります -- 名無しさん (2013-11-30 22:01:04)
- ワシントン条約に縛られないマンモス牙が人気だからね -- 名無しさん (2013-11-30 22:12:18)
- ↑×5 キョウレツオーは玩具の方の売上も歴代最終ロボで最高レベルだしね -- 名無しさん (2014-01-01 20:20:25)
- おっきくて毛のはえたぞーさん。名前はマン〇ス -- 名無しさん (2014-01-02 00:14:26)
- 発生段階の細胞核を入れ替えて、復活させることは理論的にはほぼ可能…らしいが、必要は無いな。 -- 名無しさん (2014-01-03 19:17:07)
- ↑激しく同意、マンモスは確かに人間の狩猟も絶滅原因かもしれないけどそれと同時にもう地球上の生態系における役目を終えたから絶滅したとも言える。ニホンオオカミみたいに明らかな人間の過剰な介入が原因じゃない限りは逆に生態系をぶっ壊す可能性があるから絶滅動物は蘇らせる必要がない -- 名無しさん (2014-01-03 20:10:56)
- ↑そう言えばアメリカの学者が、マンモスの代わりにアフリカゾウを持ってくればその生態系のニッチが埋まるんじゃないかって無茶なこと言ってたな 確かに生態系は何とかなるかもしれないけどそれ以前の問題が…… -- 名無しさん (2014-01-03 20:15:54)
- ウランゲリ島には3700年前までマンモスが生きていたといわれている。 -- 名無しさん (2014-01-15 01:00:25)
- ↑人間がその島にきたのは絶滅してから100年後だったとか 入れ違いだったようで -- 名無しさん (2014-01-15 01:05:28)
- 愛知万博で冷凍保存の遺体を見たなぁ…
撮影禁止なのに撮ってるバカが多過ぎた。
自分は規則守って見るだけにしたけど -- 名無しさん (2014-01-24 11:01:00)
- まあ人間も生態系の一部だから、別に人間が他の動物を絶滅させたとしても、それも自然の摂理だわな -- 名無しさん (2014-02-02 14:38:32)
- 環境保護って、人間にとって都合のいい、って一文がいつも抜けてるよな。 -- 名無しさん (2014-02-02 20:39:48)
- ↑↑色んな説があるのですし、絶滅した理由は不明で良いのではないですか?? もし、生き延びているとしたらステラーカイギュウのように衰退している可能性もありえそうです。 -- 閲覧者 (2014-02-28 03:38:21)
- すごく巨大なイメージがあるけど、実はアフリカゾウと大差ない。というか、アフリカゾウより小さい種類もいたりする。 -- 名無しさん (2015-03-11 19:39:45)
- ↑3 ま、でも絶滅に追い込んだ数が多いのも事実だからねぇ… -- 名無しさん (2015-03-11 20:48:14)
- マンモス復活計画って今どのくらい進んでんだ? -- 名無しさん (2015-05-11 13:09:35)
- 肉・毛皮・骨以外に脂肪は燃料として使われてたらしい。まさに捨てるとこなしだな -- 名無しさん (2015-05-11 13:24:37)
- あ -- 名無しさん (2016-05-18 00:07:00)
- ↑↑ 肉=食用、毛皮=衣類、骨=建築材、象牙=装飾品・工芸品、脂肪=燃料か…日本の歴史でいうならクジラみたいなポジションだね。 -- 名無しさん (2016-05-18 00:10:41)
- 生息地には象がいないため、モグラと長らく間違われていた。 -- 名無しさん (2016-05-18 07:08:17)
- マンモス肉はみんなの憧れ。でもマンモスは遺伝的にゾウにとても近い生物のため、当然肉の質も似てくるわけで…。ゾウの肉はタイヤのごとく硬くて筋っぽいらしいから、マンモスの肉もだいたい同じくらい硬いんだろうな。美味くはなさそうだ -- 名無しさん (2019-04-06 12:15:45)
- クレしんでは大人の「ぞうさん」に対してこう呼ぶ。マンモス=象よりデカいのイメージの一端と思われる -- 名無しさん (2019-12-25 08:30:57)
- クロマニョン人とかは現生人類より遥かに顎の力が強かったらしいから、硬い肉でも平気で食べていたんじゃないかな。あるいは骨つき肉でなく石包丁で叩きまくって繊維を切ってから食べたかもね -- 名無しさん (2020-01-31 17:22:45)
- 古生物系の記事は存在するならぬいぐるみやフィギュアの画像を最後に付けるのがトレンドなの? -- 名無しさん (2020-01-31 17:36:34)
- 去年のマンモス展で愛知万博のマンモスが再び来日。写真で見ると骨っぽいけど実物を見てみると結構生っぽさが出てて感動したな。昔はもっと状態のいい冷凍マンモスもあったんだろうな・・・保存技術が確立されてれば・・・ -- 名無しさん (2020-07-03 14:44:56)
- 昭和のお子様が存在を知る理由は「ギャートルズ」と「ほえろマンモスくん」と「ジャングル大帝のおふくろさん」の三択 -- 名無しさん (2020-08-19 14:28:09)
- どうでもいいけどアニオタ古生物図鑑の項目、やたらと後ろに古代生物と付けているけど本当に古代生物なのはマンモスだけで後は古生物というなんかちぐはぐ感が -- 名無しさん (2020-08-25 06:07:24)
- 古代象だけど寒冷地に生息していて身体が大きいこと以外、生態は象とそんな変わらないという -- 名無しさん (2021-01-19 10:28:35)
- なに、絶滅したのは牙が伸びすぎて自分に刺さったからではないのか!?(肉脳) -- 名無しさん (2021-01-19 10:47:02)
- ↑バビルサじゃないんだから -- 名無しさん (2021-03-16 16:22:02)
- 某映画って佐藤蛾次郎が研究してたアレかと思ったら違った -- 名無しさん (2022-08-02 06:35:41)
- マンモース(冒険大陸アニアキングダム) -- 名無しさん (2024-08-07 09:35:54)
最終更新:2024年10月19日 17:06