首相、最低賃金「大幅引き上げへ全力」
安倍晋三首相は23日に開いた経済財政諮問会議で最低賃金について、「大幅な引き上げが可能となるように中小企業の環境整備やサービス産業の生産性向上に全力を挙げる」と話した。最低賃金の引き上げを実現し、景気の底上げを図る考えだ。
首相は「最低賃金引き上げに向けてしっかり対応していただきたい」とも述べ、関係閣僚に指示した。最低賃金は政府が企業に義務付ける最低限の時給だ。都道府県によって異なり、現在の全国平均は時給780円。
内閣府が23日の諮問会議で示した試算では最低賃金を10~20円引き上げ、300万~400万人の賃金が上昇した場合、総雇用者所得が400億~900億円増えるという。
最低賃金の引き上げに向けた議論は1日から厚生労働省の審議会で始まっている。物価や企業利益など目安となる経済指標は改善しており、14年度の引き上げ幅16円を上回るかが焦点となっている。労働側は平均20円超を視野に引き上げを求めているのに対して、経営者側は慎重だ。