JR東日本、全乗務員にタブレット アイパッドミニ約7000台
東日本旅客鉄道(JR東日本)は全乗務員にタブレット(多機能携帯端末)を配布する。米アップルの「iPad mini」(アイパッドミニ)を約7000台、2013年度中に首都圏から順次、導入する。輸送障害の発生時に活用するほか、マニュアル類を電子化することで業務の効率化などにつなげる。鉄道運行の現場でこれほど大規模にタブレットを活用する例は初めてとみられる。
初期の導入費用は約4億7千万円。ソフトバンクテレコムがアイパッドミニを納入、マニュアル類の電子化をサポートして、各種コンテンツやアプリを活用したサービスをJR東日本に提供する。
すべての運転士と車掌が携行、輸送障害時の迅速な対応や列車の内外での案内サービスなどに役立てる。輸送障害の発生で担当列車を変更する場合、新たな時刻表を入手する必要があるが、現在はFAXを通じた手渡しだ。これを手もとのアイパッドミニに送付する体制に切り替える。
マニュアル類を電子化することで閲覧の機会を増やし、輸送障害時の対応能力や知識・技能の維持向上につなげる。乗務員は2キログラム以上のマニュアルを常時、携行するが、これを400グラム程度に軽量化できる。
JR東日本はタブレットの全面導入に先立ち、今年1月まで約4カ月間、合計85台を利用して試行を実施。輸送品質やサービスの向上など効果が得られると判断し、現場での本格活用に踏み切ることにした。
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