中高生、寝る前のケータイ控えて 厚労省睡眠指針
11年ぶり改定
厚生労働省は、心身の健康と密接に関わる眠りの質を向上させようと2003年に策定した「睡眠指針」を11年ぶりに改定する。近年の国内外の研究結果などを基に、同省検討会が今月下旬にも改定内容を取りまとめる予定で、中高生の就寝前の携帯電話使用が夜型の生活を促進するとして新たに注意を促す。
改定案は従来の指針をベースに、忙しくて寝不足の勤労者には昼寝を勧めるなど、(1)若者(2)勤労者(3)高齢者――の3グループそれぞれの特徴に応じ、良い眠りのためのアドバイスを盛り込んだ。
中高生ら10代の若年世代向けには「頻繁に夜更かしをすると体内時計がずれていく」として規則正しい生活の大切さを強調。朝目が覚めたら日光を浴びて体内時計をリセットするよう呼び掛けている。スマートフォンの普及を踏まえ「寝床に就いた後に携帯電話を使ったり、ゲームをしたりして活動すると夜型化を招く」としている。
20代~60代前半の勤労世代向けには「睡眠不足が長く続くと疲労回復は難しくなる。毎日必要な睡眠時間を確保することが大切」と指摘、仕事中に眠気が生じる場合は20~30分の昼寝が効果的とした。仕事のない週末に「寝だめ」をすることについては、別添資料で成人の実験結果を紹介し「決して無効ではないが、睡眠不足に伴う疲労の回復には不十分」とした。
60代後半以上の熟年世代には、夜間に眠ることができる時間が加齢とともに短くなる点を指摘。「無理に長時間眠ろうと寝床にとどまることはかえって睡眠の質を低下させ、熟睡感が減る」とし、日中に適度に体を動かすなどメリハリのある生活を呼び掛けている。
このほか、リラックスしてスムーズに寝付くこつとして(1)ぬるめと感じる湯温でゆったりと入浴する(2)夕食後はカフェインを含むコーヒーや緑茶、ココア、栄養ドリンクの摂取を控える――などを挙げている。〔共同〕