京大、iPS細胞特許で国内4件目成立
京都大学は18日、山中伸弥教授が世界に先駆けて開発したiPS細胞の作製法に関する特許が国内で1件成立したと発表した。3~4種類の遺伝子に限定した作製法はすでに特許になっているが、これらと分子構造が似た遺伝子も対象になり、権利が及ぶ範囲が広がった。高額な特許料収入を狙うベンチャー企業を排除でき、iPS細胞を使った新薬の研究開発をしやすい環境がより整ったといえる。
様々な組織に育つiPS細胞は皮膚などの細胞に3~4種類の遺伝子を導入して作る。
国内で新たに認められたのは、4種類の仲間の遺伝子を使う作製法など。同様の特許は米国と欧州では成立している。京大のiPS細胞に関する特許が成立したのは国内では4件目となる。
京大はiPS細胞関連の特許を世界で約90件出願済み。これまでに日米欧など26カ国と1地域で成立している。
会見した山中教授は「国内では控えめにみても、iPS作製法の5割は特許として抑えたのではないか」と語った。