休業手当、計画停電の時間帯は支給不要 厚労省
厚生労働省は企業が自己都合で社員を休ませた場合に支払いを義務付ける休業手当について、計画停電の時間帯は原則として支払わなくてもよいとする見解をまとめた。電力が供給されないことを理由とする休業では企業の責任はないと判断した。
休業手当は企業が自己都合で休業した場合に労働者の生活を保障する仕組みで、労働基準法で支払いが義務付けられている。生産調整や経営難、設備の故障などで企業が社員に自宅待機や一時帰休を命じた場合、過去3カ月の平均賃金の60%以上を休業期間に応じて日割りなどで支払う必要がある。
ただ地震で工場が破壊されるなど企業の責任とはいえない理由で休業する場合は、休業手当を支払う必要はない。厚労省は計画停電の時間帯の休業についても手当の支払い義務がないことを明確化し、全国の都道府県労働局に通知した。
停電していない時間帯の休業は原則として手当を支払う必要がある。ただ計画停電の実施日に、数時間の停電時間帯だけを休業にすることが経営上、著しく不適当な場合については、終日休業にしても手当を支払わなくてもよいとした。「著しく不適当な場合」の具体例は示しておらず、個別に判断することになる。
また予定されていた計画停電が実施されなかった場合についても、変更の内容や停電中止の公表時期などを踏まえ、労働局が個別に判断することになるという。
休業手当は企業全体が終日休業となる場合だけでなく、会社内の一部門が休業したり、1日のうち数時間の操業短縮なども対象となる。