シリア過激派が解散の意向 指導者、穏健姿勢を強調
【テヘラン=共同】シリア暫定政府を主導する過激派「シリア解放機構(HTS)」のアハマド・シャラア(通称ジャウラニ)指導者はHTSを解散すると表明した。国民対話会議で発表するという。中東の衛星テレビ、アルアラビーヤが29日、インタビュー内容を報じた。国際テロ組織アルカイダ系組織「ヌスラ戦線」を前身とする組織の解散を掲げることで、国際社会に穏健姿勢を強調する狙いがありそうだ。
シャラア氏は、大統領の選出前に多くの政治的段階があると指摘。憲法制定に3年、選挙実施までに4年かかるかもしれないと主張した。アサド政権は監視社会を構築し反体制派を徹底弾圧したが、シャラア氏はデモは市民が意見を表明する正当な権利だと擁護した。
トランプ次期米政権に対シリア制裁の解除を要求。崩壊したアサド政権の後ろ盾だったロシアとは戦略的な関係があるとし、不適切な形での撤退は望まないとした。
暫定政府はさまざまな宗派の信者やキリスト教徒との融和を主張している。シャラア氏は、北東部を実効支配するクルド人は不可欠だと強調し「シリアを分断しない」と発言。クルド人勢力主体の民兵組織「シリア民主軍(SDF)」を国防省に加える考えを示した。
アサド政権を支援したイランに介入しないよう求めた。長年の内戦で荒廃した国土再建に向けてサウジアラビアに投資を呼びかけた。