2024年平均賃金、月33万200円 伸び率33年ぶり大きさ
厚生労働省は26日、2024年の賃金構造基本統計調査の速報値を公表した。一般労働者の平均賃金は月33万200円と比較可能な1976年以降で最高となった。伸び率は3.7%と、91年以来33年ぶりの大きさだった。企業による賃上げの影響が表れている。
学歴別にみると、大学卒が4.3%、高校卒は2.5%伸びた。大学卒の一般労働者における年齢階級ごとの伸び率は45〜49歳が6.5%と最も大きく、60〜64歳(5.6%)、35〜39歳(5.3%)が続いた。
調査は従業員5人以上の民間企業と10人以上の公営事業所を対象とした。速報値は10人以上の民間企業から集めた回答をまとめた。正社員などフルタイムで働く人が対象で、賃金は残業代を含まない所定内給与を指す。
賃上げは賃金水準を一律に引き上げるベースアップと、勤続年数が上がるごとに増える定期昇給からなる。2014年春季労使交渉(春闘)から政府が産業界に対し賃上げを求める「官製春闘」が始まった。産業界では正社員間でも賃金要求に差をつける「脱一律」の動きが広がる。年功序列モデルが崩れ、生産性向上のために成果や役割に応じて賃金に差をつける流れが強まり、一律での賃上げ要求の意義は薄れている。