桐谷さんが選ぶ2024年のびっくり優待、がっかり優待
喫茶 桐谷(第6回)

どうも、桐谷です。今回は毎年恒例、1年間の優待界の動きを振り返って「2024年のびっくり優待、がっかり優待」を選びました。
24年は、優待新設を発表した時点で、総合利回りが10%超となる金券優待を新設する企業がたくさんありました。これまでにも自社製品で総合利回り10%超の優待はありましたが、QUOカードという金券だけで利回り10%超のものはほぼなかっただけに驚きでした。
その先駆けとなったのが、1月に優待新設を発表した日本エコシステムです。株価が1600円台の時に、200株以上の保有で1万5000円分のQUOカードが年2回もらえる優待を発表しました。配当利回りだけで3%以上あるのに、200株以上保有で年3万円分の優待! 総合利回りは12%を超えています。

私は日本エコシステムの株を優待発表前から100株持っていましたので、急いで買おうとしました。ですが連日のストップ高でなかなか買えません。やっと1月30日に100株買い増しました。発表後、株価は4000円台まで上がっていました。
10万円以内で買えるものも
日本エコシステムを皮切りに、「高利回りQUOカード優待」の新設・拡充が相次ぐのですが、いいなと思ったのが、デュアルタップ。4月に株価400円台の時に、100株保有で4000円分のQUOカードを贈呈すると発表しました。配当利回りも3%を超えていました。長期優遇制度もあり、1年以上保有するともらえるQUOカードは5000円に増額。利回りはさらに上がります。10万円以下で買える株で、利回り10%以上の恩恵が得られる点が非常に良いと思いました。
デュアルタップと同じ、10万円以内で買える高利回りQUOカード優待として注目できるのが、メディア工房です。グリーンエナジー&カンパニーや、No.1も日本エコシステム同様、配当利回りが高い中で新設を発表しました。No.1は10月の発表時、配当利回りが約4%でした。
サムティの廃止はショック

一方、がっかり優待の中で一番ショックだったのが、サムティホールディングスの優待廃止です。TOB(株式公開買い付け)実施で、アジア系ファンドの傘下に入るためです。無料宿泊券の優待は少なかったため、廃止のニュースは私の優待仲間の間でも衝撃の出来事でした。
お米がもらえる優待として知られていた日本M&Aセンターホールディングスの優待廃止は、致し方ないと思います。株主数が10万人も超えれば、優待品の配送コストもばかになりませんから。
Jトラストは、約1年前に優待制度を再開したばかりなのに、1年で内容変更しました。「OLIVE SPA」でのリラクゼーション無料券が良かったのに、廃止となって残念です。
サイゼリヤや、アサヒグループホールディングスの優待廃止は、株主平等を求める機関投資家からの圧力と考えてよいでしょう。経営の判断とはいえ、人気の優待がこのような形で消えてしまうのは非常にがっかりです。
桐谷さんの最新動向
月末になると、最後の数日間はその月で期限切れとなる優待券の消化や、優待品申し込み作業でとても忙しくなります。少しでも無駄にしないよう、家族や友人にあげたり、自分で使ったり。この日は、イトーヨーカドーの3階にて優待券で服を買い、グルメ杵屋の優待券でそばを食べました。

[日経マネー2025年2月号の記事を再構成]
著者 : 日経マネー
出版 : 日経BP(2024/12/20)
価格 : 840円(税込み)
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