ボーナスで定期預金、ネット銀行と地銀ネット支店が有利
トップFPが指南 夏のボーナス活用法(3)
金利上昇局面では、短期の固定金利商品を活用し預け替えをしていくことも考えたい。その際に使い勝手が良く、かつ金利も高めに設定されているのがネット専業銀行の定期預金だ。
ネット専業銀行ではこの時期、夏のボーナス向けや、新規口座開設のキャンペーンが行われている。金利の上乗せやキャッシュバックなどの特典があり、預け入れのチャンスと言えそうだ。ファイナンシャルプランナーの深野康彦さんは、「地方銀行のネット支店にも高金利定期が多い」と指摘する。
オリックス銀行は0.60%
そこで、下に主だった銀行の1年物定期の金利を掲載した。2024年7月4日時点で最も金利が高いのは、新規口座開設者限定の1年物定期が0.60%というオリックス銀行だ。auじぶん銀行の7月末までの「夏の1年もの特別金利+新規資金優遇キャンペーン」は定期1年物の金利が0.40%で、さらに0.15%相当額の現金プレゼントがある。合わせて実質0.55%の利息が受け取れる形だ。
SBI新生銀行、東京スター銀行などの新規口座開設キャンペーンでも、0.45〜0.50%という高水準の金利が享受できる。SBI新生銀行は同時に新規口座開設者向けのウェルカムプログラムも実施、一律1500円がプレゼントされる。メガバンクのスーパー定期1年物が0.025%ということを考えれば、破格の高金利と言える。
では、地銀のネット支店はどうか。7月4日時点では香川銀行セルフうどん支店の「超金利トッピング定期」が0.33%の高水準。東京きらぼしフィナンシャルグループのUI銀行の「スーパー定期」0.30%がこれに続く。
適用金利は随時見直されている。また、口座開設に時間を要し、キャンペーン期間中の申し込みに間に合わない場合もあるので注意が必要だ。
「抱き合わせ商品」に注意
銀行のホームページを見ていると、金利が10%前後の円建て定期が載っていることがある。多くは外貨預金や投資信託などとの「セット売り」で、かつ、高い金利が適用されるのも3カ月ほどだ。
深野さんは、「金融機関が売りたい商品との抱き合わせ販売で、高い預金金利にだまされてはいけない。定期の利息は外貨預金や投資信託の損失で吹っ飛んでしまう可能性がある」と警鐘を鳴らす。
通常の定期預金より金利は高めだが、「二重通貨預金」などの複雑な仕組み預金も避けた方がいいという。外貨預金も、円安基調が続く今は様子見としたい。
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(ライター 森田聡子)
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