KDDI、サーバー国内移転検討 香港で携帯番号を管理
KDDIが業務委託先の米国企業を通じ、香港にあるサーバーで日本国内の携帯契約者の情報を管理していたことが2日分かった。保管していたのは携帯番号や通信利用量のデータと説明している。今後、データの保管場所を香港から国内に移転することを検討する。
国内契約者のうち海外ローミングサービスを利用している消費者のデータの一部を、業務委託先の米国企業が保有する香港のサーバーで管理していた。
KDDIはデータの国内移管を検討する。中国は2017年に国家情報法を施行し、国の求めがあれば、企業は保有データを国に提供する必要がある。KDDIは「昨今の香港を巡る政治情勢を踏まえ、国内を含む他の場所へのデータ移管を検討する」としている。
直近には、LINEが国内アプリ利用者の個人情報を韓国のサーバーで保管していたことが明らかになり、LINEも保管場所を国内に移す方針を決めた。
22年施行の改正個人情報保護法は企業に対し、海外で国内データを保管・運用する場合は、個人情報の取り扱いを定めた「プライバシーポリシー」などで国名を含めて明記し、利用者本人の同意を取り付けることを求める。KDDIは現行のプライバシーポリシーでは海外サーバーでのデータ保管を明記していなかったが「いま保管しているデータだけでは個人情報にあたらない。違法性はない」としている。現行の個人情報保護法は「(他の情報とセットで個人を特定できない場合は)携帯電話番号は個人情報に該当しない」としている。