田町駅から歩いて5-6分の場所にある「COMEDOR MONRICO(モンリコ)」。2009年に開業した、このあたりでは根強い人気を誇るスペイン料理店です。
店内は結構広く、少々のカウンター席にたくさんのテーブル席で、トータルでは50席近くありそう。ただ、運が悪いとビニールハウスみたいなエリアに押し込められるのは嫌ですね。客単価1万円を超える店でこの雰囲気はちょっと無いなと思いました。私はロマンチストなのだ。
酒につき、ビール類は千円を切り、ボトルのワインは5千円前後から始まります。ただ、値付けはあまり良くないですね。酒屋で買うことを考えればちょっとアレだなあというお気持ちです。まずはフラン。西洋風の茶碗蒸しのような料理であり、しっとりと優しい味わいです。
生ハムは時間をかけて熟成させており、肉質が凝縮され、旨味がぎゅっと詰まった、奥深い味わいです。赤身と脂身のバランスもちょうど良い。
エスケイシャーダ。カタルーニャの伝統料理であり、干し鱈の旨味とトマトの酸味が調和します。見た目以上に旨味が強く、キリッと冷えた白ワインに良く合う。
アヒージョ。油で煮るというよりは、スープのような仕立てであり、プリプリとしたつぶ貝の食感と磯の香りが心地よい。寒じめほうれん草の甘みと、ほんのりとした苦味が加わることで、味わいに深みが増します。
パンは自家製で、どっしりと重いタイプ。中はしっとり、もっちり。気泡が大きく先のアヒージョのタレをたっぷり吸わせます。
カネロニ。筒状のパスタに、いろいろな具材を詰めてオーブンで焼いた、イタリア生まれの料理です。具材は何かの肉とゴボウ。土の香りが食欲をそそり、噛みしめるほどにゴボウの旨味がじんわりと染み出してきます。
お肉料理は豚肉を炭火で焼きあげました。きめ細やかで柔らかい肉質で、脂身も甘くジューシーです。
パエリア。主役にカニを据えており、甲殻類特有の旨味が詰まっています。カニの旨味が染み込んだゴハンが格別。
以上を食べ、そこそこ飲んでお会計はひとりあたり1.3万円ほど。おや、思っていたよりも高くつきました。この支払金額で「COMEDOR(食堂)」と呼ぶのはちょっとアレに感じました。また、いずれの料理も美味しくはあるのですが量が少なく、帰りにラーメンを食べて帰る勢いです。ランチの安いパエリアでスペイン料理の雰囲気を楽しむ、みたいな使い方が正しいのかもしれません。お疲れさまでした。
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