タム7700形
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/30 21:24 UTC 版)
「国鉄タム7700形貨車」の記事における「タム7700形」の解説
本形式は、塩化メチレン専用の15t積二軸貨車である。 1960年(昭和35年)から1965年(昭和40年)にかけて4ロット4両が、三菱重工業、富士重工業、日立製作所において新製された。製造の状況は次のとおりである。所有者は、信越化学工業(常備駅は黒井駅)であった。 1960年(昭和35年)12月28日製造(1両)三菱重工業 タム7700 1962年(昭和37年)2月10日製造(1両)富士重工業 タム7701 1963年(昭和38年)11月6日製造(1両)富士重工業 タム7702 1965年(昭和40年)4月16日製造(1両)日立製作所 タム7703 1979年(昭和54年)10月に制定された化成品分類番号では、96(有害性物質、毒性のあるもの)が標記された。 1977年(昭和52年)11月4日にタム7703が廃車となり、1987年(昭和62年)4月の国鉄分割民営化時には3両がJR貨物に継承されたが、1996年(平成8年)12月に残りの全車が廃車となり同時に形式消滅となった。 タンク体材質は積荷の純度保持のためステンレス鋼製で、ドーム付きの直胴タイプである。保冷のため、タム7700は厚さ50mmのグラスウール断熱材、タム7701以降はスチレン断熱材に薄鋼板製のキセが設置されている。また、タム7701以降はタンク内の残液による腐食を防止するため、洗浄装置が設けられている。塗色は、黒。荷役方式は全車ともドーム頂部に設けられた液入管からの上入れ、吐出管による下出し方式である。ドーム頂部の配管、弁装置は円筒形の鋼製カバーに覆われている。タンク体上部には荷卸し時にタンク内部へ流入する空気の除湿のため、吸湿装置が設けられている。 下回りは、タム7700が長さ7,700mm、タム7701以降は長さ7,200mmの平台枠で、走り装置は二段リンク式(最高最転速度75km/h、車軸は12t長軸であった。全長は8,500mm、全幅は2,468mm、全高は3,495mm、軸距はタム7700が4,500mm、タム7701以降が4,200mm、自重は11.1t - 11.7t、換算両数は積車2.6、空車1.2である。
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