リチャード・ストールマン
リチャード・ストールマンとは、UNIX互換のソフトウェア環境を全てフリーソフトウェアで開発するプロジェクトであるGNUプロジェクトの提唱者として知られるプログラマーである。1953年3月16日、ニューヨーク州マンハッタンに生まれた。
ハーバード大学で物理学を専攻したリチャード・ストールマンは、同校のコンピュータ研究所が「ソースの公開されていないプログラムはシステムに組み込まない」という方針を堅守していることに、深く感銘したといわれる。
その後マサチューセッツ工科大学(MIT)の人工知能研究所に入りプログラマーとして職を得ながら、「ソフトウェアはフリー(自由)であるべきだ」という考えを育んでいったリチャード・ストールマンは、やがてGNUプロジェクトを発起した。GNUの代表的なソフトウェアであるGNU/Linuxは、GNUソフトウェアとLinuxカーネルを組み合わせたOSである。同じくフリーソフトウェア財団(FSF)を設立し、自由なソフトウェアのためのライセンスであるGPL(GNU General Public License)やコピーレフトの概念を創案するなど、今日のフリーソフトウェアのあり方について見過ごすことのできない多くの重要な活動を行っている。ちなみに、UNIX環境における代表的なテキストエディタである「Emacs」は、当時 MIT人工知能研究所在籍中のリチャード・ストールマンが開発したものである。後にC言語で書き換えられ、現在のように広く普及した。
GPLのソフトウェアは、著作権が保持されているため、再配布の際にはGNU一般公有使用許諾書に同意しなければならない。しかしこのライセンスは、一般的なライセンスとは異なり、著作権や所有権を利己的に主張する(そして使用や再配布に対して金銭的対価を要求する)のではなく「ソースコードを自由に入手し、修正を施すことができる」ことを保証する。これは、ユーザー同士、あるいはユーザーと開発者の協調によりソフトウェアを改良することを促すものである。その修正したソースコードも、他の人が自由に入手・使用することが保証されている。リーナス・トーバルズによって開発されたLinuxもこのライセンス体系によって公開されている。
現在リチャード・ストールマンは、フリーソフトウェアにまつわるモラルの確立と普及、ならびにその法的・政治的なフレームワークの整備に専念して活動中である。
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