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思考の部屋

日々、思考の世界を追求して思うところを綴る小部屋

NHKこころの時代・ブッダの最後のことば・怠けてはならない(1)

2011年05月15日 | こころの時代

 今朝のNHK教育「こころの時代~宗教・人生~」は、田上太秀先生による「ブッダ最後のことば(涅槃経)」の2回目でした。


(NHK教育こころの時代から)

 冒頭から、横道にそれますが絵解の涅槃図、釈尊の臨終の情景が描かれています。


(長野郷土史研究会『長野』から)
 
 そこに駆けつけているものたちはというと『大乗涅槃経』では、男性の信者、女性の信者、リッチャヴィー族の人々、大臣、長者、ヴァーサーリー市の王、臣下、住民、阿闍世王と夫人を除く王女たち、天女、竜王、八部衆と天人、動物界の王たち、仙人、蜂の王たち、山川草木に住む神々、六欲天、アステラ神、魔王たち、大自在天王と仲間たち、東方の意楽美音(いぎょうみとん)という仏国土の無辺身菩薩(むへんしんぼさつ)と無数の菩薩、文殊菩薩がその場に駆け付けたと書かれています。しかし『原始涅槃経』には、

 山の神・川の神
 動物たち

が書かれていないおらず、「大乗」の思想の知覚的な広がりを見ることができます。
 
 今回は、この臨終の場において釈尊が説かれた具体的な言葉が解説されました。

 最初に、中村元先生訳の一節が紹介されました。

 ここに書かれている、文章の最後にある「怠るな」という釈尊の最後のことばが、今朝テーマでした。

 初めに古い涅槃経が紹介されます。


(NHK教育こころの時代から)

 世の中は諸行無常であるから、怠ることなく修行に励め

 その場には出家者のみが居られて説かれていますが、涅槃経の趣旨は涅槃図のように全ての「もの」に対する言葉のようです。

 悟りをひらいたということは、世の中の道理が解ったということで、それを伝えるには既存の教え方、バラモン教やヒンズー教の教え方ではだめだということであり、それまでの道理であったこの世の創造は、絶対的な神によるものという考えを否定し、この世は原因と結果がからまって出来ている、それが道理なのだということです。

 釈尊の説法の特徴は、場における言葉、巡行く先々の土地の言葉を使い、そして比喩を使ったところにあります。

 さらに重要な点は、相手の能力に応じた言葉使い、内容で行う(対機説法・応病与施薬)、自由参加の公開の場の説法であったということです。

 先ほど古い涅槃経の臨終の言葉を紹介しましたが、新しい涅槃経には次のように書かれていて、


(NHK教育こころの時代から)

  ここに書かれている「心」について田上先生は次のように説明されていました。


(NHK教育こころの時代から)

【田上太秀】

 「心を正しく制御して」の意味は、人間の感覚器官、六感を制御すると意味で、心というものが固まりでどこかにあるというものではなく、その六感を正しく制御する、という意味だそうです。

古いものを喜んではならない。新しいものに魅惑されてはならない。滅びてゆくものを悲しんではならない。そして誘惑するものに妄執してはならない。

「慎みとは」

 ものを見すぎない。聞きすぎない。嗅ぎすぎない。食べ過ぎない。味わいすぎない。

欲の否定ではなく、過度の執着、頼るこの慎みを言っているわけです。

 七仏通戒偈(しちぶつつうかいげ)という釈尊も含めったこれまでの仏が守ってきた教が説明されました。


 
 ここで思うことは、「悪」を為さないことが最初に書かれているということです。日本はこれに尽きる。人前では善行であっても諸悪を背負っている人を見ることがありますが、悪いことをしないこと、これに専念すれば善行に至る。なるほど然りです。

 「莫作(まくさ)」=為すこと無し・・・習慣付ける

 悪いことをしないという習慣をつけなければならない。

 モーゼの十戒のような「~してはならない」という命令ではなく、仏が、人が生きていくには、人の道として当然のことです。という話です。

 そして「善いことをする」ということは、難しいのですが、「悪いことはしないようにする」、習慣づけていくと聞くと、これもなるほど納得できます。

 今回のテーマ「怠けてはならない」です。

 日々の生活の中で「悪いことをしないこと」それを習慣つけることを「怠けるな」という教えの一つということです。

 日々の努力は即ち、自らを浄化していくことにもなるわけです。

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 以上が前半の自分が戒められた部分です。改めてというよりも勉強不足のお釈迦様の教え、二回に分けて書き残すことで補いたいと思います。

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
坂村真民さん訳文 (未到散人)
2011-05-16 16:11:55
この最後の言葉を原典から徹底的に追求された方もいらっしゃったのですが、真民さんの訳をいつも思い出しております。
すべてのものは/うつりゆく/おこたらず/つとめよ
ヴァヤダンマー/サンカーラー/アッパマーデーナ/サンバーデートハ
返信する
コメントありがとうございます。 (管理人)
2011-05-19 05:20:53
>未到散人様
コメントありがとうございます。

この番組は一か月に一回の放送で、「怠けるな」の今回の放送をもう少し勉強しないといけないと思っています。

 諸行無常そして修行、人生とは然りなり。

ありがとうございます。
返信する

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