大きな暖簾を潜り扉を開くと、



見ただけで温もる、煌々と熾る火鉢がお出迎え 。



運よく待つ人もなく、
通されたのはゆったりとした座敷席。
すぐに出された煎茶がとても美味しく、



置かれている品書きは、
品数を絞った、年始年末の「限定メニュー」。

どきどきしながら眺めると…、よかった～、
お目当ての「峠の力餅」は健在。
迷う事なく、揃って注文 。



お茶をすすり、ほっこりと待っていれば程なく、
丁寧に置かれた、ふかふかと湯気立つ二つのお盆。



ふわりと盛られた白髪ねぎに、
注がれた汁から広がる出汁の香りに、



たまらず啜った汁に、思わずはぁ～… 。
すっきりとして円やか、奥深い出汁が奏でる、
その旨さに何度も何度もすすり、、



手繰った蕎麦は、温蕎麦仕立てのやや太め。
もちもちとして、汁を纏った蕎麦が旨い



しかも、嬉しい具沢山。
温まって風味が膨らむ二切れの蒲鉾に、



さっと炙られ香ばしさ漂う油揚げは、
たっぷり含んだ汁が口にじゅわ～。



そして、何と言ってもこのお餅。
とろ～と柔らかく、噛む毎にお米の甘みが広がる、
さすが、新潟魚沼産の「福餅」 。



さらに、ひとつ沈んだ鴨つくねの旨さときたら 。
私の中で、ナンバーワンの鴨つくね。



具と共に、お餅と共に、手繰った蕎麦に、
一滴残せず、飲み干して…、

ご馳走様でした～

「車家」さんのかけ汁の旨さをしみじみと感じつつ、
やっぱりこれは、冬に一度は食べたい一杯。
そして…、今年も終わるんだなあ 。

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