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2020-05-10

暇にあかせてコロナ短歌十九首(説明付き)

さつき立つ世に戯れ歌を上げ潮の苛つこゝろをかき混ぜてみむ

5月に入っても殺気立っているおまいらにざれ歌を献上して、苛立ちが高まっている気持ちをかき混ぜてみるよ)

JKの寄する口唇押しとゞむコロナの春は悩ましきかな

(迫ってくるJKを押しとどめてしまう、悩ましい今日この頃だなあ)

熱あれど思ひ焦がれの果てなれば検査我が身を陰となすらむ

(熱といっても貴方への思いをつのらせての熱なので、PCR検査を受けても陰性と判定されることでしょう)

やすくとも恋路けはしき岩手山おそれうすきになど逢はれざる

(ここ岩手安全ですが、私の恋は難航しています感染のおそれは小さいのに、どうして会えないのですか)

日暮れ時増さるを告ぐる数ほどに君がこゝろのおぼつかなきや

毎日夕方発表される感染者の増加数と同じくらい、貴方の心が気がかりです)

人知れずまなざし交はす昂りのなき勤めこそわびしかるなれ

オフィスラブのスリルが味わえないテレワークなんてつまらん)

けふもまた募る思ひを告げられず誘はむ店の皆閉じたれば

今日告白出来なかった…まあ誘える店みんな閉まってるしな)

武蔵野を見晴らす棲み処あとにして今は浅間のいたゞきをあふぐ

都心のタワマン上層階に住んでるんだけど、今は疎開先の軽井沢暮らしているよ)

ぬかりたり疎開なす身と見破らるジャージ上下に身を固めし

しまった、バレた、地元民らしく装ったのに)

引き籠り人のかほ見ずはや十とせ世の人我をかゞみとなす

(在宅勤務だとかソーシャルディスタンスとかそんなチャチなもんじゃ断じてねえ)

十一

ぼつち席なじみて閑けき身の上もいまこの時に備へしぞかし

最初から準備してたんだからな!)

十二

新聞話題となして久しきに止まぬ流行りぞはて訝しき

流行なんて新聞が取り上げる頃には下火になってるものなのに、この流行がまだ収束しないのはなんで?)

十三

そここゝで悲鳴上ぐると連日のニュース見出しは化け屋敷かも

(「○○業界悲鳴」みたいな見出し連続お化け屋敷状態

十四

ゆふぐれにマスク女の近づきて我れ見目よきやと子らに問ひけり

(…)

十五

おもてうら逆なりしかと爺さんが笑ひてマスク裏返し付く

(そのまんま)

十六

甘海老は病ひ防ぐとドヤ顔園児が言ひて祖母のうなづく

(そのまんま)

十七

流行に緩むきざしのあるとてもなほ注意な怠りそとぞ

(「感染拡大の勢いに低下の傾向が見られますが、まだまだ注意が必要です」ってテレビで言ってたよ)

十八

青き鳥在りてふ我が家にとゞまりてこぼるゝ羽のかけらを探す

青い鳥が結局そこにいたという自宅で、これからのことを考えています

十九

ひとりゆく道に射す陽のやはらぎはこともなき世の春に変はら

(実感)

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