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2023-03-15

生物がどうやって動いてるのか不思議でならなかった。

車がなぜ動くのかは簡単だ。人がエンジンを掛け、ハンドルを切りアクセルを踏んで動かしているから。

では、私が今腕を曲げようと思えば曲げられるのはなぜか?きっと脳がそうしろと指令を出したからだ。では、その脳はなぜ腕を曲げてみようと思ったのか?誰の指示を受けて?それは神様運命といったものではないのか?

高校生物基礎で、細胞内での色々な物質ミクロに受け渡され、それらのマクロ集大成として我々の活動があると教わった。

RNAの転写だの、核の分裂だのが行われているらしい。が、細胞には筋肉だとかいった複雑な機構はない。膜の中に液が詰まってあとは核とか諸々の粒が入ってるだけ。では、どのように動いているのか?

持ち上げたリンゴが上から下に落ちるように、砂鉄が磁石に引っ張られるように、そういった自然なモノの動きを組み合わせて動いているのか?では、誰が組み合わせたのか?誰がそんな複雑な設計図を引けたのか?何を起点に?

こんな条件があり得るものかは知らないが、生きている人間と内外に一切の損傷がない死体があったとして、その違いは何なのか?何が生物を動かしているのか?

最近になって、生とは受精した瞬間から始まる化学反応物理現象連鎖なのだと思うとすごく納得が行った。と同時に、生物とは現象なんだ、とも思った。

機械アナロジーで考えるのもナンセンスだったが、強いて言えば受精した瞬間がエンジンをかけられたようなもので、そしてワークスマシンのバイクにように一度止まったらもう二度と自力ではエンジンがかけられない。

偶然の産物か、宇宙人手土産か、神様意思か、何であれ、いつだかに生物という現象が始まり、その連鎖は今の所好調だ。

そして生物という現象は、突き詰めると物理法則化学法則といった言わば運命に従って動くだけの奴隷しかないのではないかとも思った。

メタフィクション作品において、キャラクター世界の「筋書き」を知覚し、運命を克服するなんて作品は多々ある。しかし、更にメタ的な事を言えば、それだって結局は作者の筋書き通りのフィクションなのだ

人間自然の中に法則見出し、それを制御支配しようとしてきた。ゆくゆくは、人の頭にあるブラック ボックスを解き開いて、この世の筋書きを知るのかもしれない。しかし、それもまた自然法則という運命にそうさせられているだけなのかもしれない。

そういうラディカルな問いを考えると頭がおかしくなりそうなので、程々のところでやめておくようにしている。自由意志信仰して生きていた方が幸せになれそうなので。幸せというのも結局脳内化学反応が……という考えを押さえつけながら。

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