昼から40km走りヤマドリ猟に行く。
大谷を少し入った所で後付けをさせていた犬達の中でクロだけが右の谷へ降りる。
「ん、何ぞ居るか?」
クロが行く前にブルッと軽い羽音でヤマドリのメスが繁みの向こうへ逃げる。
やはりクロは感度良好だ。
その奥へ進み100mも行ったら左斜面から羽音も出さずに鳥が出た。
肩の灰色がはっきり見えた。
ノスリより2周り程小さいがオオタカである。
普通オオタカは雑木林が点在する里山を拠点にするのだがこんな奥山にも居た。
オオタカが飛び上がった場所へ犬達を行かすと直ぐに何かを奪い合う。
犬達を制止させて傍まで登ると案の定雄ヤマドリの両足が付いた胴体部分をクロが咥えている。
取り上げると両羽根もついている。
おかしなことにその近辺に尾羽根も他の羽毛も見えない。
尾を諦めて奥へ進み詰め近くでクロとチビが消える。
姫が慌てて後を追う、幸とトラは少し送れて後を追った様だ。
100m前方を黒い物が横切る。
「ん、ヤマドリか?」
左の方向を見ているとヤマドリの雄が山の中腹を巻いて枝谷の奥へ飛び去る。
後70m奥へ歩いていたら・・・・・・。
老いを感じるなあ。
帰りに胴体が有った手前50mの谷へ姫とクロたちが降りる。
見るとクロがヤマドリの尾を咥えている。
なんな殺害現場は此処だったのか。
現場検証の結果上空の見透視の良い川原状の場所なので目立つオスヤマドリが狙われたのだろう。
尾羽も他の羽毛も水に浮いたりその辺り一面に散乱していた。
オオタカは現場で少し食べた後で50mもヤマドリを掴んで飛んだ様だ。(多分)
そこでゆっくり食べていたのだろう。
残りの胸肉少々と足は我が家の犬達のおやつになった。
下手なハンターより鷹類の方がヤマドリを獲るのが上手い様です。
