まず,英英辞典に2通りあるということにご注意ください。一つは,英語のネイティブスピーカー向けの国語辞典,もう一つは我々外国人向けのものです。
国語辞典では,ネイティブスピーカーが難しいと思う単語にはきちんと説明がありますが,外国人にとって鍵となる単語や語法については必ずしも十分な説明がありません。
たとえば冠詞のaをひくと,one, each, perぐらいしか書いてありません。
また,熟語もあまり多くは載っていません。
こういった事柄は,彼らにとってみればわざわざ辞書を引くまでもない自明のことだからですね。
これに対し,外国人向けの英英辞典は,懇切丁寧に単語の意味や使われる範囲などが説明してあります。
それだけなら英和でもいいじゃないかと思われるかもしれませんが,英英辞典のすぐれているところを(私の個人的な感覚として)2つ挙げておきます。
一つは,英文を読んでいて,途中で英和を引くと,頭が英語モードと日本語モードとを行ったり来たりするので,読むリズムが崩れるということがあります。
(文章をていねいに,精読しているときはいいのですが,速読しているときに日本語が入るとつっかえる気がします。)
ところが,英英辞典で説明を読んだ場合は,その説明をもとの分からなかった単語のところに代入してそのまま読み進めることができる場合が多く,また英語モードのままですので,リズムが崩れません。
もう一つは,英文を和訳するときに,よりぴったりな訳語が見つかる(かも)といことです。
英和ですと,どうしてもそこに挙げられている訳語の中から一番あいそうなものを探す,という作業になってしまいます。
ところが,辞書に書かれている訳語というのは,ある程度一般的なものですので,実際の文脈においてはいろいろとバリエーションが出てきます。
そんなとき,英英辞典の説明を参考に考えた訳のほうが,その文脈においてはもっと適訳になっていることがあります。
外国人向けの英英辞典として昔から良く使われているのは,OALD (Oxford Advanced Lerner's Dictionary)と,LDCE(Longman's Dictionary of Contemporary English)です。
前者は第6版,後者は第3版が最新版だったと思います。後者は最近,巻末に新語だけを収めた補遺が付いたバージョンが出ました。
いずれも,日本の出版社が代理店になって,日本語で書かれたパンフレットを同封した箱に入って売られていますので,そんなに大きくない書店でも探せると思います。
このパンフレットがまたなかなかよくできていて,英英辞典の使いこなし方や,英和と比べてどこがいいのかなどの説明が出ています。
ちなみに前者は「Oxford現代英英辞典」という名前で売られています。
説明文に難しい言葉を使わないようにしているのもこれらの特徴で,OALDは3500語レベル(3000だったかも),LDCEはわずか2000語で説明されています。
これでも難しいようでしたら,No.9で紹介されている「ワードパワー英英和辞典」でしょう。(最近出たばかりです)
従来も英英和辞典というのはいくつか出ていたのですが,それらは英文の説明のあとにいきなり日本語の訳語が書かれていたので,結局そこに目が行ってしまい,あまり英英辞典としては使えない感じでした。
ワードパワーは,英文の説明のあとに,その説明文を日本語訳してありますので,英語の説明の仕方にもなじむことができます。
ほかにもいろいろあります(たとえば,外国人向けとして有名なものに,Cobuildという英英辞典があります。読者に語りかけるような説明文で有名です)。ぜひ一度店頭でご覧になってみてください。
もしワードパワーでもまだレベルが高いとお感じでしたら,ちょっと英英辞典を使うにはまだ時期が早いというべきかもしれません。
No.6の回答では,あなたの力では単語の意味を調べるのは無理で,英英辞典は類義語を探すのに使うと書かれていますが,外国人向けの英英辞典を使えば,単語の意味を知るのにも十分使えると思います(質問者さんの単語力にもよると思いますが)。
お礼
ありがとうございます。さっそく登録してみました。