登録日:2012/09/25 Tue 15:59:51
更新日:2024/11/13 Wed 18:41:25
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§概要§
さそりは、節足動物門・鋏角亜門・クモ形綱・サソリ目(別名は全蠍目)に分類される生物の総称である。
漢字で書くと「蠍」もしくは「蝎」。
英語では“scorpion”。
スペイン語では“alacrân”と呼ばれる。
特徴的でグロ…かっこいい!見た目と、危険な毒虫としてスコーピオン…じゃなくてすこぶる有名。
広い意味では昆虫でなく
クモの仲間である。どうしてあの系統の生き物はこんなんばかりなのか。
強力な
毒を持つ危険な生物というイメージを持たれがちだが、殆どの種はそれ程強い毒はなく人間に対して確実な致死性をもつ毒があるのはごく一部の種に限られる。
それでも年間にアフリカ各国や中東地域を中心に1000人近い被害者は出ている。
熱帯など温暖な気候の地域を中心に極地を除いて世界に21科約1600種が分布するなかなかの大所帯である。それでも節足動物の中ではかなり少ない部類ではあるが。
あまり知られていないが
日本にも「ヤエヤマサソリ」「マダラサソリ」の二種が
沖縄や小笠原諸島に生息している。
どちらも人に対して致命的な毒性はなく、「刺されても全く命に別状はない」などと該当生息区のホームページにも書かれる種である。
◆生態
ほぼ全ての種が夜行性で、夜中に草むらや森、
砂漠や荒れ地で昆虫類やトカゲ類などを捕食して生活している。
民家付近に現れる種もおり、そういった種が現れる地域では、「服を着る前にバッサバッサする」「靴を履く前にひっくり返す」など、対策が身に染み付いている。
(ちなみに日本では服を着る前にバッサバッサするのはマナー違反である…無論、さそりが出る地域でそんな事を言うのは余程の馬鹿かマゾだが)
尾の先端に毒針を持ち、獲物を
ハサミで捕らえたあと、針を突き刺して毒を注入し弱らせた後長い時間をかけて召し上がる。
見た目と違って食欲旺盛ではなく、1度食事をした後はしばらく食事をしないことも多い。
その期間は種によっては
1年に及ぶこともある。
代謝の低さに由来するのか、寿命の長い虫でもあり、短い種でも3年以上生き、多くの種で5~10年、最長記録に至っては24年というものがあるほどである。
繁殖のためにオスはメスを捕らえ、そのまま求愛行動として踊る。
その際ダイナミックに毒針を振り回し、オスメス共にうっかり相手を刺しちゃうことがある。
場合によってはそのまま食べちゃうことも。
ほぼ全てのさそりは、発光すると言う特徴がある。
と言っても、螢の様に自発的に光るのではなく、ブラックライトの
光に当てると、
青、または
緑に光る。
この現象は体表にあるヒアリンと言う成分が「紫外線」に反応して光るのだ。
地球上どこでも紫外線は降り注いでいるので、紫外線を認識できる虫の世界では、奴らは「常に光りっぱなしの生き物」である。
◆起源
さそりはクモよりも先にウミサソリから進化したグループであるとする説が優位となっている。
始まりは三億~四億年前のシルル紀とされており、ゴキブリと同じように
三度の大量絶滅を生き延びているグループでもある。
姿も大きさ以外は古代からほとんど変わっていない生きた化石である。
…が、シルル紀に生息していた古代種、ブロントスコルピオ(Brontoscorpio)はハサミの大きさが97.5mmで、推定体長が90cmとされているなど、一部の種はその大きさが尋常ではない。
あんまりでかすぎるので地上で生活できず、浮力で体重を軽減できる水中生活をしていたらしい。
§危険なさそり§
約1600種のうち、致死性の毒をもつまでに危険なものは30種ほどと、割合にすると意外に少ない。
特に危険なものは中東や北アフリカに生息するオブトサソリ(Androctonus・Leiurus・Parabuthusなどの属の総称)で、あまりの恐ろしさについた異名は、
“Deathstalker”
―忍び寄る死―
という、何とも凄まじいものである。
§さそりにまつわる伝承・説話等§
日本においては「
蛇蝎」……すなわち
ヘビとさそりは恐れると同時に嫌われるものの象徴である。
一般的には「蛇蝎の如く忌み嫌う」のような用法で使用する。
何もしてないさそり(とヘビ)にとってはいい迷惑である。
このような用法になったのは、親鸞聖人が『
愚禿悲歓述懐和讃』の中で
悪性さらにやめがたし こころは蛇蝎のごとくなり
修善も雑毒なるゆゑに 虚仮の行とぞなづけたる
と書いたことが由来とされている。
パワーアップ版(?)として、『蛇蝎磨羯(の類)』となる事もある。
磨羯とは、インド神話に登場する怪魚マカラのことであり、奇妙で恐れられるものを意味する。
バビロニア神話には
ギルタブルルと呼ばれる半身半獣の怪物が登場する。
その姿は上半身と足の部分は人間、腰はサソリでサソリと同じ尻尾をもつとも鳥の足に翼があるとされる。
メソポタミア神話においては、
パピルサグという都市神がいる。
その姿は半人半馬で尾はさそりであるという。
つまりは、ケンタウロスの尾が更にさそりになっている姿である。
さそりの尾を持つ怪物としては、マンティコアが最も有名だろうか。
頭と耳は人間、胴体は
ライオンであり、尾がさそりのようであるという。
近年では
蝙蝠の羽もを付けられることも。
古代ペルシアで、『インドにいる人食い獣』として紹介されたのが初め。
ギリシャ神話においては、オリオンを刺し殺したさそりが有名であろう。
後に天に上げられ、
黄道十二星座の一画さそり座となった。(黄道十二宮においては天蠍宮)
プロレス技のひとつに
サソリ固めと呼ばれるものがある。
これは技を極められた際の相手の姿勢が、まるで尻尾をもたげたさそりのように見えることから名づけられたと言われる。
§さそりにまつわるキャラクター等§
追記・修正は遊びのつもりでも地獄の果てまでついて行く覚悟でお願いします。
- 食用としても有名だよな……二年ほど前に中国で串焼き食べたがこれが中々 -- 名無しさん (2013-06-28 17:18:14)
- 兄貴の知人が油田発見したのはいいが、さそりに刺されて気絶している間に誰かに横取りされたらしい…。 -- 名無しさん (2013-08-30 13:10:54)
- どの種類も行うかどうかは知らないがお互いの尻尾を「180度回転させたハート」型に絡み合わせる求愛ダンスがロマンチック。稀にうっかり相手を刺し殺してしまい、それを理解できず一晩中踊り続ける哀しい光景も見られるとか… -- 名無しさん (2013-10-03 01:58:39)
- ファーブルの研究によると 蠍は自害しない 毒は何故か完全変態の幼虫には効かない とのこと -- 名無しさん (2013-12-26 17:07:16)
- デスストーカーのいる地域でニワトリ放したら被害が減ったんだとか。のどとか腹の中刺されたりしないのかな? -- 名無しさん (2014-02-20 23:49:44)
- 12星座の中にさそりが入ってるってよくよく考えたらおかしい。さそり自体かなりマイナーな生物なのに...と疑問を持つさそり座の俺。 -- 名無しさん (2014-11-15 23:18:23)
- ↑黄道の意味わかってんのかこいつ -- 名無しさん (2014-12-24 18:33:34)
- ↑2日本ではマイナーでも古代ギリシャならそれなりにいたんじゃないか? -- 名無しさん (2014-12-24 18:56:16)
- オリオン刺しただけなのに扱いがすごい。蟹は踏み潰されただけだし。 -- 名無しさん (2015-02-19 11:23:40)
- 隠密行動に優れた生物なのはカエルや、鳥類、ヘビと言った天敵が多いからである。 -- 名無しさん (2015-11-08 18:45:29)
- 殺人マッスィーン、サソリ!! -- 名無しさん (2015-11-08 19:15:10)
- ↑3 蠍はオリオンを刺し殺した。蟹はヒュドラ退治のついでにアッサリ踏み潰された。そら扱いの差は出るってモンよ-- 名無しさん (2015-11-08 19:30:09)
- ↑4 オリオンさん、あれでギリシア神話じゃ有名人だから・・・。英雄というより女好きな乱暴者って感じだけど -- 名無しさん (2015-11-08 19:40:37)
- 大抵の種類は捕食や自己防衛のために毒針を使うので危険な種類であっても不用意に近づかなければ刺してくることはない。 -- 名無しさん (2015-11-26 02:20:49)
- 怪物的な容姿だからか、わりと敵キャラに多く見られるモチーフやね。これはお仲間の蜘蛛にも同じことが言えるけど。 -- 名無しさん (2016-05-17 16:01:54)
- サソリやカマキリの厨二心をくすぐる見た目好き -- 名無しさん (2016-05-17 17:38:00)
- デスストーカーってアレだろ。パンツマスクで痛恨連発してくる・・ -- 名無しさん (2016-05-17 17:51:33)
- ↑9 オリオンに立ち向かえるだけでもすごいって扱いだから…なおカニも一応立ち向かって足を剪んだ勇気をたたえて星座になったバージョンもあったり -- 名無しさん (2016-09-23 15:23:39)
- オレサマ ハ サソリベイダーダ -- 名無しさん (2017-03-30 23:09:25)
- 特撮におけるサソリモチーフのキャラ、等身大系では結構豊富だが巨大系だとアンタレスとサソリガドラスくらいしかいないんだな -- 名無しさん (2017-03-31 10:11:47)
- シャイニングスコーピオンをモデルとする設定があったりするレイスティンガーもさそりがイメージ元なのかな? -- 名無しさん (2017-03-31 11:09:09)
- ↑2 サソリ最大の特徴は尾の毒針だからね。怪人なら鞭のように持たせたり手の部分の移したりしてもいいけど、怪獣だと原型をある程度維持したまま尾として使う方がそれっぽくなる。そして着ぐるみの場合長い尾を操るのは面倒 -- 名無しさん (2018-05-14 22:17:04)
- 一度」でいいから、サソリをコインと一緒にスニーカーの中に入れてみたい。 -- セイ (2019-01-02 02:59:47)
- アメリカ住まいの身内曰く「虫よけスプレー撒いておかないと家の中に入ってきて刺される」そうな。小さい子がいると触ろうとするので怖いとも言っていた。 -- 名無しさん (2019-10-27 18:06:16)
- 擬人化するとらんまのようなみつあみ一本にされがち -- 名無しさん (2019-10-27 18:20:11)
- というか、どうして「さそり=刺されたら死ぬ」ってイメージになっちゃったんだろう? -- 名無しさん (2019-10-27 18:38:11)
- なんで平仮名?普通生物名ならサソリじゃない? -- 名無しさん (2019-10-27 19:27:05)
- ↑そりゃあ毒蛇=噛まれたら死ぬと同じで、フィクションにおけるモチーフ怪物や毒注射の描写からキバや針に毒を持つ生物=一撃必殺なイメージがついてしまったのでは。あと日本人にとってリアルさそりは馴染みと知識が無いのも一因かと -- 名無しさん (2020-11-23 18:39:18)
- 虫目線だと常に光りっぱなしとか目立つ目立つ -- 名無しさん (2020-11-23 19:25:17)
- ↑ bleachの千年血戦篇のマユリさまみたいな感じか -- 名無しさん (2021-01-18 22:13:36)
- さそりだよぉ~ -- 名無しさん (2021-01-27 14:37:41)
- 因みにマダラサソリは「在来種なのに特定外来生物」というなんとも矛盾魂なヤツ 理由はコイツの属するキョクトウサソリ科には毒性の強い種が多く、人や他生物に危害を加える可能性が高い為、科全体が特定外来生物に指定されている為。 -- 名無しさん (2021-03-09 08:47:22)
- サソリの「尾」は厳密には毒針がついてる一番最後の節のみなんだよな(それ以外は蜘蛛の腹に相当する部分) -- 名無しさん (2021-06-21 15:24:24)
- ↑28 十二支の未年も実物のヒツジが生息してない昔の日本では辰(龍)と同じ幻獣の類だと思われてたとか -- 名無しさん (2022-12-14 12:52:28)
最終更新:2024年11月13日 18:41