梨泰院事故、報告書隠蔽で警官自殺か 死者157人に

【ソウル=共同】韓国ソウル・梨泰院の雑踏事故を巡り、現場を管轄する竜山警察署の情報課係長が死亡したことが11日、分かった。自宅で発見され、自殺とみられる。警察当局が明らかにした。係長は、同課職員が「予想を超える人波が押し寄せる」などと事故の発生を懸念して作成した報告書を、事故後に隠蔽しようとして削除を指示した疑いが持たれていた。
韓国政府は11日、事故の死者が1人増えて157人になったと発表した。
隠蔽工作の詳細は不明だが、現場の声を黙殺した不手際を隠す目的だったとみられている。
聯合ニュースによると、遺書は見つかっていないが、同僚に自殺をほのめかす電話をしていたという。警察は詳しい状況を調べている。
韓国警察庁の特別捜査本部は、報告書が存在しなかったことにしようとコンピューターに保存していた原本の削除を図ったとして、係長を職権乱用や証拠隠滅、業務上過失致死傷の疑いで捜査していた。
一方、韓国の世論調査会社「韓国ギャラップ」は11日、雑踏事故を巡り、尹錫悦政権の対応について7割が「不適切だ」と回答したとの調査結果を発表した。事故の責任は、次々と不手際が発覚している警察よりも尹政権にあるとする意見が最も多く、国民の不満が政権に向けられていることが浮き彫りになった。
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