Twitter、米議員アカウント永久停止 コロナ誤情報拡散
【シリコンバレー=白石武志、ニューヨーク=大島有美子】米ツイッターは2日、新型コロナウイルスの誤情報の拡散に関する規約に繰り返し違反したとして、米南部ジョージア州選出のマージョリー・テイラー・グリーン下院議員(共和党)のアカウントの1つを永久停止したと明らかにした。同議員側は「ビッグテックは真実を止めることはできない」と反発している。
ツイッターの広報担当者は声明で「我々の新型コロナ誤情報規約に繰り返し違反した」ことを理由に、グリーン議員がもっとも頻繁に投稿していたアカウントを永久停止したと明らかにした。米メディアによると、同氏は「コロナワクチンによる死亡者数が極めて多い」など反ワクチンの投稿や、肥満や高齢者でない限りコロナは危険ではないといった誤情報の投稿を繰り返していた。同議員が持つ米議会の公式アカウントは使用できる状態となっている。
ツイッターは新型コロナの誤情報に関する規約に違反した場合、違反内容の重大さと種類などに応じて、アカウントを凍結する措置を取っている。凍結期間は違反回数に応じて段階的に引き上がり、違反を繰り返すと永久停止の措置を適用する仕組みを導入している。
グリーン氏は2日、「ツイッターは米国の敵で、真実を扱うことができない」と反論する声明を出した。「私は真実と人々の側に立つ。我々は克服する」と述べ、対抗姿勢をあらわにした。
ツイッターは2021年1月6日の米連邦議会議事堂での暴動事件で、暴力を扇動したとして、事件直後にトランプ米大統領(当時)をツイッター上から永久追放した。8800万人のフォロワーがいた現職大統領のアカウント停止は大きな論争を巻き起こした。現職の連邦議会議員や政府要人のアカウント停止は、トランプ氏以来とみられる。
米南部フロリダ州は21年5月、州議会候補者らのアカウントをSNS(交流サイト)運営企業が永久凍結した場合に罰金を科す新法を制定。IT(情報技術)大手などの業界団体は違憲として同州を提訴するなど法廷闘争に発展している。
SNSの運営企業は、通信品位法230条によって、利用者の投稿に対する責任を原則問われずに済む一方で、削除する権利も認められている。米議会では、同法を改正しようとする動きがある。グリーン議員のアカウント停止によって、議会でSNSの扱いを巡る論争が広がる可能性がある。
新型コロナウイルスの感染症法上の分類が2023年5月8日に季節性インフルエンザと同じ「5類」に移行しました。関連ニュースをこちらでまとめてお読みいただけます。
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