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原発事故時の屋内退避、国が解除を判断 規制委の方針案

(更新)
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原子力規制委員会は18日、原発事故が発生した際の屋内退避のあり方について中間報告をまとめた。新規制基準にある重大事故への対策が機能した場合、国の判断で屋内退避を解除すると明記した。放射性物質を含む「放射性雲」が屋外に滞留していないことを解除の目安とした。

規制委は1月の能登半島地震などを受け、屋内退避の運用のあり方について4月から検討を始めていた。18日の検討チームの会合で中間報告案を提示し、了承された。

中間報告では屋内退避から避難への切り替えは自治体からの情報提供を踏まえて国が判断すると明記した。全面緊急事態の場合、5〜30キロ圏内で屋内退避を開始することは従来の指針通りとした。

放射性物質の拡散抑制や格納容器の破損防止など新規制基準で設けられた「重大事故等対策」が機能する場合を検討の前提とした。新規制基準は2011年の東京電力福島第1原発事故を受けて策定された。現在再稼働している原発は基準に適合していることから、対策が機能することが想定されるという。

日本原子力研究開発機構(JAEA)のシミュレーションでは、重大事故等対策が機能した場合の1週間の被曝(ひばく)線量は国際原子力機関(IAEA)の安全基準を十分下回った。

重大事故等対策が機能せずに放射性物質が大量に放出した場合にも触れた。健康影響が生じる可能性がある場合はすぐに避難する。該当しない地域では原子炉施設が安定するなど一定の条件で屋内退避を解除できるとした。

屋内退避の継続期間の目安を3日とすることも盛り込んだ。防災基本計画で、国や地方自治体が3〜7日分の水や食料の備蓄を勧めていることを踏まえた。

会合では出席者から「屋内退避中の高齢者や障害者などへの視点が大事だ」といった声があがった。検討チームは原子力災害と自然災害の複合災害を踏まえた具体的な運用など引き続き検討を進め、2024年度内に最終報告書をとりまとめる。原発から30キロ圏内の関係自治体に意見を聞き取ったうえで決定する。

原発事故時の対応を定めた「原子力災害対策指針」では、原子炉が冷却機能を失うような全面緊急事態が発令された場合、原発から5〜30キロ圏内の住民に対し屋内退避をするよう定めている。5キロ圏内では全住民が避難するとしている。一方、期間や解除に関する具体的な条件はこれまで示されていなかった。

屋内退避の具体的な運用の明確化は、政府が目指す東電柏崎刈羽原発(新潟県)の再稼働にも関係する。新潟県の花角英世知事は再稼働にあたり屋内退避の議論を注視する考えを示している。

規制委と東北電力女川原発(宮城県)の関係自治体との意見交換の場で、地元の首長から解除の判断基準を明確にするよう求める声もあがっていた。

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