Location via proxy:   [ UP ]  
[Report a bug]   [Manage cookies]                

Mirとは? わかりやすく解説

ミール【(ロシア)mir】

読み方:みーる

ロシア農村共同体古くから自治的機能をもち、長老選出租税小作料などの負担責任耕地定期割り替えなどを行った1917年革命消滅。オプシチナ。


ミール【Mir/Мір】


ミール

分類:宇宙ステーション


名称:ミール(MIR)
開発機関・会社:ソ連科学アカデミー/ロシア宇宙庁(RKA)(現 ロシア航空宇宙庁/Rosaviakosmos)
運用機関会社:ソ連科学アカデミー/ロシア宇宙庁(RKA)(現 ロシア航空宇宙庁/Rosaviakosmos)
打ち上げ年月日:1986年2月20日ミール本体打ち上げ(有人運用1986年3月13日~)/1987年4月5日クバント1ドッキング(本格運用1987年4月12日~)/1989年12月6日クバント2ドッキング/1990年7月10日クリスタルドッキング/1995年6月1日スペクトルドッキング/1995年11月15日シャトル・ミール用ドッキング・モジュール/1996年4月26日プリローダドッキング
運用終了年月日:2001年3月23日
打ち上げ国名・機:ロシア(CIS)・旧ソ連/ソ連科学アカデミー/ロシア宇宙庁(RKA)(現 ロシア航空宇宙庁/Rosaviakosmos)
打ち上げロケット:プロトンK/スペースシャトル

ミールは、国内政変の影響受けて、その存在あぶなくなったソ連宇宙開発機構が、最後に残した未来への希望でした。
もっとも、中心部となるミール・モジュールそのものは、先行するサリュート6号サリュート7号構造的にあまり変わっていません。大きな違いは、サリュート6号サリュート7号同様の前後2つ軸方向のドッキング・ポートに加えて前方部から側面4方向にさらに4つ増設ポート加わったことです。あわせて5方向での結合可能な、この球形区画おかげでサリュート本体(コア部)は、こけしのような特徴的な形状となってます。
この性能利用することにより、有人往還宇宙船補給無人船とのドッキング加え、ミールでは、さまざまな恒久的モジュール増設が可能となりました
ミール本体には、有人宇宙船(ソユーズTM)や無人補給船(プログレスM)をのぞいて6つモジュール結合しており、コア部の打ち上げ当時とは見違えるほどの外見大きさなりました
1995年2月ランデブー飛行につづき、6月にはスペースシャトルアトランティスとのドッキング成功1995年11月には、同じくアトランティスにより、シャトル・ミールドッキング用のモジュール運ばれ来るべき国際宇宙ステーション計画予行演習としてのスペースシャトルとの長期的な共同ミッション態勢整いました
1998年6月までの間に、スペースシャトルとのドッキングは8回を数えその後宇宙飛行士長期滞在続けられました。これまで姿勢制御システム不調によるドッキング失敗中央コンピューター故障などのトラブル見舞われましたが、幸い人被害はありませんでした1999年8月にミールは無人となりましたその後2001年 3月23日午後 3時00分(モスクワ時間2001年 3月23日午前 9時00分)に南緯40度、西経160度を中心とした海域落下し15年に渡る運用終了しました

1.スペースシャトルはどんな形をして、どんな性能持っているの?
ミールは、帰還船となるソユーズTM輸送船プログレスのぞけば本体コア含めて7つモジュールから構成されています。
それぞれのモジュールは、補給船との独自のドッキング・ポートを備えたクバントコア部の後方に、前方側面方向には、時計回りプリローダスペクトルクリスタルクバント2の各モジュール接続されクリスタル先端にはさらに、シャトルとのドッキングモジュールがつけ加えられています。本体前方軸方向ポートソユーズ有人宇宙船プログレス無人輸送(補給)船とのドッキング用に確保されています。
本体コア・モジュール単体でも宇宙ステーションとして機能できるように、独自の居住空間生命維持システム、それに太陽発電パネル用いた動力システム備えてます。最大直径4.15m、全長13.13m、総重量20.4t、居住可能な与圧部容積は90m3、3基、76m2太陽発電パネル備えてます。
クバント(クバント1)は、1987年コア後方増設された天体物理学研究のための望遠鏡など各種観測機器と、姿勢制御システム、それに独自の生命維持システム装備してます。内部与圧され実験室区画真空機器区画とにわかれ、実験区画は作業用居住用に使われています。コア部と反対側には、ソユーズプログレスとのドッキング・ポートが設けられています。最大直径4.15m、全長5.8m、総重量11.5t。与圧部容積40m3で、2基の太陽発電パネルそなえてます。
クバント2は、1989年12月6日、まず、軸部にドッキング2日後12月8日側面方向移され固定されました。クバント2には船外活動(EVA)用の機器システムエアロック装備され、ミールの運用能力大きく高めましたまた、生物学的研究地球観測用の科学機器とともにシャワー洗濯飲み水供給装置などが搭載されいました最大直径4.35m、全長12.4m、総重量18.5tで、与圧部容積は61.3m3。2基、53m2太陽電池パネルそなえてます。
クリスタルは、1990年にまず軸部前方ドッキング翌日には、ミールの前方側面方向クバント反対側に固定されました。クリスタルは、科学研究用の機器太陽電池パネル発電システム加えて、100tにも及ぶ重量との結合可能なドッキング装置そなえてます。これはソ連版スペースシャトルブランとのドッキング用に開発されたものですが、1995年6月27日にはスペースシャトルとの初ドッキング使われました。この時、クリスタルは、スペクトル増設にともないクバントと直角位置ポート移動されいました
ところが、そのまま位置ではスペースシャトルとミールがぶつかってしまうため、船外活動によって、クリスタル一時的に軸部のドッキング・ポートに移す作業おこなわれました。スペースシャトルとのドッキング後クリスタルは、ソユーズプログレスとのドッキング・スペースを確保するため、また、もとの位置もどされました。この問題解決するために増設されたのが、あとで解説するスペースシャトル・ミール用ドッキング・モジュールでした。クリスタル最大直径4.35m、全長11.9m、総重量19.64トンで、与圧部容積60,8m3。2基、70m2太陽発電パネルそなえてます。
スペクトル1995年6月1日、まず軸部にドッキング後側面方向クバント1反対側に固定されました。モジュールとしての主な用途地球観測ミッションです。最大直径4.35m、全長12m、総重量19.64t、与圧部容積61.9m3。4基、35m2太陽発電パネルそなえてます。
スペースシャトル・ミール用ドッキング・モジュールは、クリスタル移動することなくスペースシャトルドッキングできるようにするための、仲介役の延長装置で、ロシア製造され1997年11月、スペースシャトル・ミール2度目のドッキング・ミッションの際にスペースシャトル運ばれクリスタル結合固定されました。ドッキング装置向き360度近く回転させることによって、スペースシャトルとの安全かつ信頼性の高いドッキングが可能となってます。直径2.2m、全長4.7m、総重量4.09tで、側面に2基の太陽電池装備されています。
プリローダは、1996年4月、ミール本体最後増設ポート固定されました。地球観測用のリモート・センシング機器搭載され最大直径4.35m、全長12m、総重量19tで、与圧部容積は66m3となってます。
プリローダ結合により、ミールに可能な基礎構造増設完了しましたが、以後も、太陽発電パネル増設など、改良はさらにつづけられました。


2.宇宙でどんなことをして、今はうなっているの?
コア部の軌道投入から13年上の間、ミールはソ連崩壊前後する政変にもかかわらず国際的な協力のもと、本当の意味恒久的なものとしては人類初の宇宙ステーションへと成長しました来るべき国際宇宙ステーション計画実現向けて第1段階(フェイズ1)として、スペースシャトルを含む国際的な協力のもとでの運用おこなわれています。
1999年8月28日最後の3人の飛行士帰還しミールは無人となりました

3.この宇宙ステーションにのりこんだ宇宙飛行士は?
L・キジム、V・ソロビヨフ、Y・ロマネンコ、A・ラベイキン、A・ビクトレンコ、A・アレクサンドロフ、M・ファリス、V・チトフ、M・マナロフ、A・レフチェンコ、A・ソロビヨフ、V・サビヌイフ、V・リャホフ、V・ポリヤコフ、A・モフマンド、A・ウォルコフ、S・クリカレフ、J・クレチアン、A・セレブロフ、A・バランディン、G・マナコフ、G・ストレカロフ、V・アファナシェフ、M・マナロフ、秋山豊寛、A・アルツェバルスキ、H・シャーマン、T・アウバキロフ、F・フィーボック、A・カレリ、K・フレード、S・アブデエフ、M・トニーニ、A・ポリショック、V・スビリエフ、J・ピエール・ハグネア、Y・ウサチョフ、Y・マレンチェンコ、T・ムサバイエフ、E・コンダコワ、W・メルボルト、V・デジュロフ、N・サガード、R・ギブソン、チャールズ・プレコート、E・ベーカー、G・ハーバー、B・ダンバー、N・ダブリン、Y・ギゼンコ、S・アブデエフ、T・ライテル、K・キャメロンジェームズ・ハルセル、クリス・ハドフィールド、J・ロス、W・マッカーサー、Y・オヌフリエンコ、K・チルトン、リチャード・シーアフォス、R・セガ、M・クリフォード、L・ガットウィン、S・ルシッド、V・コルザン、C・デエー、ウィリアム・レディ、テレンス・ウィルカット、T・エーカーズ、J・ブラハ、J・アプト、C・ウォルツマイケル・ベーカー、B・ジェット、J・グランスフェルド、M・アイビンズ、P・ウィッソフ、J・リネンジャー、A・ラズートキン、V・ツィブリエフ、R・エワルト、アイリーン・コリンズJ-F・クレルボア、E・ルー、C・ノリエガ、E・コンダコワ、M・フォーレ、P・ビノグラドフ、ジェームズ・ウエザビー、M・ブルームフィールド、S・バラジンスキー、J-L・クレティアン、D・ウルフ、T・ムサバイエフ、N・ブダーリン、L・エイハート、G・パダルカ、Y・バトューリンです。

4.どのように地球を回るの?
打ち上げ直後軌道は、近地点高度387km、遠地点高度395km、軌道傾斜51.6度、公転周期92.4分で、大気抵抗による高度低下打ち消すため、搭載小型ロケットドッキング状態の無人宇宙船プログレス使って軌道修正繰り返しおこなわれました。


Mir

名前 ミールミル

MIR

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2013/06/03 13:25 UTC 版)

MIR


Mir (ディスプレイサーバ)

(Mir から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/17 07:57 UTC 版)

Mir
開発元 Mirプロジェクト
Canonical Ltd.
最新評価版
2.19.3 / 2025年1月20日 (28日前) (2025-01-20)[1]
リポジトリ
プログラミング
言語
C++
対応OS Linux
サポート状況 開発中
種別 ディスプレイサーバ
ライセンス GPLv3[2]
公式サイト launchpad.net/mir
wiki.ubuntu.com/Mir/Spec
テンプレートを表示

Mirカノニカルによって開発されているLinux用のディスプレイサーバである。

Ubuntuにおいて現在使用されているX Window Systemの置き換えが計画されていた[3][4][5]

Mirは2013年3月4日にカノニカルによって発表された。MirはUnityユーザインタフェースの次世代であるUnity Next(Unity 8)の開発を可能にするために開発された[3]。しかし、2017年4月5日にマーク・シャトルワースはカノニカルによるUnity 8の開発を終了すると発表した[6]。Mirも開発終了が危ぶまれたが、3日後の8日マーク・シャトルワースはIoTアプリケーション向けに開発を継続していくことを明らかにした[7]

2018年9月21日、バージョン1.0.0がリリースされた[8]

論争

MirはUbuntuにおけるXの代替技術として2013年にカノニカルに選ばれたが、それより以前である2010年にはWaylandが使用されることが発表されていた[9]。Mirの発表後、影響を受ける同様のプロジェクトをリードする人間により反論や説明が行われ、いくつか記事が書かれた[10][11][12][13][14]

脚注

  1. ^ Mir in Launchpad”. Canonical Ltd.. 2025年2月17日閲覧。
  2. ^ Mir:readme”. Ubuntu. 2013年6月9日閲覧。
  3. ^ a b Mir/Spec – Ubuntu Wiki”. Wiki.ubuntu.com. 2013年3月6日閲覧。
  4. ^ Canonical reveals plans to launch Mir display server – Update – The H Open: News and Features”. H-online.com (2013年2月24日). 2013年3月6日閲覧。
  5. ^ Brodkin, Jon (2012年5月17日). “Ubuntu dumps X window system, creates replacement for PC and mobile”. Ars Technica. 2013年3月6日閲覧。
  6. ^ Growing Ubuntu for cloud and IoT, rather than phone and convergence” (2017年4月5日). 2017年10月1日閲覧。
  7. ^ Shuttleworth, Mark (2017年4月8日). “Unity8”. Google Plus. 2017年10月1日閲覧。
  8. ^ Linux向けディスプレイサーバー「Mir 1.0.0」リリース”. OSDN Magazine (2018年9月25日). 2018年9月25日閲覧。
  9. ^ マーク・シャトルワース (2010年11月4日). “Unity on Wayland”. 2013年4月18日閲覧。 “The next major transition for Unity will be to deliver it on Wayland....”
  10. ^ Michael Larabel (2013年3月4日). “Upstream X/Wayland Developers Bash Canonical, Mir”. 2013年4月18日閲覧。 “'I'm just irritated that this means more work for us, more work for upstream developers, more work for toolkits, more work for hardware vendors....'”
  11. ^ Michael Larabel (2013年3月5日). “A Note To Canonical: "Don't Piss On Wayland"”. 2013年4月18日閲覧。
  12. ^ Martin Gräßlin, maintainer of KWin, the KDE window manager (2013年3月8日). “War is Peace”. 2013年4月18日閲覧。 “Will KWin support Mir? No!”
  13. ^ David Edmundson, author of KDE greeter library used by LightDM used by Ubuntu (2013年3月12日). “KDE, LightDM and the Mir Kerfuffle”. 2013年4月18日閲覧。 “If you know for 6 months that you're not going to do something you said you would it's rude not to tell people.”
  14. ^ Michael Larabel (2013年3月13日). “GNOME Will Move Full-Speed With Wayland Support”. 2013年4月18日閲覧。 “What's GNOME doing about Mir? They're laying out plans right now to move hard and fast with Wayland support!”

外部リンク


Mir

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 18:46 UTC 版)

ディスプレイサーバ」の記事における「Mir」の解説

詳細は「Mir」を参照 Mirは、Ubuntuのディスプレイサーバーに採用されることを目的Canonicalによって開発されたが、2017年UbuntuのディスプレイサーバーはWayland変更された。Mirは、X11Wayland使われているものとは異なる、独自のMirディスプレイサーバープロトコルを使用するが、X11プロトコルサポートする。 Mirの実装は、GPLv3ライセンスされたlibmir-serverとlibmir-clientのもとで利用することができる。

※この「Mir」の解説は、「ディスプレイサーバ」の解説の一部です。
「Mir」を含む「ディスプレイサーバ」の記事については、「ディスプレイサーバ」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「Mir」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

「mir」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「Mir」の関連用語

Mirのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



Mirのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
JAXAJAXA
Copyright 2025 Japan Aerospace Exploration Agency
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのMIR (改訂履歴)、Mir (ディスプレイサーバ) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのディスプレイサーバ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS