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ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

①韓国文学②韓国漫画③韓国のメディア観察④韓国語いろいろ⑤韓国映画⑥韓国の歴史・社会⑦韓国・朝鮮関係の本⑧韓国旅行の記録

韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績[10月4日(金)~6日(日)]

2013-10-08 21:55:36 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 このところ映画を観ていないなー、とメモをたどってみると、9月27日シネマ・ジャック&ベテイで「ポランスキー 初めての告白」と「ローズマリーの赤ちゃん」を続けて観たのが最後。目当ては前者。彼の人生は、並みの映画よりはるかにドラマチック。1933年パリで生まれたポランスキーは3歳の時ポーランドへ。第2次大戦の直前一家はクラクフからワルシャワに移り、6歳の時にドイツの侵攻に遭います。食糧は不足し、彼らユダヤ人はゲットーに送られますが、彼は父親が有刺鉄線を切った穴から脱出します。「戦場のピアニスト」には、自身が体験したり直接見た光景がいくつも取り入れられているのですね。しかし6~12歳という時期にちゃんとした教育を受けられず、初めてまともに読んだという「ローランの歌」で文字を覚えたという彼は、ボーイスカウトの活動や映画を観て知識と教養を身につけていったということのようです。社会主義体制下、「6人を使用していた事業主」の息子という理由で(北朝鮮風にいえば「成分がよくない」)映画の学校に落ちた彼にとって、非常にラッキーだったのが俳優として彼に注目していたワイダ監督からの思いがけない出演依頼。その後監督としてのデビュー作「水の中のナイフ」が外国で評価されてからのもろもろは、私ヌルボなりに過去の記憶を反芻。そうか、あの衝撃的だったシャロン・テート事件は1969年のことだったんだなー。映画の最後で、墓誌に何か1つ記すならどの作品かと問われて「戦場のピアニスト」と答えているのは当然かも。ただヌルボ個人としては「死と乙女」が一番強く印象に残っています。

 先週書いた<コリアン・シネマ・ウィーク 2013>のこと。今日までに韓国文化院から当選メールが来てないということは「ハズレ」ってことかな? 残念!
 [→夜11時58分の追記]・・・と思ったら、夜10時20分頃になって申し込んでいた10月21日(月)上映の2作品とも「観覧ご招待」のメールが届きました。ヤター!! あきらめていた分よけいにウレシイ。(比較的前の方でノートに何やら書いたりしてるのがたぶん私ヌルボです。)

           ★★★ Daumの人気順位(10月8日現在上映中映画) ★★★

【ネチズンによる順位】

①ロデンシア:魔法王国の伝説  9.6(20)
②ニュー・シネマ・パラダイス  9.4(470)
③描きたいこと(韓国)  9.4(37)
④THE HERO(韓国)  9.3(22)
⑤道の上で(韓国)  9.3(64)
⑥ドラゴン怒りの鉄拳  9.1(47)
⑦怪盗グルーのミニオン危機一発  8.9(141)
⑧グラン・ブルー  8.9(111)
⑨ブルー・ジャスミン  8.7(53)
⑩願い(韓国)  8.6(401)

 ①④⑩が新登場です。
 ①「ロデンシア:魔法王国の伝説」はペルーとアルゼンチン合作のアニメ。ロデンシアは神秘的な森の中の平和な魔法王国。そこで最高の魔法使いを夢見るアダムはロデンシア第一の魔法使いブルーに授業を受けるが、怖がりで小心な性格のせいにミスだらけ。そんなある日、偶然に闇の魔術師の悪党ロテクスが王国を独り占めしようとするゆゆしき事実を知る。アダムは仲間たちと共にロデンシアを救うために伝説の強力な宝物を探すため果敢な旅を始める。・・・うーむ、何度も聞いたような話みたいだな。韓国題は「로덴시아 : 마법왕국의 전설」です。なお、韓国の漫画・アニメコラムニストの宣政佑(mirugi)さんの9月21日のツイートを見ると、韓国で上映される外国アニメについて次のようなことが書かれていました。
 「韓国では今年だけでアメリカと日本以外にイタリア、ノルウェー、ペルー、フランス、デンマーク、フィンランド、イギリス、ドイツ、タイ、香港、中国、アルゼンチンの子供アニメが公開され、そこそこヒットした作品もある。・・・例えば韓国では2013年今年だけでペルーアニメが3作品も劇場公開された。『ILLUSIONAUTS』『Rodencia y el Diente de la Princesa』『THE DOLPHIN:STORY OF DREAMER』。・・・デンマークのアニメも3作品劇場公開。アニメの国籍に無頓着な大衆の雰囲気も一つの理由ではないかと思う。見た目が近いならアメリカアニメもペルーアニメもデンマークアニメも同じ出発点だという…。」
 ④「THE HERO」は、スーパーヒーロー物ではなく、ファミリー向けのヒューマンコメディ。1人で子育てに必死な父(オ・ジョンセ)と、子ども向けドラマ「サンダーマン」が大好きな息子。ところが「サンダーマン」は視聴率不振のため放送終了すると、息子は極度に落ち込んでしまいます。そんな息子を見かねて、父ジュヨンは自らがサンダーマンになることを決意し、恥ずかしい衣装を着て変身します・・・。高評価の作品なのに下の興行成績のランキングは20位(1502人)。上映館数が9館ということで、キム・ボンハン監督が「大きな企業から安定的な投資を受け、頑張りたかったが、僕が及ばなかったようだ。実は中小映画は予算のため、観客に会えるチャンネルが限られている」と語っている(→コチラ)気持ちがわかります。原題は「히어로」です。
 ⑩「願い」は後述。
 
【専門家による順位】

①ザ・マスター  9.0(5)
②蜂蜜  8.5(2)
③悲しみのミルク  8.0(2)
④雪国列車(韓国・米・仏)  7.6(6)
⑤ブルー・ジャスミン  7.5(6)
⑥悲しみを聴く石  7.5(2)
⑦ブエノスアイレス恋愛事情  7.3(3)
⑧25年目の弦楽四重奏  7.2(4)
⑧父の秘密  7.2(4)
⑧グランド・マスター  7.2(4)

 ⑥「悲しみを聴く石」が初登場です。亡命アフガン作家アティグ・ラヒミのゴングール賞受賞小説「忍耐の石」を、作家自身が監督として映画化した作品。ある内戦中の町で、かつては戦闘に参加して英雄とよばれたが負傷して植物状態になった夫の世話をする妻が、反応のない夫に話すモノローグで物語が進む・・・。先月のアジアフォーカス福岡国際映画祭で上映されましたが、一般公開は未定。韓国題は「어떤 여인의 고백(ある女人の告白)」。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[10月4日(金)~6日(日)] ★★★

         韓国映画同士のトップ争いは「願い」が「カンチョリ」をかわしてトップ

【全体】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(11)・・願い(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・・10/02 ・・・・・・・・・・・・・483,840 ・・・・・・・・・811,730・・・・・・・・5,696・・・・・・・・640
2(37)・・カンチョリ(韓国)・・・・・・・・・・・・・10/02・・・・・・・・・・・・・407,697・・・・・・・・・・779,823・・・・・・・・5,645・・・・・・・・683
3(1)・・観相(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・9/11・・・・・・・・・・・・・・290,723・・・・・・・・8,712,855・・・・・・・63,083 ・・・・・・・484
4(2)・・死霊館・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9/17・・・・・・・・・・・・・・213,587・・・・・・・・2,043,244・・・・・・・14,796・・・・・・・・423
5(新)・・プリズナーズ ・・・・・・・・・・・・・・10/02・・・・・・・・・・・・・・・75,571 ・・・・・・・・・141,274・・・・・・・・1,048・・・・・・・・294
6(3)・・スパイ(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・・9/05・・・・・・・・・・・・・・・51,212・・・・・・・・3,405,576・・・・・・・24,316・・・・・・・・224
7(6)・・怪盗グルーのミニオン危機一発・・9/12・・・・・・・・・・・・・40,374・・・・・・・・・・894,290・・・・・・・・6,145・・・・・・・・203
8(5)・・モンスターズ・ユニバーシティ・・・9/12 ・・・・・・・・・・・・・・36,483・・・・・・・・・・821,226・・・・・・・・5,549・・・・・・・・213
9(新)・・ロデンシア:魔法王国の伝説・・10/02・・・・・・・・・・・・・・31,957・・・・・・・・・・・58,399・・・・・・・・・・377・・・・・・・・220
10(新)・・ジャングル・バンチ ・・・・・・・・・10/02・・・・・・・・・・・・・・22,025・・・・・・・・・・・41,824・・・・・・・・・・269・・・・・・・・217
         :氷上への帰還
       ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 話題のハリウッド大作がなく、韓国映画の新作同士のトップ争いは「願い」がわずかに「カンチョリ」を抑えてトップに。1位から落ちた「観相」は900万人にとどくかどうか・・・。
 今回の新登場は1・2・5・9・10位の5作品と半分が交代。
 1位「願い」。雨降りのある朝、通学中の女の子ソウォンは酒に酔った男に連れて行かれ、信じられない「事故」に遭う。・・・つまり、児童に対する性暴行です。同じテーマの作品は話題になった「トガニ」等々過去いくつもありました。やはり同じ素材の映画「悪い血」は、犯罪者に対する復讐の物語でしたが、この「願い」は、被害者家族が暗いトンネルを経て再び日常を取り戻すまでの歩みと周囲の人々の願いが込められた作品です。両親を演じるのがソル・ギョングとオム・ジウォン。ソル•ギョングはインターネットで見つけた被害児童の父が書いた要請の手紙を読んで出演に決定的な影響を受けたそうです。しかし、こうした作品がこれだけ作られるということは、そんなひどい現実が続いているということか・・・。
 2位「カンチョリ」は、釜山が舞台のアクション・ドラマ。釜山港で荷役の仕事をして日々暮らしているカンチョリ(ユ・アイン)は、場所柄(?)暴力団とも関わっていますが、めげない根性を持った青年です。ある日ソウルから旅行に来た自由な性格のスジ(チョン・ユミ)に会い、わずかながら笑顔を取り戻した彼は、初めて外の世界に出てみようという夢を抱き始める。しかし、具合が悪かった母の病状が急に悪化します。人生の岐路に置かれたカンチョリに、組織のボスのサンゴン(キム・ジョンテ)は 危険な選択を提示するのですが・・・。原題は「깡철이」。
 5位「プリズナーズ」はアメリカのサスペンス。娘とその友だちを誘拐された田舎町の大工が、地元警察の遅々とした捜査にしびれを切らし、犯人らしき男を拷問します。その男は近所に住む、精神年齢10歳程度の心優しき青年ですが、殺人者かもしれません。しかし娘たちの消息は依然不明。その男は本当に犯人なのか? 韓国題は「프리즈너스」。日本公開は未定のようです。
 9位「ロデンシア:魔法王国の伝説」は上述しました。
 10位「ジャングル・バンチ:氷上への帰還」は、フランスのアニメ。前述しましたが、やはり韓国では日本やアメリカ以外だけでなく各国のアニメ上映がにつきますね。日本やこれまで見て感じていたことでもあります。この作品の主人公は、偶然ジャングルで生まれて野生の猛獣に成長したペンギンのモリス。一方、非道なセイウチの襲撃で危機に瀕している南極のペンギン村。ペンギンの兄弟ピンとポンは、伝説の"偉大なトラ'を探してはるかジャングルに向かい、モリスに出会います。ピンとポンの頼みに応えて、正義に燃えるモリスは南極のペンギン村が南極にかけつけますが・・・。韓国題は「정글번치 : 산으로의 귀환」。日本公開は未定。たぶんなさそう?

【多様性映画】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・うちのソニ(Our Sunhi)(韓国)・・・・・・9/12・・・・・・・・・・・・3,162・・・・・・・・・・・・・・・59,539 ・・・・・・・・・458・・・・・・・・・・35
2(2)・・ブエノスアイレス恋愛事情・・・・・・・・9/12・・・・・・・・・・・・1,665・・・・・・・・・・・・・・・18,330 ・・・・・・・・・113・・・・・・・・・・18
3(3)・・アー・ユー・レディ?(韓国) ・・・・・・・・9/26・・・・・・・・・・・・1,367 ・・・・・・・・・・・・・・・6,552 ・・・・・・・・・・・47・・・・・・・・・・19
4(5)・・25年目の弦楽四重奏 ・・・・・・・・・・・7/25・・・・・・・・・・・・・・786・・・・・・・・・・・・・・106,057・・・・・・・・・・796・・・・・・・・・・・5
5(4)・・ロシア小説(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・9/19・・・・・・・・・・・・・・412 ・・・・・・・・・・・・・・・4,384 ・・・・・・・・・・・32・・・・・・・・・・21

 今回の新登場はありません。4位「25年目の弦楽四重奏」、息長く続いています。
 3位「アー・ユー・レディ?」は、先週記したように北朝鮮での教会の状況や統一問題をテーマにしたキリスト教関係のドキュメンタリーですが、今日10月8日のSARUさんのツイッターに釜山で観た感想が書かれてました。少し長いですが、引用させていただきます。
 「北朝鮮地下教会のドキュメンタリーだと思って観たのですが、必ずしもそうではない。(なお、北朝鮮に教会がないわけではない。)朝鮮にキリスト教が伝道された歴史、朝鮮王朝による弾圧から、神社参拝を強要した帝国日本による弾圧、そして朝鮮戦争で南北分断が固定化されていく、そうした現代の状況で韓半島のキリスト教徒たちはどう考えたら、どうしていったらいいのか、というような内容。 韓国とイギリスのキリスト教関係者が喋る喋る、・・・キリスト教が盛んでない日本から来て、無宗教なおいらが観るようなドキュメンタリーではありませんでした。韓国のキリスト教徒が観るものでした。上映終了後、客席の皆さんが互いに挨拶してたりして、ああ、教会の知り合いたちなんだなと。」
コメント (3)
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