「ロックマン」とは、1987年12月17日にカプコンから発売された、ファミリーコンピューター用アクションゲームである。
またその続編や主人公の名前も指す。海外名はMegaman。
概要
1987年に登場した大人気ゲーム。その人気は日本だけでなく世界中で人気になり海外では何度かアニメ化までされるほど。主人公のロックマン(ロボット)を操り、敵のロボットを倒していくことが目的。
ゲームを始めると遊ぶステージを選べる、ステージのボスを倒すとボスから特殊武器を得られる、特殊武器を切り替える事によって敵の弱点を突くことができるなど、当時のアクションゲームとしては画期的なシステムを導入していた。
ファミリーコンピューターで発売され、その後は続編や派生シリーズが様々なゲーム機で発売されている。
派生作品に「ロックマンX」「ロックマンDASH」「ロックマンゼロ」「ロックマンエグゼ」「ロックマンZX」「流星のロックマン」などがあり、「エグゼ」と「流星」はアニメとしてTV東京系で放映されたりもした。
ゲームの特徴
基本的に横スクロールアクションであり、ジャンプ、ショット(飛び道具)を駆使してステージを進み、最後に待ち構えているボスを倒すとステージクリアとなる。
続編からはスライディング(『3』から)、チャージショット(『4』から)、ダブルギア(『11』のみ)等のアクションが追加された。
最大の特徴は「倒した相手の武器を手に入れ、特殊武器としてプレイヤーが使うことができる」こと。 それぞれの特殊武器にはそれを弱点とするボスがおり、入手した特殊武器を使って敵の弱点を探ることで、アクションが苦手なプレイヤーでもゲームを容易に攻略することができる。
他に、「E缶」等のアイテム、「ラッシュ」等のサポートキャラクター、ワイリーマシンやジャンピング土下座等、シリーズ恒例となっている物も数多くある。
本作(ロックマン1)独自の仕様として、以下の要素がある。
- スコア制度。ボスを含む敵キャラに撃破時のスコアが設定されている。
- アイテム「ボーナスボール」の存在。ステージクリア時に獲得量×1000のスコアが加算される。
- 固定配置アイテムは画面をスクロールさせるかミスすることによって回復する(メガワールドでは廃止。後者は『8』でも再採用された)。
- 水中でもジャンプ力が変化しない。
- セレクトボタンでポーズが出来る。これを利用した裏技もある。
- 即死トラップが被ダメージ直後の無敵時間を貫通する為、いかなる状況であっても触れれば確実にミスとなる。
- クリア済みのステージを再挑戦した場合もボスとの再戦になる。
- パスワードが無い為、FC版では電源を切ったりリセットした場合最初からやり直しとなる。
ボスキャラクター(ロックマン1)
6大ボス
本作のボスは、Dr.ワイリーによって操られたDr.ライトのロボット(ライトナンバーズ)達。開発段階では『2』以降の様に8体の予定だったが、容量の都合で2体削減された。
ワイリーステージボス
- イエローデビル
ワイリーステージ1のボス。詳細は個別記事を参照。 - コピーロックマン
ワイリーステージ2のボス。ワイリーが開発した三次元コピーシステムによって生み出されたロックマンの複製ロボット。こちらの武器チェンジに反応して同じ武器を使用してくる。複雑なAIを完璧にはコピーできなかったらしく、行動パターンに若干の癖がある。 - CWU 01P
ワイリーステージ3のボス。海水の水質調査用メカで、機体の周りを巨大な泡の膜で覆う事で防水をしている。計7体が存在し、後に現れる個体ほど移動速度が速い。如何にもな感じで配置されているブロックをスーパーアームでぶつければ一発KO出来るが、体当たりを躱すために最初はブロックを温存した方がいい。 - ワイリーマシーン1号
ワイリーステージ4のボス。ロックマンによる要塞の攻略に焦ったワイリーが急ごしらえで作った戦闘メカ。間に合わせなので見てくれは悪いがエネルギー弾の攻撃力は高い。この頃から第2形態が用意されている。
特殊武器(ロックマン1)
- ローリングカッター(カットマン)…消費EN1
セラミカルチタン製のカッター。楕円状の軌道で飛び、ロックマンの元に戻ってくる。シャドーブレードやナイトクラッシャーといったブーメラン系武器の元祖にあたる武器。
敵を貫通するもののガード状態の敵にはダメージを与えられない。また、相手次第ではダメージSEが複数回発生する事があるが実際には一発分のダメージしか与えられていないという肩透かしな一面も。 - スーパーアーム(ガッツマン)…消費EN2
強化された腕力により特定のブロックを持ち上げて投擲する事が出来る。その実態はブロックが無いと何もできないという大きな悲しみを背負った武器であり、腕力を活かした格闘戦とかが出来るわけではない。ステージよってはブロック自体がないので、その場合本当に終始やれることが一切無い。
攻撃の為には態々ブロックの所に行かなければならず、戦闘用としての実用性は皆無に等しい。かと言ってブロックの除去用として割り切ろうにも、ブロックの除去自体はサンダービームでも出来てしまう。
有効な特定のボス相手でもない限りこの武器の出番はガッツマンステージを先にクリアした状態でエレキマンステージのマグネットビームを回収する時か、ブロックを処理したいがサンダービームのENを節約したい時くらいのものである。ご丁寧に消費ENまで多めになっているが、使う機会が無さ過ぎて普通に攻略していればまずガス欠になる事はない。嬉しいんだか悲しいんだか…。
リメイク作『ロックマンロックマン』では条件を満たすとボスをプレイヤーキャラとして選択出来るが、流石にFC版そのままの性能だと無理ゲーどころではなくなる為、ガッツマンモードではブロックを生成することが可能になっている。FC版の時点でそれが出来ていれば評価は大きく変わっていただろう。 - アイススラッシャー(アイスマン)…消費EN1
敵を凍結させて一時停止する零下200度の冷気を発射する。
基本的にダメージを与える事は出来ないので、敵をスルーしたり停止中に武器チェンジをして他の武器で安全に処理するのが主な使い道になる。
他にもファイヤーマンステージなどに登場する火柱を凍らせたりマンブーやキラーボムを停止させることで後続の出現を食い止めるといったことも可能。 - ハイパーボム(ボンバーマン)…消費EN2
前方に着弾後一定時間に爆発する爆弾を投擲する。爆弾そのものには攻撃判定はなく敵に接触しても爆発しない為、攻撃判定の発生には投擲→バウンド→着弾→爆発という過程を必ず踏む必要がある。接地状態で投げた場合ロックマンに若干の硬直時間が発生する。硬直を回避するにはジャンプ中に投げればいいのだがジャンプボタンと武器ボタンを同時押しした場合、仕様かバグかは不明だがロックマンが垂直にジャンプしてしまう上に高度調整も出来ないのでボタンを押すタイミングに注意が必要。
武器ボタンを押してからダメージを与えるまで確実に長いラグが発生するという仕様が大きな足枷となっており、移動する敵に当てるのが難しく下手をすると弱点のボス相手にすら爆風を当てるのに苦労する上、いざ当ててもラグのせいで処理速度にも期待できない。トドメに消費ENも他の武器より多い為、コスパの面でも褒められたものではない。
歴代特殊武器最底辺クラスの烙印をシリーズ経験者から押されることも珍しくない程に使い勝手の悪い武器となっており、あまりの使い辛さを流石にカプコンも反省したのか、『ロックマンロックマン』では敵に当たった時点で爆発するようになった。FC版の時点で(ry - ファイヤーストーム(ファイヤーマン)…消費EN1
灼熱の火炎弾を発射する。
攻撃時ロックマンの周囲を高速回転する火球にも当たり判定がある為接近してきた敵から身を守るのに使えるが、当たり判定が見た目より小さく普通にすり抜けられてしまう危険性もあるので過信は禁物。 - サンダービーム(エレキマン)…消費EN1
正面と上下の3方向に波状の軌道で飛ぶ高圧電流ビームを発射する。
攻撃範囲が広く、汎用性に優れた特殊武器。スーパーアームで持ち上げられる特定のブロックを破壊することもできる。 - マグネットビーム…消費EN2
足場として使える磁力のビームを発射する。ビームはボタンを押し続ける時間によって長さを調節でき、画面内に最大3本発生させることが出来る。
エレキマンステージの道中で入手できるが、スーパーアームかサンダービームでなければ除去できないブロックに守られているので、入手する為にはガッツマンステージを先にクリアするか、サンダービーム入手後にエレキマンステージに再挑戦する必要がある。
ワイリーステージ1ではこの武器が必須なので入手し忘れたまま挑むと詰む。忘れずに回収しておこう。該当箇所では詰み防止のために武器エネルギーが固定配置されており、スクロールによって無限回集が可能なのだが『ロックマンメガワールド』ではこれが出来ない為ENが尽きた時点でアウトとなる。メガドライブミニ又は『セガ メガドライブ For Nintendo Switch ONLINE』でプレイする場合は念のため中断セーブを行う事が推奨される。
シリーズのタイトル一覧
ロックマンX等を含まない、本家シリーズのタイトルと発売ハードを一覧に示す。
なお、移植版・リメイク版も含める。
近況
2018年に30周年を迎えた本シリーズだが、同年後半に久々のナンバリングである「ロックマン11 運命の歯車!!」を各機種で発売。この中にはPC版も含まれており、Steamの配信にも対応している。
本家シリーズとは別に、本作の「ロックマン」「ブルース」「ロール」「フォルテ」は、2020年秋に配信された「ロックマンX DiVE」というソーシャルゲームにも登場している。
「ロックマン」というキャラクター
声優は、下記の方々が務めている。
- 椎名へきる(CDドラマ「ロックマン危機一髪」、アーケード版)
- 折笠愛(『8』、B&C、スーパーアドベンチャー、など)
- 藤野かほる(カプコンVS.シリーズ)
- 小椋美輝(ガンスパイク)
- 小林由美子(ロックマンロックマン)
- 福原綾香(『11』)
- 田村睦心(パチスロ「ロックマン アビリティ 史上最大の試練」)
形式番号DRN.001、ロック。ロボット工学の権威であるライト博士が製作した、家庭用お手伝いロボットであった。ワイリー博士が世界征服を宣言したことにより、戦闘用ロボットへの改造を自ら志願。スーパーロボット「ロックマン」となって戦いに赴く。
基本武器は太陽光を圧縮して放つ「ロックバスター」。『ロックマン4』からはチャージショットが可能に。
元々家庭用として設計されたため、心優しい性格とされる。しかし、創造者の反対を押し切ってまで戦闘ロボットとなって事態の解決を望んだ彼は、約100年後の世界での言葉でいうならば、心を持ったロボットのイレギュラー化とも言えなくもない。ちなみにライト作のロボットが創造者の意に反する意志をみせたのは、ライトナンバーズ創造の歴史上の時系列では「ブルース」に次いで二度目となる。
「ロール」とは実の兄妹のように仲が良い。製造順番で言えばブルースは兄に当たるのだが、ロックマン自身はそのことを知らない。
メインカラーが青であるのは、ファミコンで使える色で青系統の色が多かったからである。
他作品へのゲスト出演など
対戦格闘ゲーム「MARVEL VS. CAPCOM」及び「MARVEL VS. CAPCOM2」に使用キャラクターとして参戦。通常技の大パンチが飛び道具のロックバスターとなっており、チャージショットも可能。
また、2014年にWiiUと3DSの両機種で発売の「大乱闘スマッシュブラザーズ for NINTENDO 3DS / Wii U」にもゲストとして参戦。「大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL」にも引き続いて参戦している。
参戦PVではロボットである事が強調され、ロックバスターからの変形のプロセスや関節部分がメカニカルに描かれてたりと外観デザインが有賀ヒトシ版ロックマンに近いものになっていた。ちなみに同作のロックマンにはボイスが収録されていない。
チャージショットやスライディングがある事から、仕様はロックマン8以前のものに近い。特にモーションはファミコン時代のロックマンを元に作られている。場外になった際は例のティウンティウンティウンエフェクトも発生する。特にフィールドスマッシュでロックマンを使うと割と本家ロックマンに近い操作感覚が味わえる。
チャージショット・ロックアッパー・タップスピンを繰り出した際、同じ会社のどこぞやの波動をぶっぱなす格闘家を思い出すのは気のせいだろうか。・・・と思っていたらその格闘家本人がDLCとして参戦してしまった。
強攻撃や空中攻撃各方向スマッシュ攻撃、必殺技、投げの各アクションには他のボスから奪取した「特殊武器」が多く使われている。
最後の切りふだは、エックス、ロックマン.EXE、ロック・ヴォルナット、S.S.ロックマンとともに一斉チャージバスターを食らわせる「ロックマンスペシャル」。桜井氏曰く「夢の共演」。ロック・ヴォルナットは任天堂のゲーム機に出ていたっけ?と思われる方もいるだろうが、ロックマンDASHは第一作のみN64でも発売された事がある。開発中止となったDASH3も元は3DSで発売予定だった。
「スマブラSP」ではさらにブルースとフォルテも加勢してくれる。
実はロックマンのスマブラ参戦はかなり前から検討はしていたが、諸般の事情で今までは困難だった事を桜井は語っていた。
2014年7月にはニンテンドー3DSのすれちがいMii広場のミニゲーム「ピース集めの旅」にモンスターハンター4に続いてサードパーティータイトルであるロックマンのパネルが突如追加された。おそらく大乱闘スマッシュブラザーズfor 3DS/Wii Uへの参戦によるものと思われるが、あくまでもロックマンのタイトル表記である。
なお、スマブラで披露した両腕をロックバスターに変形させるアクションだが、十数年前に既に「スーパーアドベンチャーロックマン」で使用している。
作中でオーバーヒート覚悟で放っていることからも分かる通り、両腕をバスターにすることにリスクがあるのはこの作品の時点から設定されている。スマブラにおける下スマッシュ攻撃「フレイムブラスト」を使用した際にバスターが展開するのは、放熱してオーバーヒートを防ぐ為である。なお「フレイムブラスト」は本家と異なり、フレイムマンが繰り出すモーションに近い。同様に「スパークショック」も本家と異なり、スパークマンのように電極針を両腕のバスターから突き出して電撃を与えるものになっている。モーションはスパークマンのチャージ状態と瓜二つ。
実はナンバリング作品では唯一ロックマン5の特殊武器は登場しないが、サポートキャラに関しては5初出のビートを必殺ワザカスタマイズで使用する事ができる(仕様は7のもの(落とし穴からの脱出)に近い)。また、スライディングに攻撃判定がある事を考えると5の特殊武器の一つスライディング攻撃のチャージキックの要素も内包していると言っていい。
2017年12月には、久方ぶりのナンバリング「ロックマン11 運命の歯車!!」の発表に合わせてか、ソーシャルゲーム「スーパーロボット大戦X-Ω」へ参戦(人間サイズのロボットならば既に同作でも「ヘボット!」が参戦しているため、前例はある)。
名義は「ロックマン」だが、ロックマンだけでなくブルースとフォルテも参戦する。
サウンドトラック
BGMはゲーム作品としては相当評価が高い。ゲーム性よりもBGMを論じ合うファンや、どちらかと言うとBGMに思い出がある古参ユーザーは少なくない。
1~6までは限定品のサウンドトラックに収録されている。カプコンの通販サイトなどで購入可能。7と8は長い間発売されなかったが、2007年に待望の登場を果たす。しかし7に関してはOPステージの後半部分がごっそり抜け落ちていたり、フリーズマンステージにノイズが混じっていたり、音質が悪かったり、曲順がめちゃくちゃだったりと様々な問題点が発覚(8はSS版のBGMが収録されていない、音質が悪い以外は特に問題はない模様)。
後日スタッフ側はこれに弁解するもきっちりとした説明を果たした訳ではなく、弁解には矛盾点があった事が指摘されるなど、苦し紛れの言い訳と捉えるファンは少なくなかったようである。以降のサウンドトラックに関しては特に問題はなかったようだ。
ニコニコ動画におけるロックマン
本家ロックマンシリーズの第二作「ロックマン2 Dr.ワイリーの謎」に登場するボスキャラクターについて歌った「エアーマンが倒せない」、使われているBGMに歌詞を当てはめた「思い出は億千万」などが特に有名。
ゲームの動画として、ロックマンシリーズ本編を「TAS」「RTA」「実況プレイ動画」など多種多様なプレイが投稿されている。また本来ライフ制であるこのゲームを一撃で死ぬようにチートしてプレイする「オワタ式ロックマン」、システム以外殆ど別物となる様に手を加えて製作した「改造ロックマン」「同人ロックマン」の動画も投稿されている。
ピコカキコ
ステージ曲
SE(効果音)
その他はカプコンのピコカキコ一覧を参照
備考
ロックマンという名称から「岩男」とも呼ばれる。実際の名前の由来は「岩」ではなく、音楽の「ロックンロール」である。
アメリカで発売された「Mega man」はキャラクターやゲーム性、大まかな設定などを踏襲して日本版とは別に製作されたゲームである。本編のゲーム内容はおおむね国内版と近いものであるが、パッケージイラストに描かれた「Mega man」と思しき人物は誰も見た事が無い色黒のオッサンとなっており、公式非公式を問わず幾度となくネタにされている。さらに「ストリートファイター X 鉄拳」では何故かこの色黒のオッサンがゲストキャラクターとして参加している。
このシリーズには、100年後の世界である「ロックマンXシリーズ」への伏線を匂わせるものがいくつか散見される作品があるが、公式にはそれらを明確にしていない。また、「ロックマンXシリーズ」においても、過去に繋がるような事項でも明確な回答はしていない。