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2016-01-01から1年間の記事一覧

記録のあれこれ 7 <暗黙知を客観化する>

こちらで紹介した資料「東京の漏水防止」の「音聴法」(p.13)は、東京都水道歴史館の展示の中でも印象に残ったひとつでした。 音聴法とは、音聴棒又は電子式漏水発見機を使用し、漏水音を捉える方法です。 あ、なんだか分娩のトラウベとCTGのようだなと思い…

発達する 2 <「老年期の発達課題」>

発達課題については、現在の医療関係の教育の中では当然学んでくる内容だと思いますが、私が看護学生だった1970年代終わり頃にはまだ馴染みのない言葉でした。 小児の発達段階ぐらいはあったかもしれませんが、80年代終わり頃に助産師学生として看護学を学び…

発達する

ここ1ヶ月ほど、面会に行くたびに父の表情や言動がめっきりと乏しくなってきました。 11月初旬に風邪をひいて肺炎になりかけたのですが、話しかけてもうなずくだけで朦朧としていましたから、このままどんどんと意識がなくなってしまうのではないかと心配し…

事実とは何か 23 <機械化で人は減らせるのか?>

人海戦術の時代から機械化が進むと、少ない人数で大工事も短期間で終了できるのは確かだろうなと思います。 江戸時代に玉川上水を作っていた時代と、現代の治水工事を比較しても明らかですね。 ただ、どんな「現場」でも機械化が人を減らすことができるのか…

記憶についてのあれこれ 108 <人海戦術と人民服>

最近、中国籍の方の出産がぼちぼちと増えて来た印象があります。正確な統計はわからないので、あくまでも私の周辺の話ですが。 1990年代初頭にも、中国の方のお産が増えました。中国で暮らして来た残留孤児の方々が帰国されてきたからです。 しだいに、そう…

記憶についてのあれこれ 107 <旅にかかる時間>

清澄庭園の「松島」や「富士山」のように、小石川後楽園も園内に「木曽川」「白糸の滝」といった地名や名勝の名がつけられた構成になっていました。 こういう庭園の様式についてはよく知らないのですが、庭園内でちょっとした旅をした気分になれそうです。 …

散歩をする 6 <清澄庭園>

「清澄(きよすみ)」という地名を知ったのは30年以上前ですが、都営新宿線と東西線のちょうど真ん中に大きな庭園があることは知っていましたが、駅から少し遠くて歩くのも疲れそうだし、庭園にもあまり関心がなかったのでそのままになっていました。 20代の…

米のあれこれ 6 <ゆかりと梅干し>

なぜ唐突にも「ゆかり」の話を書いたかというと、「ゆかり」のパッケージを見て、そういえば同じお米を食べる民族なのに味覚はだいぶ違うのではないかとふと思い出したことがありました。 梅干しやゆかりのような紫蘇風味を苦手な人はもちろん日本にもいらっ…

記憶についてのあれこれ 106 <ゆかり>

今日のタイトルを見て、「縁もゆかりも・・・」よりは白いご飯を思い出した方はナカーマですね。 体調が悪い時も、食欲がない時も、ご飯に少しかけるだけで美味しく食べられるのは不思議です。 小さい頃から食べていたような気がしたのですが、三島食品のホ…

水のあれこれ 54 <漏水>

子どもこの頃に読んだ漫画で、砂漠を描いた話がありました。 オアシスにしか水がなく、時々起こる砂嵐に飲み込まれて一晩で村がなくなるといった話でした。 初めて砂漠を見たのは、ソマリアへ向かう途中、中近東のどこかの国の上空の飛行機の窓からでした。 …

水のあれこれ 53 <給水の清浄、豊富、低廉を確保する>

前回の記事で紹介した東京都水道局の「東京水道100年のあゆみ」に、こんな一文があります。 昭和32年には明治23年以来の水道条例に代わって水道法が施行され、給水の清浄、豊富、低廉を確保することが規定された 「清潔な水を豊かに安く」 今の東京では当然…

水のあれこれ 52 <東京砂漠>

都内のガイドブックに東京都水道歴史館を見つけました。 お茶の水駅から順天堂大学の間を通って、数分ぐらいのところにあります。 以前、一時期よく乗降りしていた駅周辺なのに、こういう歴史館があることも、そしてそこが本郷給水所であったことも知りませ…

看護基礎教育の大学化 27 <日本の「看護教育の大学化」はどこへ行くのか>

80年代ごろから急激に医療が高度化専門化したのは、日本だけではなくイギリスも同じ状況で、どうしてイギリスの場合には「全員を専門看護師として教育する」将来像を描けたのでしょうか。 当然、看護職も今までのように全ての診療科で働くことができるための…

看護基礎教育の大学化 26 <「大学化」が目的ではなく、専門性が大事では>

助産師の業務だけでもローリスクからハイリスクまでその専門性の分化が著しい中で、オールマイティにはなれないと書きました。 他の看護職に至っては、もっと深刻なのではないかと思います。 産科にあまり関心がなかった私が海外医療協力のために助産師資格…

事実とは何か 22 <助産師の実践能力は低下しているのか?>

競泳の国内大会では、マスメディア的には注目されず知名度も低いけれど、いつも出場して上位に入賞し続けている選手もいます。 そういう選手が出場されると、思わず大きな拍手で声援をしています。 仕事をしながら練習の時間を調整し、上位に入りつづけるこ…

2016ウインザー世界短水路選手権

12月6日から11日までカナダのウインザーで世界短水路選手権が開かれていました。 競泳ワールドカップとして、世界のいくつかの都市で10月頃からシリーズ戦があって、その最終大会という位置づけなのでしょうか。 長水路(50m)の世界水泳に比べると、この短…

鶏が先か卵が先か 3 <免許更新制よりもケアの標準化を>

最近、高齢者の運転事故の報道が続いたので、「いつ免許を返すか」という問題を考えた人が多かったかもしれません。 一度とった運転免許証は大きな事故や違反を起こさない限り、あるいは私のように30年以上も運転したことがないままでも長いこと保持すること…

アドバンス助産師とは 13 <登録商標がついた>

「アドバンス助産師」での検索でたどり着かれる方がけっこういらっしゃる印象ですが、検索ワードから逆検索していくと、いろいろと定点観測ができて勉強になります。 先日もこんな変化があることを、見落としていたことに気づかされました。 なんと、「助産…

観察する 17 <待合室の30年の変化>

なぜ「生活史」という言葉に引きつけられたかというと、産婦人科の待合室のここ30年ほどの変化を考えていたこともあります。 私が看護職になった1980年代初頭と比べて、大きく変化したことがあります。 それは待ち合い室に男性と子どもの姿があることです。 …

観察する 16 <生活史>

「観察する」まとめで、「湿地帯中毒 身近な魚の自然史研究」(中島淳著、東海大学出版、2015年10月)の「はじめに」を紹介しましたが、その文の中で引きつけられた言葉が「生活史」でした。 そうか、生物学と言うのは「生活史」という言葉を使うのか、と。 …

つじつまのあれこれ 9 <専門性とは何か>

昨日の記事で紹介した「植物をたくみに操る虫たち 虫こぶ形成昆虫の魅力」(徳田誠著、東海大学出版部、2016年11月)を、ぼちぼちと読んでいます。 「観察する」まとめで紹介した「湿地帯中毒 身近な魚の自然史研究」(中島淳著、東海大学出版部、2015年10月…

観察する 15 <ノブドウ>

先日のボタニカルアート展で、鳥肌が立ちそうなほど感動した展示がありました。 それがノブドウでした。 ノブドウは子供の頃に野生児で裏山を駆け遊んでいた頃、秋になると美しい実をつけていました。 今の生活圏ではほとんど見かけないので、懐かしいと思い…

事実とは何か 21 <胡散臭い>

日勤に出勤する前は、朝5時台から6時台までNHKをつけっぱなしにしています。 いろいろと気になるニュースや話題がひっかかってきて、勉強になります。 どういう勉強かというと、「どうやってこういう胡散臭い話題が放送されるのだろう」というあたりです。 …

数字のあれこれ 15 <飛び込みと水深>

少し前に、「都立高校、プール飛び込み原則禁止に、都教委が方針」というニュースがありました。 東京都教育委員会は24日、都立高校の水泳の授業でプールへの飛び込み指導を原則禁じる方針を決めた。都立高校で7月、飛び込んだ男子生徒が首を骨折する重傷を…

産後ケアとは何か 33  <産後の受診のハードルの高さ>

30数年間、ほぼ医療機関で働いて来たので、職場の健診を当たり前のように受けてきました。 少しの期間、海外へ行くために国民健康保険に切り替えたことがあるのですが、その時に区から健康診断の通知が来ました。 年齢に応じて心電図や眼底検査など、職場よ…

「産後のトラブルを考える」まとめ

先日、さらさんからコメントをいただきました。産後4か月もの間、出産に起因すると思われる排泄障害を抱えたままだったとのことです。 日本にどれだけ同じような女性がいらっしゃるのだろう、そして世界中にはどれくらいそれで苦しんでいる女性がいらっしゃ…

事実とは何か 20 <火災の原因>

幼少時に近所でのガス爆発事故の記憶が恐怖心とともに残っているので、いまだにガス器具というのは苦手です。 また中学生の頃、住んでいた家の目の前の製材所が全焼したことがありました。 真冬の寒い日の夜でした。 私の部屋の窓が何だか明るいのでカーテン…

つまみ菜

10月に入ると各地の水害の影響だったのか、野菜の値段が上がりました。 レタスやキャベツ、そしてちょうど「食べたい!」と思い始めていた白菜も高くなりました。 いつも使っているスーパーでは、それまでは白菜は2分の1、4分の1に切り分けられて売られてい…

「産科診療所から」まとめ

思えば遠くへきたものだ。 ブログを書いて、あれこれと回想しているとそんな思いになります。 進学校だった高校時代は「女は大学に行かなくてもよい」と言われ、やりたいことかどうかもわからないまま看護学校に進学しました。 でも入学してからは「自分に合…

産科診療所から 16 <分娩施設はどうなるのだろう>

久しぶりの「産科診療所から」ですが、産科診療所、病床数が19床以下の分娩施設で働くようになって10年以上になりました。 ある程度経験を摘んだ助産師の働き場所としては、なかなか良いのではないかという思いが強まる反面、このまま産科診療所もなくなって…