1.まず、会社法施行以来、PLの「前期繰越利益」以降が廃止されました。そして、「前期繰越利益」、「当期未処分利益」の勘定科目も存在しません。
仕訳に使用されている「前期繰越利益」、「当期未処分利益」は「繰越利益剰余金」に読替える必要があります。株主資本等変動計算書が作られているのに、このような廃止された勘定科目が使われているのは不思議ですね。
次に仕訳の意味ですが、
(前期繰越利益)1,918,053(利益準備金)4,800,000 ←元の仕訳
(当期未処分利益)8,086,611(前期繰越利益)5,204,644 ←元の仕訳
この仕訳は、当期未処分利益合計60,004,644から配当金50,000,000を支払い、利益準備金として4,800,000を積立てた残額5,204,644を、翌期の前期繰越利益に振り替えるという趣旨のようです。しかし、「前期繰越利益」、「当期未処分利益」という勘定科目が廃止された以上この仕訳は意味がありません。従って次のような仕訳になります。
(繰越利益剰余金)4,800,000(利益準備金)4,800,000 ←読替え後の仕訳
さらに、配当50,000,000の仕訳は
(繰越利益剰余金)50,000,000(未払配当金)50,000,000 となります。
2.利益準備金が4,800,000となる根拠
配当に際しては、配当額の1/10を、資本金の1/4に達するまで、準備金として積み立てる必要がありますが、この期で資本の1/4に到達したということではないでしょうか。おそらく次の算式のようになっていると思います。
資本金×1/4-(資本準備金+利益準備金)=4,800,000
つまり、今期4,800,000を積み立てることで準備金の合計が資本金の1/4に達するため、5,000,000の内、4,800,000だけ積立ればよいということです。
3.株主資本等変動計算書の作成要領は、お書きのとおりで間違いありません。
剰余金の配当欄は、利益準備金 4,800,000、繰越利益剰余金-54,800,000、株主資本合計-50,000,000 となります。
お礼
ありがとうございました。 非常に分かりやすい説明で理解できました。 前期繰越利益、当期未処分利益の科目は経理システムでまだ対応させておらず、Excelで表記をかえているとことでした。