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Sick Team待望のデビュー・アルバム
Sick Team / Sick Team
"Budamunk + ISSUGI + S.l.a.c.k." によるユニットSick Teamが本格始動! ジャパニーズ・アンダーグラウンド・シーンで注目を集めているラッパーS.l.a.c.k. とISSUGI、そして、その2人が絶大な信頼を置くビート・メーカーBudamunkの手掛けるスモーキーな音世界でシーンを煙に巻く… .so high on Sick Teamもはや中毒!
【Guest Appearance By】
OYG、MeccaGodZilla、ROC MARCIANO、MeccaGodZilla、GAPPER、ILLA J、Mimismooth...
Sickな音に病み付き
震災後一週間でチャリティー・ソング『逆境』をリリースし、突如表に出てきたSick Team。アルバムをリリースする前から知れ渡っていた彼等の存在が、遂に明らかになる。他に類を見ないスタイルで多くのリスナーを魅了し続け、異なるジャンルからも高い評価を受けた『我時想う愛』のリリースが記憶に新しいS.l.a.c.k.。タイトでブレの無いフロウと、そのハスキー・ヴォイスから生まれるルードなスタイルで現場主義のヘッズからも支持されてきたISSUGI。そして、LAのアンダーグラウンド・シーンで活動を経て、玄人からも一目置かれるビート・メーカーとして、国内外のコアなヒップ・ホップ・リスナーから愛されているBudamunk。既にお互いのアルバムに参加しあい、必要不可欠な存在同士となっている彼らが、改めてひとつのユニットを組み、アルバムをリリースする。それだけで、今年指折りの作品との前評判も頷けるのだが、試聴する前にトラック・リストを見ていただきたい。お分かりいただける通り、これは洋邦のラップ・ファンを巻き込む可能性を秘めた1枚だ。
まず、彼らの盟友の参加がたまらない。S.l.a.c.k.と実兄PUNPEE、そしてその友人でPSGの一員GAPPERが「Tokyo Driftin」で客演。ISSUGIとの相性の良さを発揮している。S.l.a.c.k.とISSUGIも所属する下北沢に拠点を置くストリート・ポッセ、Down North CampからOYGも参加。「Killin it」で鳥肌が立つ程のスキルを見せつける。それだけでなく、海外の強力なアーティストの参加も1つの今作の目玉だと言える。2000年前半のUSシーンに、クラシックな太くて土臭いビートを蘇らせたDILATED PEOPLESからEvidence。伝説のプロデューサーJ Dillaの実弟であり、自身のアルバム『Yancey Boys』で成功を納めたIlla J。黄金期であった90年代のニュー・ヨークの太いビートとライムを効かせるRoc Marciano。これだけのメンツが集まると、米ヒップ・ホップ・メディアにも取り上げられるという事件になるのだ。この決して今が旬というワケではないがクラシックな人選から、彼らのヒップ・ホップに対する尊敬と愛が滲み出ている。
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それだけでなく、Sick TeamはこのUSからの強力なゲストとの言葉の壁を感じさせない。それは、彼らがUSのラップと並べられるくらいのリズムの取り方をしているからだが、ここで少し注目して欲しい。彼らの真価はノリのためにメッセージ性を弱めず、両立させている点にあるのだ。何度も聞いていけば、日本語とも英語とも取れるように発音を変えることでリリックに解釈の幅を持たせたり、ダブル・ミーニングと取れるような言葉が入っていたりと、細部まで神経が行き届いていることに気づかされるだろう。まるでヘビロテで繰り返し聴かれる事を前提にしているかのようだ。こうしたハッとするような仕掛けはヒップ・ホップ・ファンだけでなく、多くの音楽好きを巻き込む可能性を持っている。『Sick Team』はまたもや多くの人を、ライムに頭揺らすラップ中毒にしてしまうような、大変危険な1枚なのだ。これから長い間、この"Sick"な音に病み付きになること間違いなし‼(Text by 斎井直史)
Sick TeamのメンバーによるSolo Works!
S.L.A.C.K. / 我時想う愛
いま邦楽全体でも要注目アーティストS.L.A.C.K.! 限定EPに続き新作遂に完成! 「EPでも無く、アルバムでも無い『我時想う愛』って作品」。(本人談)
S.L.A.C.K. / WHALABOUT
「シーンのルールに興味はない。これが俺だ。」前作デビュー・アルバム『My Space』から1年も経たないだろう。S.L.A.C.K.がまた何かを完成させた。セカンド・アルバム『WHALABOUT(ワラバウト)』。前作に比べ、RAP、TRACK共に、更に独自のゆるさと鋭さが共存している。もちろん大半のTRACKメイクを自らが手掛ける中、お馴染みMonjuから16FlipがTRACK提供。フィーチャリングに仙人掌。そして、Jazzy Sportから話題を呼んでいるBudamunkyのL.A.仕込みのビートも興味をそそる。
ISSUGI FROM MONJU / TheJointLP
日々の断片を切り取るかのようなリリックや、時にジョークを飛ばすように、時にシリアスに内面を切り出す言葉に東京特有のにおいを感じさせる。Udekikiの名のごとく中毒性を持つリリシズムとフロウは聞くたびに耳に染み込んでくる。Producerは16FLIPを中心にBudamunky、Malik、MASS-HOLE、PUNPEE、Gradis Nice as K-MOON、というISSUGIにドンピシャなDreamteam。いまだ1枚の作品に集まる事がなかったこのメンバーだが各アーティストを知るものならこの1枚が起こす化学反応に察しがつくだろう。
Sick Teamを好きなあなたにレコメンド
DJ PERRO / FRIEND OF BLEND -DJ PERRO SIDE-
このパッケージはPERRO Ver.となる今作は、MIC JACK PRODUCTIONのビート・コンダクターDJ DOGGことDJ PERROと『SNOW BLAND』をリリースしたMICHITAという北海道のヒップ・ホップ・シーン代表するビート・メーカー2人による強力なコラボ・アルバムが遂に完成! 参加MCはMIC JACK PRODUCTIONの盟友INIをはじめ、DOWN NORTH CAMPからMONJUのISSUGI、RUMI、道内からは072やMARCO、福岡からはCUBE c.u.g.pとSMOKIN EKS TENSION、大阪からはNAGAN SERVER、山口の若手注目MC BUPPON、BACK DROPS等!
Various Artists / COSMOPOLYPHONIC
RLPとKez YMというCPRオリジナルメンバーのコラボ曲"Six"で幕を開け、All CityからのリリースやDam Funkのリミックスでも知られるdevonwhoの涼しいブギー・ビートが続く。練馬のichiro_によるノイズ混じりのビートサイエンスにFujimoto Tetsuroのコズミックなミディアム・フュージョン・ナンバー。diyTokionの黒汁満載のfonk、カナダの歌姫Sarah Linharesをフィーチャーしたmfpのデジタル・ビート。湘南のプロデューサー・デュオThe Astronotesによるソウルフルな感傷に続くは、fitz ambro$eの分裂症気味のマッドなビート。Pursuit Groovesの独特なリズムで打ち鳴らされるブロークン・ビーツで辿り着いたのは、Kay Suzukiによるダビーなダブステップ等、全18曲。
PREFUSE 73 / Meditation Upon Meditations (The Japanese Diaries)
数々の名義で変幻自在のスタイルを操る彼が、3つの異なるプロジェクトから最新アルバムを立て続けにリリース。その最後を飾るに相応しい作品がこの「Meditation Upon Meditations」であり、本作は日本のファンだけに送られる限定アルバムである。自身いわく、今ファンが聴きたいであろうPrefuse73サウンドを具現化したのが本作であるという。ヒップ・ホップ、エレクトロニカの融合から更に深化を続ける彼の、日本に向けたプレゼント。これは受け取るしかないでしょう!
Sick Team PROFILE
BudaMunk
ヒップ・ホップのプロデューサーBudaMunkyは96年にLos Angelesに渡米。後にDJやビート作りを始める。2004年にMCのJoe StylesとOYGとKeentokersとして活動を始める。Keentokersは仲のいいクルーLive Radioらと共にSoul JugglerzとしてもLAアンダーグラウンドのステージで多くの通をうならしてきた。BudaMunk個人としてもローカルのイベントでビート・バトルでの優勝やビート・セッションに参加するなど、日本人でありながらLAのシーンで活躍してきた。2006年帰国後、Jazzy Sportからの作品リリース、MPCバトルでの優勝、最近ではS.L.A.C.KやISSUGIのプロダクションなど日本での活動の幅を広げている。
S.l.a.c.k.
From東京は、Skate Board Bridge(板橋地区)、実兄PUNPEEとその同級生GAPPER、そして兄のGirlFriend DJ MEWから成り立つPSGのラッパー & トラック・メーカー。S.l.a.c.k.は言うならば、Black & Free。12歳の時からFlowを初め、今に至る。2008年に『I'm Serious(好きにやってみた)』と言うアルバムを限定100枚、手売り、もしくはWENODのみという形で密やかに発表している。全曲がセルフ・プロデュースの作品は、マイナー・ファンからの評価も高い。現在は、Down North Camp、DOGERRECORDSとの交流が深く、ともに作品制作に取り組んでいる。S.l.a.c.k.の毎日にスケボーと音楽は仲間とつながるための携帯電話みたいなもの…
ISSUGI
東京を中心に活動するMONJUやDOWN NORTH CAMPのメンバー。仙人掌、Mr.PUGと共にMONJUとしてCCGをはじめとするCDへの参加で注目を集める中、2006年『103LAB.EP』をリリース。更に2008年にはMONJUの2nd EP『Black de.ep』をリリース、深みを増したアティチュードでヒップ・ホップが持つ本来の魅力を表現し、流行とは一線を画す東京の進化した黒いスタイルをみせつけ話題となった。数々のLIVEや作品で染み付いたフロウとB-BOYスタンスなリリックを武器に気の会う仲間達と夜な夜な音源を作り、LIVEを繰り返し今に至る。また現在東京屈指のバトルMCとして知られUMBや3on3 MC battleなどで注目される存在である。