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オピネル

見定められる道具『オピネル/カーボンスチールNo.08』|定番道具のモノ語り#16

質実剛健、丈夫さが必要な機能である山道具。だからこそ発売から10年以上も変わらない道具や、10年以上問題なく使い続けられる定番の山道具があります。そんな山道具の中から、ライター・ポンチョが愛用してきたモノを紹介。

今回は第16回、アウトドアの定番ナイフで、多くの人が使ったことがあるだろう『オピネル/カーボンスチールNo.08』のお話です。

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目次

アイキャッチ画像:ポンチョ

使う人の性格が丸見えになるナイフ

オピネル
撮影:ポンチョ

今回は、言い訳からはじめることになりそうです。

私は道具好きではありますが、ナイフ好きではありません。ナイフ好きは、そのブレード部分をピカピカに磨くようですが、私は刃を砥石で研ぐことはしても、ブレードをピカピカにはしていません。

だから今回紹介するオピネルのNo.08は、錆びやすいカーボンスチール製ということもあって、上の写真のような状態です。汚くはないですが、ピカピカではありません。

ネット検索すると、カーボンスチールの赤錆びを防ぐ黒錆び加工がオススメされています。ですが、「まぁ、今のままでいいか」と、見た目をよくするひと工夫もしていません。

オピネル
撮影:ポンチョ

「不満なく、切れればいい」という具合なので、片刃に研いで、ところどころ錆び跡のある、傷っぽい状態です。

こんな状態の私のオピネルを見た几帳面な道具好き氏が、「ふんっ……」と鼻で笑っていたのをよく覚えています。はい、まぁ、私のレベルは、それくらいです。

でも、いいんです。
例えばトレッキングシューズも、山から帰ってきたらしっかりと洗って汚れを落として防水スプレーをかけるくらいのメンテはします。が、ピカピカにまではしません。オピネルも同じです。汚れを落とし、ハンドルを乾燥させ、切れ味が落ちてきたら研ぐ。それでメンテナンスは完了です。

オピネルのカーボンスチールには、使う人の性格、キャラクターが、よく表れます。だから、見透かされたくなければ、オピネルのカーボンスチールは使わないほうがいいです。

馬鹿にされたくなければ、ステンレスブレードを

オピネル
撮影:ポンチョ

ちなみに、私はカーボンスチールのオピネルだけでなく、スリムタイプの形状でブレードがステンレススチールのモデルも持っています。こちらは錆び知らずなので、20年くらい使っていてもピカピカなままです。

几帳面氏に見られそうな機会には、今度はこのステンレス製のオピネルを……と思っていましたが、撮影のためによくよく見てみると、ブレードの根元、回転させてロックする金属部分に錆びが出ていました……。結局、また馬鹿にされそうです。いや、その前に磨いておくことにしますか。

ナイフを山で使うことって……

オピネル
撮影:ポンチョ

ところで私は、100年以上もの長きに渡って多くのアウトドア好きから愛されているこの定番ナイフを、登山のときには、ほとんど使ったことがありません……。山での調理には手間と量を必要分にしたいので、材料をカットして持って行きます。そのため、ナイフの出番がないんです。

だのに、毎回装備しているんです。オピネルは折り畳みナイフで携帯しやすく、46gと軽量。だから、エマージェンシー道具として携帯しています。

エマージェンシーではマルチツールのナイフの方が選ばれることが多いですが、あのナイフは「とりあえず感」が強い。使えなくはないけれど、ちゃんと使うなら、オピネルレベルのナイフが必要だと思うんです。

オピネル
撮影:ポンチョ

ブレード長は8.5cmあるので、小枝に切れ込みを入れやすく、火を焚くこともできます。さらにハンドルが握りやすい太さと形状なので、調理用としても十分に使えるものです。

だから、登山ではなく、バイクパッキングやキャンプでの調理で、肉やハムをカット、魚をさばいたり、ワインを飲みながらチーズをカットするときに使っています。

登山ではエマージェンシー用ですが、それ以外では調理用なので、「あれ、どこ行った?」とならないように、登山時も調理道具と一緒に携帯しているんです。

オピネルだけは不思議となくならない

オピネル
撮影:ポンチョ

振り返ってみて、今回紹介している2つのオピネルは、前述の通り20年は使っています。

けれども不思議なことに、私にはオピネルを購入した記憶がありません。当然ですが、盗んではいません。

誰かに、キャンプの際にプレゼントされたのかもしれませんが、記憶にありません。

とにかく、気が付いたら2つのオピネルが、私の調理道具セットに入っていました。

オピネル
撮影:ポンチョ

そうしていつの間にかオピネルを持つようになってから、購入したはずのいくつかのマルチツールを紛失してきました。
几帳面ではありませんが、確認を怠らない性格なので、忘れ物や失くし物をしません。でも、調理道具のセットやエマージェンシーキットに入れたはずのマルチツールは、いつの間に失くなってしまいました。

でも、このオピネルは失くなりません。
誰かに貸しても、戻ってきます。マルチツールはテーブルや炊事場に置いておくと、いつの間に消えていますが、オピネルは消えません。

オピネル
撮影:ポンチョ

マルチツールは、自分のモノと他人のモノと見分けが付きにくいところがあります。ブレードは錆びにくいステンレス、ハンドルは樹脂製で、ほとんど赤色。違いが出にくい道具です。

でもオピネルには同じモデル、例えばNo.08でも、ハンドルにプリントされたロゴの剥げ方に微妙な違いが出ます。手入れ次第で色味も変わります。

カーボンスチールのブレードであれば、前述の通り、個性が表れます。

だから、間違って持っていく可能性が低いのでしょう。
「あっ、コレは自分のではない!」 「コレは自分のだ!」と、判別がしやすいのです。自分色に染まることがオピネルの魅力であり、愛着が湧く理由でもあります。

一生モノの道具、受け継がれる道具

オピネル
撮影:ポンチョ

オピネルのカーボンスチール No.08の価格は、現在2,530円。スリムナイフ No.08は3,300円。アウトドア、そして登山道具は、大抵高価ですが、このナイフは、その性能に比してかなり安価です。

毎回の山行やキャンプで使っても、毎日使うことがなければ、研いでブレードが小さく、細くなって買い替えることもないでしょう。そして、なくならない道具なので、一生使えます。

オピネル
撮影:ポンチョ

そう、一生使える……あれ、記憶はボンヤリとしていますが、南の島のキャンプ場で誰かがオピネルのカーボンスチールを使っていて、それを私が借りて切れ味のよさに感激していたとき、「安いけれど、一生使える道具だよ。何本か持っているから、あげる」と、プレゼントされたような……いや、そういうシーンを見ただけかな?!

でも、そうやって旅人から旅人へ、キャンパー、ハイカー、自転車好きやバイク好き等々、受け継がれていくのも、オピネルならではの愛され方なのかもしれません。だから100年変わらず、さまざまな国で使われ続けているのでしょう。不思議な魅力を持った、道具です。

それでは皆さん、よい山旅を!

    オピネル カーボンスチール No.08

    品番41478
    サイズ刃渡り約85mm
    重量約46g
    材質刃:ハイカーボンスチール(XC90)、 ハンドル:ブナ材
    原産国フランス

      オピネル スリムナイフ No.08

      品番41622
      サイズ刃渡り約80mm
      重量約30g
      材質刃:ステンレススチール、ハンドル:ブナ材
      原産国フランス