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非国民通信

ノーモア・コイズミ

議員を目指しませんか?と誘われても、自分なら断ります

2016-08-28 22:52:06 | 政治・国際

地方議員年金、復活の動き 自民本部検討「人材確保に」(朝日新聞)

 いったん廃止された地方議員の年金制度が「復活」に向けて動き出している。自民党本部に地方議員の年金を検討するプロジェクトチーム(PT)が発足。全国都道府県議会議長会が7月、地方議員が年金に加入できるよう法整備を求める決議をした。一方、大阪府議会では22日、自民党府議団が「白紙撤回を求めるべきだ」と反対する方針を打ち出した。

 地方議員の年金制度は、議員の掛け金と自治体の負担金によって運営されてきた。だが、市町村の「平成の大合併」に伴う急激な議員数の減少で年金財政が悪化。民主党政権下の2011年6月に廃止された。

 しかし、昨年発足した自民党本部のPTは、地方議員の年金の新制度の検討を開始。年金制度の「復活」には法整備が必要で、全国都道府県議会議長会は決議で、地方議員のなり手不足が大きな問題になっているなどとして、「年金制度を時代にふさわしいものとすることが、人材確保につながっていく」と法整備を求めた。

 

 野党の体たらくに比べればマシなのかも知れませんが、自民党も人材不足が深刻と見えるところ、その辺を自覚してかはさておき地方議員の年金制度を復活させようという動きがあるようです。確かに今時の議員と言ったら「家業を継いだだけ」の世襲議員か働く必要のない資産家の生まれか、そうでなければ良くも悪くも「奇特な人」ばっかりみたいな印象もあります。自分の人生設計を真面目に考える実直な、良くも悪くも「普通の人」を議会に呼び込むためには、年金制度の復活は多少なりとも有用なのかも知れません。

 とかく厚遇であるかのように言われがちな政治家稼業ですが、しかし待遇目当てに議員になった人って、実際どれだけいるのでしょうね。その辺は調査しようとしたところで正直に答える人もいないとは思われます。ならば、自分に置き換えて考えてみるのはどうでしょうか。市議会議員、県議会議員の地位は今の仕事を辞めてでも就く価値があるのか、落選のリスクその他を鑑みれば損なのか得なのか――あるいはもしあなたが家族を養う立場にいるなら、家族に「仕事を辞めて選挙に出ようと思うんだ」と相談してみたらいかがでしょう。もし賛成が得られるなら、議員とは「おいしい仕事」なのだと言えますが。

 実際のところ、現役の議員が執着しているのは金銭とは別の何かであるような気もします。「身を切る改革」などと称するふざけた政党もあるわけですが、それは要するに議員にとって金銭的な部分などは「切り捨てても惜しくはない」ものだから、ではないでしょうか。これ見よがしに切り捨ててみせるものこそ、実は当の議員にとってはダメージの小さい部分であって、彼らが本当にしがみついている対象は、もっと別にあるように思えるのです。

 その辺は別の機会に譲るとして、まず実情として日本では議員を兼業することが難しい、マトモな収入の得られる仕事と議員活動の両立は、それこそ企業側の全面的な協力でもないと不可能なわけです。要するに、現実的ではない、議員になるなら議員報酬だけで食べていく、議員報酬だけで家族を養っていく、議員報酬だけで己の人生の将来設計を立てる覚悟が必要になるのです。そのような状況で、どれだけの真人間が議員になりたがるのかどうか? ならば日本の労働慣習を改めていくのも良い手ですが、それはあまりにも遠い道のりでもあります。当座の実現しうる改善案としては、議員向けの年金制度の復活ともなるのでしょう。

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同一賃金でも不公平なのだが

2016-08-21 21:27:41 | 雇用・経済

非正規賃金、正社員の8割に=働き方改革、月内にも始動-政府(時事通信)

 安倍政権が最重要課題と位置付ける「働き方改革」の柱の一つ「同一労働同一賃金」の実現に向け、政府は非正規労働者の賃金を正社員の8割程度に引き上げる方向で検討作業に入る。9月に予定する「働き方改革実現会議」発足に向け、具体策づくりを担う「実現推進室(仮称)」を8月中にも内閣官房に設置し、準備を加速させる。

 実現会議は安倍晋三首相が議長を務め、加藤勝信担当相や塩崎恭久厚生労働相ら関係閣僚と労使の代表、有識者で構成。(1)同一労働同一賃金の実現(2)長時間労働の是正(3)高齢者の就労促進(4)障害者やがん患者が働きやすい環境の整備-を主なテーマに、来年3月までに行動計画を取りまとめ、関連法案を国会に提出する段取りを描く。

 

 「働き方改革」の柱の一つが「同一労働同一賃金」とのことですが、その具体案として「非正規労働者の賃金を正社員の8割程度に引き上げる方向」なのだそうです。なんだかいきなり「同一ではない」目標が大まじめに設けられつつあるようで、まさに出オチと言ったところでしょうか。非正規社員と正社員とで労働内容が同一ではないとの前提もあるのかも知れませんけれど、最初から看板倒れの印象を受ける人も多いであろうことは想像に難くないですね。

 安倍政権が掲げたインフレ目標は、ご存じのように達成されていません。実際の到達点は往々にして目標よりも低いものになりがちなのだから、2%を狙うならば5%くらいの目標を掲げておかなければ駄目だろう等々と、先見性のある人は語っていたものです。非正規労働者の賃金目標も然り、目標値が8割では、実際に到達できるのは正社員の6割が良いところでしょう。8割を目指すなら、看板は10割にしておかないと期待すら出来ません。

 現実問題として非正規社員の賃金水準は低い、月給レベルではまだしも賞与などを含めると差は広がる、昇給機会や雇用の継続なども鑑みて生涯賃金を考慮すれば歴然たる差が出てしまうわけです。そこから「非正規労働者の賃金を正社員の8割程度」に持って行くことができるのなら「現状に比べれば」改善とは言えるのかも知れません。しかし8割では目標を達成したところで同一労働同一賃金の達成には遠いのも現実です。「当座の是正措置として8割」の目標はアリとしても、「終着点として8割」では話にならないと言えます。

 そもそも、「同一労働同一賃金」で良いのでしょうか。概ね雇用の継続が期待できる正社員と、いつ失職するか分からない非正規社員の場合、労働内容が同一でも抱えているリスクは異なります。公平性の観点からは、失職のリスクを負わせている分だけ非正規社員には正社員よりも高い賃金が支払われなければなりません。ところが、ハイリスクな働き方ほどローリターンというのが現実だったりするわけです。我が国の労働市場における競争は、常に不公平なのです。

 もし既にそういう先行研究があれば教えて欲しいのですが、まずは「リスクに応じて許容される賃金差」を意識調査してみる必要があるのではないか、と思います。正規/非正規格差の問題ならば、「非正規(有期)雇用に伴う失職リスクは、どれだけの割増賃金が支払われるならば許容できるか」、あるいは正社員間でも「転勤のあり/なしで、どこまでの賃金格差が許容できるか」、「時間外残業のあり/なしで、どこまでの賃金格差が許容できるか」「本人の意思に反した異動のあり/なしで、どこまでの賃金格差が許容できるか」等々。

 僻地や海外に飛ばされるかも知れない、深夜や休日でも会社に拘束されるかも知れない、全くの畑違いの仕事を強いられるかも知れない、そうしたリスクを負わされている社員が、そうでない社員よりも高い賃金を得ることには概ね社会の理解が得られることと思います。ただし、当然のことながら無制限ではありません。果たして「どこまで」が妥当なラインなのか、細かな項目毎に広範な調査が行われるべき――そして時代の変遷に合わせて継続的に更新されるべき――と考えます。そうすることで「僻地に飛ばされるリスクは少ないけれど、いつ契約を打ち切られるか分からない」ような雇用形態の妥当な賃金も分かろうというものですから。

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日本の社会人としてのマナーや常識は、自衛隊から教わることが望まれているようです

2016-08-14 23:00:15 | 社会

ユニーク新人研修続々 自衛隊入隊やしょうゆ造り…(神戸新聞)

 社会人としてのマナーや一般常識を教える新人研修に近年、ユニークな指導方法を取り入れる企業が増えている。規律やチームワークの大切さを身に付けることを目的に、異業種での研修や自衛隊への体験入隊を活用する企業も。一方、そうした研修を行う背景には、かつてのような厳しい社内指導は「パワハラと捉えられかねない」との事情もあるようだ。

 印刷業の大和美術印刷(兵庫県姫路市網干区新在家)の新入社員7人は、社内研修でトマト味や黒ごま味など6種のオリジナルしょうゆを造った。8月から販促物として営業先に配っている。

(中略)

 自衛隊の体験入隊を活用する企業も目立つ。陸上自衛隊姫路駐屯地(姫路市峰南町)でも数年前から増え始め、今年は播磨地域の27社を受け入れた。参加者は2泊3日の日程で、敬礼や行進、登山などに取り組む。

 姫路市内の製造会社は長年社内研修を続けてきたが、「時代が変わり、パワハラと非難されるケースも出てくるかもしれない」と、数年前から体験入隊を取り入れている。同社の関係者は「厳しい訓練で負けん気を培ってもらいたい」と期待していた。

 

 記事では「近年」と書かれていますけれど、「近年」が指し示す具体的な範囲は果たしてどれくらいの幅があるのでしょうね。少なくとも、この2~3年の傾向ではない、むしろ長年に渡って継続中の傾向なのではないか、という気がします。もちろん研修と言ったらOJT(仕事は先輩社員から教わってください)一本槍の企業も多いわけで、それに比べれば会社として研修の機会を設けているところはマシな部分もあるのかも知れません。しかし、一口に研修と言ってもムダであるどころか有害なものも多いのではないでしょうか。

 ここで挙げられている例では、印刷会社が新人に醤油を造らせたのだそうです。醤油造りが印刷業にどう関係するのか理解できませんが、きっと研修を「受けさせた」側はご満悦なのでしょう。コミュニケーション能力溢れる新人社員たるもの、会社の偉い人に「全くのムダでした」などと直言することは考えにくいだけに、「仲間意識も強くなった」云々と曖昧な効用を並べて馬鹿げた研修を肯定して終わらせているケースが多いのではないかと推測されます。

 総じて日本の会社が企画する「研修」は、専ら業務に関わりのないことばかりだったりするのではないでしょうか。研修と称して本来業務とは無関係な精神論や都市伝説、似非科学を教え込まれている人は多いような気がします。まぁ不合理なことでも会社の命じることならば無条件に肯定できる、そうした人間を選別し育てていきたいというのが本当の思惑であるならば、目的に適ったところはあるのかも知れません。会社の決めた研修に疑問を持つのか、それとも賛同するのか、少なくとも踏み絵の目的なら果たせていますから。

 そして大人気の自衛隊研修です。なんでも「時代が変わり、パワハラと非難されるケースも出てくるかもしれない」と自社研修から自衛隊への体験入隊に切り替えた会社もあるようですが、社員を自衛隊の訓練に参加させるのはパワハラではない、と考えられていることが分かります。確かに日本社会において自衛隊とは神聖にして不可侵の絶対正義です。自衛隊に対して否定的(と解釈される)言動があれば囂々たるバッシングの嵐が待っています。たとえ実態はパワハラでも、自衛隊のやることならば感謝されこそすれ非難はされないだろうとの算段が成り立つのでしょう。

 自衛隊研修の参加者は、2泊3日の日程で敬礼や行進、登山などに取り組むとのこと。これがどう業務に役立つのか、やはり私には理解できません。しかしまぁ敬礼はともかく、行進や登山となると小中学校を思い出しますね。私の幼少期を振り返れば高校受験を前に進学塾に通って初めて勉強を教わったと言いますか、小中学校では専ら整列と行進の練習に明け暮れていた記憶がありますが、他の皆様はいかがでしょうか。いずれにせよ、会社の定めた教育として提示されるのが「敬礼や行進、登山」というのは日本の会社ひいては日本社会が求めるものを端的に表していますね。

 もう一つ自分の経験から話せば、自分は就職活動で大学の成績を問われたことは一度もありません。今なお「学歴フィルター」の存在が至る所で指摘される日本社会である反面、問われているのは「どこの大学を出たか」であって「大学で何を学んだか」ではないことが分かろうというものです。それどころか高校や大学で学んできたはずのことを否定して、自衛隊などで「再教育」したがっているのが我々の社会なのだとすら言えます。求められているのは教養ではなく、軍隊的な性質の方なのです。いわゆる軍靴の足音ってのは、むしろ政府なんかよりも会社の方から聞こえてくるものなのでしょう。

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消費税増税の結果

2016-08-08 22:30:30 | 社会

国税滞納残高、1兆円を下回る 29年ぶり(朝日新聞)

 国税庁は3日、2015年度の所得税や法人税、消費税などの滞納残高が前年度から8・2%減少し、9774億円だったと発表した。17年連続の減少で、1986年度以来、29年ぶりに1兆円を下回った。税の滞納は国の税収に影響するため、同庁は滞納額を減らす取り組みを進めており、「コールセンターなどで滞納の未然防止に力を入れた結果」としている。

 一方、消費税の新規の滞納額は4396億円で33・4%増えた。14年4月から消費税の税率が8%に上がったことで、一部の事業者が払えなくなったことが要因とみられる。

 

 さて国税の滞納残高は概ね減少傾向にあって、ようやく1兆円を下回ったことが伝えられているわけです。まぁ現代は国内レベルの脱税よりもタックスヘイブンを活用した脱法節税の方が主流になりつつありますから、ちょっとやそっとの滞納額の減少に安堵してはいられないのかも知れません。取るべき税金を取れていないケースは、必ずしも減っていないのではないでしょうかね。

 なお2015年の新規滞納額は以下の通りです。

所得税 1,552億
法人税  634億
相続税  269億
消費税 4,396億

 全体として滞納は減少傾向にある中で、消費税に限っては33.4%もの大幅な増加に転じていることが伝えられています。おそらく阪神は関係ないと思いますが、これだけ滞納が多ければ徴収・督促のためのコストも嵩んでいるはず、消費税増税を強硬に主張してきたはずの朝日新聞には事実を伝えるだけではなく、何らかの釈明の一つも求めたいところです。

 消費税の滞納増の要因として「消費税の税率が8%に上がったことで、一部の事業者が払えなくなったこと」が挙げられています。建前として消費税は消費者が負担することになっていますが、実際は違うことも伺われるでしょうか。要するに税込み108円の商品ならば消費者が消費税として8円を負担しているように見えますが、税込み100円の商品に課せられる消費税は誰が負担しているのかどうか、その辺がきわめて曖昧なまま施行されている、実際問題として「支払えない事業者」が頻出しているのが消費税なのです。

 結局のところ、「消費税を価格に転嫁できる強い事業者」であれば消費税を負担するのは消費者になりますが、「価格に転嫁できない立場の弱い事業者」の場合は往々にして消費税を「売る側」が負担していると言えます。だからこそ、税率が上がると耐えられない(税を滞納する)事業者も増えるわけです。税には透明性や公平性が求められますが、「誰が負担しているか曖昧」かつ「往々にして弱い側に負担が押しつけられがち」な消費税がとんでもない欠陥税制であることは繰り返すまでもないでしょう。

 どのみち消費税に関して納税の手続きを取るのは売る側の事業者になるのですが、どちらが負担するにせよ滞納される額が際立って多いのが消費税であるわけです。消費者(買う側)が負担するという仮定の下でさえ逆進性が指摘されており、かつ実際の負担者は「立場の弱い方」になりやすいという面で消費税には二重の逆進性があります。そして8%への税率引き上げはリーマンショック級の後退をもたらすなど、消費税には極大の景気引き下げ効果がある上に、他の税制に比して際立って滞納が多いことも伝えられているとおりです。財政再建の面ですら消費税には二重の欠陥がある、まさに救いようのない代物であることは言うまでもありません。

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無党派層の選択

2016-08-03 23:31:41 | 政治・国際

自民支持5割、小池氏に=推薦の増田氏上回る-都知事選出口調査【都知事選】(時事通信)

 31日投開票の東京都知事選で時事通信が実施した出口調査によると、自民党支持層の投票先として最も多かったのは小池百合子氏の52%で、同党の推薦候補だった増田寛也氏の40%を上回った。小池氏は、全体の半数近くを占めた「支持政党なし」の無党派層からも50%を獲得し、他の候補を引き離した。

 公明党支持層のうち63%が同党推薦の増田氏に投じたが、31%は小池氏に流れた。鳥越俊太郎氏を推薦した民進党の支持層では、56%が鳥越氏に投票したが、30%は小池氏に一票を託した。増田、鳥越両氏は組織を固めきれず、政党推薦なしで臨んだ小池氏が票を奪う形となった。無党派層でも、増田氏は23%、鳥越氏は19%の得票にとどまった。

 

 さて東京都知事選も終わったわけですが、結果はと言えば小池氏の圧勝でした。実際のところ、どの程度まで予想された未来であったのか興味深くもあります。小池百合子ではなく増田寛也を推薦した自民党、鳥越俊太郎を推薦した民進党、それぞれどこまで勝算があっての人選だったのでしょうね。自民、民進、共産そして無党派層諸々、それぞれ思惑はあったはずですが――

 まず自民党を見ますと、党(が擁立する候補)の勝利を優先するのであれば小池百合子に便乗するのが簡単であったはずです。そうではなく、小池よりずっと中道寄りの増田寛也を立てたのは党執行部の良心とも言えますし、選挙で全く太刀打ちできなかったのは党の内部統制の問題とも言えます。結局のところ自民党のトップは野党が訴えるほどには強権的ではない、小池よりは「右よりでない」候補を優先する程度のバランス感覚も備えている一方で、党内の異論を封じ込めるほどの統制力を有しているわけでもない、ぐらいが実態でしょうか。

 一方で民進党ですが、どこまで本気で鳥越俊太郎が対抗馬たり得ると思ったのかどうか疑わしくもあります。前回選挙で民主党は知名度抜群の候補者と小泉純一郎の協力もありながら、共産党が推した宇都宮健児の後塵を拝するなど苦杯をなめる結果でした。その後は共産党への攻勢を強めているわけですが、ことによると今回選挙でも共産党色の強い宇都宮が前面に出てくるのを阻止するのが最優先であったのかな、という気もします。候補は誰でもいい、勝てなくてもいい、ただ共産党候補が与党への批判票を持って行く事態だけは避けたい、その辺りが本音ではないでしょうか。民進(民主)党が本当に対立してきたのは共産党であって、大多数の自治体では自民党は連立のパートナーなのですから。

 そして非・自民党支持層の投票傾向を見ると、いずれも小池百合子>増田寛也となっています。安倍自民党が擁立した候補よりも明らかに右寄りの候補を、無党派層も民進党支持層も共産党支持層は好んだわけです。選挙結果を受けて安倍首相は「今回示された民意をかみしめ」云々と語ったそうですが、示された民意は「もっと右に、もっと保守的に」と言うことなのかも知れません。

 あるいは、民進党支持層にとっても共産党支持層にとっても、最優先なのは「安倍自民党にNO」であって、「右傾化にNO」ではなかったのだとも考えられます。小池百合子を支持できるのあれば、あくまで野党支持層が反発しているのは自民党の看板であって、自民党の政治的傾向に反対しているのではないのだ、と言うほかありません。小池百合子の政治的な立ち位置は、非自民党支持層にも受け入れられているわけです。結局のところ自民党に一線を踏み越えさせるものがあるとしたら、安倍晋三ではなく外にあるのかな、という気がしてきますね。

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