解雇(かいこ)とは
類語として、免職、解任、契約解除など様々な用語があり誤用されやすい点も記載する。
概要
- 使用者が、雇用契約を解約することである。クビとも。(例:会社をクビになった)
- 任期満了、定年退職、本人の意思で自主退職した場合は解雇に含まれない。
- 雇用関係にない場合はクビであっても解雇とは言わない。
- 使用者側の都合により一方的に雇用関係を解消することを指し、労働者の合意は必要としない。
- 解雇が大規模に行われる様子を、「リストラ」と言われている
- (注)厳密には誤った言葉の使い方である。「リストラ」の本来の意味は「再構築」である。
- (→誤用の多い日本語の一覧)
- (注)厳密には誤った言葉の使い方である。「リストラ」の本来の意味は「再構築」である。
…要するに身も蓋もなく言えば「お前はもういらん」と会社をやめさせられる事である。
理由は必要
日本においては社会の常識に照らして納得できる理由が必要であり、好き勝手にクビにはできない。
…とはいっても、しょーもない適当な理由で社員、優秀な人間を解雇するような会社は「ウチは経営センスや見る目のないクソ企業です」とご丁寧に言ってるようなものであるが。
国によってはあっさりクビになる場合もある。
解雇される理由
- 本人は特に悪いことをしていないが、会社の都合。
- 本人に非がある場合
- その他
- 企業側が悪質なもの
あっさりクビになる場合もある
海外においては割と解雇の敷居が低い場所もある。ただし一長一短。
その他
- 常軌を逸するレベルで仕事ができないなど、退職を促される場合もある。
- 窓際に追いやられる、追い出し部屋で無意味な作業を淡々とやらされる場合もある。
- 義理堅い雇い主の場合、退職時の給与に多少の色をつけてくれたり、別の働き先を紹介してくれる場合もある。解雇したことを恨まれないため…という意味もあるため無意味ではない。
- アメリカなど、解雇決定後に解雇者に嫌がらせされないよう、解雇の時点で会社の外へ追い出される。
- 引き出しやロッカーの中身の私物などは返却してもらえる。
解雇ではないが上層部・経営方針が無能すぎたり報酬をケチるとせっかく入った優秀な人間が見切りをつけて次々と辞めてしまい、結果的に「優秀でない人」が残りやすくジリ貧の人手不足になりやすい。もちろん多額の退職金をつけて希望退職者を募っても優秀な人から辞めていく。
難癖付けて退職を許可せず違約金・損害賠償・代わりを連れてくる事を要求する事例もあるが、強制労働にあたるため違法であり義務は1ミリもない。人手不足だろうが退職は労働者の権利であり労働者側の意思が優先される。
再就職関連
資格を取るのも良いが、名ばかりで役に立たないものも多いため要注意。
身を守るための十分な情報を備えて挑んでください。
辞職した際、雇用保険における失業手当(失業保険)などもお忘れなく!
※手続きが必要で、辞職したら勝手に振り込んでくれる訳ではない
現在はインターネット検索によっても企業レビューなど様々な情報を手に入れられるため、「調べるのが面倒」とか言ってるとブラックな企業を掴まされることになるので注意。
あまり偏見はない
「辞めた奴を雇ってくれる企業などない」なんて脅しもあるが、仕事を辞めても人生は終わらないし転職して普通に働いている人、中途採用者も大勢いる。むしろそういった企業説明会もあちこちでやっている。特に問題を起こさなければ偏見の目はない。優秀なら懇意にあしてもらえるかも。特に問題がないのに中途採用というだけで酷い偏見に遭うなら、その職場や人格を疑ったほうがいい。
元々が人手不足な業種や田舎など、割と好条件な場合はある。(肌が合えば)やってみたら思いのほか、割となんとかなる部分もある。「取り越し苦労」「住めば都」かも。
給与・職種・勤務地など希望条件を緩和して探すのも有効。資格や特技が活かせないかもしれないが。
犯罪で懲戒解雇される(前科・逮捕歴)、迷惑系Youtuberやバイトテロとして悪名を轟かせる、年齢と比較し転職が多すぎると流石に厳重警戒されるので注意。
芸能人などに対する「解雇」の概念と誤用
その契約形態や、言葉の意味から、主に使用者と会社員(給与所得者)やパートタイマーとの間において労働契約が一方的に解消が使用される際に使用される言葉である。
しかしマスコミ報道などでは、芸能プロダクションに専属する芸能人などに対して、不祥事などで事務所とのマネジメント契約を解除するに至った際に、マスコミを含めて「解雇」という言葉が誤って使用されるケースがまかり通っている現状にある。
芸能人に支払われる報酬は、駆け出しの頃などを除けば通常完全歩合給(フルコミッション)を基本としている。また仕事をする時間も一定ではない。このような環境で、芸能プロダクションが所属芸能人を雇用する形態を取ると、労働基準法をはじめ様々な法律に抵触する恐れが極めて高くなってしまう。
仮にタレントを雇用した場合、全く仕事が無いタレントに対しても最低賃金または基本給の6割以上の固定給を支払うなどの制約が生じるため、売れっ子タレントの報酬に回せる報酬がその分少なくなってしまったり、休暇や労働時間の管理なども必要となってくる。芸能人の立場から見ても、給料制だといくら売れても手元に入るギャラが頭打ちになってしまうというデメリットが生ずる。
このため、芸能プロダクションに所属する芸能人を一種の自営業者(自由業者)とみなし、「専属マネジメント契約」という一種の委任契約を結ぶケースが大半となっている(ただし一部のプロダクションにおいては例外が存在する)。
しかしながら、芸能プロダクションは所属芸能人に対して強い拘束性や排他性を有する契約内容となっており、所属タレントは事務所が用意してきた仕事を遂行する義務を負わされているなど、ある面においては「労働契約」としての側面も有する契約内容であることは確かである。
このような関係から、芸能人とプロダクションの間に労使関係が存在すると誤認している者が多いことも、不祥事などが原因で芸能事務所との契約を解消された際に「解雇」という言葉がまかり通る理由の一つになっていると言えよう(双方で締結されている契約の内容に則って言うならば、「契約解除」と言うのが正しい)。
なおプロスポーツ選手も同様、事業性の有無(選手ひとりひとりが個人事業主と扱われること)、所属する団体に対する従属性の二重構造(プロ野球の場合、球団と日本野球機構それぞれに対して従属性があり、なおかつ選手自身にも個人事業主としての側面がある)があることなどから、チームが所属選手を解雇するといった表現も厳密には誤りであると言える(選手なら「退団」、監督・コーチなら「解任」といった言葉の方が適当と言える)。
その他の誤りやすい用法
- ×公務員が不祥事を起こして解雇 → ◯「免職」である。
- ×取締役が経営責任を問われて解雇 → ◯「解任」である
(会社役員は株主からの委任を受けて会社を経営している立場にあり、雇われているのでは無いため) - ×コンビニ店員の不始末の責任をとって、同時に店長も解雇 → ◯「フランチャイズ契約の解除」
(コンビニの店長の大半は個人事業主であって、雇われ店長ではない。ただし直営店を除く) - その他、芸能人などと同様に一社専属で業務の委託を受けている者が取引先からの契約を打ち切られる場合も解雇ではなく「契約解除」というのが正しい。
(例)生命保険外交員、電気・ガス・NHKなどの集金人、販売人(ヤクルトレディなど)、各種士業・サービス業、特定の元請工事業者一社に専属して働いている工事現場などの労務者(いわゆる「一人親方」)、各種技術職・プログラマーetc…
これらの者は、皆従業員を持たず、自分の体ひとつで働いていることや、その会社を名乗って仕事をしていることが多いため、その会社等の従業員と思われがちだが、実際はそうではなく皆が「一人事業主」なのである。
即ちその企業とは業務請負(委任・委託)契約を結んでおり、雇用契約は結んでいないということである。 - プロスポーツ選手も上記の例と同様であるが、唯一相撲界だけは例外で、「力士は日本相撲協会に勤務するサラリーマン」という立場にある。
よって、力士が不祥事などを起こして引退した場合に限り「解雇」と表現するのは、正しい用法となる。 - その他特殊な例として、住宅販売業者に勤務している者については、内勤に関する事務は「従業員(雇用関係有り)」、セールスに関する事務は「事業主(雇用関係なし)」という特殊な契約を結んでいる業界もある。
編集者としては、一般市民に限らずマスコミがこれらの誤用を連発して、誤解を広めている点も問題視されるべきではないか、言葉の意味をちゃんと認識しておかなければいけないんじゃないか、と思うところである。
フィクションにおける解雇
極端な例が多い。解雇後から描写される場合もある。
部分的には現実にも起こりうる。
- 荒れる、ヤケ酒
- うまい話に騙される
- 犯罪行為に走る
- 田舎で暮らす、地元に戻る
- 公園のベンチやブランコでため息をつく、将来を憂う
- 謎の人物に拾われる
- 異世界転生する
- 病死・自殺などで死亡する。(※物語の主人公ではない場合も多い)
- ギャグ作品だと「お前はクビだ」と終わるオチも珍しくない
解雇された本人の夢を叶えるべく、子供や親族が主人公となって活躍するパターンもある。