Location via proxy:   [ UP ]  
[Report a bug]   [Manage cookies]                
スキップしてメイン コンテンツに移動

投稿

ラベル(三法展転因果同時)が付いた投稿を表示しています

ヒトとサルをつなぐ100年前の大発見、猛反発からの意外な逆転劇

最初は南アフリカで暖炉の飾りに過ぎなかった霊長類の頭蓋骨化石が、後に人類進化の鍵となる発見として注目された。1924年、レイモンド・ダート教授が「タウング・チャイルド」と名付けたこの化石は、直立歩行の証拠を示し、ダーウィンの「人類発祥の地はアフリカ」という説を裏付けるものとされた。しかし当時の科学界は、アフリカ起源説やアウストラロピテクスの重要性に否定的で、特に「ピルトダウン人」という捏造化石が支持されたため、ダートの発見は長く評価されなかった。 1953年、ピルトダウン人が捏造と判明したことで状況が変わり、アフリカにおける人類の起源が科学的に認められるようになった。その後、次々と化石が発見され、特に1970年代にエチオピアで発見された「ルーシー」によって、人類進化の流れがより明確になった。ルーシーの発見は、タウング・チャイルドから始まった研究の成果の集大成といえる。結果として、脳の大型化よりも先に直立歩行が進化したという新たな理解が確立された。( ナショナル・ジオグラフィック ) --- 英国人はおもしろい、人類のアフリカ起源説が気に入らなかったのか、化石まで捏造していたとは。 -- 何より重要だったのは、「ピルトダウン人」と呼ばれていた化石だ。1912年に英国で見つかり、人類の祖先ではないかと考えられていた。大きな脳と類人猿のような顎をもつこの化石は、「人類はまず脳が進化し、二足歩行といった他の特徴が現れたのはその後だ」とする仮説を裏付けるものだとされていた。 「タウングはそれとは正反対でした」。そう話すのは、古人類学者のバーナード・ウッド氏だ。  タウング・チャイルドは、脊髄につながる穴が頭蓋骨の底にあり、直立歩行していたと示唆される。しかし、脳は小さいため、「脳のサイズではなく、直立歩行が進化の鍵となった」ことを示している。ピルトダウン人と比べると、類人猿とヒトの特徴が混在しているアウストラロピテクスは、それまでの定説を覆す存在だった。  英国の多くの一流科学者たちは、進化の系統におけるピルトダウン人の位置を支持していたため、ダートの発見は滑稽なものとみなされた。そのため、タウング・チャイルドは完全に人類の系統から外され、若いチンパンジーか何かだろうと扱われた。批判の急先鋒だった解剖学者のアーサー・キースは、アウストラロピテクスを人類の祖先とする考え方を「ば...