米国株式のほぼすべてに投資ができる、楽天証券の楽天VTI。楽天VTIに興味があるものの、特徴やどんな人に向いているのかが分からず、一歩踏み出せない人も少なくないはずです。
本記事では、楽天VTIの特徴や手数料・配当金などを徹底的に解説します。購入方法や購入時の注意点も詳しく紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
大学卒業後に銀行員として勤務、法人顧客の経営支援・融資商品の提案や、個人向け資産運用相談を担当。 2020年にマイベストに入社、自身の銀行員時代の経験を活かし、カードローン・クレジットカード・生命保険・損害保険・株式投資などの金融サービスやキャッシュレス決済を専門に解説コンテンツの制作を統括する。 また、Yahoo!ファイナンスで借入や投資への疑問や基礎知識に関する連載も担当している。
まずは、楽天証券の楽天VTIとは何かについて解説します。
楽天VTIの正式名称は、楽天・全米株式インデックス・ファンドです。
インデックスファンドとは、日経平均株価のような特定の指数との連動を目指す投資信託のこと。日経平均株価が225銘柄で構成されるように、インデックスファンドも多くの銘柄を含んでいるため、初心者でもリスクを抑える分散投資が可能です。プロに運用を委ねられる点も、大きな特徴といえます。
楽天VTIが連動を目指す指標は、米国株式市場に上場しているほぼすべての銘柄をカバーした「CRSP USトータル・マーケット・インデックス」。CRSP USトータル・マーケット・インデックスの価格が上昇すれば、楽天VTIの価格も連動して上昇し、利益を得ることができます。
楽天VTIは楽天グループよって運用される投資信託ですが、ほかの証券会社からでも購入することが可能です。
楽天VTIの主な投資対象は、バンガード・トータル・ストック・マーケットETF。アメリカのバンガード社が提供する上場投資信託(ETF)です。
上場投資信託(ETF)は、特定の指数との連動を目指す投資信託のこと。指数連動型である点はインデックスファンドと類似していますが、株式などと同様に金融商品取引所で取引できるのが上場投資信託(ETF)の大きな特徴です。
バンガード・トータル・ストック・マーケットETFが連動するのは、CRSP USトータル・マーケット・インデックス。楽天VTIを購入すれば、ドルに両替してバンガード・トータル・ストック・マーケットETFに投資しなくても、CRSP USトータル・マーケット・インデックスと連動した成果を得られます。
バンガード社は世界最大級の投資運用会社で、実績も豊富。低コストで良質な金融商品を提供しているので、初心者でも安心して投資できるでしょう。
楽天VTIの主な投資先は、アップル・マイクロソフト・アマゾンなど世界的にも有名な大企業です。
ほかにも中小企業の株式を含む、米国株式市場の約4,000銘柄に投資しているので、一部の企業の株価が下落した場合でも損失のリスクを抑えることができます。
楽天VTIの投資対象は米国市場に限定されるため、ヨーロッパやアジアなどの地域に投資できないデメリットがあることも理解しておきましょう。米国市場全体の成長が停滞した場合には、安定したリターンを得られなくなる可能性もあります。
世界のトップ企業が集まる米国市場なので今後の成長にも十分期待できますが、ほかの市場にも投資しておきたい場合は、全世界を対象にしたインデックスファンドの購入を検討するのもおすすめです。
2022年10月7日現在、楽天VTIは直近3年間の利回りが20.47%と高い配当利回りを誇っています。新型コロナウイルスやウクライナ戦争の影響で一時的な値下がりは生じたものの、長期的に見れば楽天VTIの価格は上昇しているといえるでしょう。
米国市場の成長率は高く、一般的にも国内ファンドより米国ファンドのほうが運用成績がよくなるといわれているため、ハイリターンを狙いたい人にはとくにおすすめです。
楽天VTIの信託報酬は、0.162%と安いのが特徴です。信託報酬は、投資信託の運用・管理手数料のことで、投資信託を保有し続けている限り支払い続ける必要があります。
信託報酬は0.5〜2.0%が一般的といわれているので、楽天VTIの0.162%は格安です。商品によっては、信託報酬が3%近くに設定されているケースもあります。
長期的に運用する場合、信託報酬は0.1%違うだけでも最終的な総資産が大きく変動するため、信託報酬の安い楽天VTIはお得な商品といえるでしょう。
楽天VTIは、新NISAのつみたて投資枠やiDeCoでも購入が可能です。つみたて投資枠で購入できるのは金融庁が定めた基準をクリアした投資信託だけなので、楽天VTIの安全性も信頼度が高いといえるでしょう。
つみたて投資枠やiDeCoは大きな節税メリットを享受できるので、楽天VTIの購入時には積極的に利用するのがおすすめ。
つみたて投資枠で楽天VTIを運用すれば、非課税期間が無期限の運用益を受け取ることが可能です。iDeCoであれば原則60歳まで運用でき、運用益が非課税になるだけではなく、掛金も全額所得控除の対象になります。
楽天VTIはスポット購入・積立のどちらでも購入できるので、自分の投資スタイルに応じた運用が可能です。
スポット購入は、好きなタイミングで投資信託を購入する方法。自分で購入のタイミングを見極めたい人や、楽天VTIを試しに購入してみたい人におすすめです。
積立は、あらかじめ積立額を設定し、毎月自動で投資信託を購入する方法。高いときには少なめに、安いときには多めに購入できるので、長期運用によって損失のリスクを分散できるメリットがあります。購入のタイミングを考える必要もないので、初心者にはとくにおすすめです。
楽天VTIは100円から投資できるので、元手が少なくても気軽に始められます。楽天VTIを運用していくなかで、損失が生じる可能性はゼロではありません。少額投資によって資産の減少を最小限にとどめられるのも、大きなメリットといえるでしょう。
楽天VTIでは、分配金がない代わりに運用益をさらに投資に回すため、複利効果を期待できます。
分配金とは、運用会社から投資信託を保有している人に対して分配される運用益のこと。分配金は定期的に支払われるので、短期間で利益を確保できるのがメリットといえるでしょう。
楽天VTIでは分配金がないため一見デメリットに感じられるかもしれませんが、利益を分配金ではなくさらに投資に回すことで、複利効果が期待できます。
複利効果とは、長期的に運用することで利益が利益を生む効果のことです。複利効果が見込めれば、資産を雪だるま式に増やせます。コツコツと積み立てて、着実に利益を伸ばしていきたい人にはとくにおすすめです。
楽天カードのクレジット決済で投資信託を積立購入すれば、0.5〜1.0%のポイント還元を受けられます。楽天VTIの購入も対象なので、ポイントを貯めることが可能です。還元率は積み立てる投資信託によって異なるので、事前に確認しておきましょう。
楽天カード・楽天キャッシュともに月5万円まで設定が可能です。最大10万円分がポイント還元の対象となるので、できる限り活用してお得に資産形成を始めましょう。
短期ではなく長期運用で利益を出したい人は、楽天VTIへの投資がおすすめ。楽天VTIは一時的な下落を経験しながらも長期的にみれば価格が上昇しているため、今後も順調に推移していくことが期待できます。長期運用ができれば、利益が利益を生み出す複利効果も最大限に享受することが可能です。
楽天VTIは、リスクを抑えながら幅広く米国株へ投資したい人にも最適。世界的大企業から中小企業まで、米国市場のほぼすべてを網羅する約4,000種類の銘柄に分散投資できます。
自分で投資銘柄を選べない投資初心者や多忙な人も、楽天VTIに投資するのがよいでしょう。楽天VTIには、運用のプロが選んだ銘柄があらかじめ含まれているため、自分で投資銘柄を選ぶ必要がありません。
日頃から楽天のサービスを利用していて、ポイントを効率的に貯めたいと考えている人にも楽天VTIがおすすめ。楽天VTIを楽天カードや楽天キャッシュで積立購入すれば、効率的にポイントを貯められます。
ここからは、楽天証券で楽天VTIに投資する方法を解説します。
楽天VTIの紹介ページから「積立注文」に進み、引落方法と積立指定日を選択しましょう。引落方法には、ポイント還元を受けられる楽天カード・楽天キャッシュを指定するのがおすすめです。
次に、積立金額を入力しましょう。投資信託の積立購入にポイントを利用したい人は、あわせてポイント利用設定を行う必要があります。
分配金コースと口座区分の選択に進みましょう。分配金コースは、再投資型・受取型の2種類ですが、楽天VTIに分配金はないので再投資型を選択すれば問題ありません。
口座区分は、特定・一般・つみたてNISAで注文の3種類。特定か一般かで迷ったときは、確定申告に必要な年間取引報告書の作成を楽天証券に任せられる特定を選択するのがおすすめ。
最後に、楽天VTIの基本情報などが記載された目論見書や設定内容、初回買付日などを確認したあと、取引暗証番号を入力し、「注文する」をクリックすれば積立注文は完了です。注文後はWebサービスにログインし、積立設定を確認しておきましょう。
まずは、楽天VTIの紹介ページから「スポット購入」に進みましょう。最新の目論見書が未閲覧の場合は、閲覧を求められます。
次に、購入金額を入力しましょう。100円以上1円単位で購入できるほか、ポイントを利用することも可能です。
分配金コースと口座区分の選択に進みます。分配金コースは再投資型、口座区分もデフォルトのとおりに特定を選択するのがよいでしょう。確定申告の手続きを自分で行う場合は、口座区分を一般にしておく必要があります。
最後に、目論見書や注文内容を確認したあと、取引暗証番号を入力し、「注文」をクリックすればスポット注文は完了です。注文後はWebサービスにログインし、正しく購入されているかを確認しておきましょう。
楽天証券の取引アプリiSPEEDは投資信託の取引に対応していないので、楽天VTIも購入できません。楽天証券の公式サイトから購入手続きを行う必要があります。
投資信託の検索画面からキーワードで楽天VITを探す場合、「楽天・全米株式インデックス・ファンド」「全米株式インデックス」「全米株式」と入力しましょう。楽天VTIは正式名称ではないので、検索しても正しく表示されません。
楽天VTIの商品名は、 楽天・全米株式インデックス・ファンドです。
2022年10月11日現在、1万口あたりの値段を示す基準価額は19,128円、組み込まれている株式や債券などの時価総額を示す純資産額は6,713.67億円。
決算日は原則、毎年7月15日です。資産の運用手数料である信託報酬は0.162%。投資している資産から差し引かれるので注意しておきましょう。楽天VTIを購入する際の手数料は無料です。
楽天証券の特徴をより詳しく知りたい人は、以下の記事もチェックしてみてください。手数料や取扱商品などを全26社と比較しながら徹底解説しているので、口座開設を検討する際の参考になるはずです。
本サイトは情報提供が目的であり、個別の金融商品に関する契約締結の代理や媒介、斡旋、推奨、勧誘を行うものではありません。本サイト掲載の情報に基づいて被ったいかなる損害についても、当社及び情報提供者は一切の責任を負いません。
米国株式のほぼすべてに投資ができる、楽天証券の楽天VTI。楽天VTIに興味があるものの、特徴やどんな人に向いているのかが分からず、一歩踏み出せない人も少なくないはずです。本記事では、楽天VTIの特徴や手数料・配当金などを徹底的に解説します。購入方法や購入時の注意点も詳しく紹介しているので、ぜひ...
ネット証券
楽天ポイントを利用した投資ができる、楽天証券の新NISAのつみたて投資枠。始めてみたいと思っても、口座開設手順が分からない人や投資信託選びに悩んでいる人は多いのではないでしょうか。今回は、楽天証券でのつみたて投資枠の始め方や、商品の買い方について詳しく解説します。口座の開設方法や、らくらく投資...
ネット証券
手数料の安さや便利な取引ツールなど、手厚いサービスで人気のSBI証券。新たに口座開設を検討している人や、すでにSBI証券で取引をしている人のなかには、お得なキャッシュバックやポイント進呈を受けられるキャンペーンを知りたい人も多いのではないでしょうか。本コンテンツでは、2024年11月現在、SB...
ネット証券
証券口座に入金したらスピーディに反映されて、金融商品の取引などに使えるSBI証券。実際にSBI証券を使っているものの、入金する方法にどんなものがあるのか、どの金融機関を利用できるのかがわからずに困っている人も少なくないようです。そこで今回は、SBI証券の4つの入金方法についてわかりやすく解説し...
ネット証券
業界屈指の格安手数料やお得なポイントサービスが魅力のSBI証券。クレジットカードでの積立を検討しているものの、クレカ積立で何ができるのかわからない、始め方を教えてほしいなど、さまざまな疑問が生じてしまい、一歩踏み出せずにいる人も少なくないでしょう。本記事では、SBI証券のクレカ積立の基本情報な...
ネット証券
投資を始めるために、まず必要になるのが証券口座。なかでも高い人気を誇るのが、楽天証券です。興味はあるものの、口座開設のやり方がよくわからずつい先延ばしにしてしまっている人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、楽天証券の口座開設のやり方を詳しく解説します。さらに、取引の始め方や口座開設に関す...
ネット証券
使い勝手がよく、ポイントも活用できることで人気の楽天証券。楽天証券ポイントコースと楽天ポイントコースの2種類から好きなほうを選べますが、それぞれの内容についてよくわからないと感じている人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、楽天証券で選べる2つのポイントコースの違いを詳しく解説します。どの...
ネット証券
長期にわたって成長し続け、投資家からの人気も高い米国株。業界最多水準の銘柄を取扱うSBI証券で、米国株の運用を検討しているものの、国内株とは買い方が異なり戸惑っている人も多いでしょう。そこで今回は、SBI証券の米国株や米国ETFの購入方法について解説します。口座開設からアプリの使用方法まで詳し...
ネット証券
数ある証券会社のなかでも、人気の高いSBI証券。SBI証券で口座を開設して、株取引をはじめようとしている人も多いのではないでしょうか。しかしいざ株を購入しようと思っても、どのように操作してどれを選択すればいいのかわからず困ってしまいますよね。そこで今回は、SBI証券の株の買い方について初心者に...
ネット証券
WEBサイトで金融商品の取引などをするときに必要な、SBI証券の取引パスワード。忘れてしまったときの対処法や、WEBサイトに入るときに必要なログインパスワードとの違いがわからず、困っている人も少なくないようです。そこで今回は、SBI証券の取引パスワードについてわかりやすく解説します。取引パスワ...
ネット証券
同時に口座を開設すると多くのメリットを受けられる、楽天証券と楽天銀行。メリットが多いものの、同時開設した場合のデメリットや、同時に利用するときの注意点が気になっている人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、楽天証券と楽天銀行の口座を同時開設するデメリットや注意点について解説します。楽天証券...
ネット証券
取扱商品の数や手数料の安さなどが魅力のSBI証券。Vポイント投資の利用を検討しているものの、Vポイント投資でどんなことができるのか教えてほしい、始め方が知りたいなど、さまざまな疑問を感じている人も多いはずです。本記事では、SBI証券のVポイント投資とは何かを徹底的に解説します。Vポイント投資の...
ネット証券
国内株式の売買手数料の無料化がスタートすることで、注目を集めているSBI証券。この機会に資産運用をはじめたいと考えているものの、手続きの流れがわからない人や、デメリットがあるのではないかと不安を感じている人も多いでしょう。今回は、SBI証券で口座開設する方法を詳しく紹介します。口座を開設するメ...
ネット証券
数ある証券会社のなかでも人気のSBI証券。証券取引をはじめるにあたって、SBI証券を選択した人も多いのではないでしょうか。そんなSBI証券には手数料プランが2種類あり、アクティブランとスタンダードプラン、どちらを選ぶか迷ってしまいますよね。そこで今回は、SBI証券のスタンダードプランとアクティ...
ネット証券
初心者でも株式投資を始めやすい楽天証券。楽天証券で株取引をしたいと思っているものの、株取引の始め方や株を買う方法がわからず、悩んでいる人も多いはずです。そこで今回は、楽天証券での株の買い方をわかりやすく解説します。実際に国内株式を注文する方法や、手軽に株を注文できるアプリ「iSPEED」の使い...
ネット証券