高室、夢広がった大舞台全米で新設ジュニア部門準V車いすテニス
【ニューヨーク時事】テニスの全米オープンで、四大大会では初めて設けられた車いすジュニア部門の女子シングルスで高室侑舞(荏原SSC)が準優勝を果たした。10日に行われた決勝は最終セットにマッチポイントを握りながらもタイブレークの末に競り負け、「弱気になっていた。鼓舞して上げようとしていたが、上がらなかった」。初代王座にあと一歩届かず、大坂なおみに憧れる15歳は悔しさをにじませた。
シングルスでは初めての海外での大会。全米オープンの出場が決まったのは8月後半で、会場入りしてからようやく実感が湧いたという。第2シードの選手を破るなど躍進。「こんなにたくさんのお客さんがいて、自分のプレーを披露することはいつもないので、ずっと緊張していた」と初々しく振り返った。
4人きょうだいの末っ子で、姉の冴綺も車いすテニスの選手。病気で小学3年から車いすを使うようになった。「スポーツを通して分かり合えることがある」と競技に真剣に取り組んできた。
2028年ロサンゼルス・パラリンピック出場を当面の目標に掲げていたが、予定していなかった大舞台を経験したことで、新たな自信とモチベーションが生まれた。「ここまでの成績が出るということは他の国際大会でもできると思う。次は来年の全米オープン優勝を目指して頑張りたい」。ホテルの部屋から見えるマンハッタンの華やかな街並みに感動しながら、夢はさらに広がった。[写真はAFP=時事](2022年09月12日)