高さ世界一のタワーと認定された新電波塔「東京スカイツリー」が完成し、2012年4月17日に報道陣にお披露目された。営業開始は5月22日だが、地上450メートルの高さにある第2展望台「天望回廊」が初めて公開され、その高さには圧倒された。残念なことに公開当日は曇りで、地平線を見ることはできなかったが、晴れていれば「地球の丸みを実感できる」景色が開けたはずだ。
東京スカイツリーは、高さは634メートル。ワイヤーなどを用いない自律式の電波塔としては世界一の高さで、東京タワーに代わり、テレビ局が地上デジタル放送用電波塔として利用する。着工は08年7月14日、およそ3年半をかけ、総事業費約650億円、延べ58万人が建設作業に従事して完成した。地震や強風の揺れにも耐えられるよう、伝統建築の五重塔を参考にした構造を採用したのも特長だ。
地上350メートルの高さに第1展望台、同450メートルに第2展望台が設けられ、入場料は当日券で第1展望台が2000円(大人)、第2展望台はさらに1000円(同)が必要。開業当初は混雑が予想されるため、1カ月半程度は完全予約制になっている。
東京スカイツリー周辺には310店舗が入る商業施設「東京ソラマチ」や地上31階建ての高層ビル、水族館などもオープンする。今回のプレスレビューは、スカイツリー本体だけが対象で、周辺施設はまだ工事中だった。
東京スカイツリーは、基部に5階建てのビルがあり、そこから上にタワー部分が伸びている。西側に東武スカイツリーラインの「とうきょうスカイツリー駅」、東側に都営地下鉄浅草線・東京メトロ半蔵門線の押上駅がある。今回は押上駅のB3出口を利用したが、階段を上がると、目の前にスカイツリー本体がそびえ立っていた。
基部のビルは1階が団体用フロアで、チケットカウンターやロビーなどがある。今回は個人用のコースが公開されたため、まずエレベーターで4階フロアまで上がった。ブリーフィングの後、チケットカウンターで第1展望台へのチケットを受け取ると、自動改札を抜けてエレベーターに向かう。エレベーターホールの入り口には空港のように「出発ゲート」と書いてあり、展望台は天空の異世界というコンセプトになっているようだ。
エレベーターは40人乗りで、スピードは分速600メートルという超高速。第1展望台まで40秒程度しかかからない。ただ、350メートルを一気に上がるため、エレベーター内の気圧が下がる。敏感な人は耳がおかしくなることもあるので注意が必要だ。
第1展望台には「天望デッキ」という名前が付いていて、内部は3層構造になっている。下層が340フロア、中層が345フロア、上層が350フロアと呼ばれている。数字はそれぞれの標高を意味している。天望デッキにもいろいろ見どころはあるのだが、今回はまず第2展望台に向かう。
出発ゲートから第2展望台に直行はできず、天望デッキ高層部の350フロアで別のエレベーターに乗り換えなければならない。350フロアには第2展望台へ入場する専用チケットカウンターがあり、ここでチケットを受け取り、改札をした上でエレベーターに向かう。
第2展望台へのエレベーターは、扉と天井がシースルーになっていた。上を見上げていると、鉄骨で囲まれた空間をエレベーターが昇っていくのがよく分かる。これを見れば子どもは大喜びするに違いないが、大人でも面白いはずだ。
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