フリースタイルスキー・モーグル女子のトップ選手として活躍した伊藤みきさん(31)が5月に現役引退を表明した。1998年長野五輪金メダリストの里谷多英や、五輪5大会連続入賞の上村愛子に続く実力者として台頭。2006年トリノから3大会連続五輪代表で、世界選手権やワールドカップの表彰台に立つ経験も。けがとの闘いもあった競技生活を振り返った。(時事通信運動部 山下昭人)
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―引退を決め、どんな心境か。
競技者として終わったんだなとほっとしたところもあるし、頑張っていたんだなという思いもあります。五輪のメダルという目標に届かず、全く後悔がないわけではないけれども、真摯(しんし)に取り組めた。
―競技を退く決断の経緯は。
(2022年の)北京五輪に向けてできるかという時、できないなと思った。毎試合、「これが最後かもしれない」とベストを貪欲に出し切れた思いがあった。北京五輪に向けてのプランが見えなくて、そういう中途半端な気持ちで今まで競技に向き合っていなかったから、違うなと思って。
―競技生活で最高の思い出は。
(13年の)世界選手権で、シングル(モーグル)の銀メダルを取れた。それまで(五輪種目ではない)デュアルモーグルで道を押し破ってきたところがあったけど、シングルで評価されて五輪につながるという思いがすごく強く、自分の人生を変えられたという気持ちが大きかった。それは一番うれしかったですね。
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