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柔道の元世界女王・宇高菜絵、大きな挑戦

監督兼任で新チームへ

 柔道女子57キロ級で2014年の世界選手権を制覇した宇高菜絵(35)が、4月1日に設立されたブイ・テクノロジー女子柔道部の選手兼監督になった。現段階で在籍選手は本人だけ。文字通り一からのスタートだ。13年間所属した実業団女子の名門、コマツを離れた。柔道に出会って30年目。区切りの年を迎えたベテランは、大きなチャレンジへと一歩を踏み出した。(時事通信運動部 岩尾哲大)

◇「野獣」としのぎ削る

 57キロ級で04年の全日本ジュニア選手権を制すなど、若くして頭角を現した。07年のユニバーシアードで優勝。世界選手権、さらには五輪を目指した。大外刈りの名手。畳にたたきつけるような豪快さがあり、本人のこだわりも強い。

 同じ階級でしのぎを削ってきたのが、12年ロンドン五輪金メダリストの松本薫さんだ。試合中の闘争心あふれる表情から「野獣」の異名を取った松本さんは帝京大の後輩でもある。宇高は「お互いに勝っても負けても、いい関係」と言う。良きライバルで尊敬できる存在、さらにプライベートで交友が続く仲でもある。

 10年の全日本選抜体重別選手権。宇高は決勝で松本さんを破って初優勝を果たし、初めて世界選手権の切符をつかんだ。地元開催(東京)だったが、3回戦で敗退。同階級には松本さんも出場して優勝し、2年後の五輪制覇につなげた。

 宇高にとって2度目の出場となった14年8月の世界選手権(ロシア・チェリャビンスク)。若手の台頭もある中で代表権を獲得した。今度は松本さんが2回戦で敗れた中、宇高が頂点へ。29歳にして初の世界一に輝いた。その年の3月、子どもの頃に柔道を教えてくれた父の誠二さんが他界。大舞台から天国の父へ、感謝の思いを届けることができた。

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