えん【鉛】
なまり【鉛】
鉛(Pb)
鉛および鉛化合物は有害物質として古くから知られています。他の重金属と同じく原形質毒で造血機能を営む骨ずい神経を害し,貧血,血液変化,神経障害,胃腸障害,身体の衰弱等をおこし強度の中毒では死亡します。金属鉛は常温では蒸発しませんが,ふんじんとして吸収し,あるいは経口的に摂取するおそれがあります。水道水0.05mg/L以下,環境基準(水質)0.01mg/L以下,排水基準0.1mg/L以下
大気汚染防止法による排出基準,鉛及びその化合物,ガラス製品の製造20mg/Nm3,鉛,銅,亜鉛の精錬溶解炉等10~30mg/Nm3
鉛(Pb)
C.I.ピグメントメタル4
鉛(Pb)
鉛
なまり(鉛)
鉛
姓 | 読み方 |
---|---|
鉛 | なまり |
鉛
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/10/08 16:45 UTC 版)
この記事は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。(2007年12月) |
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外見 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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銀白色 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
一般特性 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
名称, 記号, 番号 | 鉛, Pb, 82 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
分類 | 貧金属 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
族, 周期, ブロック | 14, 6, p | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
原子量 | 207.2 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
電子配置 | [Xe] 4f14 5d10 6s2 6p2 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
電子殻 | 2, 8, 18, 32, 18, 4(画像) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
物理特性 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
相 | 固体 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
密度(室温付近) | 11.34 g/cm3 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
融点での液体密度 | 10.66 g/cm3 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
融点 | 600.61 K, 327.46 °C, 621.43 °F | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
沸点 | 2022 K, 1749 °C, 3180 °F | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
融解熱 | 4.77 kJ/mol | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
蒸発熱 | 179.5 kJ/mol | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
熱容量 | (25 °C) 26.650 J/(mol·K) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
蒸気圧 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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原子特性 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
酸化数 | 4, 2(両性酸化物) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
電気陰性度 | 2.33(ポーリングの値) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
イオン化エネルギー | 第1: 715.6 kJ/mol | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
第2: 1450.5 kJ/mol | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
第3: 3081.5 kJ/mol | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
原子半径 | 175 pm | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
共有結合半径 | 146 ± 5 pm | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ファンデルワールス半径 | 202 pm | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
その他 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
結晶構造 | 面心立方 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
磁性 | 反磁性 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
電気抵抗率 | (20 °C) 208 nΩ⋅m | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
熱伝導率 | (300 K) 35.3 W/(m⋅K) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
熱膨張率 | (25 °C) 28.9 μm/(m⋅K) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ヤング率 | 16 GPa | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
剛性率 | 5.6 GPa | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
体積弾性率 | 46 GPa | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ポアソン比 | 0.44 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
モース硬度 | 1.5 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ブリネル硬度 | 38.3 MPa | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
CAS登録番号 | 7439-92-1 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
主な同位体 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
詳細は鉛の同位体を参照 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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鉛(なまり、英: Lead、独: Blei、羅: Plumbum、仏: Plomb)とは、典型元素の中の金属元素に分類される、原子番号が82番の元素である。元素記号は Pb である。
名称
日本語名称の「鉛(なまり)」は「生(なま)り」=「やわらかい金属」からとの説がある。元素記号はラテン語での名称 plumbum に由来する。大和言葉では「青金(あおがね)」という。
特徴
炭素族元素の1つ。原子量は約207.19、比重は11.34である。錆で覆われた表面は鉛色と呼ばれる青灰色となる。人類の歴史上、広く使われてきた代表的な重金属である。主に、鉛の硫化鉱物である方鉛鉱の形で産出する。
同位体
全元素中で最も質量数の大きい安定同位体を持つ元素としてビスマスが挙げられることも多いものの、長らくビスマスの唯一の安定同位体だと信じられてきた209Biは、実際には安定同位体ではなかったことが確認された。このため、通常、鉛が全元素中で最も質量数の大きい安定同位体を持つ元素として挙げられ、鉛の同位体の1つである208Pbが、最も質量数の大きい安定同位体と言われている。また、ウランやトリウムなどの鉛よりも原子番号の大きな放射性元素が壊変すると、一般的に、最終的には鉛の同位体のうち、206Pbか207Pbか208Pbを生じるとされている。しかし、実は鉛にも安定同位体は1つも存在しないのではないかとも言われ始めている。事実、長らく安定同位体と信じられてきた204Pbも、実は安定同位体ではなかった。
なお、元になった親核種により最終的に生成する鉛の同位体が異なるため(崩壊系列を参照)、鉛の同位体組成は産地ごとに違った特徴を持つ。つまり、ウランやトリウムが集まりやすい場所で産出した鉛は、これらが崩壊した結果生成する同位体を多く含む。これを利用して、出土品や汚染物質の起源を推定することができる。
性質
他の金属と比べると錆びやすく、見かけ上すぐに黒ずむが、酸化とともに表面に酸化皮膜が形成されるため、腐食が内部に進みにくい。また、多くの無機塩が水に不溶であるため水中でも腐蝕しにくい。
ハロゲンおよびカルコゲンなどと加熱により直接反応して化合物を生成する。希塩酸および希硫酸とは表面に難溶性塩を生じて反応しにくいが、硝酸とは容易に反応する。酢酸イオンとの親和力が比較的強く、空気(酸素)の存在下において酢酸水溶液にも溶解して酢酸鉛を生成する[1]。
地球の地殻における鉛の含有率は約8 ppmと推定されており[3]、これは決して多いとは言えない。しかし、硫化鉱物として広く存在し、採掘および製錬が比較的容易なことから亜鉛と同様に安価な金属である。
単体の自然鉛として存在することは稀であり、硫化物の方鉛鉱として広く分布し、黒鉱鉱床など銅、亜鉛などと共存することが多い。また方鉛鉱が酸化した硫酸鉛鉱、炭酸塩である白鉛鉱、クロム酸塩である紅鉛鉱なども産出する。また火成岩中、特に花崗岩に微量含まれ、イオン半径が近い長石中のカリウムを置換している[4]。
鉛鉱石を構成する鉱石鉱物には、方鉛鉱(PbS)などがあげられる。
原料は方鉛鉱が最も重要であり、焙焼工程および還元を経て粗鉛が取り出され、ついで湿式法または乾式法により精錬される[2]。
まず選鉱により純度を高めた方鉛鉱を焙焼により酸化鉛とし、ついでコークスにより還元して粗鉛を得る。
鉛の現在の用途は、鉛蓄電池の電極、金属の快削性向上のための合金成分(快削鋼、快削黄銅、アルミ合金A2011など)、鉛ガラス(光学レンズやクリスタルガラス)、美術工芸品(例えばステンドグラスの縁)、防音・制振シートや免震用ダンパー、銃弾、電子材料(チタン酸鉛)などである。
また、金属の中では比較的比重が大きいので放射線遮蔽材として鉛ガラスや鉛シートなどの形で用いられる。例えば核戦争を想定した戦車の内壁や、X線撮影施設の窓ガラス、ブラウン管用ガラスには鉛が含まれている。
また、釣りなどで用いられるおもり(シンカー)の材料としても鉛は用いられている。しかし、近年鉛の毒性が問題となったために、鉛に代わるおもりの素材としてタングステンなどの導入が進められている。それでも、加工のしやすさやコストの面から、未だにこの用途での鉛の需要は根強い。
その質量と柔らかい特性を活かし、ピアノの鍵盤のウエイトに用いられている。鍵盤の側面に穴を開け鉛を差し込み、叩くことで鉛が広がり固定される。
意外なところでは、三味線を演奏するときに使う「木バチ」の重りとしても使われている。このため「木バチ」を処分する際は、鉛を取り出す必要がある。
※取り出さずにゴミとして処分すると、焼却炉の中で溶けて重大な汚染を生じる危険性がある。
鉛やその合金は融点が低く加工が容易でコストも安いことから鉛の兵隊、メタルフィギュアのような玩具、ホビー、工芸品などにも多く利用されてきた。
この他、灯油やホワイトガソリンなどの液体燃料を加圧・気化して燃焼させるポータブルストーブやブロートーチ、ランタンでは、気密性と耐熱性の高さから継ぎ目のガスケットに現在でも鉛が用いられる。さらに、路面表示用白色塗料としても利用されている。
金属線を結節して圧着し、壊さずに金属線をほどくことができない封印としても古くから用いられている。
なお、かつては水道管やはんだ、おしろいなどに用いられた顔料についても鉛は大量に利用されていたものの、鉛を用いないものへの置き換えが進められている。
鉛とスズの合金としてはんだが知られ、低融点などの利点を持つため、古くから金属同士の接合に多用されてきた。
合金としてのアンチモニーは、鉛80%〜90%にアンチモン10%〜20%、このほか用途により錫(スズ)を少々混ぜた金属のことをいう[5]。小皿、優勝カップ、トロフィー、メダルなどに利用される[5]。なお、日本語でアンチモニーという場合には元素のアンチモン(英語名)のことを指す場合もある[5]。
無機鉛化合物は水に溶けにくいものが多いため急性中毒を起こす事は稀だが、テトラエチル鉛のような脂溶性の有機物質は細胞膜を通過して直接取り込まれるため、非常に危険である。長期的に見た場合、鉛は自然な状態の食物にも僅かに含まれるため常時摂取されており、一定量ならば尿中などに排泄されるので鉛に対して必要以上に神経質になる必要は無いとされる。しかし、有機化合物を摂取してしまったり、排泄を上回る鉛を長期間摂取すると体内に蓄積されて毒性を持つ。
生物に対する毒性としては、体表や消化器官に対する曝露(接触・定着)により腹痛・嘔吐・伸筋麻痺・感覚異常症など様々な中毒症状を起こすほか、血液に作用すると溶血性貧血・ヘム合成系障害・免疫系の抑制・腎臓への影響なども引き起こす。遺伝毒性も報告されている。主に呼吸器系からの吸引と、水溶性の鉛化合物の消化器系からの吸収によって体内に入り、骨に最も多く定着する。生体に取り込まれた鉛の生物学的な半減期は資料によって異なるが、一例として生体全体で5年、骨に注目すると10年という値が示されている。呼吸器からの吸引に対しては、鉛を扱う工場や、鉛を含む塗料や顔料を扱う作業などに多く、職業病としての側面がある[6][7][8]。
鉛が原因でもたらされる鉛疝痛に関する最初の記述は、古代ギリシャのヒポクラテスによってなされている[9]。古代ローマ時代は膨大な量の鉛が生産され、陶磁器の釉薬、料理器具、配管などにも使われていたために、ローマ人には死産、奇形、脳障害といった鉛中毒が普通に見られたと言われていた。しかしこの件は[9]、現在では俗説扱いされている。かつて西洋では鉛は「灰吹き法」など、金・銀・銅などを製錬するための媒介としてもさかんに利用された。
古代ローマでも、貴族たちが鉛製のコップでワインを飲むのを好んだため、鉛中毒者が続出したといわれる[9]。17世紀ごろから、ワインによる鉛中毒が論じられるようになってきたが、当時はワインを甘くする目的で、酢酸鉛が添加されていた[10]。例えば、ワインを愛飲していたベートーヴェンの毛髪からは、後の調査によって通常の100倍近い量の鉛が検出されたことから、その晩年にほぼ耳が聞こえなくなってしまった原因として、現在では鉛中毒が有力視されている[11]。
鉛害問題の対策として、次のような例がある。
西洋占星術や錬金術などの神秘主義哲学では土星を象徴するが、これは(錆を生じて)黒く重い鉛が、肉眼で確認できる惑星のなかで最も暗く動きの遅い土星と相似していると考えられたためである。また、魂の牢獄としての肉体、老化、鈍さなども象徴する。
インド錬金術で最も階層の低い金属とされる鉛は、ヴァースキの精子でできているとされ、ナーガ(蛇)と呼ばれる。また、金が死後、転生したものが鉛であるとされている。
鉛鉱石
製錬
はんだ
アンチモニー
毒性
鉛中毒の歴史
鉛害問題の対策
化合物
酸化物
その他
神秘学
脚注
関連文献
関連項目
外部リンク
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Db
Sg
Bh
Hs
Mt
Ds
Rg
Cn
Nh
Fl
Mc
Lv
Ts
Og
アルカリ金属 アルカリ土類金属 ランタノイド アクチノイド 遷移金属 その他の金属 半金属元素(半導体元素) その他の非金属 ハロゲン 貴ガス(希ガス) 不明
鉛
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2012/05/05 05:58 UTC 版)
「西オーストラリア州の鉱業」の記事における「鉛」の解説
鉛はヨーロッパ人の移住後、早期に採掘が開始された鉱物で、1839年に中西部のマーチソン川沿いで発見された。
※この「鉛」の解説は、「西オーストラリア州の鉱業」の解説の一部です。
「鉛」を含む「西オーストラリア州の鉱業」の記事については、「西オーストラリア州の鉱業」の概要を参照ください。
鉛
鉛
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