TVコマーシャルでしきりに目につくようになった大手ゼネコンの広告は、若い男女が輝く太陽のもとでそよ風に向かいながら手をつないで歩いていく、AIで作成したのだろう人工的で整った高層建築物には屋上か途中フロアに芝生の広がる庭園が広がり半裸の男女が寝そべって談話し、その脇にはベビーカーが置かれている、遠景にはこれまた高層建築が見えてその空間に空飛ぶ自動車が飛ぶ‥こんなコマーシャルだ。この人工的な都市空間には害虫もおらずカラスやスズメは空を飛ばず小川にはナマズやゲンゴロウはいないのだろう。ケッ!と私は言葉ならぬ言葉を吐き捨てる。あそこにいる人たちは「幸福なのだろうか?」と思う。清潔で整っていて健康で病気にもならず死を忘れたかのような日々の生活だ。健康は幸福の条件ではある。だがこの夫婦は喧嘩別れしたり夫・妻以外の人...[Ⅹ329]世は進歩しつつあるか‥(7)/大手ゼネコン哀歌